Ruby 1.9.3 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > irb/contextライブラリ > IRB::Contextクラス

class IRB::Context + Object

クラスの継承リスト: IRB::Context < Object < Kernel < BasicObject

要約

irb の設定を扱うためのクラスです。

irb 中で conf コマンドの戻り値や .irbrc で IRB.conf を操作する事で設定 を変更します。irb の起動後は IRB.conf の内容を更新しても変更の内容は反 映されない事に注意してください。

なお、.irbrc 中に記述できる以下の設定値については、IRB::Context オブジェクトのメソッドとして操作できません。

IRB.conf[:AT_EXIT]

irb の終了時(サブ irb を含みません)に本項目に設定された Proc オ ブジェクトを実行します。ブロック引数には何も渡されません。

デフォルト値は [] です。

IRB.conf[:CONTEXT_MODE]

新しいワークスペースを作成した時(サブ irb の起動や pushws した時)に、 ワークスペースに関連する Binding オブジェクトの作成方法を Integer で設定します。

0 を指定した場合、Kernel::TOPLEVEL_BINDINGProc 内の Binding を使用します。1 を指定した場合、Tempfile 中の Binding を使用します。2 を指定した場合、Thread 内で読み込 んだファイル中の Binding を使用します。3 を指定した場合、 Kernel::TOPLEVEL_BINDING の関数中の Binding を使用します。

ただし、IRB.conf[:SINGLE_IRB] に true を設定していた場合は、現在のワー クスペースをそのまま使用します。

デフォルト値は 3 です。

IRB.conf[:IRB_LIB_PATH]

ライブラリ内部で使用します。

IRB.conf[:IRB_RC]

irb の起動時(サブ irb を含みます)に本項目に設定された Proc オブ ジェクトを実行します。ブロック引数には IRB::Context が渡されます。 そのため、サブ irb の設定をまとめて実行するのに使用します。

デフォルト値は nil です。

irb/サブ irb の設定 も併せて参照してください。

IRB.conf[:LC_MESSAGES]

ライブラリ内部で使用します。

IRB.conf[:MAIN_CONTEXT]

ライブラリ内部で使用します。

IRB.conf[:SCRIPT]

ファイル名を指定して irb を実行した場合のパスを文字列で返します。

デフォルト値は nil です。

IRB.conf[:SINGLE_IRB]

irb 中で self を実行して得られるオブジェクトをサブ irb と共有するかど うかを設定します。true を設定した場合に共有されます。

デフォルト値は false です。

IRB.conf[:VERSION]

IRB.version を実行した時に返すバージョンを String で指定 します。

デフォルト値は nil です。

IRB.conf[:__MAIN__]

ライブラリ内部で使用します。

特異メソッド

new(irb, workspace = nil, input_method = nil, output_method = nil) -> IRB::Context

自身を初期化します。

[PARAM] irb:
IRB::Irb オブジェクトを指定します。
[PARAM] workspace:
IRB::WorkSpace オブジェクトを指定します。省略し た場合は新しく作成されます。
[PARAM] input_method:
StringIRB::InputMethod のサブクラスの オブジェクト、nil のいずれかを指定します。
[PARAM] output_method:
IRB::OutputMethod のサブクラスのオブジェクト を指定します。省略した場合は IRB::StdioOutputMethod オブジェクトが新しく 作成されます。
new -> Object

Objectクラスのインスタンスを生成して返します。

some = Object.new
p some #=> #<Object:0x2b696d8>

インスタンスメソッド

self !~ other -> bool

自身が other とマッチしない事を判定します。

self#=~(obj) を反転した結果と同じ結果を返します。

[PARAM] other:
判定するオブジェクトを指定します。

[SEE_ALSO] Object#=~

self == other -> bool

オブジェクトと other が等しければ真を返します。

このメソッドは各クラスの性質に合わせて再定義すべきです。 多くの場合、オブジェクトの内容が等しければ真を返すように (同値性を判定するように)再定義されることが期待されています。

デフォルトでは equal? と同じオブジェクト の同一性判定になっています。

[PARAM] other:
比較するオブジェクトです。
p("foo" == "bar") #=> false
p("foo" == "foo") #=> true

p(4 == 4) #=> true
p(4 == 4.0) #=> true

[SEE_ALSO] Object#equal?,Object#eql?

self === other -> bool

メソッド Object#== の別名です。 case 式で使用されます。このメソッドは case 式での振る舞いを考慮して、 各クラスの性質に合わせて再定義すべきです。

一般的に所属性のチェックを実現するため適宜再定義されます。

when 節の式をレシーバーとして === を呼び出すことに注意してください。

また Enumerable#grep でも使用されます。

[PARAM] other:
比較するオブジェクトです。
age = 12
result =
case age
when 0 .. 2
  "baby"
when 3 .. 6
  "little child"
when 7 .. 12
  "child"
when 13 .. 18
  "youth"
else
  "adult"
end

puts result #=> "child"

def check arg
  case arg
  when /ruby(?!\s*on\s*rails)/i
    "hit! #{arg}"
  when String
    "Instance of String class. But don't hit."
  else
    "unknown"
  end
end

puts check([]) #=> unknown
puts check("mash-up in Ruby on Rails") #=> instance of String class. But not hit...
puts check("<Ruby's world>") #=> hit! <Ruby's world>

[SEE_ALSO] Object#==, Range#===, Module#===, Enumerable#grep

self =~ other -> nil

右辺に正規表現オブジェクトを置いた正規表現マッチ obj =~ /RE/ をサポートするためのメソッドです。 常に nil を返します。

この定義により、=~ が再定義されたオブジェクトでは正常にマッチを行い、 それ以外のものは nil を返すようになります。

[PARAM] other:
任意のオブジェクトです。結果に影響しません。
obj = 'regexp'
p(obj =~ /re/) #=> 0

obj = nil
p(obj =~ /re/) #=> nil

[SEE_ALSO] String#=~

__inspect__ -> String

自身を文字列表現にしたオブジェクトを返します。

send(name, *args) -> object
send(name, *args) { .... } -> object
__send__(name, *args) -> object
__send__(name, *args) { .... } -> object

オブジェクトのメソッド name を args を引数に して呼び出し、メソッドの実行結果を返します。

ブロック付きで呼ばれたときはブロックもそのまま引き渡します。

send が再定義された場合に備えて別名 __send__ も 用意されており、ライブラリではこちらを使うべきです。また __send__ は再定義すべきではありません。

send, __send__ は、メソッドの呼び出し制限 にかかわらず任意のメソッドを呼び出せます。 クラス/メソッドの定義/呼び出し制限 も参照してください。

[PARAM] name:
文字列かSymbol で指定するメソッド名です。
[PARAM] args:
呼び出すメソッドに渡す引数です。
p -365.send(:abs) #=> 365
p "ruby".send(:sub,/./,"R") #=> "Ruby"


class Foo
  def foo() "foo" end
  def bar() "bar" end
  def baz() "baz" end
end

# 任意のキーとメソッド(の名前)の関係をハッシュに保持しておく
# レシーバの情報がここにはないことに注意
methods = {1 => :foo,
  2 => :bar,
  3 => :baz}

# キーを使って関連するメソッドを呼び出す
# レシーバは任意(Foo クラスのインスタンスである必要もない)
p Foo.new.send(methods[1])      # => "foo"
p Foo.new.send(methods[2])      # => "bar"
p Foo.new.send(methods[3])      # => "baz"

[SEE_ALSO] Object#method, Kernel.#eval, Proc, Method

__to_s__ -> String

自身を文字列表現にしたオブジェクトを返します。

_dump(limit) -> String

Marshal.#dump において出力するオブジェクトがメソッド _dump を定義している場合には、そのメソッドの結果が書き出されます。

バージョン1.8.0以降ではObject#marshal_dump, Object#marshal_loadの使用 が推奨されます。 Marshal.dump するオブジェクトが _dump と marshal_dump の両方の メソッドを持つ場合は marshal_dump が優先されます。

メソッド _dump は引数として再帰を制限するレベル limit を受 け取り、オブジェクトを文字列化したものを返します。

インスタンスがメソッド _dump を持つクラスは必ず同じフォー マットを読み戻すクラスメソッド _load を定義する必要があり ます。_load はオブジェクトを表現した文字列を受け取り、それ をオブジェクトに戻したものを返す必要があります。

[PARAM] limit:
再帰の制限レベルを表す整数です。
[RETURN]
オブジェクトを文字列化したものを返すように定義すべきです。
class Foo
  def initialize(arg)
    @foo = arg
  end
  def _dump(limit)
    Marshal.dump(@foo, limit)
  end
  def self._load(obj)
    p obj
    Foo.new(Marshal.load(obj))
  end
end
foo = Foo.new(['foo', 'bar'])
p foo                      #=> #<Foo:0xbaf234 @foo=["foo", "bar"]>
dms = Marshal.dump(foo)
p dms                      #=> "\004\bu:\bFoo\023\004\b[\a\"\bfoo\"\bbar"
result = Marshal.load(dms) #=> "\004\b[\a\"\bfoo\"\bbar" # self._load の引数
p result                   #=> #<Foo:0xbaf07c @foo=["foo", "bar"]>

インスタンス変数の情報は普通マーシャルデータに含まれるので、上例 のように _dump を定義する必要はありません(ただし _dump を定義すると インスタンス変数の情報は dump されなくなります)。 _dump/_load はより高度な制御を行いたい場合や拡張ライブラリで定義し たクラスのインスタンスがインスタンス変数以外に情報を保持する場合に 利用します。(例えば、クラス Time は、_dump/_load を定義して います)

[SEE_ALSO] Object#marshal_dump,Object#marshal_load

ap_name -> String

自身のアプリケーション名を返します。

デフォルト値は "irb" です。

[SEE_ALSO] IRB::Context#ap_name=

ap_name=(val)

自身のアプリケーション名を val に設定します。

.irbrc ファイル中で IRB.conf[:AP_NAME] を設定する事でも同様の操作が行え ます。

[PARAM] val:
アプリケーション名を String で指定します。

[SEE_ALSO] IRB::Context#ap_name

auto_indent_mode -> bool

入力が次の行に継続した時に自動で字下げを行うかどうかを返します。

デフォルト値は false です。

[RETURN]
自動で字下げを行う場合は true を返します。行わない場合は false を返します。

[SEE_ALSO] IRB::Context#auto_indent_mode=

auto_indent_mode=(val)

入力が次の行に継続した時に自動で字下げを行うかどうかを val に設定します。

[PARAM] val:
true を指定した場合、自動で字下げを行います。false を指定し た場合は自動で字下げを行いません。

IRB::Context#prompt_mode の変更に影響を受ける事に注意してください。

[SEE_ALSO] IRB::Context#auto_indent_mode

back_trace_limit -> Integer

エラー発生時のバックトレース表示の先頭、末尾の上限の行数を返します。

デフォルト値は 16 です。

[SEE_ALSO] IRB::Context#back_trace_limit=

back_trace_limit=(val)

エラー発生時のバックトレース表示の先頭、末尾の上限の行数をそれぞれ val 行に設定します。

.irbrc ファイル中で IRB.conf[:BACK_TRACE_LIMIT] を設定する事でも同様の 操作が行えます。

[PARAM] val:
バックトレース表示の先頭、末尾の上限を Integer で指定 します。

[SEE_ALSO] IRB::Context#back_trace_limit

class -> Class

レシーバのクラスを返します。

p "ruby".class #=> String
p 999999999999999.class #=> Bignum
p ARGV.class #=> Array
p self.class #=> Object
p Class.class #=> Class
p Kernel.class #=> Module

[SEE_ALSO] Class#superclass,Object#kind_of?,Object#instance_of?

clone -> object
dup -> object

オブジェクトの複製を作成して返します。

dup はオブジェクトの内容, taint 情報をコピーし、 clone はそれに加えて freeze, 特異メソッドなどの情報も含めた完全な複製を作成します。

clone や dup は浅い(shallow)コピーであることに注意してください。後述。

[EXCEPTION] TypeError:
TrueClass, FalseClass, NilClass, Symbol, そして Numeric クラスのインスタンスなど一部の オブジェクトを複製しようとすると発生します。
obj = "string"
obj.taint
def obj.fuga
end
obj.freeze

p(obj.equal?(obj))          #=> true
p(obj == obj)               #=> true
p(obj.tainted?)             #=> true
p(obj.frozen?)              #=> true
p(obj.respond_to?(:fuga))   #=> true

obj_c = obj.clone

p(obj.equal?(obj_c))        #=> false
p(obj == obj_c)             #=> true
p(obj_c.tainted?)           #=> true
p(obj_c.frozen?)            #=> true
p(obj_c.respond_to?(:fuga)) #=> true

obj_d = obj.dup

p(obj.equal?(obj_d))        #=> false
p(obj == obj_d)             #=> true
p(obj_d.tainted?)           #=> true
p(obj_d.frozen?)            #=> false
p(obj_d.respond_to?(:fuga)) #=> false

[SEE_ALSO] Object#initialize_copy

深いコピーと浅いコピー

clone や dup はオブジェクト自身を複製するだけで、オブジェクトの指し ている先(たとえば配列の要素など)までは複製しません。これを浅いコピー(shallow copy)といいます。

深い(deep)コピーが必要な場合には、 Marshalモジュールを利用して

Marshal.load(Marshal.dump(obj))

このように複製を作成する方法があります。ただしMarshal出来ないオブジェクトが 含まれている場合には使えません。

obj = ["a","b","c"]

obj_d = obj.dup
obj_d[0] << "PLUS"

p obj   #=> ["aPLUS", "b", "c"]
p obj_d #=> ["aPLUS", "b", "c"]

obj_m = Marshal.load(Marshal.dump(obj))
obj_m[1] << "PLUS"

p obj   #=> ["aPLUS", "b", "c"]
p obj_m #=> ["aPLUS", "bPLUS", "c"]
debug? -> bool

irb がデバッグモード(IRB::Context#debug_level が 1 以上)で動作し ているかどうかを返します。

デフォルト値は true です。

[SEE_ALSO] IRB::Context#debug_level, IRB::Context#debug_level=

debug_level -> Integer

irb のデバッグレベルを返します。

デフォルト値は 1 です。

[SEE_ALSO] IRB::Context#debug_level=, IRB::Context#debug?

debug_level=(val)

irb のデバッグレベルを val に設定します。

[SEE_ALSO] IRB::Context#debug_level, IRB::Context#debug?

display(out = $stdout) -> nil

オブジェクトを out に出力します。

以下のように定義されています。

class Object
  def display(out = $stdout)
    out.print self.to_s
    nil
  end
end
[PARAM] out:
出力先のIOオブジェクトです。指定しない場合は標準出力に出力されます。
[RETURN]
nil を返します。
Object.new.display #=> #<Object:0xbb0210>

[SEE_ALSO] $stdout

echo -> bool
echo? -> bool

irb のプロンプトでの評価結果を表示するかどうかを返します。

デフォルト値は false です。

[SEE_ALSO] IRB::Context#echo=

echo=(val)

irb のプロンプトでの評価結果を表示するかどうかを設定します。

.irbrc ファイル中で IRB.conf[:ECHO] を設定する事でも同様の操作が行えま す。

[PARAM] val:
true を指定した場合、irb のプロンプトでの評価結果を表示しま す。false を指定した場合は表示しません。

[SEE_ALSO] IRB::Context#echo

to_enum(method = :each, *args) -> Enumerator
enum_for(method = :each, *args) -> Enumerator

Enumerator.new(self, method, *args) を返します。

[PARAM] method:
メソッド名の文字列かシンボルです。
[PARAM] args:
呼び出すメソッドに渡される引数です。
[EXCEPTION] NameError:
存在しないメソッド名を指定すると発生します。
str = "xyz"

enum = str.enum_for(:each_byte)
p(a = enum.map{|b| '%02x' % b }) #=> ["78", "79", "7a"]

# protects an array from being modified
a = [1, 2, 3]
p(a.to_enum) #=> #<Enumerator: [1, 2, 3]:each>

[SEE_ALSO] Enumerator

eql?(other) -> bool

オブジェクトと other が等しければ真を返します。Hash で二つのキー が等しいかどうかを判定するのに使われます。

このメソッドは各クラスの性質に合わせて再定義すべきです。 多くの場合、 == と同様に同値性の判定をするように再定義されていますが、 適切にキー判定ができるようにより厳しくなっている場合もあります。

デフォルトでは equal? と同じオブジェクト の同一性判定になっています。

このメソッドを再定義した時には Object#hash メソッ ドも再定義しなければなりません。

[PARAM] other:
比較するオブジェクトです。
p("foo".eql?("bar")) #=> false
p("foo".eql?("foo")) #=> true

p(4.eql?(4)) #=> true
p(4.eql?(4.0)) #=> false

[SEE_ALSO] Object#hash,Object#equal?,Object#==

equal?(other) -> bool

other が self 自身の時、真を返します。

二つのオブジェクトが同一のものかどうか調べる時に使用します。 このメソッドを再定義してはいけません。

お互いのObject#object_idが一致する かどうかを調べます。

[PARAM] other:
比較するオブジェクトです。
p("foo".equal?("bar")) #=> false
p("foo".equal?("foo")) #=> false

p(4.equal?(4)) #=> true
p(4.equal?(4.0)) #=> false

p(:foo.equal? :foo) #=> true

[SEE_ALSO] Object#object_id,Object#==,Object#eql?,Symbol

evaluate(line, line_no) -> object

ライブラリ内部で使用します。

exit(ret = 0) -> object

irb を終了します。ret で指定したオブジェクトを返します。

[PARAM] ret:
戻り値を指定します。

[SEE_ALSO] IRB.irb_exit

extend(*modules) -> self

引数で指定したモジュールのインスタンスメソッドを self の特異 メソッドとして追加します。

Module#include は、クラス(のインスタンス)に機能を追加します が、extend は、ある特定のオブジェクトだけにモジュールの機能を追加 したいときに使用します。

引数に複数のモジュールを指定した場合、最後 の引数から逆順に extend を行います。

[PARAM] modules:
モジュールを任意個指定します(クラスは不可)。
[RETURN]
self を返します。
module Foo
  def a
    'ok Foo'
  end
end

module Bar
  def b
    'ok Bar'
  end
end

obj = Object.new
obj.extend Foo, Bar
p obj.a #=> "ok Foo"
p obj.b #=> "ok Bar"

class Klass
  include Foo
  extend Bar
end

p Klass.new.a #=> "ok Foo"
p Klass.b     #=> "ok Bar"

extend の機能は、「特異クラスに対する Module#include」 と言い替えることもできます。 ただしその場合、フック用のメソッド が Module#extended ではなく Module#included になるという違いがあります。

# obj.extend Foo, Bar とほぼ同じ
class << obj
  include Foo, Bar
end

[SEE_ALSO] Module#extend_object,Module#include,Module#extended

file_input? -> bool

ライブラリ内部で使用します。

freeze -> self

オブジェクトを凍結(内容の変更を禁止)します。

凍結されたオブジェクトの変更は 例外 RuntimeError を発生させます。 いったん凍結されたオブジェクトを元に戻す方法はありません。

凍結されるのはオブジェクトであり、変数ではありません。代入などで変数の指す オブジェクトが変化してしまうことは freeze では防げません。 freeze が防ぐのは、 `破壊的な操作' と呼ばれるもの一般です。変数への参照自体を凍結したい 場合は、グローバル変数なら Kernel.#trace_var が使えます。

[RETURN]
self を返します。
a1 = "foo".freeze
a1 = "bar"
p a1 #=> "bar"

a2 = "foo".freeze
a2.replace("bar")# can't modify frozen string (RuntimeError)

凍結を解除することはできませんが、Object#dup を使えばほぼ同じ内容の凍結されていない オブジェクトを得ることはできます。

a = [1].freeze
p a.frozen?     #=> true

a[0] = "foo"
p a             # can't modify frozen array (RuntimeError)

b = a.dup
p b             #=> [1]
p b.frozen?     #=> false

b[0] = "foo"
p b             #=> ["foo"]

[SEE_ALSO] Object#frozen?,Object#dup,Kernel.#trace_var

frozen? -> bool

オブジェクトが凍結(内容の変更を禁止)されているときに真を返します。

obj = "someone"
p obj.frozen? #=> false
obj.freeze
p obj.frozen? #=> true

[SEE_ALSO] Object#freeze

hash -> Fixnum

オブジェクトのハッシュ値を返します。Hash クラスでオブジェク トを格納するのに用いられています。

メソッド hash は Object#eql? と組み合わせて Hash クラスで利用されます。その際

A.eql?(B) ならば A.hash == B.hash

の関係を必ず満たしていなければいけません。eql? を再定義した時には必ずこちらも合わせ て再定義してください。

デフォルトでは、Object#object_id と同じ値を返します。 ただし、Fixnum, Symbol, String だけは組込みのハッ シュ関数が使用されます(これを変えることはできません)。

hash を再定義する場合は、一様に分布する任意の整数を返すようにします。

[RETURN]
ハッシュ値を返します。Fixnumに収まらない場合は切り捨てられます。
p self.hash #=> 21658870
p 0.hash #=> 1
p 0.0.hash #=> 0
p nil.hash #=> 4

p "ruby".hash #=> -241670986
p "ruby".hash #=> -241670986
p :ruby.hash #=> 103538
p :ruby.hash #=> 103538

[SEE_ALSO] Object#eql?,BasicObject#__id__

ignore_eof -> bool
ignore_eof? -> bool

Ctrl-D(EOF) が入力された時に irb を終了するかどうかを返します。

true の時は Ctrl-D を無視します。false の時は irb を終了します。

デフォルト値は false です。

[SEE_ALSO] IRB::Context#ignore_eof=

ignore_eof=(val)

Ctrl-D(EOF) が入力された時に irb を終了するかどうかを val に設定します。

.irbrc ファイル中で IRB.conf[:IGNORE_EOF] を設定する事でも同様の操作が 行えます。

[PARAM] val:
true を指定した場合、 Ctrl-D を無視します。false を指定した 場合は Ctrl-D の入力時に irb を終了します。

[SEE_ALSO] IRB::Context#ignore_eof

ignore_sigint -> bool
ignore_sigint? -> bool

Ctrl-C が入力された時に irb を終了するかどうかを返します。

false の時は irb を終了します。true の時は以下のように動作します。

入力中

これまで入力したものをキャンセルしトップレベルに戻る.

実行中

実行を中止する.

デフォルト値は true です。

[SEE_ALSO] IRB::Context#ignore_sigint=

ignore_sigint=(val)

Ctrl-C が入力された時に irb を終了するかどうかを val に設定します。

.irbrc ファイル中で IRB.conf[:IGNORE_SIGINT] を設定する事でも同様の操作 が行えます。

[PARAM] val:
false を指定した場合、Ctrl-C の入力時に irb を終了します。 true を指定した場合、Ctrl-C の入力時に以下のように動作します。
入力中

これまで入力したものをキャンセルしトップレベルに戻る.

実行中

実行を中止する.

[SEE_ALSO] IRB::Context#ignore_sigint

inspect -> String
to_s -> String

自身を人間に読みやすい文字列にして返します。

inspect -> String

オブジェクトを人間が読める形式に変換した文字列を返します。

組み込み関数 Kernel.#p は、このメソッドの結果を使用して オブジェクトを表示します。

puts Class.new.inspect #=> #<Class:0xbafd88>
puts Time.now.inspect #=> 2007-10-15 21:01:37 +0900

[SEE_ALSO] Kernel.#p

inspect? -> bool

IRB::Context#inspect_mode が有効かどうかを返します。

[RETURN]
出力結果に to_s したものを表示する場合は false を返します。それ 以外の場合は true を返します。

[SEE_ALSO] IRB::Context#inspect_mode, IRB::Context#inspect_mode=

inspect_mode -> object | nil

実行結果の出力方式を返します。

[SEE_ALSO] IRB::Context#inspect_mode=

inspect_mode=(opt)

実行結果の出力方式を opt に設定します。

[PARAM] opt:
以下のいずれかを指定します。
false, :to_s, :raw

出力結果を to_s したものを表示します。

true, :p, :inspect

出力結果を inspect したものを表示します。

:pp, :pretty_inspect

出力結果を pretty_inspect したものを表示します。

:yaml, :YAML

出力結果を YAML 形式にしたものを表示します。

:marshal, :Marshal, :MARSHAL, Marshal

出力結果を Marshal.#dump したものを表示します。

[SEE_ALSO] irb/実行結果の出力方式

instance_of?(klass) -> bool

オブジェクトがクラス klass の直接のインスタンスである時真を返します。

obj.instance_of?(c) が成立する時には、常に obj.kind_of?(c) も成立します。

[PARAM] klass:
Classかそのサブクラスのインスタンスです。
class C < Object
end
class S < C
end

obj = S.new
p obj.instance_of?(S)       # true
p obj.instance_of?(C)       # false

[SEE_ALSO] Object#kind_of?,Object#class

instance_variable_defined?(var) -> bool

インスタンス変数 var が定義されていたら真を返します。

[PARAM] var:
インスタンス変数名を文字列か Symbol で指定します。
class Fred
  def initialize(p1, p2)
    @a, @b = p1, p2
  end
end
fred = Fred.new('cat', 99)
p fred.instance_variable_defined?(:@a)    #=> true
p fred.instance_variable_defined?("@b")   #=> true
p fred.instance_variable_defined?("@c")   #=> false

[SEE_ALSO] Object#instance_variable_get,Object#instance_variable_set,Object#instance_variables

instance_variable_get(var) -> object|nil

オブジェクトのインスタンス変数の値を取得して返します。

インスタンス変数が定義されていなければ nil を返します。

[PARAM] var:
インスタンス変数名を文字列か Symbol で指定します。
class Foo
  def initialize
    @foo = 1
  end
end

obj = Foo.new
p obj.instance_variable_get("@foo")     #=> 1
p obj.instance_variable_get(:@foo)      #=> 1
p obj.instance_variable_get(:@bar)      #=> nil

[SEE_ALSO] Object#instance_variable_set,Object#instance_variables,Object#instance_variable_defined?

instance_variable_set(var, value) -> object

オブジェクトのインスタンス変数 var に値 value を設定します。

インスタンス変数が定義されていなければ新たに定義されます。

[PARAM] var:
インスタンス変数名を文字列か Symbol で指定します。
[PARAM] value:
設定する値です。
[RETURN]
value を返します。
obj = Object.new
p obj.instance_variable_set("@foo", 1)  #=> 1
p obj.instance_variable_set(:@foo, 2)   #=> 2
p obj.instance_variable_get(:@foo)      #=> 2

[SEE_ALSO] Object#instance_variable_get,Object#instance_variables,Object#instance_variable_defined?

instance_variables -> [Symbol]

オブジェクトのインスタンス変数名をシンボルの配列として返します。

obj = Object.new
obj.instance_eval { @foo, @bar = nil }
p obj.instance_variables

#=> [:@foo, :@bar]

[SEE_ALSO] Object#instance_variable_get,Kernel.#local_variables,Kernel.#global_variables,Module.constants,Module#constants,Module#class_variables

io -> IRB::InputMethod

ライブラリ内部で使用します。

io=(val)

ライブラリ内部で使用します。

irb -> IRB::Irb

ライブラリ内部で使用します。

irb=(val)

ライブラリ内部で使用します。

irb_name -> String

起動しているコマンド名を文字列で返します。

[SEE_ALSO] IRB::Context#irb_name=

irb_name=(val)

起動しているコマンド名を val に設定します。

[PARAM] val:
コマンド名を String で指定します。

[SEE_ALSO] IRB::Context#irb_name

irb_path -> String

ライブラリ内部で使用します。

irb_path=(val)

ライブラリ内部で使用します。

is_a?(mod) -> bool
kind_of?(mod) -> bool

オブジェクトが指定されたクラス mod かそのサブクラスのインスタンスであるとき真を返します。

また、オブジェクトがモジュール mod をインクルードしたクラスかそのサブクラス のインスタンスである場合にも真を返します。 上記のいずれでもない場合に false を返します。

[PARAM] mod:
クラスやモジュールなど、Moduleかそのサブクラスのインスタンスです。
module M
end
class C < Object
  include M
end
class S < C
end

obj = S.new
p obj.is_a?(S)       # true
p obj.is_a?(C)       # true
p obj.is_a?(Object)  # true
p obj.is_a?(M)       # true
p obj.is_a?(Hash)    # false

[SEE_ALSO] Object#instance_of?,Module#===,Object#class

last_value -> object

irb 中での最後の実行結果を返します。

load_modules -> [String]

irb の起動時に -r オプション指定で読み込まれたライブラリ、~/.irbrc など の設定ファイル内で IRB.conf[:LOAD_MODULES] 指定で読み込まれたライブラリ の名前の配列を返します。

main -> object

self に設定されたオブジェクトを返します。

[SEE_ALSO] cwws コマンド

marshal_dump -> object

Marshal.#dump を制御するメソッドです。

Marshal.dump(some) において、出力するオブジェクト some がメソッド marshal_dump を 持つ場合には、その返り値がダンプされたものが Marshal.dump(some) の返り値となります。

marshal_dump/marshal_load の仕組みは Ruby 1.8.0 から導入されました。 これから書くプログラムでは _dump/_load ではなく marshal_dump/marshal_load を使うべきです。

[RETURN]
任意のオブジェクトで marshal_load の引数に利用できます。
class Foo
  def initialize(arg)
    @foo = arg
  end
  def marshal_dump
    @foo
  end
  def marshal_load(obj)
    p obj
    @foo = obj
  end
end
foo = Foo.new(['foo', 'bar'])
p foo                      #=> #<Foo:0xbaf3b0 @foo=["foo", "bar"]>
dms = Marshal.dump(foo)
p dms                      #=> "\004\bU:\bFoo[\a\"\bfoo\"\bbar"
result = Marshal.load(dms) #=> ["foo", "bar"] # marshal_load の引数
p result                   #=> #<Foo:0xbaf2ac @foo=["foo", "bar"]>

インスタンス変数の情報は普通マーシャルデータに含まれるので、 上例のように marshal_dump を定義する必要はありません (ただし marshal_dump を定義するとインスタンス変数の情報は ダンプされなくなるので、marshal_dump/marshal_load で扱う必要があります)。 marshal_dump/marshal_load はより高度な制御を行いたい場合や 拡張ライブラリで定義したクラスのインスタンスがインスタンス変数以外 に情報を保持する場合に利用します。

特に、marshal_dump/marshal_load を定義したオブジェクトは 特異メソッドが定義されていてもマーシャルできるようになります (特異メソッドの情報が自動的に dump されるようになるわけではなく、 marshal_dump/marshal_load によりそれを実現する余地があるということです)。

[SEE_ALSO] Object#marshal_load, Marshal

marshal_load(obj) -> object

Marshal.#load を制御するメソッドです。

some のダンプ結果(Marshal.dump(some)) をロードする(Marshal.load(Marshal.dump(some)))に は some がメソッド marshal_load を持っていなければなりません。 このとき、marshal_dump の返り値が marshal_load の引数に利用されます。 marshal_load 時の self は、生成されたばかり(Class#allocate されたばかり) の状態です。

marshal_dump/marshal_load の仕組みは Ruby 1.8.0 から導入されました。 これから書くプログラムでは _dump/_load ではなく marshal_dump/marshal_load を使うべきです。

[PARAM] obj:
marshal_dump の返り値のコピーです。
[RETURN]
返り値は無視されます。

[SEE_ALSO] Object#marshal_dump, Marshal

method(name) -> Method

オブジェクトのメソッド name をオブジェクト化した Method オブジェクトを返します。

[PARAM] name:
メソッド名をSymbol またはStringで指定します。
[EXCEPTION] NameError:
定義されていないメソッド名を引数として与えると発生します。
me = -365.method(:abs)
p me #=> #<Method: Fixnum#abs>
p me.call #=> 365

[SEE_ALSO] Module#instance_method,Method,Object#__send__,Kernel.#eval

methods(include_inherited = true) -> [Symbol]

そのオブジェクトに対して呼び出せるメソッド名の一覧を返します。 このメソッドは public メソッドおよび protected メソッドの名前を返します。

ただし特別に、引数が偽の時は Object#singleton_methods(false) と同じになっています。

[PARAM] include_inherited:
引数が偽の時は Object#singleton_methods(false) と同じになります。
#例1:

class Parent
  private;   def private_parent()   end
  protected; def protected_parent() end
  public;    def public_parent()    end
end

class Foo < Parent
  private;   def private_foo()   end
  protected; def protected_foo() end
  public;    def public_foo()    end
end

obj = Foo.new
class <<obj
    private;   def private_singleton()   end
    protected; def protected_singleton() end
    public;    def public_singleton()    end
end

# あるオブジェクトの応答できるメソッドの一覧を得る。
p obj.methods(false)
p obj.public_methods(false)
p obj.private_methods(false)
p obj.protected_methods(false)

#実行結果

[:protected_singleton, :public_singleton]
[:public_singleton, :public_foo]
[:private_singleton, :private_foo]
[:protected_singleton, :protected_foo]

#例2:

# あるオブジェクトの応答できるメソッドの一覧を得る。
# 自身のクラスの親クラスのインスタンスメソッドも含めるために true を指定して
# いるが、Object のインスタンスメソッドは一覧から排除している。
p obj.methods(true)           - Object.instance_methods(true)
p obj.public_methods(true)    - Object.public_instance_methods(true)
p obj.private_methods(true)   - Object.private_instance_methods(true)
p obj.protected_methods(true) - Object.protected_instance_methods(true)

#実行結果

[:protected_singleton, :public_singleton, :protected_foo, :public_foo, :protected_parent, :public_parent]
[:public_singleton, :public_foo, :public_parent]
[:private_singleton, :private_foo, :private_parent]
[:protected_singleton, :protected_foo, :protected_parent]

[SEE_ALSO] Module#instance_methods,Object#singleton_methods

nil? -> bool

レシーバが nil であれば真を返します。

p false.nil? #=> false
p nil.nil? #=> true

[SEE_ALSO] NilClass

object_id -> Integer

各オブジェクトに対して一意な整数を返します。あるオブジェクトに対し てどのような整数が割り当てられるかは不定です。

Rubyでは、(Garbage Collectされていない)アクティブなオブジェクト間で 重複しない整数(object_id)が各オブジェクトにひとつずつ割り当てられています。この メソッドはその値を返します。

TrueClass, FalseClass, NilClass, Symbol, Fixnum クラス のインスタンスなど Immutable(変更不可)なオブジェクトの一部は同じ内容ならば必ず同じ object_id になります。

これは、Immutable ならば複数の場所から参照されても`破壊的操作'による問題が発生しないので、 同じ内容のインスタンスを複数生成しないという内部実装が理由です。

p "ruby".object_id #=> 22759500
p "ruby".object_id #=> 22759400

p [].object_id #=> 22759360
p [].object_id #=> 22759340

p :ruby.object_id #=> 103538
p :ruby.object_id #=> 103538

p 11.object_id #=> 23
p 11.object_id #=> 23

p true.object_id #=> 2
p true.object_id #=> 2

[SEE_ALSO] Object#equal?,Symbol

private_methods(include_inherited = true) -> [Symbol]

そのオブジェクトが理解できる private メソッド名の一覧を返します。

[PARAM] include_inherited:
偽となる値を指定すると自身のクラスのスーパークラスで定義されたメソッドを除きます。

[SEE_ALSO] Module#private_instance_methods,Object#methods,Object#singleton_methods

prompt_c -> String

式が継続している時のプロンプトを表現するフォーマット文字列を返します。

[SEE_ALSO] IRB::Context#prompt_c=, irb/プロンプトのカスタマイズ

prompt_c=(val)

式が継続している時のプロンプトを表現するフォーマット文字列を val に設定 します。

[PARAM] val:
フォーマットを文字列で指定します。指定できる内容については、 irb/プロンプトのカスタマイズ を参照してください。

IRB::Context#prompt_mode の変更に影響を受ける事に注意してください。

[SEE_ALSO] IRB::Context#prompt_mode, IRB::Context#prompt_mode=, IRB::Context#prompt_c, irb/プロンプトのカスタマイズ

prompt_i -> String

通常のプロンプトを表現するフォーマット文字列を返します。

[SEE_ALSO] IRB::Context#prompt_i=,irb/プロンプトのカスタマイズ

prompt_i=(val)

通常のプロンプトを表現するフォーマット文字列を val に設定します。

[PARAM] val:
フォーマットを文字列で指定します。指定できる内容については、 irb/プロンプトのカスタマイズ を参照してください。

IRB::Context#prompt_mode の変更に影響を受ける事に注意してください。

[SEE_ALSO] IRB::Context#prompt_mode, IRB::Context#prompt_mode=, IRB::Context#prompt_i, irb/プロンプトのカスタマイズ

prompt_mode -> Symbol

現在のプロンプトモードを Symbol で返します。

オリジナルのプロンプトモードを定義していた場合はそのモードを返します。 そうでない場合は、:DEFAULT、:CLASSIC、:SIMPLE、:INF_RUBY、:XMP、:NULL のいずれかを返します。

定義済みのプロンプトモードの内容については、IRB.conf[:PROMPT][mode] を 参照してください。

[SEE_ALSO] IRB::Context#prompt_mode=, irb/プロンプトのカスタマイズ

prompt_mode=(mode)

プロンプトモードを mode に設定します。

[PARAM] mode:
プロンプトモードを Symbol で指定します。オリジナルの プロンプトモードか、:DEFAULT、:CLASSIC、:SIMPLE、:INF_RUBY、 :XMP、:NULL のいずれを指定してください。

[SEE_ALSO] IRB::Context#prompt_mode, irb/プロンプトのカスタマイズ

prompt_n -> String

継続行のプロンプトを表現するフォーマット文字列を返します。

[SEE_ALSO] IRB::Context#prompt_n=, irb/プロンプトのカスタマイズ

prompt_n=(val)

継続行のプロンプトを表現するフォーマット文字列を val に設定します。

IRB::Context#prompt_mode の変更に影響を受ける事に注意してください。

[SEE_ALSO] IRB::Context#prompt_mode, IRB::Context#prompt_mode=, IRB::Context#prompt_n, irb/プロンプトのカスタマイズ

prompt_s -> String

文字列中のプロンプトを表現するフォーマット文字列を返します。

[SEE_ALSO] IRB::Context#prompt_s=, irb/プロンプトのカスタマイズ

prompt_s=(val)

文字列中のプロンプトを表現するフォーマット文字列を val に設定します。

[PARAM] val:
フォーマットを文字列で指定します。指定できる内容については、 irb/プロンプトのカスタマイズ を参照してください。

IRB::Context#prompt_mode の変更に影響を受ける事に注意してください。

[SEE_ALSO] IRB::Context#prompt_mode, IRB::Context#prompt_mode=, IRB::Context#prompt_s, irb/プロンプトのカスタマイズ

prompting? -> bool

ライブラリ内部で使用します。

protected_methods(include_inherited = true) -> [Symbol]

そのオブジェクトが理解できる protected メソッド名の一覧を返します。

[PARAM] include_inherited:
偽となる値を指定すると自身のクラスのスーパークラスで定義されたメソッドを除きます。

[SEE_ALSO] Module#protected_instance_methods,Object#methods,Object#singleton_methods

public_methods(include_inherited = true) -> [Symbol]

そのオブジェクトが理解できる public メソッド名の一覧を返します。

[PARAM] include_inherited:
偽となる値を指定すると自身のクラスのスーパークラスで定義されたメソッドを除きます。

[SEE_ALSO] Module#public_instance_methods,Object#methods,Object#singleton_methods

public_send(name, *args) -> object

オブジェクトの public メソッド name を args を引数にして呼び出し、メソッ ドの実行結果を返します。

1.public_send(:+, 2)  # => 3
[PARAM] name:
文字列かSymbol で指定するメソッド名です。
[PARAM] args:
呼び出すメソッドに渡す引数です。
[EXCEPTION] ArgumentError:
name を指定しなかった場合に発生します。
[EXCEPTION] NoMethodError:
protected メソッドや private メソッドに対して実行 した場合に発生します。
1.public_send(:puts, "hello")  # => NoMethodError

[SEE_ALSO] Object#send

rc -> bool
rc? -> bool

~/.irbrc などの設定ファイルがあれば読み込みを行うかどうかを返します。

[RETURN]
設定ファイルの読み込みを行う場合は true を返します。行わない場 合(irb の起動時に -f オプションを指定した場合)は false を返しま す。
respond_to?(name, include_private = false) -> bool

オブジェクトがメソッド name を持つとき真を返します。

オブジェクトが メソッド name を持つというのは、 オブジェクトが メソッド name に応答することができることをいいます。

[PARAM] name:
Symbol または文字列で指定するメソッド名です。
[PARAM] include_private:
private メソッドを確認の対象に含めるかを true か false で指定します。省略した場合は false(含めな い) を指定した事になります。
class F
  def hello
    "Bonjour"
  end
end

class D
private
  def hello
    "Guten Tag"
  end
end
list = [F.new,D.new]

list.each{|it| puts it.hello if it.respond_to?(:hello)}
#=> Bonjour

list.each{|it| it.instance_eval("puts hello if it.respond_to?(:hello, true)")}
#=> Bonjour
#   Guten Tag

[SEE_ALSO] Module#method_defined?

respond_to_missing?(symbol, include_private) -> bool

自身が symbol で表されるメソッドに対し BasicObject#method_missing で反応するつもりならば真を返します。

Object#respond_to? はメソッドが定義されていない場合、 デフォルトでこのメソッドを呼びだし問合せます。

BasicObject#method_missing を override した場合にこのメソッドも override されるべきです。

false を返します。

[PARAM] symbol:
メソッド名シンボル
[PARAM] include_private:
private method も含めたい場合に true が渡されます

[SEE_ALSO] Object#respond_to?, BasicObject#method_missing

return_format -> String

irb のプロンプトでの評価結果を表示する際のフォーマットを文字列で返します。

[SEE_ALSO] IRB::Context#return_format=, sprintf フォーマット

return_format=(val)

irb のプロンプトでの評価結果を表示する際のフォーマットに val を設定します。

[SEE_ALSO] IRB::Context#return_format, sprintf フォーマット

IRB::Context#prompt_mode の変更に影響を受ける事に注意してください。

set_last_value(value) -> object

ライブラリ内部で使用します。

singleton_class -> Class

レシーバの特異クラスを返します。 まだ特異クラスがなければ、新しく作成します。

レシーバが nil か true か false なら、それぞれ NilClass, TrueClass, FalseClass を返します。

[EXCEPTION] TypeError:
レシーバが Fixnum か Symbol の場合に発生します。
Object.new.singleton_class  #=> #<Class:#<Object:0xb7ce1e24>>
String.singleton_class      #=> #<Class:String>
nil.singleton_class         #=> NilClass

[SEE_ALSO] Object#class

singleton_methods(inherited_too = true) -> [Symbol]

そのオブジェクトに対して定義されている特異メソッド名 (public あるいは protected メソッド) の一覧を返します。

クラスメソッド(Classのインスタンスの特異メソッド)に関しては 引数が真のとき、スーパークラスのクラスメソッドも対象になります。

singleton_methods(false) は、Object#methods(false) と同じです。

[PARAM] inherited_too:
引数が真のとき、スーパークラスのクラスメソッドも対象になります。これが意味を持つのは self がクラスオブジェクトであるときだけです。
#例1:

Parent = Class.new

class <<Parent
  private;   def private_class_parent() end
  protected; def protected_class_parent() end
  public;    def public_class_parent() end
end

Foo = Class.new(Parent)

class <<Foo
  private;   def private_class_foo() end
  protected; def protected_class_foo() end
  public;    def public_class_foo() end
end

module Bar
  private;   def private_bar()   end
  protected; def protected_bar() end
  public;    def public_bar()    end
end

obj = Foo.new
class <<obj
  include Bar
  private;   def private_self()   end
  protected; def protected_self() end
  public;    def public_self()    end
end

# あるオブジェクトの特異メソッドの一覧を得る。
p obj.singleton_methods(false)
p obj.methods(false)
p Foo.singleton_methods(false)

#実行結果

[:protected_self, :public_self]
[:protected_self, :public_self]
[:protected_class_foo, :public_class_foo]


#例2:

# あるオブジェクトの特異メソッドの一覧を得る。
# 親クラスのクラスメソッドも含まれるよう true を指定したが、
# Object のクラスメソッドは一覧から排除している。

p obj.singleton_methods(true)
p Foo.singleton_methods(true) - Object.singleton_methods(true)

#実行結果

[:protected_self, :public_self, :protected_bar, :public_bar]
[:protected_class_foo, :public_class_foo, :protected_class_parent, :public_class_parent]

[SEE_ALSO] Object#methods,Object#extend

taint -> self

オブジェクトの「汚染マーク」をセットします。

環境変数(ENVで得られる文字列)など一部のオブジェクトは最初から汚染されています。 オブジェクトの汚染に関してはセキュリティモデルを参照してください。

$SAFE = 1

some = "puts '@&%&(#!'"
p some.tainted? #=> false
eval(some) #=> @&%&(#!

some.taint
p some.tainted? #=> true
eval(some) # Insecure operation - eval (SecurityError)

some.untaint
p some.tainted? #=> false
eval(some) #=> @&%&(#!

p ENV['OS'].tainted? #=> true

[SEE_ALSO] Object#tainted?,Object#untaint,Object#freeze

tainted? -> bool

オブジェクトの「汚染マーク」がセットされている時真を返します。

オブジェクトの汚染に関してはセキュリティモデルを参照してください。

p String.new.tainted? #=> false
p ENV['OS'].tainted? #=> true

[SEE_ALSO] Object#taint,Object#untaint

tap {|x| ... } -> self

self を引数としてブロックを評価し、self を返します。

メソッドチェインの途中で直ちに操作結果を表示するために メソッドチェインに "入り込む" ことが、このメソッドの主目的です。

(1..10)                    .tap {|x| puts "original: #{x.inspect}"}.
   to_a                    .tap {|x| puts "array: #{x.inspect}"}.
   select {|x| x % 2 == 0} .tap {|x| puts "evens: #{x.inspect}"}.
   map { |x| x * x }       .tap {|x| puts "squares: #{x.inspect}"}
thread -> Thread

現在のスレッドを返します。

[SEE_ALSO] Thread.current

to_a -> Array

オブジェクトを配列に変換した結果を返します。 デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、 このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。 必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

p( {'a'=>1}.to_a )  # [["a", 1]]
p ['array'].to_a    # ["array"]
p nil.to_a          # []

[SEE_ALSO] Object#to_ary,Kernel.#Array

to_ary -> Array

オブジェクトの Array への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、 このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。 必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

このメソッドを定義する条件は、

  • 配列が使われるすべての場面で代置可能であるような、
  • 配列そのものとみなせるようなもの

という厳しいものになっています。

class Foo
 def to_ary
   [3,4]
 end
end

it = Foo.new
p([1,2] + it) #=> [1, 2, 3, 4]

[SEE_ALSO] Object#to_a,Kernel.#Array

to_hash -> Hash

オブジェクトの Hash への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、 このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。 必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

このメソッドを定義する条件は、

  • ハッシュが使われるすべての場面で代置可能であるような、
  • ハッシュそのものとみなせるようなもの

という厳しいものになっています。

class Foo
 def to_hash
   {'as' => 24}
 end
end

it = Foo.new
p({:as => 12}.merge(it)) #=> {"as"=>24, :as=>12}
to_int -> Integer

オブジェクトの Integer への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、 このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。 必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

このメソッドを定義する条件は、

  • 整数が使われるすべての場面で代置可能であるような、
  • 整数そのものとみなせるようなもの

という厳しいものになっています。

class Foo
 def to_int
   666
 end
end

it = Foo.new
p(9**9 & it) #=> 8

[SEE_ALSO] Kernel.#Integer

to_io -> IO

オブジェクトの IO への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、 このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。 必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

このメソッドを定義する条件は、

  • IOオブジェクトが使われるすべての場面で代置可能であるような、
  • IOオブジェクトそのものとみなせるようなもの

という厳しいものになっています。

to_proc -> Proc

オブジェクトの Proc への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、 このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。 必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

def doing
  yield
end

class Foo
 def to_proc
   Proc.new{p 'ok'}
 end
end

it = Foo.new
doing(&it) #=> "ok"
to_regexp -> Regexp

オブジェクトの Regexp への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、 このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。 必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

このメソッドを定義する条件は、

  • 正規表現が使われるすべての場面で代置可能であるような、
  • 正規表現そのものとみなせるようなもの

という厳しいものになっています。

class Foo
 def to_regexp
   /[\d]+/
 end
end

it = Foo.new
p Regexp.union(/^at/, it) #=> /(?-mix:^at)|(?-mix:[\d]+)/
to_s -> String

オブジェクトの文字列表現を返します。

Kernel.#printKernel.#sprintf は文字列以外の オブジェクトが引数に渡された場合このメソッドを使って文字列に変換し ます。

class Foo
  def initialize num
    @num = num
  end
end
it = Foo.new(40)

puts it #=> #<Foo:0x2b69110>

class Foo
 def to_s
   "Class:Foo Number:#{@num}"
 end
end

puts it #=> Class:Foo Number:40

[SEE_ALSO] Object#to_str,Kernel.#String

to_str -> String

オブジェクトの String への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、 このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。 必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

このメソッドを定義する条件は、

  • 文字列が使われるすべての場面で代置可能であるような、
  • 文字列そのものとみなせるようなもの

という厳しいものになっています。

class Foo
 def to_str
   'Edition'
 end
end

it = Foo.new
p('Second' + it) #=> "SecondEdition"

[SEE_ALSO] Object#to_s,Kernel.#String

trust -> self

[TODO]

オブジェクトの「untrustマーク」を取り除きます。

[SEE_ALSO] Object#untrusted?,Object#untrust

untaint -> self

オブジェクトの「汚染マーク」を取り除きます。

汚染マークを取り除くことによる危険性はプログラマが責任を負う必要が あります。

オブジェクトの汚染に関してはセキュリティモデルを参照してください。

[EXCEPTION] SecurityError:
セキュリティレベルが3以上の時にこのメソッドを使用すると発生します。

[SEE_ALSO] Object#taint,Object#tainted?

untrust -> self

[TODO]

オブジェクトの「untrustマーク」をセットします。

[SEE_ALSO] Object#trust,Object#untrusted?

untrusted? -> bool

[TODO]

オブジェクトの「untrustマーク」がセットされている時真を返します。

[SEE_ALSO] Object#trust,Object#untrust

use_readline -> bool | nil
use_readline? -> bool | nil

readline を使うかどうかを返します。

[RETURN]
戻り値よって以下のように動作します。
true

readline ライブラリを使う

false

readline ライブラリを使わない

nil

inf-ruby-mode 以外で readline ライブラリを利用しようとする (デフォルト)

動作を変更するためには .irbrc ファイル中で IRB.conf[:USE_READLINE] の設 定や irb 起動時に --readline オプション、--noreadline オプションの指定 を行います。

verbose -> bool | nil

標準出力に詳細なメッセージを出力するように設定されているかどうかを返し ます。

IRB::Context#verbose? とは別のメソッドである事に注意してください。

[RETURN]
詳細なメッセージを出力するように設定されている場合は true を返 します。そうでない場合は false か nil を返します。

[SEE_ALSO] IRB::Context#verbose?, IRB::Context#verbose=

verbose=(val)

標準出力に詳細なメッセージを出力するかどうかを val に設定します。

.irbrc ファイル中で IRB.conf[:VERBOSE] を設定する事でも同様の操作が行え ます。

false や nil を指定した場合でも、IRB::Context#verbose? が true を 返す場合は詳細なメッセージを出力する事に注意してください。

[PARAM] val:
true を指定した場合、詳細なメッセージを出力します。false や nil を指定した場合、詳細なメッセージを出力しません。

[SEE_ALSO] IRB::Context#verbose, IRB::Context#verbose?

verbose? -> bool | nil

標準出力に詳細なメッセージを出力するかどうかを返します。

[RETURN]
詳細なメッセージを出力する場合は true を返します。そうでない場 合は false か nil を返します。

設定を行っていた場合(IRB::Context#verbose が true か false を返す 場合)は設定した通りに動作します。設定を行っていない場合は、ファイルを指 定して irb を実行した場合などに true を返します。

[SEE_ALSO] IRB::Context#verbose, IRB::Context#verbose=

workspace -> IRB::WorkSpace

ライブラリ内部で使用します。

workspace=(val)

ライブラリ内部で使用します。

privateメソッド

initialize(*args, &block) -> object

ユーザ定義クラスのオブジェクト初期化メソッド。

このメソッドは Class#new から新しく生成されたオブ ジェクトの初期化のために呼び出されます。他の言語のコンストラクタに相当します。 デフォルトの動作ではなにもしません。

initialize には Class#new に与えられた引数がそのまま渡されます。

サブクラスではこのメソッドを必要に応じて再定義されること が期待されています。

initialize という名前のメソッドは自動的に private に設定され ます。

[PARAM] args:
初期化時の引数です。
[PARAM] block:
初期化時のブロック引数です。必須ではありません。
class Foo
  def initialize name
    puts "initialize Foo"
    @name = name
  end
end

class Bar < Foo
  def initialize name, pass
    puts "initialize Bar"
    super name
    @pass = pass
  end
end

it = Bar.new('myname','0500')
p it
#=> initialize Bar
#   initialize Foo
#   #<Bar:0x2b68f08 @name="myname", @pass="0500">

[SEE_ALSO] Class#new

initialize_copy(obj) -> object

(拡張ライブラリによる) ユーザ定義クラスのオブジェクトコピーの初期化メソッド。

このメソッドは self を obj の内容で置き換えます。ただ し、self のインスタンス変数や特異メソッドは変化しません。 Object#clone, Object#dupの内部で使われています。

initialize_copy は、Ruby インタプリタが知り得ない情報をコピーするた めに使用(定義)されます。例えば C 言語でクラスを実装する場合、情報 をインスタンス変数に保持させない場合がありますが、そういった内部情 報を initialize_copy でコピーするよう定義しておくことで、dup や clone を再定義する必要がなくなります。

デフォルトの Object#initialize_copy は、 freeze チェックおよび型のチェックを行い self を返すだけのメソッドです。

initialize_copy という名前のメソッドは 自動的に private に設定されます。

[EXCEPTION] TypeError:
レシーバが freeze されているか、obj のクラスがレシーバ のクラスと異なる場合に発生します。

[SEE_ALSO] Object#clone,Object#dup

以下に例として、dup や clone がこのメソッドをどのように利用しているかを示します。

obj.dup は、新たに生成したオブジェクトに対して initialize_copy を呼び

obj2 = obj.class.allocate
obj2.initialize_copy(obj)

obj2 に対してさらに obj の汚染状態、インスタンス変数、ファイナライ ザをコピーすることで複製を作ります。 obj.clone は、さらに 特異メソッドのコピーも行います。

obj = Object.new
class <<obj
  attr_accessor :foo
  def bar
    :bar
  end
end

def check(obj)
  puts "instance variables: #{obj.inspect}"
  puts "tainted?: #{obj.tainted?}"
  print "singleton methods: "
  begin
    p obj.bar
  rescue NameError
    p $!
  end
end

obj.foo = 1
obj.taint

check Object.new.send(:initialize_copy, obj)
        #=> instance variables: #<Object:0x4019c9d4>
        #   tainted?: false
        #   singleton methods: #<NoMethodError: ...>
check obj.dup
        #=> instance variables: #<Object:0x4019c9c0 @foo=1>
        #   tainted?: true
        #   singleton methods: #<NoMethodError: ...>
check obj.clone
        #=> instance variables: #<Object:0x4019c880 @foo=1>
        #   tainted?: true
        #   singleton methods: :bar
remove_instance_variable(name) -> object

オブジェクトからインスタンス変数 name を取り除き、そのインス タンス変数に設定されていた値を返します。

[PARAM] name:
削除するインスタンス変数の名前をシンボルか文字列で指定します。
[EXCEPTION] NameError:
オブジェクトがインスタンス変数 name を持たない場合に発生します。
class Foo
  def foo
    @foo = 1
    p remove_instance_variable(:@foo) #=> 1
    p remove_instance_variable(:@foo) # instance variable @foo not defined (NameError)
  end
end
Foo.new.foo

[SEE_ALSO] Module#remove_class_variable,Module#remove_const

定数

IDNAME_IVARS -> [String]

ライブラリ内部で使用します。

NOPRINTING_IVARS -> [String]

ライブラリ内部で使用します。

NO_INSPECTING_IVARS -> [String]

ライブラリ内部で使用します。

class IRB::Context