Ruby 1.8.7 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > 組み込みライブラリ > Stringクラス > next

instance method String#next

succ -> String
next -> String

self の「次の」文字列を返します。

「次の」文字列は、対象の文字列の右端から アルファベットなら アルファベット順(aの次はb, zの次はa, 大文字も同様)に、 数字なら 10 進数(9 の次は 0)とみなして計算されます。

p "aa".succ        # => "ab"
p "88".succ.succ   # => "90"

"99" → "100", "AZZ" → "BAA" のような繰り上げも行われます。 このとき負符号などは考慮されません。

p "99".succ   # => "100"
p "ZZ".succ   # => "AAA"
p "a9".succ   # => "b0"
p "-9".succ   # => "-10"

self にアルファベットや数字とそれ以外の文字が混在している場合、 アルファベットと数字だけが「次の」文字になり、残りは保存されます。

p "1.9.9".succ # => # "2.0.0"

逆に self がアルファベットや数字をまったく含まない場合は、 単純に文字コードを 1 増やします。

p ".".succ     # => "/"

さらに、self が空文字列の場合は "" を返します。 このメソッドはマルチバイト文字を意識せず、 単に文字列をバイト列として扱います。

なお、succ と逆の動作をするメソッドはありません。 また、succ という名前の由来は successor です。

例:

p "aa".succ   # => "ab"

# 繰り上がり
p "99".succ   # => "100"
p "a9".succ   # => "b0"
p "Az".succ   # => "Ba"
p "zz".succ   # => "aaa"
p "-9".succ   # => "-10"
p "9".succ    # => "10"
p "09".succ   # => "10"

# アルファベット・数字とそれ以外の混在
p "1.9.9".succ # => # "2.0.0"

# アルファベット・数字以外のみ
p ".".succ     # => "/"
p "\0".succ    # => "\001"
p "\377".succ  # => "\001\000"

このメソッドは文字列の Range の内部で使用されます。

succ -> String [redefined by jcode]

String#succ の日本語対応版です。 「次の」文字列を返します。

以下のような次の文字列を返します。

"あaあ".succ => "あaぃ"
"rb".succ => "rc"
"_紅玉".succ => "_紅桐"

従来の String#succ は、 多バイト文字と半角文字が混在している文字列を 意図通りに処理することができません。 例えば上記のコードは、それぞれ "あbあ"、"sb"、"_紘玉"(最後のは SJIS 環境の場合の例で、 EUC-JP の場合はこうはなりません)を返します。

なお、"99" の次は "100" になるのに対し、 "99" の次は "100" にはならないことに注意。 "Az" や "zz" も同様です。つまり多バイト文字では 従来の String#succ のようなアルファベットや数字に 関する繰り上げを行わないということです。

class String