Ruby 1.8.7 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > gdbmライブラリ > GDBMクラス

class GDBM + Enumerable

クラスの継承リスト: GDBM < Enumerable < Object < Kernel

要約

GDBM ファイルをアクセスするクラス。

キー、データともに文字列でなければならないという制限と、 データがファイルに保存されるという点を除いては Hash クラスと 全く同様に扱うことができます。

特異メソッド

new(dbname, mode = 0666, flags = 0) -> GDBM

dbname で指定したデータベースをモードを mode に設定してオープンします。

[PARAM] dbname:
データベースの名前を指定します。
[PARAM] mode:
省略値は 0666 です。mode として nil を指定するとデータベースが 存在しない時には新たなデータベースを作らず nil を返します。
[PARAM] flags:
flags には、GDBM::FAST, GDBM::SYNC, GDBM::NOLOCK の論理和を指定します。デフォルト値は指定なし(つまり0)です。 flags に GDBM::READER, GDBM::WRITER, GDBM::WRCREAT, GDBM::NEWDB のいずれかを与えて読み書きのモードを指定できます。 これらをどれも指定しなかった場合には、 GDBM::WRCREAT, GDBM::WRITER, GDBM::READER の順で試します。
open(dbname, mode = 0666, flags = 0) -> GDBM
open(dbname, mode = 0666, flags = 0) {|db| ... } -> object

dbname で指定したデータベースをモードを mode に設定してオープンします。

ブロックを指定した場合、オープンした GDBM オブジェクトを 引数にブロックを実行します。実行後 GDBM オブジェクトをクローズ し、open メソッドはブロックの結果を返します。

[PARAM] dbname:
データベースの名前を指定します。
[PARAM] mode:
省略値は 0666 です。mode として nil を指定するとデータベースが 存在しない時には新たなデータベースを作らず nil を返します。
[PARAM] flags:
flags には、GDBM::FAST, GDBM::SYNC, GDBM::NOLOCK の論理和を指定します。デフォルト値は指定なし(つまり0)です。 flags に GDBM::READER, GDBM::WRITER, GDBM::WRCREAT, GDBM::NEWDB のいずれかを与えて読み書きのモードを指定できます。 これらをどれも指定しなかった場合には、 GDBM::WRCREAT, GDBM::WRITER, GDBM::READER の順で試します。
require 'gdbm'
GDBM.open("fruitstore.db") do |gdbm|
  gdbm.each_pair do |key, value|
    print "#{key}: #{value}\n"
  end
end

インスタンスメソッド

self[key] -> String

key をキーとする値を返します。

[PARAM] key:
キー。
self[key] = value

key をキーとして、value を格納します。

[PARAM] key:
キー。
[PARAM] value:
格納する値。
all? -> bool
all? {|item| ... } -> bool

すべての要素が真である場合に true を返します。 偽である要素があれば、ただちに false を返します。

ブロックを伴う場合は、各要素に対してブロックを評価し、すべての結果 が真である場合に true を返します。ブロックが偽を返した時点で、 ただちに false を返します。

例:

# すべて正の数か?
p [5,  6, 7].all? {|v| v > 0 }   # => true
p [5, -1, 7].all? {|v| v > 0 }   # => false
any? -> bool
any? {|item| ... } -> bool

すべての要素が偽である場合に false を返します。 真である要素があれば、ただちに true を返します。

ブロックを伴う場合は、各要素に対してブロックを評価し、すべての結果 が偽である場合に false を返します。ブロックが真を返した時点 で、ただちに true を返します。

例:

p [1, 2, 3].any? {|v| v > 3 }   # => false
p [1, 2, 3].any? {|v| v > 1 }   # => true
cachesize=(size)

内部のキャッシュのサイズを指定します。

詳しくは gdbm(3) の GDBM_CACHESIZE の項を参照ください。

[PARAM] size:
新しい内部のキャッシュサイズ。

[SEE_ALSO] gdbm(3)

clear -> self

DBM ファイルを空にします。

close -> nil

DBM ファイルをクローズします。

以後の操作は例外 RuntimeError を発生させます。

closed? -> bool

DBM ファイルが既に閉じられている場合は、真を返します。 そうでない場合は、偽を返します。

collect {|item| ... } -> [object]
map {|item| ... } -> [object]

各要素に対してブロックを評価した結果を全て含む配列を返します。

ブロックを省略した場合、 obj.collect {|item| item } を実行します。 これは Enumerable#to_a と同じです。

例:

# すべて 3 倍にする
p [1, 2, 3].map {|n| n * 3 }  # => [3, 6, 9]
count -> Integer
count(item) -> Integer
count {|obj| ... } -> Integer

レシーバの要素数を返します。

引数を指定しない場合は、レシーバの要素数を返します。 このとき、レシーバが size メソッドを持っていればそちらを使用します。 レシーバが size メソッドを持っていない場合は、要素数を一つずつカウントします。

引数を一つ指定した場合は、レシーバの要素のうち引数に一致するものの 個数をカウントして返します(一致は == で判定します)。

ブロックを指定した場合は、ブロックを評価して真になった要素の個数を カウントして返します。

[PARAM] item:
カウント対象となる値。

例:

ary = [1, 2, 4, 2]
ary.count             # => 4
ary.count(2)          # => 2
ary.count{|x|x%2==0}  # => 3
cycle(n=nil) -> Enumerable::Enumerator
cycle(n=nil) {|obj| ... } -> object | nil

Enumerable オブジェクトの各要素を n 回 or 無限回(n=nil)繰り返し ブロックを呼びだします。

n に 0 もしくは負の値を渡した場合は何もしません。 繰り返しが最後まで終了した場合(つまりbreakなどで中断しなかった場合) は nil を返します。 このメソッドは内部の配列に各要素を保存しておくため、 一度 Enumerable の終端に到達した後に自分自身を変更しても このメソッドの動作に影響を与えません。

a = ["a", "b", "c"]
a.cycle {|x| puts x }  # print, a, b, c, a, b, c,.. forever.
a.cycle(2) {|x| puts x }  # print, a, b, c, a, b, c.
[RETURN]
ブロックを指定しなかった場合は、Enumerable::Enumerator を返します。 レシーバが空の場合は nil を返します。
delete(key) -> object | nil
delete(key) {|key| ... } -> object

与えられた key に対応する項目を削除します。

[PARAM] key:
キーを指定します。
[RETURN]
指定したキーが存在する場合は、キーに対応する値を返します。 指定したキーが存在しない場合は、 nil を返します。 また、キーが存在しない場合にブロックを与えている場合は、ブロックを評価した結果を返します。
require 'gdbm'
GDBM.open("a.db") do |db|
  db['a'] = "aaa"
  db['d'] = "ddd"
  db.delete("a") # => "aaa"
  db.delete("b") # => nil
  db.delete("c"){|k| "c is missing" } # => "c is missing"
  db.delete("d"){|k| "d is missing" } # => "ddd"
end
delete_if { |key, value| ... } -> self
reject! { |key, value| ... } -> self

ブロックを評価した値が真であれば該当する項目を削除します。

このメソッドは self を破壊的に変更します。

find(ifnone = nil) -> Enumerable::Enumerator
detect(ifnone = nil) -> Enumerable::Enumerator
find(ifnone = nil) {|item| ... } -> object
detect(ifnone = nil) {|item| ... } -> object

要素に対してブロックを評価した値が真になった最初の要素を返します。

真になる要素が見つからず、ifnone も指定されていないときは nil を返します。 真になる要素が見つからず、ifnone が指定されているときは ifnone を call した結果を返します。

[PARAM] ifnone:
call メソッドを持つオブジェクト (例えば Proc) を指定します。

例:

# 最初の 3 の倍数を探す
p [1, 2, 3, 4, 5].find {|i| i % 3 == 0 }   # => 3
p [2, 2, 2, 2, 2].find {|i| i % 3 == 0 }   # => nil

# ifnone の使用例
ifnone = proc { raise ArgumentError, "item not found" }
p [1, 2, 3, 4, 5].find(ifnone) {|i| i % 7 == 0 }
    # ArgumentError: item not found
drop(n) -> Array

Enumerable オブジェクトの先頭の n 要素を捨てて、 残りの要素を配列として返します。

[PARAM] n:
捨てる要素数。
a = [1, 2, 3, 4, 5, 0]
a.drop(3)             # => [4, 5, 0]
drop_while -> Enumerable::Enumerator
drop_while {|element| ... } -> Array

ブロックを評価して最初に偽となった要素の手前の要素まで捨て、 残りの要素を配列として返します。

ブロックを指定しなかった場合は、Enumerable::Enumerator を返します。

a = [1, 2, 3, 4, 5, 0]
a.drop_while {|i| i < 3 }   # => [3, 4, 5, 0]
each {|key, value| ... } -> self
each_pair {|key, value| ... } -> self

各要素に対するイテレータです。

each_cons(n) -> Enumerable::Enumerator
enum_cons(n) -> Enumerable::Enumerator
each_cons(n) {|list| ... } -> nil
enum_cons(n) {|list| ... } -> nil

要素を重複ありで n 要素ずつに区切り、 ブロックに渡して繰り返します。

enum_cons は 1.9.1 以降ではなくなっています。 代わりに each_cons を使ってください。

[PARAM] n:
ブロックに渡す要素の数です。正の整数を与えます。 要素数より大きな数を与えると、ブロックは一度も実行されません。

例:

(1..10).each_cons(3){|v| p v }
# => [1, 2, 3]
#    [2, 3, 4]
#    [3, 4, 5]
#    [4, 5, 6]
#    [5, 6, 7]
#    [6, 7, 8]
#    [7, 8, 9]
#    [8, 9, 10]

[SEE_ALSO] Enumerable#each_slice

each_key {|key| ... } -> self

全ての key に対して繰り返すイテレータです。

each_slice(n) -> Enumerable::Enumerator
enum_slice(n) -> Enumerable::Enumerator
each_slice(n) {|list| ... } -> nil
enum_slice(n) {|list| ... } -> nil

n 要素ずつブロックに渡して繰り返します。

要素数が n で割り切れないときは、最後の回だけ要素数が減ります。

enum_slice は 1.9.1 以降ではなくなっています。 代わりに each_slice を使ってください。

[PARAM] n:
区切る要素数を示す整数です。

例:

(1..10).each_slice(3) {|a| p a}
    # => [1, 2, 3]
    #    [4, 5, 6]
    #    [7, 8, 9]
    #    [10]

[SEE_ALSO] Enumerable#each_cons

each_value {|value| ... } -> self

全ての value に対して繰り返すイテレータです。

each_with_index -> Enumerable::Enumerator
enum_with_index -> Enumerable::Enumerator
each_with_index {|item, index| ... } -> self

要素とそのインデックスをブロックに渡して繰り返します。

self を返します。

例:

[5, 10, 15].each_with_index do |n, idx|
  p [n, idx]
end
    # => [5, 0]
    #    [10, 1]
    #    [15, 2]
empty? -> bool

データベースが空の時、真を返します。

to_a -> [object]
entries -> [object]

全ての要素を含む配列を返します。

fastmode=(bool)

オープンしている GDBM オブジェクトのモードを変更します。

このオプションはデフォルトで on です。 このオプションは obsolete です。

このオプションが on のときは、GDBM はディスクへの書き込みを待たずに 次の操作を続けます。

[PARAM] bool:
新たにセットするモード。

[SEE_ALSO] GDBM::FAST, GDBM#syncmode=

fetch(key, ifnone = nil) {|key| ... } -> object

データベースから対応するキーを探してその要素の値を返します。

[PARAM] key:
探索するキー。
[PARAM] ifnone:
対応するキーが見つからなかった場合に返す値。
[EXCEPTION] IndexError:
ifnone が設定されていないときに、対応するキーが 見つからなかった場合に発生します。
require 'gdbm'

db1 = GDBM.open('aaa.gdbm', 0666, GDBM::NEWDB)
db1['a'] = 'aaa'
db1['b'] = 'bbb'

p db1.fetch('a')                            #=> 'aaa'
p db1.fetch('z', 'zzz')                     #=> 'zzz'
p db1.fetch('z'){|key| [:key, key] }        #=> [:key, 'z']
p db1.fetch('z', 'zzz'){|key| [:key, key] } #=> 'zzz'
p db1.fetch('z')                            #=> IndexError 発生

[SEE_ALSO] Hash#fetch

find_all -> Enumerable::Enumerator
select -> Enumerable::Enumerator
find_all {|item| ... } -> [object]
select {|item| ... } -> [object]

各要素に対してブロックを評価した値が真であった要素を全て含む配列を 返します。真になる要素がひとつもなかった場合は空の配列を返します。

find_index -> Enumerable::Enumerator
find_index {|obj| ... } -> Integer | nil

要素を先頭から順にブロックに渡して評価し、最初に真になった要素のインデックスを返します。 一つも真にならなければ nil を返します。

(1..10).find_index  {|i| i % 5 == 0 and i % 7 == 0 }   #=> nil
(1..100).find_index {|i| i % 5 == 0 and i % 7 == 0 }   #=> 34

ブロックを指定しなかった場合は、Enumerable::Enumerator を返します。

first -> object | nil
first(n) -> Array

Enumerable オブジェクトの最初の要素、もしくは最初の n 要素を返します。

Enumerable オブジェクトが空の場合、引数を指定しない形式では nil を返します。 引数を指定する形式では、空の配列を返します。

[PARAM] n:
取得する要素数。
e = "abcd".each_byte
e.first #=> 97
e.first(2) #=> [97,98]
e = "".each_byte
e.first #=> nil
e.first(2) #=> []
grep(pattern) -> [object]
grep(pattern) {|item| ... } -> [object]

pattern === item が成立する要素を全て含んだ配列を返します。

ブロックとともに呼び出された時には条件の成立した要素に対して それぞれブロックを評価し、その結果の配列を返します。 マッチする要素がひとつもなかった場合は空の配列を返します。

[PARAM] pattern:
「===」メソッドを持つオブジェクトを指定します。

例:

  ['aa', 'bb', 'cc', 'dd', 'ee'].grep(/[bc]/)  # => ["bb", "cc"]

Array.instance_methods.grep(/gr/) # => ["group_by", "grep"]
group_by -> Enumerable::Enumerator
group_by {|obj| ... } -> Hash

ブロックを評価した結果をキー、対応する要素の配列を値とするハッシュを返します。

(1..6).group_by {|i| i%3}   #=> {0=>[3, 6], 1=>[1, 4], 2=>[2, 5]}
has_key?(key) -> bool
key?(key) -> bool
include?(key) -> bool
member?(key) -> bool

key がデータベース中に存在する時、真を返します。

has_value?(value) -> bool
value?(value) -> bool

value を値とする要素がデータベース中に存在する時、真を返します。

[PARAM] value:
検索したい値。
member?(val) -> bool
include?(val) -> bool

val と == の関係にある要素を含むとき真を返します。

[PARAM] val:
任意のオブジェクト
index(val) -> String

値 val に対応するキーを返します。

対応する要素が存在しない時には nil を返します。 該当するキーが複数存在する場合、どのキーを返すかは不定です。

[SEE_ALSO] Hash#index

indexes(*keys) -> [String]
indices(*keys) -> [String]

各引数の値をキーとする要素の値を含む配列を返します。

このメソッドはobsoleteです。

[PARAM] keys:
検索したいキーです。
require 'gdbm'

db1 = GDBM.open('aaa.gdbm', 0666, GDBM::NEWDB)
db1['a'] = 'aaa'
db1['b'] = 'bbb'
p db1.indexes('a', 'b') #=> ["aaa", "bbb"]
inject(init = self.first) {|result, item| ... } -> object
inject(sym) -> object
inject(init, sym) -> object
reduce(init = self.first) {|result, item| ... } -> object
reduce(sym) -> object
reduce(init, sym) -> object

リストのたたみこみ演算を行います。

最初に初期値 init と self の最初の要素を引数にブロックを実行します。 2 回目以降のループでは、前のブロックの実行結果と self の次の要素を引数に順次ブロックを実行します。 そうして最後の要素まで繰り返し、最後のブロックの実行結果を返します。

要素が存在しない場合は init を返します。

初期値 init を省略した場合は、 最初に先頭の要素と 2 番目の要素をブロックに渡します。 また要素が 1 つしかなければブロックを実行せずに最初の要素を返します。 要素がなければブロックを実行せずに nil を返します。

[PARAM] init:
最初の result の値です。任意のオブジェクトが渡せます。
[PARAM] sym:
ブロックの代わりに使われるメソッド名を表す Symbol オブジェクトを指定します。 実行結果に対して sym という名前のメソッドが呼ばれます。

例:

# 合計を計算する。
p [2, 3, 4, 5].inject {|result, item| result + item }        #=> 14

# 自乗和を計算する。初期値をセットする必要がある。
p [2, 3, 4, 5].inject(0) {|result, item| result + item**2 }  #=> 54

この式は以下のように書いても同じ結果が得られます。

result = 0
[1, 2, 3, 4, 5].each {|v| result += v }
p result   # => 15

p [1, 2, 3, 4, 5].inject(:+)                    #=> 15
p ["b", "c", "d"].inject("abbccddde", :squeeze) #=> "abcde"
invert -> Hash

値からキーへのハッシュを返します。

require 'gdbm'

db1 = GDBM.open('aaa.gdbm', 0666, GDBM::NEWDB)
db1['a'] = 'aaa'
db1['b'] = 'bbb'
p db1.invert #=> {"aaa"=>"a", "bbb"=>"b"}
keys -> [String]

データベース中に存在するキー全てを含む配列を返します。

require 'gdbm'

db1 = GDBM.open('aaa.gdbm', 0666, GDBM::NEWDB)
db1['a'] = 'aaa'
db1['b'] = 'bbb'
p db1.keys #=> ["a", "b"]
length -> Integer
size -> Integer

データベース中の要素の数を返します。

現在の実現では要素数を数えるためにデータベースを全部検索します。

max -> object

最大の要素を返します。 全要素が互いに <=> メソッドで比較できることを仮定しています。

要素が存在しなければ nil を返します。 該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。

max {|a, b| ... } -> object

ブロックの評価結果で各要素の大小判定を行い、最大の要素を返します。 要素が存在しなければ nil を返します。

ブロックの値は、a > b のとき正、 a == b のとき 0、a < b のとき負の整数を、期待しています。

該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。

[EXCEPTION] TypeError:
ブロックが整数以外を返したときに発生します。
max_by -> Enumerable::Enumerator
max_by {|item| ... } -> object

各要素を順番にブロックに渡して実行し、 その評価結果を <=> で比較して、 最大であった値に対応する元の要素を返します。

要素が存在しないときは nil を返します。 該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。

Enumerable#maxEnumerable#max_by の 違いは Enumerable#sortEnumerable#sort_by の違いと同じです。

[SEE_ALSO] Enumerable#sort_by

min -> object

最小の要素を返します。 全要素が互いに <=> メソッドで比較できることを仮定しています。

要素が存在しなければ nil を返します。 該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。

min {|a, b| ... } -> object

ブロックの評価結果で各要素の大小判定を行い、最小の要素を返します。 要素が存在しなければ nil を返します。

ブロックの値は、a > b のとき正、a == b のとき 0、 a < b のとき負の整数を、期待しています。

該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。

[EXCEPTION] TypeError:
ブロックが整数以外を返したときに発生します。
min_by -> Enumerable::Enumerator
min_by {|item| ... } -> object

各要素を順番にブロックに渡して評価し、 その評価結果を <=> で比較して、 最小であった値に対応する元の要素を返します。

要素が存在しないときは nil を返します。

該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。

Enumerable#minEnumerable#min_by の 違いは Enumerable#sortEnumerable#sort_by の違いと同じです。

[SEE_ALSO] Enumerable#sort_by

minmax -> [object, object]
minmax {|a, b| ... } -> [object, object]

Enumerable オブジェクトの各要素のうち最小の要素と最大の要素を 要素とするサイズ 2 の配列を返します。

該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。

一つ目の形式は、Enumerable オブジェクトのすべての要素が Comparable を 実装していることを仮定しています。二つ目の形式では、要素同士の比較を ブロックを用いて行います。

a = %w(albatross dog horse)
a.minmax                                 #=> ["albatross", "horse"]
a.minmax{|a,b| a.length <=> b.length }   #=> ["dog", "albatross"]
[].minmax # => [nil, nil]

[SEE_ALSO] Enumerable#sort

minmax_by -> Enumerable::Enumerator
minmax_by {|obj| ... } -> [object, object]

Enumerable オブジェクトの各要素をブロックに渡して評価し、その結果を <=> で比較して 最小の要素と最大の要素を要素とするサイズ 2 の配列を返します。

該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。

Enumerable#minmaxEnumerable#minmax_by の 違いは sort と sort_by の違いと同じです。 詳細は Enumerable#sort_by を参照してください。

a = %w(albatross dog horse)
a.minmax_by {|x| x.length }   #=> ["dog", "albatross"]

[].minmax_by{} # => [nil, nil]

[SEE_ALSO] Enumerable#sort_by

none? -> bool
none? {|obj| ... } -> bool

ブロックを指定しない場合は、 Enumerable オブジェクトのすべての 要素が偽であれば真を返します。そうでなければ偽を返します。

ブロックを指定した場合は、Enumerable オブジェクトのすべての要素を ブロックで評価した結果が、すべて偽であれば真を返します。 そうでなければ偽を返します。

%w{ant bear cat}.none? {|word| word.length == 5}  #=> true
%w{ant bear cat}.none? {|word| word.length >= 4}  #=> false
[].none?                                          #=> true
[nil].none?                                       #=> true
[nil,false].none?                                 #=> true
one? -> bool
one? {|obj| ... } -> bool

ブロックを指定しない場合は、 Enumerable オブジェクトの要素のうち ちょうど一つだけが真であれば、真を返します。 そうでなければ偽を返します。

ブロックを指定した場合は、Enumerable オブジェクトの要素を ブロックで評価した結果、一つの要素だけが真であれば真を返します。 そうでなければ偽を返します。

%w{ant bear cat}.one? {|word| word.length == 4}   #=> true
%w{ant bear cat}.one? {|word| word.length >= 4}   #=> false
[ nil, true, 99 ].one?                            #=> false
[ nil, true, false ].one?                         #=> true
partition -> Enumerable::Enumerator
partition {|item| ... } -> [[object], [object]]

各要素を、ブロックの条件を満たす要素と満たさない要素に分割します。 各要素に対してブロックを評価して、その値が真であった要素の配列と、 偽であった要素の配列の 2 つを配列に入れて返します。

例:

[10, 9, 8, 7, 6, 5, 4, 3, 2, 1, 0].partition {|i| i % 3 == 0 }
 #=> [[9, 6, 3, 0], [10, 8, 7, 5, 4, 2, 1]]
reject {|key, value| ... } -> Hash

ブロックを評価した値が真であれば該当する要素を削除します。

self.to_hash.reject{|key, value| ... }

と同じです。

[SEE_ALSO] Hash#reject

reject -> Enumerable::Enumerator
reject {|item| ... } -> [object]

各要素に対してブロックを評価し、 その値が偽であった要素を集めた新しい配列を返します。 条件を反転させた select です。

例:

# 偶数を除外する (奇数を集める)
[1, 2, 3, 4, 5, 6].reject {|i| i % 2 == 0 }  # => [1, 3, 5]

[SEE_ALSO] Enumerable#select

reorganize -> self

DB ファイルの再編成を行います。

GDBM では、要素の削除を行っても DB ファイルのサイズは減少しません(削 除によって空いた領域は次の格納のために取っておかれます)。 このメソッドを呼び出すことで DBM ファイルを新規に作り直し無駄な領域をなく すことができます。

大量の削除を行ったときに、ディスクスペースの節約のために使用します。

replace(other) -> self

self の内容を other の内容で置き換えます。

[PARAM] other:
each_pair メソッドを持つオブジェクトでなければなりません。
require 'gdbm'

db1 = GDBM.open('aaa.gdbm', 0666, GDBM::NEWDB)
db1['a'] = 'aaa'
db1['b'] = 'bbb'
db2 = GDBM.open('bbb.gdbm', 0666, GDBM::NEWDB)
db2['c'] = 'ccc'
db2['d'] = 'ddd'
hash = { 'x' => 'xxx', 'y' => 'yyy'}

p db1               #=> #<GDBM:0xb7d1c8a8>
p db1.replace(db2)  #=> #<GDBM:0xb7d1c8a8>
p db1.replace(hash) #=> #<GDBM:0xb7d1c8a8>
reverse_each -> Enumerable::Enumerator
reverse_each {|element| ... } -> self

逆順に各要素に対してブロックを評価します。

内部で各要素を保持した配列を作ります。

select {|key, value| ... } -> [[String]]

ブロックを評価して真になった要素のみを配列に格納して返します。

require 'gdbm'

db1 = GDBM.open('aaa.gdbm', 0666, GDBM::NEWDB)
db1['a'] = 'aaa'
db1['b'] = 'bbb'
db1['c'] = 'ccc'

p db1.select{ |key, value| key == 'a' } #=> [["a", "aaa"]]
p db1.select{ |key, value| key != 'a' } #=> [["c", "ccc"], ["b", "bbb"]]

[SEE_ALSO] Hash#select

shift -> [String]

データベース中の要素を一つ取り出し、データベースから削除します。

require 'gdbm'

db1 = GDBM.open('aaa.gdbm', 0666, GDBM::NEWDB)
db1['a'] = 'aaa'
db1['b'] = 'bbb'

p db1.shift #=> ["a", "aaa"]
sort -> [object]
sort {|a, b| ... } -> [object]

全ての要素を昇順にソートした配列を生成して返します。

ブロックなしのときは <=> メソッドを要素に対して呼び、 その結果をもとにソートします。

<=> 以外でソートしたい場合は、ブロックを指定します。 この場合、ブロックの評価結果を元にソートします。 ブロックの値は、a > b のとき正、a == b のとき 0、 a < b のとき負の整数を、期待しています。 ブロックが整数以外を返したときは例外 TypeError が発生します。

Enumerable#sort は安定ではありません (unstable sort)。 安定なソートが必要な場合は Enumerable#sort_by を使って工夫する必要があります。 詳しくは Enumerable#sort_by の項目を参照してください。

※ 比較結果が同じ要素は元の順序通りに並ぶソートを 「安定なソート (stable sort)」と言います。

[SEE_ALSO] Enumerable#sort_by

sort_by -> Enumerable::Enumerator
sort_by {|item| ... } -> [object]

ブロックの評価結果を <=> メソッドで比較することで、self を昇 順にソートします。ソートされた配列を新たに生成して返します。

つまり、以下とほぼ同じ動作をします。

class Array
  def sort_by
    self.map {|i| [yield(i), i] }.
       sort {|a, b| a[0] <=> b[0] }.
       map {|i| i[1]}
  end
end

Enumerable#sort と比較して sort_by が優れている点として、 比較条件が複雑な場合の速度が挙げられます。 sort_by を使わない以下の例では比較を行う度に downcase が実行されます。 従って downcase の実行速度が遅ければ sort の速度が致命的に低下します。

p ["BAR", "FOO", "bar", "foo"].sort {|a, b| a.downcase <=> b.downcase }

一方、次のように sort_by を使うと downcase の実行回数は要素数と同じです。 つまり、その部分の実行時間は O(n) のオーダーです。

p ["BAR", "FOO", "bar", "foo"].sort_by {|v| v.downcase }

以下の、実行回数の検証結果を参照してみてください。

class Integer
  def count
    $n += 1
    self
  end
end

ary = []
1.upto(1000) {|v| ary << rand(v) }

$n = 0
ary.sort {|a,b| a.count <=> b.count }
p $n          # => 18200

$n = 0
ary.sort_by {|v| v.count }
p $n          # => 1000

Enumerable#sort_by は安定ではありません (unstable sort)。 ただし、sort_by を以下のように使うと安定なソートを実装できます。

i = 0
ary.sort_by {|v| [v, i += 1] }

※ 比較結果が同じ要素は元の順序通りに並ぶソートを 「安定なソート (stable sort)」と言います。

[SEE_ALSO] Enumerable#sort

store(key, val) -> [String]

key に対して val を格納します。

[SEE_ALSO] GDBM#[]=

sync -> self

要素の変更をファイルに反映します。

FAST モード(GDBM.open の第3引数に GDBM::FAST を指定)のときだけ意味があります。

注意

GNU gdbm version 1.8 以降より FAST モードがデフォルトになりました。

syncmode=(bool)

オープンしている GDBM オブジェクトのモードを変更します。

このオプションはデフォルトで off です。

このオプションが on のときは、GDBM はデータベースの変更操作ごとに データベースの状態を同期します。

[PARAM] bool:
新たにセットするモード。

[SEE_ALSO] GDBM::SYNC, GDBM#fastmode=

take(n) -> Array

Enumerable オブジェクトの先頭から n 要素を配列として返します。

[PARAM] n:
要素数を指定します。
a = [1, 2, 3, 4, 5, 0]
a.take(3)             # => [1, 2, 3]
take_while -> Enumerable::Enumerator
take_while {|element| ... } -> Array

Enumerable オブジェクトの要素を順に偽になるまでブロックで評価します。 最初に偽になった要素の手前の要素までを配列として返します。

a = [1, 2, 3, 4, 5, 0]
a.take_while {|i| i < 3 }   # => [1, 2]
to_a -> [[String]]

self の各要素を格納した配列を返します。

返される配列の1つの要素は [key, value] です。 つまり配列の配列を返します。

to_hash -> Hash

self の各要素を格納したハッシュを返します。

update(other) -> self

self と other の内容をマージします。

重複するキーに対応する値はother の内容で上書きされます。

[PARAM] other:
each_pair メソッドを持つオブジェクトでなければなりません。
values -> [String]

データベース中に存在する値全てを含む配列を返します。

values_at(*keys) -> [String]

keys に対応する値を配列に格納して返します。

[PARAM] keys:
キー。複数指定可能です。
require 'gdbm'

db1 = GDBM.open('aaa.gdbm', 0666, GDBM::NEWDB)
db1['a'] = 'aaa'
db1['b'] = 'bbb'
db1['c'] = 'ccc'

p db1.values_at('a', 'b') #=> ["aaa", "bbb"]
p db1.values_at('x', 'y') #=> [nil, nil]
zip(*lists) -> [[object]]
zip(*lists) {|v1, v2, ...| ...} -> nil

self と引数に渡した配列の各要素からなる配列の配列を生成して返します。 生成される配列の要素数は self の要素数と同じです。

ブロック付きで呼び出した場合は、 self と引数に渡した配列の各要素を順番にブロックに渡します。

[PARAM] lists:
配列を指定します。配列でない場合は to_a メソッドにより配列に変換します。

例:

p (1..3).zip([4,5,6], [7,8,9])
    # => [[1, 4, 7], [2, 5, 8], [3, 6, 9]]

p (1..2).zip([:a,:b,:c], [:A,:B,:C,:D])
    # => [[1, :a, :A], [2, :b, :B]]

p (1..5).zip([:a,:b,:c], [:A,:B,:C,:D])
    # => [[1, :a, :A], [2, :b, :B],
    #     [3, :c, :C], [4, nil, :D], [5, nil, nil]]

例:

p [1,2,3].zip([4,5,6], [7,8,9]) {|ary|
  p ary
}
    # => [1, 4, 7]
    #    [2, 5, 8]
    #    [3, 6, 9]
    #    nil

定数

FAST -> Fixnum

GDBM.open の第3引数に指定します。

書き込みの結果が、ディスク上のファイルにすぐに反映しなくなります。 このモードのときに結果を明示的にファイルに反映させるには GDBM#sync メソッドを呼びます。libgdbm version 1.8.0 以降ではこのモードがデフォルト です。

NEWDB -> Fixnum

GDBM.open の第3引数に指定します。

書き込みモードで、すでにファイルが存在したら削除してから作り直します。

NOLOCK -> Fixnum

GDBM.open の第3引数に指定します。

通常、他のプロセスが DB をオープンしている最中にオープンを行うと Errno::EWOULDBLOCK(または Errno::EAGAIN) 例外が発生します。 このフラグを指定していれば、他のプロセスがオープンしている最中でも同時 オープンすることができます。

この定数は libgdbm version 1.8.0 以降より有効です。

READER -> Fixnum

GDBM.open の第3引数に指定します。

読み込みモードでオープンします。

SYNC -> Fixnum

GDBM.open の第3引数に指定します。

書き込みの結果が、ディスク上のファイルにすぐに反映されます。 libgdbm version 1.8.0 以前のデフォルトモードです。

この定数は libgdbm version 1.8.0 以降より有効です。

VERSION -> String

libgdbm のバージョン情報の文字列です。

WRCREAT -> Fixnum

GDBM.open の第3引数に指定します。

書き込みモードで、すでにファイルが存在しなかったら作ります。

WRITER -> Fixnum

GDBM.open の第3引数に指定します。

書き込みモードでオープンします。

class GDBM