Ruby 1.9.3 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > socketライブラリ > UNIXServerクラス

class UNIXServer + UNIXSocket + BasicSocket

クラスの継承リスト: UNIXServer < UNIXSocket < BasicSocket < IO < Enumerable < File::Constants < Object < Kernel < BasicObject

要約

UNIXストリーム型接続のサーバ側のソケットのクラス。

特異メソッド

do_not_reverse_lookup -> bool

Socket#do_not_reverse_lookup の Socket オブジェクト生成時の デフォルト値を返します。

この設定は大域的に作用します。

デフォルトは true です。

do_not_reverse_lookup=(bool)

BasicSocket#do_not_reverse_lookup の値を変更します。

[PARAM] bool:
この値が真ならアドレスからホスト名への逆引きを行わなくなります。

例:

require 'socket'

p TCPSocket.new('localhost', 'telnet').addr
TCPSocket.do_not_reverse_lookup = true
p TCPSocket.new('localhost', 'telnet').addr

=> ["AF_INET", 2253, "localhost", "127.0.0.1"]
   ["AF_INET", 2254, "127.0.0.1", "127.0.0.1"]
for_fd(fd) -> BasicSocket

ファイルディスクリプタ fd に対する新しいソケットを生成します。

返り値のクラスはどのクラスの for_fd を呼びだしたかによって決まります。

BasicSocket.for_fd(fd) # BasicSocket のインスタンスを返す
TCPSocket.for_fd(fd) # TCPSocket のインスタンスを返す
[PARAM] fd:
ファイルディスクリプタ を指定します。
[RETURN]
任意のソケットである fd から対応するソケットクラスのインスタンスを作り、それを返します。
open(path) -> UNIXServer
new(path) -> UNIXServer
open(path) {|sock| ...} -> object
new(path) {|sock| ...} -> object

path で指定したパス名を用いて接続を受け付けるソケット を作成します。

ブロックを省略すると作成したサーバソケットを返します。

ブロックを渡した場合は、作成したソケットを引数としてそのブロックを呼びだし、 ブロック終了時にソケットを閉じます。この場合には ブロックの評価値を返り値として返します。

[PARAM] path:
接続を受け付けるパス名文字列
open(path) -> UNIXSocket
new(path) -> UNIXSocket
open(path) {|sock| ...} -> object
new(path) {|sock| ...} -> object

path で指定したパス名を用いてソケットを接続します。

ブロックを省略すると接続したソケットを返します。

ブロックを渡した場合は、接続したソケットを引数としてそのブロックを呼びだし、 ブロック終了時にソケットを閉じます。この場合には ブロックの評価値を返り値として返します。

[PARAM] path:
接続先のパス名文字列
pair(type=Socket::SOCK_STREAM, protocol=0) -> [UNIXSocket, UNIXSocket]
socketpair(type=Socket::SOCK_STREAM, protocol=0) -> [UNIXSocket, UNIXSocket]

相互に結合された UNIX ソケットのペアを含む2要素の配列を返します。

type にはソケットタイプを指定します。 Socket::SOCK_STREAM, Socket::SOCK_DGRAM, Socket::SOCK_RAW などの 整数、:STREAM, :DGRAM, :RAW などのシンボル、 "STREAM" などの文字列が渡せます。

protocol には プロトコルを指定します。0 は Unix domain でのデフォルト値が 使われます。

s1, s2 = UNIXSocket.pair
s1.send "a", 0
s1.send "b", 0
p s2.recv(10) #=> "ab"
[PARAM] type:
ソケットタイプ
[PARAM] protocol:
プトロコル

インスタンスメソッド

accept -> UnixSocket

クライアントからの接続要求を accept(2)で待ち受け、接続した UNIXSocket のインスタンスを返します。

例:

UNIXServer.open("/tmp/s") {|serv|
  c = UNIXSocket.open("/tmp/s")
  s = serv.accept
  s.write "from server"
  c.write "from client"
  p c.recv(20)    #=> "from server"
  p s.recv(20)    #=> "from client"
}
accept_nonblock -> UnixSocket

ソケットをノンブロッキングモードに設定した後、 accept(2) を呼び出します。

接続した UNIXSocket のインスタンスを返します。

accept(2) がエラーになった場合、Socket#accept と同じ例外が 発生します。

Errno::EWOULDBLOCK, Errno::AGAIN, Errno::ECONNABORTED, [[Errno::EPROTO]] のいずれかの例外が 発生した場合は、その例外には IO::WaitReadable が extend されます。それを利用してリトライ可能な例外を掴まえることができます。

require 'socket'
serv = UNIXServer.new("/tmp/sock")
begin # emulate blocking accept
  sock = serv.accept_nonblock
rescue IO::WaitReadable, Errno::EINTR
  IO.select([serv])
  retry
end
# sock is an accepted socket.

[SEE_ALSO] UNIXServer#accept

addr -> [String, String]

ソケットの接続情報を表す配列を返します。配列の各要素は第1要 素が文字列 "AF_UNIX"、第2要素がパスを表す文字列です。

クライアント側はパスを持たないため空文字列となります。 例:

UNIXServer.open("/tmp/s") {|serv|
  p serv.addr     #=> ["AF_UNIX", "/tmp/s"]
}

UNIXServer.open("/tmp/s") {|serv|
  c = UNIXSocket.open("/tmp/s")
  p c.peeraddr    #=> ["AF_UNIX", "/tmp/s"]
  p c.addr #=> ["AF_UNIX", ""]
}

[SEE_ALSO] UNIXSocket#peeraddr

connect_address -> Addrinfo

ローカルマシン内で接続するのに適当なアドレスを Addrinfo オブジェクトで返します。

BasicSocket#local_address の返り値 以下の点を除いては同じものを返します。

  • IPv4 の不定アドレス(0.0.0.0) は IPv4 のループバックアドレス(127.0.0.1) に置換される
  • IPv6 の不定アドレス(::) は IPv6 のループバックアドレス(::1) に置換される

BasicSocket#local_address が接続先として不適なアドレスを返す場合は 例外 SocketError が発生します。

Addrinfo.tcp("0.0.0.0", 0).listen {|serv|
  p serv.connect_address #=> #<Addrinfo: 127.0.0.1:53660 TCP>
  serv.connect_address.connect {|c|
    s, _ = serv.accept
    p [c, s] #=> [#<Socket:fd 4>, #<Socket:fd 6>]
  }
}
[EXCEPTION] SocketError:
アドレスが接続に不適な場合に返します

[SEE_ALSO] BasicSocket#local_address

do_not_reverse_lookup -> bool

ソケットごとのアドレスからホスト名への逆引きの設定を返します。

真ならアドレスからホスト名への逆引きを行いません。

初期値はソケットを生成したときの BasicSocket.do_not_reverse_lookup の値になります。

[SEE_ALSO] BasicSocket#do_not_reverse_lookup=

do_not_reverse_lookup=(bool)

アドレスからホスト名への逆引きの設定をソケットごとに設定します。

[PARAM] bool:
この値が真ならアドレスからホスト名への逆引きを行わなくなります。

[SEE_ALSO] BasicSocket#do_not_reverse_lookup

getpeereid -> [Integer, Integer]

Unix ドメインソケットにおいて接続相手の euid と egid を 返します。

配列の最初の要素が euid, 2番目の要素が egid です。

ソケットが Unix ドメインソケットでない場合の返り値は 不定です。

Socket.unix_server_loop("/tmp/sock") {|s|
  begin
    euid, egid = s.getpeereid

    # Check the connected client is myself or not.
    next if euid != Process.uid

    # do something about my resource.
  ensure
    s.close
  end
}
getpeername -> String

接続の相手先のソケットの情報を取得します。sockaddr 構造体をパッ クした文字列を返します。getpeername(2) を参照してください。

例:

serv = TCPServer.open("", 0)
c = TCPSocket.open(*Socket.unpack_sockaddr_in(serv.getsockname).reverse)
s = serv.accept
addr = c.getpeername
p addr      #=> "\002\000\267\214\177\000\000\001\000\000\000\000\000\000\000\000"
p Socket.unpack_sockaddr_in(addr)   #=> [46988, "127.0.0.1"]
p addr == s.getsockname     #=> true
getsockname -> String

ソケットの情報を取得します。sockaddr 構造体をパックした 文字列を返します。getsockname(2) を参照してください。

例:

serv = TCPServer.open("", 0)
p serv.getsockname        #=> "\002\000\236C\000\000\000\000\000\000\000\000\000\000\000\000"
p Socket.unpack_sockaddr_in(serv.getsockname)     #=> [40515, "0.0.0.0"]
c = TCPSocket.open(*Socket.unpack_sockaddr_in(serv.getsockname).reverse)
s = serv.accept
getsockopt(level, optname) -> Socket::Option

ソケットのオプションを取得します。getsockopt(2) を参照してください。 取得したオプションのデータを Socket::Option で返します。

level, optname には Socket::SOL_SOCKET や Socket::SO_REUSEADDR といった整数値の他、文字列("SOL_SOCKET", prefixなしの "SOCKET")や シンボル(:SO_REUSEADDR, :REUSEADDR)を用いることができます。

[PARAM] level:
getsockopt(2) の 第二引数のlevel
[PARAM] optname:
getsockopt(2) の 第三引数のoption_name

[SEE_ALSO] BasicSocket#setsockopt

例:

serv = Socket.tcp_server_sockets("", 0)[0]
c = serv.local_address.connect
s = serv.accept
opt = c.getsockopt(Socket::IPPROTO_TCP, Socket::TCP_NODELAY)
# c.getsockopt("TCP", "NODELAY"),  なども可能
p opt #=> #<Socket::Option: INET TCP NODELAY 0>
p opt.bool #=> false (Nagle アルゴリズム有効)
p opt.unpack("i")[0] #=> 0 (Socket::Option#unpack が互換性のために存在する)
# 整数値の場合は Socket::Option#int を用いる
p c.getsockopt(:IP, :TTL).int #=> 64
listen(backlog) -> 0

listen(2) を実行します。 (Socket#listenと同じ)

backlog は、クライアントからの接続要求を保留できる数です。 UNIXServer のインスタンスは最初は backlog の値は 5 で生成されます。

listen(2) が成功すれば 0 を返します。 失敗すれば 例外 Errno::EXXX が発生します。

[PARAM] backlog:
バックログの最大数(接続要求を保留できる数)
local_address -> Addrinfo

getsockname(2) で得られたローカルアドレス情報を Addrinfo オブジェクトとして返します。

返されたオブジェクトの Addrinfo#protocol は 0 を 返すことに注意してください。

TCPSocket.open("www.ruby-lang.org", 80) {|s|
  p s.local_address #=> #<Addrinfo: 192.168.0.129:36873 TCP>
}

TCPServer.open("127.0.0.1", 1512) {|serv|
  p serv.local_address #=> #<Addrinfo: 127.0.0.1:1512 TCP>
}

[SEE_ALSO] BasicSocket#getsockname

path -> String

UNIX ソケットのパスを返します。

クライアント側はパスを持たないため空文字列となります。

例:

UNIXServer.open("/tmp/s") {|serv|
  p serv.path     #=> "/tmp/s"
}
peeraddr -> [String, String]

接続相手先ソケットの情報を表す配列を返します。配列の各要素は第1要 素が文字列 "AF_UNIX"、第2要素がパスを表す文字列です。

例:

UNIXServer.open("/tmp/s") {|serv|
  c = UNIXSocket.open("/tmp/s")
  p c.peeraddr    #=> ["AF_UNIX", "/tmp/s"]
  p c.addr #=> ["AF_UNIX", ""]
}

[SEE_ALSO] UNIXSocket#addr

recv(maxlen, flags = 0) -> String

ソケットからデータを受け取り、文字列として返します。 maxlen は受け取る最大の長さを指定します。 flags については recv(2) を参照してください。flags の デフォルト値は 0 です。flags の指定に必要な定数は Socket クラスで定義されています。(例: Socket::MSG_PEEK)

内部で呼び出す recv(2) が 0 を返した場合、このメソッドは "" を返します。 この意味はソケットによって異なります。 たとえば TCP では EOF を意味しますし、 UDP では空のパケットを読み込んだことを意味します。

[PARAM] maxlen:
受け取る文字列の最大の長さを指定します。
[PARAM] flags:
recv(2) を参照してください。
[EXCEPTION] IOError:
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
recvfrom(2) がエラーになった場合などに発生します。

例:

s1, s2 = UNIXSocket.pair
s1.write "a"
s1.close
p s2.recv(10, Socket::MSG_PEEK)   #=> "a"
p s2.recv(10)                     #=> "a"
p s2.recv(10)                     #=> ""
recv_io(klass=IO, mode=nil) -> Fixnum|IO|object

ソケットの接続先からファイルディスクリプタを受け取ります。

klass が nil の場合、ファイルディスクリプタが Fixnum として 返されます。

klass が nil でない場合、 klass.for_fd(fd[, mode]) が呼ばれ、その値が返されます。

例:

s1, s2 = UNIXSocket.pair
s1.send_io STDOUT
io = s2.recv_io
p File.identical?(io, STDOUT)     #=> true
[PARAM] klass:
受け取ったファイルディスクリプタを変換するためのクラス
[PARAM] mode:
for_fd に渡すファイルモード
recv_nonblock(maxlen, flags = 0) -> String

ソケットをノンブロッキングモードに設定した後、 recvfrom(2) でソケットからデータを受け取ります。

引数、返り値は BasicSocket#recv と同じです。

recvfrom(2) がエラーになった場合、 EAGAIN, EINTR を含め例外 Errno::EXXX が発生します。

[PARAM] maxlen:
受け取る文字列の最大の長さを指定します。
[PARAM] flags:
recv(2) を参照してください。
[EXCEPTION] IOError:
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
recvfrom(2) がエラーになった場合などに発生します。
recvfrom(maxlen, flags = 0) -> [String [String, String]]

recvfrom(2) を用いてソケットからメッセージを受け取ります。

maxlen で受け取るメッセージの最大長をバイト数で指定します。

flags には Socket::MSG_* という名前の定数の bitwise OR を渡します。

戻り値は文字列と相手ソケットのパスのペアです。

例:

UNIXServer.open("/tmp/s") {|serv|
  c = UNIXSocket.open("/tmp/s")
  s = serv.accept
  s.send "a", 0
  p c.recvfrom(10)[0]     #=> "a"
}
[PARAM] maxlen:
受け取るメッセージの最大長
[PARAM] flags:
フラグ
recvmsg(maxmesglen=nil, flags=0, maxcontrollen=nil, opts={}) -> [String, Addrinfo, Integer, *Socket::AncillaryData]

recvmsg(2) を用いてメッセージを受け取ります。

このメソッドはブロックします。ノンブロッキング方式で通信したい 場合は BasicSocket#recvmsg_nonblock を用います。

maxmesglen, maxcontrollen で受け取るメッセージおよび補助データ (Socket::AncillaryData)の最大長をバイト単位で指定します。 省略した場合は必要なだけ内部バッファを拡大して データが切れないようにします。

flags では Socket::MSG_* という名前の定数の biwsise OR を取った ものを渡します。

opts にはその他のオプションを渡します。今のところ :scm_right => bool というオプションのみ利用できます。このオプションに 真を渡すと、 SCM_RIGHTS 制御メッセージを受け取ったときに、メッセージに含まれる IO オブジェクトを生成します。詳しくは Socket::AncillaryData#unix_rights を参照してください。

返り値は配列で得られます。

返り値の配列の最初の要素は受け取ったメッセージを表す文字列です。

2番目の要素は connection-less socket の場合には送り元の アドレスが Addrinfo オブジェクトとして含まれています。 TCP のような connection-oriented socket の場合は 何が含まれているかはプラットフォーム依存です。

3番目の要素は受け取ったメッセージに付加されているフラグで、 Socket::MSG_* 定数の bitwise OR で表現されています。

残りの要素は補助データ(Socket::AncillaryData オブジェクト)です。

# UnixSocket#recv_io を recvmsg で実装する例
mesg, sender_sockaddr, rflags, *controls = sock.recvmsg(:scm_rights=>true)
controls.each {|ancdata|
  if ancdata.cmsg_is?(:SOCKET, :RIGHTS)
    return ancdata.unix_rights[0]
  end
}
[PARAM] maxmesglen:
受け取るメッセージの最大長
[PARAM] flags:
フラグ
[PARAM] maxcontrollen:
受け取る補助データの最大長
[PARAM] opts:
ハッシュオプション
recvmsg_nonblock(maxmesglen=nil, flags=0, maxcontrollen=nil, opts={}) -> [String, Addrinfo, Integer, *Socket::AncillaryData]

recvmsg(2) を用いてノンブロッキング方式でメッセージを受け取ります。

ブロッキングの有無以外は BasicSocket#recvmsg と同じです。 詳しくはそちらを参照してください。

[PARAM] maxmesglen:
受け取るメッセージの最大長
[PARAM] flags:
フラグ
[PARAM] maxcontrollen:
受け取る補助データの最大長
[PARAM] opts:
ハッシュオプション
remote_address -> Addrinfo

getpeername(2) で得られたリモートアドレス情報を Addrinfo オブジェクトとして返します。

返されたオブジェクトの Addrinfo#protocol は 0 を 返すことに注意してください。

TCPSocket.open("www.ruby-lang.org", 80) {|s|
  p s.remote_address #=> #<Addrinfo: 221.186.184.68:80 TCP>
}

TCPServer.open("127.0.0.1", 1728) {|serv|
  c = TCPSocket.new("127.0.0.1", 1728)
  s = serv.accept
  p s.remote_address #=> #<Addrinfo: 127.0.0.1:36504 TCP>
}

[SEE_ALSO] BasicSocket#getpeername

send(mesg, flags, dest_sockaddr = nil) -> Fixnum

ソケットを介してデータを送ります。flags に関しては send(2) を参照してください。connect していないソケット に対しては送り先である dest_sockaddr を指定する必要があります。実際に送っ たデータの長さを返します。

dest_sockaddr には「ソケットアドレス構造体を pack した文字列」 を指定します。

データの送信に失敗した場合は例外 Errno::EXXX が発生します。

[PARAM] mesg:
送信するデータを文字列で指定します。
[PARAM] flags:
send(2) の flags を参照してください。
[PARAM] dest_sockaddr:
「ソケットアドレス構造体を pack した文字列」を指定します。
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
データの送信に失敗した場合に発生します。

例:

s = UDPSocket.new
sockaddr = Socket.sockaddr_in("discard", "localhost")
s.send("The king has donkey ears!", 0, sockaddr)
send_io(io) -> nil

IO や Fixnum に対応するファイルディスクリプタをソケットの接続先に送ります。

s1, s2 = UNIXSocket.pair

s1.send_io STDOUT
stdout = s2.recv_io

p STDOUT.fileno #=> 1
p stdout.fileno #=> 6

stdout.puts "hello" # outputs "hello\n" to standard output.
[PARAM] io:
送るファイルディスクリプタ(整数 or IOオブジェクト)
sendmsg(mesg, flags=0, dest_sockaddr=nil, *controls) -> Integer

sendmsg(2) を用いてメッセージを送ります。

このメソッドはブロックします。ノンブロッキング方式で通信したい 場合は BasicSocket#sendmsg_nonblock を用います。

ソケットが connection-less の場合は dest_sockaddr で 通信先のアドレスを指定しなければなりません。Socket.sockaddr_in の返り値や Addrinfo オブジェクトを引数として渡すことができます。

controls には 補助データ(ancillary data)を渡します。 Socket::AncillaryData のインスタンスや 3要素(cmsg_level, cmsg_type, cmsg_data) の配列を用いることができます。

送ったバイト数を返します。

# UnixSocket#send_io の実装例
# use Socket::AncillaryData.
ancdata = Socket::AncillaryData.int(:UNIX, :SOCKET, :RIGHTS, io.fileno)
sock.sendmsg("a", 0, nil, ancdata)

# use 3-element array.
ancdata = [:SOCKET, :RIGHTS, [io.fileno].pack("i!")]
sock.sendmsg("\0", 0, nil, ancdata)
[PARAM] mesg:
メッセージ文字列
[PARAM] flags:
フラグ(Socket::MSG_* という定数の bitwise OR を取ったもの)
[PARAM] dest_sockaddr:
通信先のアドレス
[PARAM] controls:
補助データの配列

[SEE_ALSO] BasicSocket#sendmsg_nonblock

sendmsg_nonblock(mesg, flags=0, dest_sockaddr=nil, *controls) -> Integer

sendmsg(2) を用いてノンブロッキング方式でメッセージを送ります。

詳しくは BasicSocket#sendmsg を見てください。

[RETURN]
送ったバイト数
[PARAM] mesg:
メッセージ文字列
[PARAM] flags:
フラグ(Socket::MSG_* という定数の bitwise OR を取ったもの)
[PARAM] dest_sockaddr:
通信先のアドレス
[PARAM] controls:
補助データの配列

[SEE_ALSO] BasicSocket#sendmsg

setsockopt(level, optname, optval) -> 0
setsockopt(socketoption) -> 0

ソケットのオプションを設定します。setsockopt(2) を参照してください。

level, optname には Socket::SOL_SOCKET や Socket::SO_REUSEADDR といった整数値の他、文字列("SOL_SOCKET", prefixなしの "SOCKET")や シンボル(:SO_REUSEADDR, :REUSEADDR)を用いることができます。

optval には文字列、整数、真偽値(true or false)を渡すことができます。 文字列の場合には setsockopt(2) にはその文字列と 長さが渡されます。整数の場合はintへのポインタが渡されます。 true/falseの場合は0/1という整数と解釈され、そのメモリ領域の intポインタを渡します。

引数が1つの場合は Socket::Option で設定値を表現します。

# 真偽値の場合
#setsockopt could be called like this:
sock.setsockopt(:SOCKET, :REUSEADDR, true)
sock.setsockopt(Socket::SOL_SOCKET,Socket::SO_REUSEADDR, true)
sock.setsockopt(Socket::Option.bool(:INET, :SOCKET, :REUSEADDR, true))

# 整数値の場合
#setsockopt could be called like this:
sock.setsockopt(:IP, :TTL, 255)
sock.setsockopt(Socket::IPPROTO_IP, Socket::IP_TTL, 255)
sock.setsockopt(Socket::Option.int(:INET, :IP, :TTL, 255))

# より複雑な場合
optval = IPAddr.new("224.0.0.251").hton +
         IPAddr.new(Socket::INADDR_ANY, Socket::AF_INET).hton
sock.setsockopt(Socket::IPPROTO_IP, Socket::IP_ADD_MEMBERSHIP, optval)
[PARAM] level:
setsockopt(2) の level を参照してください。
[PARAM] optname:
setsockopt(2) の option_name を参照してください。
[PARAM] optval:
設定値
[PARAM] socketoption:
設定値を表す Socket::Option オブジェクト
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
オプションの設定に失敗した場合発生します。

[SEE_ALSO] BasicSocket#getsockopt

shutdown(how = Socket::SHUT_RDWR) -> 0

ソケットの以降の接続を終了させます。

how の値によって以下のように接続が終了します。

  • Socket::SHUT_RD: それ以降の受信が拒否されます
  • Socket::SHUT_WR: それ以降の送信が拒否されます
  • Socket::SHUT_RDWR: それ以降の送信、受信ともに拒否されます

how を省略すると Socket::SHUT_RDWR を指定したことになります。 shutdown(2) を参照してください。

[PARAM] how:
接続の終了の仕方を Socket::SHUT_RD, Socket::SHUT_WR, Socket::SHUT_RDWR などで指定します。
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
ソケットの以降の接続を終了操作が失敗した場合に発生します。
[EXCEPTION] ArgumentError:
how に範囲外の整数を入力した場合に発生します。
[EXCEPTION] SecurityError:
セーフレベルが 4 以上で、ソケットに汚染マークがついていない場合発生します。
sysaccept -> Integer

接続したクライアントのソケットをファイル記述子で返すことを除けば UNIXServer#accept と同じです。

例:

UNIXServer.open("/tmp/s") {|serv|
  c = UNIXSocket.open("/tmp/s")
  p serv.sysaccept        #=> 6
}
class UNIXServer