class Hash + Enumerable
クラスの継承リスト: Hash < Enumerable < Object < Kernel
要約
ハッシュテーブル(連想配列とも呼ぶ)のクラスです。ハッシュは任意の種類のオブ ジェクト(キー)から任意の種類のオブジェクト(値)への関連づけを行うことができます。
ハッシュ生成は多くの場合以下のようなリテラル (リテラル/ハッシュ式 ) で行われます。
{a => b, ... } # aはキー、bは値となる
キーには任意の種類のオブジェクトを用いることができますが、 以下の2つのメソッドが適切に定義してある必要があります。
- Object#hash ハッシュの格納に用いられるハッシュ値の計算
- Object#eql? キーの同一性判定
破壊的操作によってキーとして与えたオブジェクトの内容が変化し、Object#hash の返す 値が変わるとハッシュから値が取り出せなくなりますから、 Array などのインスタンスはキーに向きません。Hash#rehash を参照。
ただし、文字列をキーとして与えた場合は、文字列をコピーし、コピーを更新不可に設定 (Object#freeze) してキーとして 使用します。キーとして使われている文字列を更新しようとすると例外 TypeError が発生するので rehash を呼ぶ必要性は生じません。
ハッシュにはデフォルト値を設定することができます。存在しないキーを探索したときに返す値で、未設定時は nil です。 デフォルト値には値形式とブロック形式があります。 実際にデフォルト値がどのように扱われるかは各メソッドの説明を参照してください。
ハッシュに含まれる要素の順序は保持されません。 列挙する順序は不定です。
特異メソッド
self[other] -> Hash
-
新しいハッシュを生成します。 引数otherと同一のキーと値を持つ新たなハッシュを生成して返します。
引数otherがハッシュではない場合、otherのメソッドto_hashを使って暗黙の変換を試みます。
デフォルト値はコピーしません。生成されたハッシュのデフォルト値は nil です。
引数otherと生成したハッシュは同じオブジェクトを参照することになるので、 一方でキーや値に破壊的操作を行うともう片方にも影響します。
- [PARAM] other:
- 生成元となるハッシュまたはメソッド to_hash でハッシュに変換できるオブジェクトです。
h = {1 => "value"} h.default = "none" g = Hash[h] p g #=> {1=>"value"} p h[:no] #=> "none" p g[:no] #=> nil h[:add] = "some" p h #=> {1=>"value", :add=>"some"} p g #=> {1=>"value"} h[1] << 'plus' #破壊的操作 p h #=> {1=>"valueplus", :add=>"some"} p g #=> {1=>"valueplus"}
self[*key_and_value] -> Hash
-
新しいハッシュを生成します。 引数は必ず偶数個指定しなければなりません。奇数番目がキー、偶数番目が値になります。
このメソッドでは生成するハッシュにデフォルト値を指定することはできません。 Hash.newを使うか、Hash#default=で後から指定してください。
- [PARAM] key_and_value:
- 生成するハッシュのキーと値の組です。必ず偶数個(0を含む)指定しなければいけません。
- [EXCEPTION] ArgumentError:
- 奇数個の引数を与えたときに発生します。
以下は配列からハッシュを生成する方法の例です。
(1) [キー, 値, ...] の配列からハッシュへ
ary = [1,"a", 2,"b", 3,"c"] p Hash[*ary] # => {1=>"a", 2=>"b", 3=>"c"}
(2) キーと値のペアの配列からハッシュへ
alist = [[1,"a"], [2,"b"], [3,"c"]] p Hash[*alist.flatten] # => {1=>"a", 2=>"b", 3=>"c"}
(3) キーと値の配列のペアからハッシュへ
keys = [1, 2, 3] vals = ["a", "b", "c"] alist = keys.zip(vals) # あるいは alist = [keys,vals].transpose p Hash[*alist.flatten] # => {1=>"a", 2=>"b", 3=>"c"}
(4) キーや値が配列の場合
alist = [[1,["a"]], [2,["b"]], [3,["c"]], [[4,5], ["a", "b"]]] hash = Hash[alist] # => {1=>["a"], 2=>["b"], 3=>["c"], [4, 5]=>["a", "b"]}
new(ifnone = nil) -> Hash
-
空の新しいハッシュを生成します。ifnone はキーに対 応する値が存在しない時のデフォルト値です。設定したデフォルト値はHash#defaultで参照できます。
ifnoneを省略した Hash.new は {} と同じです。
デフォルト値として、毎回同一のオブジェクトifnoneを返します。 それにより、一箇所のデフォルト値の変更が他の値のデフォルト値にも影響します。
h = Hash.new([]) h[0] << 0 h[1] << 1 p h.default #=> [0, 1]
これを避けるには、破壊的でないメソッドで再代入する必要が有ります。 また、このようなミスを防ぐためにもifnoneは freeze して破壊的操作を禁止しておくのが無難です。
- [PARAM] ifnone:
- キーに対応する値が存在しない時のデフォルト値です。
h = Hash.new([]) p h[1] #=> [] p h[1].object_id #=> 6127150 p h[1] << "bar" #=> ["bar"] p h[1] #=> ["bar"] p h[2] #=> ["bar"] p h[2].object_id #=> 6127150 p h #=> {} h = Hash.new([].freeze) h[0] += [0] #破壊的でないメソッドはOK h[1] << 1 # エラー `<<': can't modify frozen array (TypeError)
new {|hash, key| ... } -> Hash
-
空の新しいハッシュを生成します。ブロックの評価結果がデフォルト値になりま す。設定したデフォルト値はHash#default_procで参照できます。
値が設定されていないハッシュ要素を参照するとその都度ブロックを 実行し、その結果を返します。 ブロックにはそのハッシュとハッシュを参照したときのキーが渡されます。
- [EXCEPTION] ArgumentError:
- ブロックと通常引数を同時に与えると発生します。
# ブロックではないデフォルト値は全部同一のオブジェクトなので、 # 破壊的変更によって他のキーに対応する値も変更されます。 h = Hash.new("foo") p h[1] #=> "foo" p h[1].object_id #=> 6127170 p h[1] << "bar" #=> "foobar" p h[1] #=> "foobar" p h[2] #=> "foobar" p h[2].object_id #=> 6127170 p h #=> {} # ブロックを与えると、対応する値がまだ無いキーが呼び出される度に # ブロックを評価するので、全て別のオブジェクトになります。 h = Hash.new {|hash, key| hash[key] = "foo"} p h[1] #=> "foo" p h[1].object_id #=> 6126900 p h[1] << "bar" #=> "foobar" p h[1] #=> "foobar" p h[2] #=> "foo" p h[2].object_id #=> 6126840 p h #=> {1=>"foobar", 2=>"foo"} # 値が設定されていないときに(fetchのように)例外をあげるようにもできる h = Hash.new {|hash, key| raise(IndexError, "hash[#{key}] has no value") } h[1] # エラー hash[1] has no value (IndexError)
[SEE_ALSO] Hash#default=,Hash#default,Hash#default_proc
インスタンスメソッド
self == other -> bool
self === other -> bool
eql?(other) -> bool
-
自身と other が同じ数のキーを保持し、キーが eql? メソッドで比較して全て等しく、 値が == メソッドで比較して全て等しい場合に真を返します。
- [PARAM] other:
- 自身と比較したい Hash オブジェクトを指定します。
#(出力関数は省略) { 1 => :a } == { 1 => :a } #=> true { 1 => :a } == { 1 => :a, 2 => :b } #=> false { 1 => :a } == { 1.0 => :a } #=> false ( 1.eql?(1.0) は false なので) { :x => 1 } == { :x => 1.0 } #=> true ( 1 == 1.0 は true なので)
[SEE_ALSO] Hash#equal?
self[key] -> object | nil
-
key に関連づけられた値を返します。
該当するキーが登録されていない時には、デフォルト値を返します。
デフォルト値と値としての nil を区別する必要が ある場合は Hash#fetch または Hash#has_key? を使ってください。
- [PARAM] key:
- 探索するキーを指定します。
h = {:ab => "some" , :cd => "all"} p h[:ab] #=> "some" p h[:ef] #=> nil h1 = Hash.new("default value") p h1[:non] #=> "default value" h2 = Hash.new {|*arg| arg} p h2[:non] #=> [{}, :non]
[SEE_ALSO] Hash.new, Hash#fetch,Hash#values_at,Hash#has_key?, Hash#default, Hash#default_proc
self[key] = value
store(key, value) -> object
-
key に対して value を関連づけます。value を返し ます。
- [PARAM] key:
- キーを指定します。
- [PARAM] value:
- 値を指定します。
h = {} h[:key] = "value" p h #=>{:key => "value"}
[SEE_ALSO] Hash#[]
all? -> bool
all? {|item| ... } -> bool
-
すべての要素が真である場合に true を返します。 偽である要素があれば、ただちに false を返します。
ブロックを伴う場合は、各要素に対してブロックを評価し、すべての結果 が真である場合に true を返します。ブロックが偽を返した時点で、 ただちに false を返します。
例:
# すべて正の数か? p [5, 6, 7].all? {|v| v > 0 } # => true p [5, -1, 7].all? {|v| v > 0 } # => false
any? -> bool
any? {|item| ... } -> bool
-
すべての要素が偽である場合に false を返します。 真である要素があれば、ただちに true を返します。
ブロックを伴う場合は、各要素に対してブロックを評価し、すべての結果 が偽である場合に false を返します。ブロックが真を返した時点 で、ただちに true を返します。
例:
p [1, 2, 3].any? {|v| v > 3 } # => false p [1, 2, 3].any? {|v| v > 1 } # => true
clear -> self
-
ハッシュの中身を空にします。
空にした後のselfを返します。 デフォルト値の設定はクリアされません。
h = Hash.new("default value") h[:some] = "some" p h #=> {:some=>"some"} h.clear p h #=> {} p h.default #=> "default value"
clone -> Hash
dup -> Hash
-
selfと同じ内容を持つ新しいハッシュを返します。
clone は frozen tainted singleton-class の情報も含めてコピーしますが、 dup は内容だけをコピーします。 またどちらのメソッドも要素それ自体のコピーはしません。つまり参照しているオブジェクトが 変わらない「浅い(shallow)」コピーを行います。
h1 = {"have" => "have a","as" => "as a" } h2 = h1.dup h2["have"] = "has" p h2 #=> {"have"=>"has", "as"=>"as a"} p h1 #=> {"have"=>"have a", "as"=>"as a"} h2["as"].upcase! p h2 #=> {"have"=>"has", "as"=>"AS A"} p h1 #=> {"have"=>"have a", "as"=>"AS A"}
[SEE_ALSO] Object#clone
collect {|item| ... } -> [object]
map {|item| ... } -> [object]
-
各要素に対してブロックを評価した結果を全て含む配列を返します。
ブロックを省略した場合、 obj.collect {|item| item } を実行します。 これは Enumerable#to_a と同じです。
例:
# すべて 3 倍にする p [1, 2, 3].map {|n| n * 3 } # => [3, 6, 9]
count -> Integer
count(item) -> Integer
count {|obj| ... } -> Integer
-
レシーバの要素数を返します。
引数を指定しない場合は、レシーバの要素数を返します。 このとき、レシーバが size メソッドを持っていればそちらを使用します。 レシーバが size メソッドを持っていない場合は、要素数を一つずつカウントします。
引数を一つ指定した場合は、レシーバの要素のうち引数に一致するものの 個数をカウントして返します(一致は == で判定します)。
ブロックを指定した場合は、ブロックを評価して真になった要素の個数を カウントして返します。
- [PARAM] item:
- カウント対象となる値。
例:
ary = [1, 2, 4, 2] ary.count # => 4 ary.count(2) # => 2 ary.count{|x|x%2==0} # => 3
cycle(n=nil) -> Enumerable::Enumerator
cycle(n=nil) {|obj| ... } -> object | nil
-
Enumerable オブジェクトの各要素を n 回 or 無限回(n=nil)繰り返し ブロックを呼びだします。
n に 0 もしくは負の値を渡した場合は何もしません。 繰り返しが最後まで終了した場合(つまりbreakなどで中断しなかった場合) は nil を返します。 このメソッドは内部の配列に各要素を保存しておくため、 一度 Enumerable の終端に到達した後に自分自身を変更しても このメソッドの動作に影響を与えません。
a = ["a", "b", "c"] a.cycle {|x| puts x } # print, a, b, c, a, b, c,.. forever. a.cycle(2) {|x| puts x } # print, a, b, c, a, b, c.
- [RETURN]
- ブロックを指定しなかった場合は、Enumerable::Enumerator を返します。 レシーバが空の場合は nil を返します。
default -> object | nil
default(key) -> object | nil
-
ハッシュのデフォルト値を返します。
ハッシュのデフォルト値がブロックで与えられている場合、 1 番目の形式だと 返り値が nil になることに注意してください。この場合、ハッシュのデフォルト値に ついて調べるには 2 番目の形式か Hash#default_proc を使ってください。
2 番目の形式はハッシュがデフォルト値としてブロックを持つ場合に、 self と引数 key をブロックに渡して評価し、その結果を返します。
- [PARAM] key:
- デフォルトのブロックにキーとして渡されます。
h = Hash.new("default") p h.default #=> "default" p h.default(:some) #=> "default" p h #=>{} h = Hash.new{|hash, key| hash[key] ="default" } p h.default #=> nil p h.default(:some) #=> "default" p h #=> {:some=>"default"} h = Hash.new p h.default #=> nil p h.default(:some) #=> nil p h #=> {}
[SEE_ALSO] Hash#default=, Hash#default_proc
default=(value)
-
ハッシュのデフォルト値を value に変更します。対応する値が存 在しないキーで検索した時にはこの値を返すようになります。
デフォルト値(ブロックを含む)が既に設定してあった場合も value で上書きします。
- [PARAM] value:
- 設定するデフォルト値です。
- [RETURN]
- value を返します。
h = {} p h.default #=>nil h.default = "default" p h.default #=>"default"
[SEE_ALSO] Hash#default
default_proc -> Proc | nil
-
ハッシュのデフォルト値を返す Proc オブジェクトを返します。 ハッシュがブロック形式のデフォルト値を持たない場合 nil を返します。
h = Hash.new {|hash, key| "The #{key} not exist in #{hash.inspect}"} p h.default #=> nil p block = h.default_proc #=> #<Proc:0x0x401a9ff4> p block.call({},:foo) #=> "The foo not exist in {}" h = Hash.new("default") p h.default #=> "default" p h.default_proc #=> nil
[SEE_ALSO] Hash#default
delete(key) -> object | nil
delete(key) {|key| ... } -> object
-
key に対応する要素を取り除きます。
- [PARAM] key:
- 取り除くキーを指定します。
- [RETURN]
- 取り除かれた要素の値を返します。 key に対応する要素が存在しない時には nil を返します。 与えられたブロックは key にマッチする要素がなかった時に評価され、その結果を返します。
h = {:ab => "some" , :cd => "all"} p h.delete(:ab) #=> "some" p h.delete(:ef) #=> nil p h.delete(:ef){|key|"#{key} Nothing"} #=> "ef Nothing" p h #=> {:cd=>"all"}
[SEE_ALSO] Hash#delete_if
delete_if -> Enumerable::Enumerator
reject! -> Enumerable::Enumerator
delete_if {|key, value| ... } -> self
reject! {|key, value| ... } -> self|nil
-
キーと値を引数としてブロックを評価した結果が真であ るような要素を self から削除します。
delete_if は常に self を返します。 reject! は、要素を削除しなかった場合には nil を返し、 そうでなければ self を返します。
ブロックを省略した場合は Enumerable::Enumerator を返します。
h = { 2 => "8" ,4 => "6" ,6 => "4" ,8 => "2" } p h.reject!{|key, value| key.to_i < value.to_i } #=> { 6 => "4", 8 => "2" } p h #=> { 6 => "4", 8 => "2" } p h.delete_if{|key, value| key.to_i < value.to_i } #=> { 6 => "4", 8 => "2" } p h.reject!{|key, value| key.to_i < value.to_i } #=> nil
[SEE_ALSO] Hash#reject,Hash#delete
find(ifnone = nil) -> Enumerable::Enumerator
detect(ifnone = nil) -> Enumerable::Enumerator
find(ifnone = nil) {|item| ... } -> object
detect(ifnone = nil) {|item| ... } -> object
-
要素に対してブロックを評価した値が真になった最初の要素を返します。
真になる要素が見つからず、ifnone も指定されていないときは nil を返します。 真になる要素が見つからず、ifnone が指定されているときは ifnone を call した結果を返します。
- [PARAM] ifnone:
- call メソッドを持つオブジェクト (例えば Proc) を指定します。
例:
# 最初の 3 の倍数を探す p [1, 2, 3, 4, 5].find {|i| i % 3 == 0 } # => 3 p [2, 2, 2, 2, 2].find {|i| i % 3 == 0 } # => nil # ifnone の使用例 ifnone = proc { raise ArgumentError, "item not found" } p [1, 2, 3, 4, 5].find(ifnone) {|i| i % 7 == 0 } # ArgumentError: item not found
drop(n) -> Array
-
Enumerable オブジェクトの先頭の n 要素を捨てて、 残りの要素を配列として返します。
- [PARAM] n:
- 捨てる要素数。
a = [1, 2, 3, 4, 5, 0] a.drop(3) # => [4, 5, 0]
drop_while -> Enumerable::Enumerator
drop_while {|element| ... } -> Array
-
ブロックを評価して最初に偽となった要素の手前の要素まで捨て、 残りの要素を配列として返します。
ブロックを指定しなかった場合は、Enumerable::Enumerator を返します。
a = [1, 2, 3, 4, 5, 0] a.drop_while {|i| i < 3 } # => [3, 4, 5, 0]
each {|key, value| ... } -> self
each_pair {|key, value| ... } -> self
each -> Enumerable::Enumerator
each_pair -> Enumerable::Enumerator
-
ハッシュのキーと値を引数としてブロックを評価します。
反復の際の評価順序は不定です。 ブロック付きの場合 self を、 無しで呼ばれた場合 Enumerable::Enumerator を返します。
each と each_pair ではブロック引数の受渡し方が異なります。 each は キーと値の配列を1引数で、each_pair は別々に2引数でブロックに値を渡します。 これによりブロック引数をひとつだけ指定した場合の挙動が異なります。 ブロック引数を2つ指定するようにすれば同じ挙動になります。
{:a=>1, :b=>2}.each {|a| p a} #=> [:a, 1] [:b, 2] {:a=>1, :b=>2}.each_pair {|*a| p a} #明示的に配列で受ける #=> [:a, 1] [:b, 2] {:a=>1, :b=>2}.each {|k, v| p [k, v]} #each_pairでも同じ結果 #=> [:a, 1] [:b, 2]
each_pair は each のエイリアスです。
{:a=>1, :b=>2}.each {|a| p a} #=> [:a, 1] [:b, 2] {:a=>1, :b=>2}.each_pair {|*a| p a} #=> [[:a, 1]] [[:b, 2]] {:a=>1, :b=>2}.each {|k, v| p [k, v]} #each_pairでも同じ結果 #=> [:a, 1] [:b, 2] p({:a=>1, :b=>2}.each_pair) # => #<Enumerable::Enumerator:0xbb19e4>
[SEE_ALSO] Hash#each_key,Hash#each_value
each_cons(n) -> Enumerable::Enumerator
enum_cons(n) -> Enumerable::Enumerator
each_cons(n) {|list| ... } -> nil
enum_cons(n) {|list| ... } -> nil
-
要素を重複ありで n 要素ずつに区切り、 ブロックに渡して繰り返します。
enum_cons は 1.9.1 以降ではなくなっています。 代わりに each_cons を使ってください。
- [PARAM] n:
- ブロックに渡す要素の数です。正の整数を与えます。 要素数より大きな数を与えると、ブロックは一度も実行されません。
例:
(1..10).each_cons(3){|v| p v } # => [1, 2, 3] # [2, 3, 4] # [3, 4, 5] # [4, 5, 6] # [5, 6, 7] # [6, 7, 8] # [7, 8, 9] # [8, 9, 10]
[SEE_ALSO] Enumerable#each_slice
each_key {|key| ... } -> self
each_key -> Enumerable::Enumerator
-
ハッシュのキーを引数としてブロックを評価します。
反復の際の評価順序は不定です。 ブロック付きの場合selfを、 無しで呼ばれた場合Enumerable::Enumeratorを返します。
{:a=>1, :b=>2}.each_key {|k| p k} #=> :a :b p({:a=>1, :b=>2}.each_key) #=> #<Enumerable::Enumerator:0xbb19e4>
[SEE_ALSO] Hash#each_pair,Hash#each_value
each_slice(n) -> Enumerable::Enumerator
enum_slice(n) -> Enumerable::Enumerator
each_slice(n) {|list| ... } -> nil
enum_slice(n) {|list| ... } -> nil
-
n 要素ずつブロックに渡して繰り返します。
要素数が n で割り切れないときは、最後の回だけ要素数が減ります。
enum_slice は 1.9.1 以降ではなくなっています。 代わりに each_slice を使ってください。
- [PARAM] n:
- 区切る要素数を示す整数です。
例:
(1..10).each_slice(3) {|a| p a} # => [1, 2, 3] # [4, 5, 6] # [7, 8, 9] # [10]
[SEE_ALSO] Enumerable#each_cons
each_value {|value| ... } -> self
each_value -> Enumerable::Enumerator
-
ハッシュの値を引数としてブロックを評価します。
反復の際の評価順序は不定です。 ブロック付きの場合selfを、 無しで呼ばれた場合 Enumerable::Enumerator を返します。
{:a=>1, :b=>2}.each_value {|v| p v} #=> 1 2 p({:a=>1, :b=>2}.each_value) #=> #<Enumerable::Enumerator:0xbb19e4>
[SEE_ALSO] Hash#each_pair,Hash#each_key
each_with_index -> Enumerable::Enumerator
enum_with_index -> Enumerable::Enumerator
each_with_index {|item, index| ... } -> self
-
要素とそのインデックスをブロックに渡して繰り返します。
self を返します。
例:
[5, 10, 15].each_with_index do |n, idx| p [n, idx] end # => [5, 0] # [10, 1] # [15, 2]
empty? -> bool
-
ハッシュが空の時真を返します。
puts({}.empty?) #=> true
to_a -> [object]
entries -> [object]
-
全ての要素を含む配列を返します。
equal?(other) -> bool
-
指定された other が self 自身である場合のみ真を返します。
- [PARAM] other:
- 自身と比較したい Hash オブジェクトを指定します。
p({}.equal?({})) #=> false a = {} p a.equal?(a) #=> true
[SEE_ALSO] Hash#==
fetch(key, default = nil) {|key| ... } -> object
-
key に関連づけられた値を返します。該当するキーが登録されてい ない時には、引数 default が与えられていればその値を、ブロッ クが与えられていればそのブロックを評価した値を返します。
fetchはハッシュ自身にデフォルト値が設定されていても単に無視します(挙動に変化がありません)。
- [PARAM] key:
- 探索するキーを指定します。
- [PARAM] default:
- 該当するキーが登録されていない時の返り値を指定します。
- [EXCEPTION] IndexError:
- 引数defaultもブロックも与えられてない時、キーの探索に失敗すると発生します。
h = {:one => nil} p h[:one],h[:two] #=> nil,nil これではキーが存在するのか判別できない。 p h.fetch(:one) #=> nil p h.fetch(:two) # エラー key not found (KeyError) p h.fetch(:two,"error") #=> "error" p h.fetch(:two){|key|"#{key} not exist"} #=> "two not exist" p h.fetch(:two, "error"){|key| #=> "two not exist" "#{key} not exit" # warning: block supersedes default value argument } # 警告が表示される。 h.default = "default" p h.fetch(:two) # エラー key not found (KeyError)
[SEE_ALSO] Hash#[]
find_all -> Enumerable::Enumerator
select -> Enumerable::Enumerator
find_all {|item| ... } -> [object]
select {|item| ... } -> [object]
-
各要素に対してブロックを評価した値が真であった要素を全て含む配列を 返します。真になる要素がひとつもなかった場合は空の配列を返します。
find_index -> Enumerable::Enumerator
find_index {|obj| ... } -> Integer | nil
-
要素を先頭から順にブロックに渡して評価し、最初に真になった要素のインデックスを返します。 一つも真にならなければ nil を返します。
(1..10).find_index {|i| i % 5 == 0 and i % 7 == 0 } #=> nil (1..100).find_index {|i| i % 5 == 0 and i % 7 == 0 } #=> 34
ブロックを指定しなかった場合は、Enumerable::Enumerator を返します。
first -> object | nil
first(n) -> Array
-
Enumerable オブジェクトの最初の要素、もしくは最初の n 要素を返します。
Enumerable オブジェクトが空の場合、引数を指定しない形式では nil を返します。 引数を指定する形式では、空の配列を返します。
- [PARAM] n:
- 取得する要素数。
e = "abcd".each_byte e.first #=> 97 e.first(2) #=> [97,98] e = "".each_byte e.first #=> nil e.first(2) #=> []
grep(pattern) -> [object]
grep(pattern) {|item| ... } -> [object]
-
pattern === item が成立する要素を全て含んだ配列を返します。
ブロックとともに呼び出された時には条件の成立した要素に対して それぞれブロックを評価し、その結果の配列を返します。 マッチする要素がひとつもなかった場合は空の配列を返します。
- [PARAM] pattern:
- 「===」メソッドを持つオブジェクトを指定します。
例:
['aa', 'bb', 'cc', 'dd', 'ee'].grep(/[bc]/) # => ["bb", "cc"] Array.instance_methods.grep(/gr/) # => ["group_by", "grep"]
group_by -> Enumerable::Enumerator
group_by {|obj| ... } -> Hash
-
ブロックを評価した結果をキー、対応する要素の配列を値とするハッシュを返します。
(1..6).group_by {|i| i%3} #=> {0=>[3, 6], 1=>[1, 4], 2=>[2, 5]}
has_key?(key) -> bool
include?(key) -> bool
key?(key) -> bool
member?(key) -> bool
-
ハッシュが key をキーとして持つ時真を返します。
- [PARAM] key:
- 探索するキーを指定します。
p({1 => "one"}.has_key?(1)) #=> true p({1 => "one"}.has_key?(2)) #=> false
[SEE_ALSO] Hash#has_value?
has_value?(value) -> bool
value?(value) -> bool
-
ハッシュが value を値として持つ時真を返します。 値の一致判定は == で行われます。
- [PARAM] value:
- 探索する値を指定します。
p({1 => "one"}.has_value?("one")) #=> true p({1 => "one"}.has_value?("two")) #=> false
[SEE_ALSO] Hash#has_key?
hash -> Integer
-
自身の Object#object_id を返します。これは Object クラスで定義されたデフォルトの動作です。 メソッド hash の返り値は自身が保持するキーや値に影響されません。
a = {} p a.hash #=> 538688380 a[1] = :a p a.hash #=> 538688380
member?(val) -> bool
include?(val) -> bool
-
val と == の関係にある要素を含むとき真を返します。
- [PARAM] val:
- 任意のオブジェクト
index(val) -> object
-
値 val に対応するキーを返します。対応する要素が存在しない時には nil を返します。
該当するキーが複数存在する場合、どのキーを返すかは不定です。
Hash#index は 次バージョンの1.9では((<obsolete>)) です。 使用すると警告メッセージが表示されます。
- [PARAM] val:
- 探索に用いる値を指定します。
h = {:ab => "some" , :cd => "all" , :ef => "all"} p h.index("some") #=> :ab p h.index("all") #=> :cd p h.index("at") #=> nil
[SEE_ALSO] Hash#invert
indexes(*keys) -> [object]
indices(*keys) -> [object]
-
引数で指定されたキーに対応する値の配列を返します。
このメソッドは ((<obsolete>)) です。 使用すると警告メッセージが表示されます。 代わりに Hash#values_at を使用してください。
- [PARAM] keys:
- キーを任意個指定します。
[SEE_ALSO] Hash#values_at,Hash#[]
inject(init = self.first) {|result, item| ... } -> object
inject(sym) -> object
inject(init, sym) -> object
reduce(init = self.first) {|result, item| ... } -> object
reduce(sym) -> object
reduce(init, sym) -> object
-
リストのたたみこみ演算を行います。
最初に初期値 init と self の最初の要素を引数にブロックを実行します。 2 回目以降のループでは、前のブロックの実行結果と self の次の要素を引数に順次ブロックを実行します。 そうして最後の要素まで繰り返し、最後のブロックの実行結果を返します。
要素が存在しない場合は init を返します。
初期値 init を省略した場合は、 最初に先頭の要素と 2 番目の要素をブロックに渡します。 また要素が 1 つしかなければブロックを実行せずに最初の要素を返します。 要素がなければブロックを実行せずに nil を返します。
- [PARAM] init:
- 最初の result の値です。任意のオブジェクトが渡せます。
- [PARAM] sym:
- ブロックの代わりに使われるメソッド名を表す Symbol オブジェクトを指定します。 実行結果に対して sym という名前のメソッドが呼ばれます。
例:
# 合計を計算する。 p [2, 3, 4, 5].inject {|result, item| result + item } #=> 14 # 自乗和を計算する。初期値をセットする必要がある。 p [2, 3, 4, 5].inject(0) {|result, item| result + item**2 } #=> 54
この式は以下のように書いても同じ結果が得られます。
result = 0 [1, 2, 3, 4, 5].each {|v| result += v } p result # => 15 p [1, 2, 3, 4, 5].inject(:+) #=> 15 p ["b", "c", "d"].inject("abbccddde", :squeeze) #=> "abcde"
inspect -> String
-
ハッシュの内容を人間に読みやすい文字列にして返します。
h = { "c" => 300, "a" => 100, "d" => 400, "c" => 300 } h.inspect # => "{\"a\"=>100, \"c\"=>300, \"d\"=>400}"
invert -> Hash
-
値からキーへのハッシュを作成して返します。
異なるキーに対して等しい値が登録されている場合の結果は不定であることに 注意してください、そのような場合にこのメソッドを利用することは意図され ていません。
h = { "a" => 0, "b" => 100, "c" => 200, "d" => 300, "e" => 300 } p h.invert #=> {0=>"a", 100=>"b", 200=>"c", 300=>"e"}
参考
値が重複していたときに備えて、変換後の値を配列として保持するには、次のようにします。
def safe_invert(orig_hash) result = Hash.new{|h,key| h[key] = [] } orig_hash.each{|key, value| result[value] << key } result end p safe_invert({"a"=>1, "b"=>1, "c"=>3}) #=> {1=>["a", "b"], 3=>["c"]} #転載:Rubyレシピブック No.120
[SEE_ALSO] Hash#index
keys -> [object]
-
全キーの配列を返します。
h1 = { "a" => 100, 2 => ["some"], :c => "c" } p h1.keys #=> ["a", 2, :c]
[SEE_ALSO] Hash#values,Hash#to_a
length -> Integer
size -> Integer
-
ハッシュの要素の数を返します。
puts({:ant => 9 ,:dog => 101 ,:cat => 3}.length) #=> 3
max -> object
-
最大の要素を返します。 全要素が互いに <=> メソッドで比較できることを仮定しています。
要素が存在しなければ nil を返します。 該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。
max {|a, b| ... } -> object
-
ブロックの評価結果で各要素の大小判定を行い、最大の要素を返します。 要素が存在しなければ nil を返します。
ブロックの値は、a > b のとき正、 a == b のとき 0、a < b のとき負の整数を、期待しています。
該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。
- [EXCEPTION] TypeError:
- ブロックが整数以外を返したときに発生します。
max_by -> Enumerable::Enumerator
max_by {|item| ... } -> object
-
各要素を順番にブロックに渡して実行し、 その評価結果を <=> で比較して、 最大であった値に対応する元の要素を返します。
要素が存在しないときは nil を返します。 該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。
Enumerable#max と Enumerable#max_by の 違いは Enumerable#sort と Enumerable#sort_by の違いと同じです。
[SEE_ALSO] Enumerable#sort_by
merge(other) -> Hash
merge(other) {|key, self_val, other_val| ... } -> Hash
merge!(other) -> self
merge!(other) {|key, self_val, other_val| ... } -> self
-
selfとotherのハッシュの内容をマージ(統合)した結果を返します。デフォルト値はselfの設定のままです。
self と other に同じキーがあった場合はブロック付きか否かで 判定方法が違います。ブロック付きのときはブロックを呼び出して その返す値を重複キーに対応する値にします。ブロック付きでない 場合は常に other の値を使います。
Hash#merge! は、マージの結果でselfを変更する破壊的メソッドで、Hash#update の別名です。
otherがハッシュではない場合、otherのメソッドto_hashを使って暗黙の変換を試みます。
- [PARAM] other:
- マージ用のハッシュまたはメソッド to_hash でハッシュに変換できるオブジェクトです。
- [RETURN]
- マージした結果を返します
foo = {1 => 'a', 2 => 'b', 3 => 'c'} bar = {2 => 'B', 3 => 'C', 4 => 'D'} p foo.merge(bar) #=> {1=>"a", 2=>"B", 3=>"C", 4=>"D"} p foo #=> {1=>"a", 2=>"b", 3=>"c"} p foo.merge!(bar) {|key, foo_val, bar_val| foo_val + bar_val } #=> {1=>"a", 2=>"bB", 3=>"cC", 4=>"D"} p foo #=> {1=>"a", 2=>"bB", 3=>"cC", 4=>"D"} class Foo def to_hash {:Australia => 'Sydney', :France => 'Paris' } end end h = {:Germany => 'Berlin', :Australia => 'Canberra', :France => 'Paris' } h.merge!(Foo.new) #暗黙の変換 p h #=> {:Germany=>"Berlin", :Australia=>"Sydney", :France=>"Paris"}
[SEE_ALSO] Hash#update,Hash#replace
min -> object
-
最小の要素を返します。 全要素が互いに <=> メソッドで比較できることを仮定しています。
要素が存在しなければ nil を返します。 該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。
min {|a, b| ... } -> object
-
ブロックの評価結果で各要素の大小判定を行い、最小の要素を返します。 要素が存在しなければ nil を返します。
ブロックの値は、a > b のとき正、a == b のとき 0、 a < b のとき負の整数を、期待しています。
該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。
- [EXCEPTION] TypeError:
- ブロックが整数以外を返したときに発生します。
min_by -> Enumerable::Enumerator
min_by {|item| ... } -> object
-
各要素を順番にブロックに渡して評価し、 その評価結果を <=> で比較して、 最小であった値に対応する元の要素を返します。
要素が存在しないときは nil を返します。
該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。
Enumerable#min と Enumerable#min_by の 違いは Enumerable#sort と Enumerable#sort_by の違いと同じです。
[SEE_ALSO] Enumerable#sort_by
minmax -> [object, object]
minmax {|a, b| ... } -> [object, object]
-
Enumerable オブジェクトの各要素のうち最小の要素と最大の要素を 要素とするサイズ 2 の配列を返します。
該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。
一つ目の形式は、Enumerable オブジェクトのすべての要素が Comparable を 実装していることを仮定しています。二つ目の形式では、要素同士の比較を ブロックを用いて行います。
a = %w(albatross dog horse) a.minmax #=> ["albatross", "horse"] a.minmax{|a,b| a.length <=> b.length } #=> ["dog", "albatross"] [].minmax # => [nil, nil]
[SEE_ALSO] Enumerable#sort
minmax_by -> Enumerable::Enumerator
minmax_by {|obj| ... } -> [object, object]
-
Enumerable オブジェクトの各要素をブロックに渡して評価し、その結果を <=> で比較して 最小の要素と最大の要素を要素とするサイズ 2 の配列を返します。
該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。
Enumerable#minmax と Enumerable#minmax_by の 違いは sort と sort_by の違いと同じです。 詳細は Enumerable#sort_by を参照してください。
a = %w(albatross dog horse) a.minmax_by {|x| x.length } #=> ["dog", "albatross"] [].minmax_by{} # => [nil, nil]
[SEE_ALSO] Enumerable#sort_by
none? -> bool
none? {|obj| ... } -> bool
-
ブロックを指定しない場合は、 Enumerable オブジェクトのすべての 要素が偽であれば真を返します。そうでなければ偽を返します。
ブロックを指定した場合は、Enumerable オブジェクトのすべての要素を ブロックで評価した結果が、すべて偽であれば真を返します。 そうでなければ偽を返します。
%w{ant bear cat}.none? {|word| word.length == 5} #=> true %w{ant bear cat}.none? {|word| word.length >= 4} #=> false [].none? #=> true [nil].none? #=> true [nil,false].none? #=> true
one? -> bool
one? {|obj| ... } -> bool
-
ブロックを指定しない場合は、 Enumerable オブジェクトの要素のうち ちょうど一つだけが真であれば、真を返します。 そうでなければ偽を返します。
ブロックを指定した場合は、Enumerable オブジェクトの要素を ブロックで評価した結果、一つの要素だけが真であれば真を返します。 そうでなければ偽を返します。
%w{ant bear cat}.one? {|word| word.length == 4} #=> true %w{ant bear cat}.one? {|word| word.length >= 4} #=> false [ nil, true, 99 ].one? #=> false [ nil, true, false ].one? #=> true
partition -> Enumerable::Enumerator
partition {|item| ... } -> [[object], [object]]
-
各要素を、ブロックの条件を満たす要素と満たさない要素に分割します。 各要素に対してブロックを評価して、その値が真であった要素の配列と、 偽であった要素の配列の 2 つを配列に入れて返します。
例:
[10, 9, 8, 7, 6, 5, 4, 3, 2, 1, 0].partition {|i| i % 3 == 0 } #=> [[9, 6, 3, 0], [10, 8, 7, 5, 4, 2, 1]]
rehash -> self
-
キーのハッシュ値を再計算します。
キーになっているオブジェクトの内容が変化した時など、 ハッシュ値が変わってしまった場合はこのメソッドを使ってハッシュ値を再計算しない 限り、そのキーに対応する値を取り出すことができなくなります。
- [EXCEPTION] RuntimeError:
- Hash#eachなどのイテレータの評価途中でrehashすると発生します。
- [RETURN]
- selfを返します。
a = [ "a", "b" ] h = { a => 100 } p h[a] #=> 100 a[0] = "z" p h[a] #=> nil h.rehash p h[a] #=> 100
[SEE_ALSO] Object#hash
reject {|key, value| ... } -> Hash
reject -> Enumerable::Enumerator
-
self を複製して、ブロックを評価した値が真になる要 素を削除したハッシュを返します。
ハッシュを返すことを除けば Enumerable#reject とほぼ同じです。 selfを破壊的に変更したい場合はかわりにHash#delete_ifかHash#reject!を使います。
h = { 2 =>"8" ,4 =>"6" ,6 =>"4" ,8 =>"2" } p h.reject{|key, value| key.to_i < value.to_i} #=> {6=>"4", 8=>"2"}
[SEE_ALSO] Hash#delete_if,Hash#delete,Enumerable#reject
reject -> Enumerable::Enumerator
reject {|item| ... } -> [object]
-
各要素に対してブロックを評価し、 その値が偽であった要素を集めた新しい配列を返します。 条件を反転させた select です。
例:
# 偶数を除外する (奇数を集める) [1, 2, 3, 4, 5, 6].reject {|i| i % 2 == 0 } # => [1, 3, 5]
[SEE_ALSO] Enumerable#select
replace(other) -> self
-
ハッシュの内容を other の内容で置き換えます。
デフォルト値の設定もotherの内容になります。 otherがハッシュではない場合、otherのメソッドto_hashを使って暗黙の変換を試みます。
self = other.to_hash.dup と同じです。
- [PARAM] other:
- ハッシュまたはメソッド to_hash でハッシュに変換できるオブジェクトです。
- [RETURN]
- self を返します。
foo = {1 => 'a', 2 => 'b'} bar = {2 => 'B', 3 => 'C'} foo.replace(bar) p foo #=> {2=>"B", 3=>"C"} zoo = {} zoo = bar.dup p zoo #=> {2=>"B", 3=>"C"} class Foo def to_hash {:japan => 'kyoto'} end end h = Hash.new h.replace(Foo.new) #暗黙の変換 p h #=> {:japan=>"kyoto"}
[SEE_ALSO] Hash#dup,Hash#merge,Object#to_hash
reverse_each -> Enumerable::Enumerator
reverse_each {|element| ... } -> self
-
逆順に各要素に対してブロックを評価します。
内部で各要素を保持した配列を作ります。
select -> Enumerable::Enumerator
select {|key, value| ... } -> Array
-
key, value のペアについてブロックを評価し、真となるペアだけを含む 配列を生成して返します。
生成される配列は、[key, value] を要素とする配列です。
h = { "a" => 100, "b" => 200, "c" => 300 } h.select {|k,v| k > "a"} #=> [["b", 200], ["c", 300]] h.select {|k,v| v < 200} #=> [["a", 100]]
shift -> [object, object]
-
ハッシュから要素をひとつ取り除き、[key, value]という配列とし て返します。shiftがどの要素を返すかは不定です。
shiftは破壊的メソッドです。selfは要素を取り除かれた残りのハッシュに変更されます。
ハッシュが空の場合、デフォルト値(Hash#defaultまたはHash#default_procのブロックの値か、どちらもnilならばnil) を返します(このとき、[key,value] という形式の値を返すわけではないことに注意)。
h = {:ab => "some" , :cd => "all"} p h.shift #=> [:ab, "some"] p h.shift #=> [:cd, "all"] p h #=> {} p h.shift #=> nil h1 = Hash.new("default value") p h1 #=> {} p h1.shift #=> "default value" h2 = Hash.new {|*arg| arg} p h2 #=> {} p h2.shift #=> [{}, nil]
[SEE_ALSO] Array#shift
sort -> Array
sort {|a, b| ... } -> Array
-
ハッシュを [key, value] を要素とする配列の配列に変換して,それをソー トした配列を返します。
h = { "a" => 20, "b" => 30, "c" => 10 } h.sort #=> [["a", 20], ["b", 30], ["c", 10]] h.sort {|a,b| a[1]<=>b[1]} #=> [["c", 10], ["a", 20], ["b", 30]]
[SEE_ALSO] Array#sort
sort -> [object]
sort {|a, b| ... } -> [object]
-
全ての要素を昇順にソートした配列を生成して返します。
ブロックなしのときは <=> メソッドを要素に対して呼び、 その結果をもとにソートします。
<=> 以外でソートしたい場合は、ブロックを指定します。 この場合、ブロックの評価結果を元にソートします。 ブロックの値は、a > b のとき正、a == b のとき 0、 a < b のとき負の整数を、期待しています。 ブロックが整数以外を返したときは例外 TypeError が発生します。
Enumerable#sort は安定ではありません (unstable sort)。 安定なソートが必要な場合は Enumerable#sort_by を使って工夫する必要があります。 詳しくは Enumerable#sort_by の項目を参照してください。
※ 比較結果が同じ要素は元の順序通りに並ぶソートを 「安定なソート (stable sort)」と言います。
[SEE_ALSO] Enumerable#sort_by
sort_by -> Enumerable::Enumerator
sort_by {|item| ... } -> [object]
-
ブロックの評価結果を <=> メソッドで比較することで、self を昇 順にソートします。ソートされた配列を新たに生成して返します。
つまり、以下とほぼ同じ動作をします。
class Array def sort_by self.map {|i| [yield(i), i] }. sort {|a, b| a[0] <=> b[0] }. map {|i| i[1]} end end
Enumerable#sort と比較して sort_by が優れている点として、 比較条件が複雑な場合の速度が挙げられます。 sort_by を使わない以下の例では比較を行う度に downcase が実行されます。 従って downcase の実行速度が遅ければ sort の速度が致命的に低下します。
p ["BAR", "FOO", "bar", "foo"].sort {|a, b| a.downcase <=> b.downcase }
一方、次のように sort_by を使うと downcase の実行回数は要素数と同じです。 つまり、その部分の実行時間は O(n) のオーダーです。
p ["BAR", "FOO", "bar", "foo"].sort_by {|v| v.downcase }
以下の、実行回数の検証結果を参照してみてください。
class Integer def count $n += 1 self end end ary = [] 1.upto(1000) {|v| ary << rand(v) } $n = 0 ary.sort {|a,b| a.count <=> b.count } p $n # => 18200 $n = 0 ary.sort_by {|v| v.count } p $n # => 1000
Enumerable#sort_by は安定ではありません (unstable sort)。 ただし、sort_by を以下のように使うと安定なソートを実装できます。
i = 0 ary.sort_by {|v| [v, i += 1] }
※ 比較結果が同じ要素は元の順序通りに並ぶソートを 「安定なソート (stable sort)」と言います。
[SEE_ALSO] Enumerable#sort
take(n) -> Array
-
Enumerable オブジェクトの先頭から n 要素を配列として返します。
- [PARAM] n:
- 要素数を指定します。
a = [1, 2, 3, 4, 5, 0] a.take(3) # => [1, 2, 3]
take_while -> Enumerable::Enumerator
take_while {|element| ... } -> Array
-
Enumerable オブジェクトの要素を順に偽になるまでブロックで評価します。 最初に偽になった要素の手前の要素までを配列として返します。
a = [1, 2, 3, 4, 5, 0] a.take_while {|i| i < 3 } # => [1, 2]
to_a -> [Array]
-
キーと値からなる 2 要素の配列を並べた配列を生成して返します。
h1 = { "a" => 100, 2 => ["some"], :c => "c" } p h1.to_a #=> [["a", 100], [2, ["some"]], [:c, "c"]]
[SEE_ALSO] Hash#keys,Hash#values
to_hash -> self
-
self を返します。
[SEE_ALSO] Object#to_hash
to_s -> String
-
ハッシュの内容を self.to_a.to_s で文字列化して返します。
h = { "c" => 300, "a" => 100, "d" => 400, "c" => 300 } h.to_s # => "a100c300d400"
update(other) -> self
update(other) {|key, self_val, other_val| ... } -> self
-
selfとotherのハッシュの内容をマージ(統合)します。Hash#merge!と同じです。
デフォルト値はselfの設定のままです。 otherがハッシュではない場合、otherのメソッドto_hashを使って暗黙の変換を試みます。
- [PARAM] other:
- マージ用のハッシュまたはメソッド to_hash でハッシュに変換できるオブジェクトです。
- [RETURN]
- マージ後のselfを返します。
foo = {1 => 'a', 2 => 'b', 3 => 'c'} bar = {2 => 'B', 3 => 'C', 4 => 'D'} p foo.update(bar) #=> {1=>"a", 2=>"B", 3=>"C", 4=>"D"} p foo #=> {1=>"a", 2=>"B", 3=>"C", 4=>"D"} p foo.update(bar) {|key, foo_val, bar_val| foo_val + bar_val } #=> {1=>"a", 2=>"BB", 3=>"CC", 4=>"DD"} p foo #=> {1=>"a", 2=>"BB", 3=>"CC", 4=>"DD"}
[SEE_ALSO] Hash#merge!
values -> [object]
-
ハッシュの全値の配列を返します。
h1 = { "a" => 100, 2 => ["some"], :c => "c" } p h1.values #=> [100, ["some"], "c"]
values_at(*keys) -> [object]
-
引数で指定されたキーに対応する値の配列を返します。
キーに対応する要素がなければデフォルト値が使用されます。
- [PARAM] keys:
- キーを 0 個以上指定します。
- [RETURN]
- 引数で指定されたキーに対応する値の配列を返します。 引数が指定されなかった場合は、空の配列を返します。
h = {1=>"a", 2=>"b", 3=>"c"} p h.values_at(1,3,4) #=> ["a", "c", nil] # [h[1], h[3] ,h[4]] と同じ
[SEE_ALSO] Hash#[], Hash.new, Hash#default, Hash#default_proc, Array#values_at
zip(*lists) -> [[object]]
zip(*lists) {|v1, v2, ...| ...} -> nil
-
self と引数に渡した配列の各要素からなる配列の配列を生成して返します。 生成される配列の要素数は self の要素数と同じです。
ブロック付きで呼び出した場合は、 self と引数に渡した配列の各要素を順番にブロックに渡します。
- [PARAM] lists:
- 配列を指定します。配列でない場合は to_a メソッドにより配列に変換します。
例:
p (1..3).zip([4,5,6], [7,8,9]) # => [[1, 4, 7], [2, 5, 8], [3, 6, 9]] p (1..2).zip([:a,:b,:c], [:A,:B,:C,:D]) # => [[1, :a, :A], [2, :b, :B]] p (1..5).zip([:a,:b,:c], [:A,:B,:C,:D]) # => [[1, :a, :A], [2, :b, :B], # [3, :c, :C], [4, nil, :D], [5, nil, nil]]
例:
p [1,2,3].zip([4,5,6], [7,8,9]) {|ary| p ary } # => [1, 4, 7] # [2, 5, 8] # [3, 6, 9] # nil
- Ruby 1.8.7 リファレンスマニュアル
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