Ruby 1.8.7 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > opensslライブラリ > OpenSSL::Cipher::AES256クラス

class OpenSSL::Cipher::AES256 + OpenSSL::Cipher

クラスの継承リスト: OpenSSL::Cipher::AES256 < OpenSSL::Cipher < Object < Kernel

要約

鍵長 256 ビットの AES 暗号を表すクラス

特異メソッド

ciphers -> [String]

利用可能な暗号方式名を文字列の配列で返します。

OpenSSL::Cipher.ciphers
# => ["AES-128-CBC", "AES-128-CFB", "AES-128-CFB1", "AES-128-CFB8", "AES-128-ECB", "AES-128-OFB", "AES-192-CBC", ... ]
new(mode) -> OpenSSL::Cipher::AES256

鍵長 256 ビット AES 暗号オブジェクトを生成し、返します。

モードを文字列 mode で指定します。

指定可能なモードは OpenSSL::Cipher.ciphers で取得できます。

[PARAM] mode:
モード文字列
new(name) -> OpenSSL::Cipher

共通鍵暗号のアルゴリズム名を渡し、対応する暗号オブジェクトを生成します。

利用できるアルゴリズムはシステムにインストールされている openssl に依存します。 OpenSSL::Cipher.ciphers で利用可能な暗号のアルゴリズム名が得られます。

さまざまな方式がありますが、2006年現在 aes256 (aes-256-cbc) を用いるのが安心でしょう。

[PARAM] name:
暗号化方式の名前
[EXCEPTION] RuntimeError:
利用可能でない暗号化方式名を指定した場合に発生します
[EXCEPTION] OpenSSL::Cipher::CipherError:
初期化に失敗した場合に発生します

インスタンスメソッド

block_size -> Integer

暗号化のブロックのサイズをバイト数で返します。

decrypt(pass, iv = nil) -> self

復号化の準備をします。

暗号オブジェクトの内部状態を復号化のために初期化します。

pass と iv が渡された場合、これらを用いて鍵を生成し、暗号オブジェクトに 鍵と IV を設定します。このやりかたは非標準的であるため利用すべきではありません。

[PARAM] pass:
パスワード文字列
[PARAM] iv:
IV文字列
[EXCEPTION] OpenSSL::Cipher::CipherError:
準備に失敗した場合に発生します
encrypt -> self
encrypt(pass, iv = nil) -> self

暗号化の準備をします。

暗号オブジェクトの内部状態を暗号化のために初期化します。

pass と iv が渡された場合、これらを用いて鍵を生成し、暗号オブジェクトに 鍵と IV を設定します。このやりかたは非標準的であるため利用すべきではありません。

[PARAM] pass:
パスワード文字列
[PARAM] iv:
IV文字列
[EXCEPTION] OpenSSL::Cipher::CipherError:
準備に失敗した場合に発生します
final -> String

暗号オブジェクト内部に残されたデータを暗号化/復号化し、文字列で 返します。

パディング(OpenSSL::Cipher#padding=)を有効にしている場合は、 残されたデータにパディングを付加した上で暗号化します。

iv=(iv)

IV(Initialization Vector) を設定します。

[PARAM] iv:
IV文字列
iv_len -> Integer

必要な IV(Initialization Vector) の長さをバイト数で返します。

key=(key)

暗号鍵を設定します。

なお、ここでいう「暗号鍵」は各暗号アルゴリズムに渡される鍵であって、 「パスワード」ではありません。

key_len -> Integer

暗号鍵の長さをバイト数で返します。

key_len=(length)

暗号鍵の長さを変更します。

[PARAM] length:
新しく設定する長さ(バイト数)
[EXCEPTION] OpenSSL::Cipher::CipherError:
指定した長さが不適切である(暗号方式の規格上許されていない値である)場合に発生します
name -> String

暗号化アルゴリズムの名前を文字列で返します。

padding=(padding)

パディングを設定します。

1 でバディングを有効に、0で無効にします。

パディングを無効化した場合には、暗号化するデータのサイズはブロックサイズの 倍数でなければなりません。

暗号化する側と復号化する側でパディングの設定を一致させておかなければなりません。

[PARAM] padding:
1でパディングを有効、0で無効
[EXCEPTION] OpenSSL::Cipher::CipherError:
設定に失敗した場合に発生します
pkcs5_keyivgen(pass, salt=nil, num=2048, digest="md5") -> nil

pass と salt から鍵と IV を生成し、暗号オブジェクトに設定します。

このメソッドは PKCS#5 v1.5 で定義されている方法に 従って鍵と IV を生成します。PKCS#5 v1.5 と正しく互換するには digest は md5 か sha1 を使い、暗号アルゴリズムは RC2, RC4-40, DES のいずれかを使わなければなりません。

このメソッドの利用は推奨されません。これではなく PKCS#5 v2.0 に定義されている方法で鍵と IV を生成すべきです。

salt が nil である場合には salt なしと見なします。

num は必要なデータの生成でハッシュ関数を何回繰り返し適用するかを 指定します。最低でも1000を使うべきです。

[PARAM] pass:
パスワード文字列
[PARAM] salt:
鍵と IV を生成するための salt 文字列、長さは 8 byte でなければならない
[PARAM] num:
ハッシュ関数の適用回数
[PARAM] digest:
ハッシュアルゴリズムを指定する文字列もしくは OpenSSL::Digest のオブジェクト
[EXCEPTION] OpenSSL::Cipher::CipherError:
saltが8 byte でない場合や、鍵と IV の設定に失敗した場合に発生します

[SEE_ALSO] OpenSSL::PKCS5

random_iv -> String

IV を乱数で生成し、暗号オブジェクトに設定します。

生成した IV を文字列で返します。

random_key -> String

鍵を乱数で生成し、暗号オブジェクトに設定します。

生成した鍵を文字列で返します。

reset -> self

内部状態をリセットします。

鍵、IV、暗号化/復号化待ちデータなどがクリアされます。

update(data) -> String

渡された文字列を暗号化もしくは復号化して文字列として返します。

どちらがなされるかは直前に OpenSSL::Cipher#encrypt もしくは OpenSSL::Cipher#decrypt のいずれが呼びだされたかに よって決まります。

ブロック暗号を利用する場合は、暗号化/復号化はブロックサイズで規定された バイト数ごとに行われます。そのため余ったデータは暗号オブジェクト内部に 保存され、次の文字列が渡されたときに使われます。

暗号化/復号化すべきデータを渡し終えた後は、 OpenSSL::Cipher#final を呼びだして暗号オブジェクト内部に残されたデータを暗号化/復号化 する必要があります。

[PARAM] data:
暗号化/復号化する文字列
class OpenSSL::Cipher::AES256