Ruby 1.8.7 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > opensslライブラリ > OpenSSL::SSL::SSLContextクラス

class OpenSSL::SSL::SSLContext + Object

クラスの継承リスト: OpenSSL::SSL::SSLContext < Object < Kernel

要約

SSL コンテキストクラス。

SSL コネクション(OpenSSL::SSL::SSLSocketOpenSSL::SSL::SSLServer) オブジェクトを生成するためのファクトリクラスです。 コネクションを生成するために必要なパラメータ(プロトコルのバージョン、 証明書の情報、認証の要件など)を保持します。

コネクションを1度生成して以降は、コンテキストが保持しているパラメータを 変更できません。一部のパラメータが共有されるため、安全性のため Object#freeze によってオブジェクトを変更不可能にします。 ただしこの凍結は完全ではなく、 この後もセッション管理機能によってオブジェクトのキャッシュ領域に セッションを追加したり削除したりできます。

Constants

verify_mode= と options= で指定できる定数に関しては OpenSSL::SSL を参照してください。

特異メソッド

new(ssl_method) -> OpenSSL::SSL::SSLContext
new -> OpenSSL::SSL::SSLContext

SSL コンテキストオブジェクトを生成します。

ssl_method で利用するプロトコルの種類を文字列もしくは シンボルで指定します。以下のいずれかが利用可能です。

  • 'TLSv1' TLSv1サーバクライアント両用
  • 'TLSv1_server' TLSv1サーバ用
  • 'TLSv1_client' TLSv1クライアント用
  • 'SSLv2' SSLv2サーバクライアント両用
  • 'SSLv2_server' SSLv2サーバ用
  • 'SSLv2_client' SSLv2クライアント用
  • 'SSLv3' SSLv3サーバクライアント両用
  • 'SSLv3_server' SSLv3サーバ用
  • 'SSLv3_client' SSLv3クライアント用
  • 'SSLv23' SSLv2,3/TLSv1サーバクライアント両用
  • 'SSLv23_server' SSLv2,3/TLSv1サーバ用
  • 'SSLv23_client' SSLv2,3/TLSv1クライアント用

SSLv2 はプロトコル上の脆弱性が明らかにされているため使うべきではありません。

SSLv2 は無効化して SSLv3 と TLSv1 の両方を有効化するためには 'SSLv23' を指定し、OpenSSL::SSL::SSLContext#options=OpenSSL::SSL::OP_NO_SSLv2 を指定します。

[PARAM] ssl_method:
プロトコルを表す文字列もしくはシンボル

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#ssl_version=

new -> Object

Objectクラスのインスタンスを生成して返します。

some = Object.new
p some #=> #<Object:0x2b696d8>

インスタンスメソッド

self == other -> bool

オブジェクトと other が等しければ真を返します。

このメソッドは各クラスの性質に合わせて再定義すべきです。 多くの場合、オブジェクトの内容が等しければ真を返すように (同値性を判定するように)再定義されることが期待されています。

デフォルトでは equal? と同じオブジェクト の同一性判定になっています。

[PARAM] other:
比較するオブジェクトです。
p("foo" == "bar") #=> false
p("foo" == "foo") #=> true

p(4 == 4) #=> true
p(4 == 4.0) #=> true

[SEE_ALSO] Object#equal?,Object#eql?

self === other -> bool

メソッド Object#== の別名です。 case 式で使用されます。このメソッドは case 式での振る舞いを考慮して、 各クラスの性質に合わせて再定義すべきです。

一般的に所属性のチェックを実現するため適宜再定義されます。

when 節の式をレシーバーとして === を呼び出すことに注意してください。

また Enumerable#grep でも使用されます。

[PARAM] other:
比較するオブジェクトです。
age = 12
result =
case age
when 0 .. 2
  "baby"
when 3 .. 6
  "little child"
when 7 .. 12
  "child"
when 13 .. 18
  "youth"
else
  "adult"
end

puts result #=> "child"

def check arg
  case arg
  when /ruby(?!\s*on\s*rails)/i
    "hit! #{arg}"
  when String
    "Instance of String class. But don't hit."
  else
    "unknown"
  end
end

puts check([]) #=> unknown
puts check("mash-up in Ruby on Rails") #=> instance of String class. But not hit...
puts check("<Ruby's world>") #=> hit! <Ruby's world>

[SEE_ALSO] Object#==, Range#===, Module#===, Enumerable#grep

self =~ other -> false

右辺に正規表現オブジェクトを置いた正規表現マッチ obj =~ /RE/ をサポートするためのメソッドです。 常に false を返します。

この定義により、=~ が再定義されたオブジェクトでは正常にマッチを行い、 それ以外のものは false を返すようになります。

[PARAM] other:
任意のオブジェクトです。結果に影響しません。
obj = 'regexp'
p(obj =~ /re/) #=> 0

obj = nil
p(obj =~ /re/) #=> false

[SEE_ALSO] String#=~

__id__ -> Integer
object_id -> Integer
id -> Integer

各オブジェクトに対して一意な整数を返します。あるオブジェクトに対し てどのような整数が割り当てられるかは不定です。

Rubyでは、(Garbage Collectされていない)アクティブなオブジェクト間で 重複しない整数(object_id)が各オブジェクトにひとつずつ割り当てられています。この メソッドはその値を返します。

TrueClass, FalseClass, NilClass, Symbol, Fixnum クラス のインスタンスなど Immutable(変更不可)なオブジェクトの一部は同じ内容ならば必ず同じ object_id になります。

これは、Immutable ならば複数の場所から参照されても`破壊的操作'による問題が発生しないので、 同じ内容のインスタンスを複数生成しないという内部実装が理由です。

Symbol#to_iで得られる整数と object_id は別物です。

id メソッドの再定義に備えて別名 __id__ が用意されて おり、ライブラリでは後者の利用が推奨されます。また __id__ を 再定義すべきではありません。

id は obsolete なので、object_id か __id__ を使用してください。

p "ruby".object_id #=> 22759500
p "ruby".object_id #=> 22759400

p [].object_id #=> 22759360
p [].object_id #=> 22759340

p :ruby.object_id #=> 103538
p :ruby.object_id #=> 103538

p 11.object_id #=> 23
p 11.object_id #=> 23

p true.object_id #=> 2
p true.object_id #=> 2

[SEE_ALSO] Object#equal?,Symbol

send(name, *args) -> object
send(name, *args) { .... } -> object
__send__(name, *args) -> object
__send__(name, *args) { .... } -> object

オブジェクトのメソッド name を args を引数に して呼び出し、メソッドの実行結果を返します。

ブロック付きで呼ばれたときはブロックもそのまま引き渡します。

send が再定義された場合に備えて別名 __send__ も 用意されており、ライブラリではこちらを使うべきです。また __send__ は再定義すべきではありません。

send, __send__ は、メソッドの呼び出し制限 にかかわらず任意のメソッドを呼び出せます。 クラス/メソッドの定義/呼び出し制限 も参照してください。

[PARAM] name:
文字列かSymbol で指定するメソッド名です。
[PARAM] args:
呼び出すメソッドに渡す引数です。
p -365.send(:abs) #=> 365
p "ruby".send(:sub,/./,"R") #=> "Ruby"


class Foo
  def foo() "foo" end
  def bar() "bar" end
  def baz() "baz" end
end

# 任意のキーとメソッド(の名前)の関係をハッシュに保持しておく
# レシーバの情報がここにはないことに注意
methods = {1 => :foo,
  2 => :bar,
  3 => :baz}

# キーを使って関連するメソッドを呼び出す
# レシーバは任意(Foo クラスのインスタンスである必要もない)
p Foo.new.send(methods[1])      # => "foo"
p Foo.new.send(methods[2])      # => "bar"
p Foo.new.send(methods[3])      # => "baz"

[SEE_ALSO] Object#method, Kernel.#eval, Proc, Method

_dump(limit) -> String

Marshal.#dump において出力するオブジェクトがメソッド _dump を定義している場合には、そのメソッドの結果が書き出されます。

バージョン1.8.0以降ではObject#marshal_dump, Object#marshal_loadの使用 が推奨されます。 Marshal.dump するオブジェクトが _dump と marshal_dump の両方の メソッドを持つ場合は marshal_dump が優先されます。

メソッド _dump は引数として再帰を制限するレベル limit を受 け取り、オブジェクトを文字列化したものを返します。

インスタンスがメソッド _dump を持つクラスは必ず同じフォー マットを読み戻すクラスメソッド _load を定義する必要があり ます。_load はオブジェクトを表現した文字列を受け取り、それ をオブジェクトに戻したものを返す必要があります。

[PARAM] limit:
再帰の制限レベルを表す整数です。
[RETURN]
オブジェクトを文字列化したものを返すように定義すべきです。
class Foo
  def initialize(arg)
    @foo = arg
  end
  def _dump(limit)
    Marshal.dump(@foo, limit)
  end
  def self._load(obj)
    p obj
    Foo.new(Marshal.load(obj))
  end
end
foo = Foo.new(['foo', 'bar'])
p foo                      #=> #<Foo:0xbaf234 @foo=["foo", "bar"]>
dms = Marshal.dump(foo)
p dms                      #=> "\004\bu:\bFoo\023\004\b[\a\"\bfoo\"\bbar"
result = Marshal.load(dms) #=> "\004\b[\a\"\bfoo\"\bbar" # self._load の引数
p result                   #=> #<Foo:0xbaf07c @foo=["foo", "bar"]>

インスタンス変数の情報は普通マーシャルデータに含まれるので、上例 のように _dump を定義する必要はありません(ただし _dump を定義すると インスタンス変数の情報は dump されなくなります)。 _dump/_load はより高度な制御を行いたい場合や拡張ライブラリで定義し たクラスのインスタンスがインスタンス変数以外に情報を保持する場合に 利用します。(例えば、クラス Time は、_dump/_load を定義して います)

[SEE_ALSO] Object#marshal_dump,Object#marshal_load

ca_file -> String | nil

接続相手の検証のために使う、信頼している CA 証明書ファイルのパスを返します。

設定されていない場合は nil を返します。

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#ca_file=

ca_file=(ca)

接続相手の検証のために使う、信頼している CA 証明書ファイルのパスを 設定します。

ファイルは以下のように複数の証明書を含んでいても構いません。

(ここに証明書の説明)

-----BEGIN CERTIFICATE-----
... (CA certificate in base64 encoding) ...
-----END CERTIFICATE-----

(ここに証明書の説明)

-----BEGIN CERTIFICATE-----
... (CA certificate in base64 encoding) ...
-----END CERTIFICATE-----

デフォルトは nil です。

[PARAM] ca:
CA証明書ファイルのパス文字列

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#ca_file=

ca_path -> String | nil

信頼している CA 証明書ファイルを含むディレクトリを返します。

設定されていない場合は nil を返します。

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#ca_path=

ca_path=(ca)

接続相手の証明書の検証のために使う、 信頼している CA 証明書ファイルを含むディレクトリを設定します。

そのディレクトリに含まれる 証明書のファイル名は証明書のハッシュ値文字列でなければなりません。

[PARAM] ca:
CA 証明書ファイルを含むディレクトリ名文字列

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#ca_path

cert -> OpenSSL::X509::Certificate

自分自身を証明するための証明書を返します。

デフォルトは nil (証明書なし)です。

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#cert

cert=(certificate)

自分自身を証明するための証明書を設定します。

デフォルトは nil (証明書なし)です。

[PARAM] certificate:
設定する証明書(OpenSSL::X509::Certificate のインスタンス)

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#cert=

cert_store -> OpenSSL::X509::Store | nil

接続相手の証明書の検証のために使う、信頼している CA 証明書を 含む証明書ストアを返します。

デフォルトは nil です。

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#cert_store=

cert_store=(store)

接続相手の証明書の検証のために使う、信頼している CA 証明書を 含む証明書ストアを設定します。

通常は OpenSSL::SSL::SSLContext#ca_path=OpenSSL::SSL::SSLContext#ca_file= で証明書を設定しますが、 CRL を使いたいなど、より詳細な設定をしたい場合にはこれを使います。

デフォルトは nil (証明書ストアを指定しない)です。

[PARAM] store:
設定する証明書ストア(OpenSSL::X509::Store のインスタンス)

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#cert_store

ciphers -> [[String, String, Integer, Integer]]

利用可能な共通鍵暗号の種類を配列で返します。

配列の各要素は以下のような配列です

[暗号方式の名前の文字列, 利用可能なSSL/TLSのバージョン文字列, 鍵長(ビット数), アルゴリズムのビット長]

例:

require 'openssl'
ctx = OpenSSL::SSL::SSLContext.new('TLSv1')
ctx.ciphers
# => [["DHE-RSA-AES256-SHA", "TLSv1/SSLv3", 256, 256],
#     ["DHE-DSS-AES256-SHA", "TLSv1/SSLv3", 256, 256], ... ]
ciphers=(ciphers)

利用可能な共通鍵暗号を設定します。

これによって、SSL コネクションにおいて 特定の共通鍵暗号だけを利用可能にすることができます。

指定の方法は2種類あります。1つは

"ALL:!ADH:!LOW:!EXP:!MD5:@STRENGTH"

のような文字列で指定する方法で、もう一つは配列で

["ALL", "!ADH", "!LOW", "!EXP", "!MD5", "@STRENGTH"]

という配列で指定する方法です。上の2つの例は同じ 内容を意味しています。 詳しくは OpenSSL のマニュアルの SSL_CTX_set_cipher_list の項を見てください。

[PARAM] ciphers:
利用可能にする共通鍵暗号の種類
[EXCEPTION] OpenSSL::SSL::SSLError:
設定に失敗した場合に発生します
class -> Class
type -> Class

レシーバのクラスを返します。

p "ruby".class #=> String
p 999999999999999.class #=> Bignum
p ARGV.class #=> Array
p self.class #=> Object
p Class.class #=> Class
p Kernel.class #=> Module

[SEE_ALSO] Class#superclass,Object#kind_of?,Object#instance_of?

client_ca -> [OpenSSL::X509::Certificate] | OpenSSL::X509::Certificate | nil

クライアント証明書を要求する時にクライアントに送る CA のリスト を返します。

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#client_ca=

client_ca=(ca)

クライアント証明書を要求する時にクライアントに送る CA 証明書のリスト を設定します。

クライアントは提示した CA から利用可能(署名されている)な証明書を 送り返します。

このメソッドはサーバ側でのみ意味を持ちます。

OpenSSL::X509::Certificate の配列を渡します。1つの場合は OpenSSL::X509::Certificate オブジェクト自体を渡してもかまいません。

[PARAM] ca:
クライアント証明書を要求するときに提示する証明書の配列

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#client_ca

client_cert_cb -> Proc | nil

OpenSSL::SSL::SSLContext#cert= でクライアント証明書を セットしていなかった場合にサーバからクライアント証明書の要求が来たときに 呼びだされるコールバックオブジェクトを返します。

デフォルトは nil (コールバックなし)です。

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#client_cert_cb=

client_cert_cb=(cb)

OpenSSL::SSL::SSLContext#cert= でクライアント証明書を セットしていなかった場合にサーバからクライアント証明書の要求が来たときに 呼びだされるコールバックオブジェクトを設定します。

コールバックに渡される引数は以下のように

proc{|sslsocket| ... }

1つで、利用している OpenSSL::SSL::SSLSocket オブジェクトが渡されます。そのオブジェクトから必要な証明書を見つけるのに 必要な情報を取得します。 コールバックはクライアント証明書(OpenSSL::X509::Certificate) とその秘密鍵(OpenSSL::PKey::PKey)のペアの配列を返さなければなりません。

証明書と鍵が見付からない場合は nil を返してください。 また、このコールバック内で例外が発生すると、適当な証明書が見付からなかったと 判断されます。このとき例外は OpenSSL のライブラリによって握り潰されて しまいます。

デフォルトは nil で、コールバックなしを意味します。この場合は クライアント証明書は利用されません。

このメソッドはクライアント側でのみ意味を持ちます。

ctx = OpenSSL::SSL::SSLContext.new(ssl_method)
ctx.client_cert_cb = proc{|sslsocket|
  # sslsocket からコネクションの情報を取り出し、
  # クライアント証明書(cert)とその秘密鍵(privkey)を探しだす
  [cert, privkey]
}
[PARAM] cb:
コールバックオブジェクト(ProcMethod など)

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#client_cert_cb

clone -> object
dup -> object

オブジェクトの複製を作成して返します。

dup はオブジェクトの内容, taint 情報をコピーし、 clone はそれに加えて freeze, 特異メソッドなどの情報も含めた完全な複製を作成します。

clone や dup は浅い(shallow)コピーであることに注意してください。後述。

[EXCEPTION] TypeError:
TrueClass, FalseClass, NilClass, Symbol, そして Numeric クラスのインスタンスなど一部の オブジェクトを複製しようとすると発生します。
obj = "string"
obj.taint
def obj.fuga
end
obj.freeze

p(obj.equal?(obj))          #=> true
p(obj == obj)               #=> true
p(obj.tainted?)             #=> true
p(obj.frozen?)              #=> true
p(obj.respond_to?(:fuga))   #=> true

obj_c = obj.clone

p(obj.equal?(obj_c))        #=> false
p(obj == obj_c)             #=> true
p(obj_c.tainted?)           #=> true
p(obj_c.frozen?)            #=> true
p(obj_c.respond_to?(:fuga)) #=> true

obj_d = obj.dup

p(obj.equal?(obj_d))        #=> false
p(obj == obj_d)             #=> true
p(obj_d.tainted?)           #=> true
p(obj_d.frozen?)            #=> false
p(obj_d.respond_to?(:fuga)) #=> false

[SEE_ALSO] Object#initialize_copy

深いコピーと浅いコピー

clone や dup はオブジェクト自身を複製するだけで、オブジェクトの指し ている先(たとえば配列の要素など)までは複製しません。これを浅いコピー(shallow copy)といいます。

深い(deep)コピーが必要な場合には、 Marshalモジュールを利用して

Marshal.load(Marshal.dump(obj))

このように複製を作成する方法があります。ただしMarshal出来ないオブジェクトが 含まれている場合には使えません。

obj = ["a","b","c"]

obj_d = obj.dup
obj_d[0] << "PLUS"

p obj   #=> ["aPLUS", "b", "c"]
p obj_d #=> ["aPLUS", "b", "c"]

obj_m = Marshal.load(Marshal.dump(obj))
obj_m[1] << "PLUS"

p obj   #=> ["aPLUS", "b", "c"]
p obj_m #=> ["aPLUS", "bPLUS", "c"]
display(out = $stdout) -> nil

オブジェクトを out に出力します。

以下のように定義されています。

class Object
  def display(out = $stdout)
    out.print self.to_s
    nil
  end
end
[PARAM] out:
出力先のIOオブジェクトです。指定しない場合は標準出力に出力されます。
[RETURN]
nil を返します。
Object.new.display #=> #<Object:0xbb0210>

[SEE_ALSO] $stdout

to_enum(method = :each, *args) -> Enumerable::Enumerator
enum_for(method = :each, *args) -> Enumerable::Enumerator

Enumerable::Enumerator.new(self, method, *args) を返します。

[PARAM] method:
メソッド名の文字列かシンボルです。
[PARAM] args:
呼び出すメソッドに渡される引数です。
[EXCEPTION] NameError:
存在しないメソッド名を指定すると発生します。
str = "xyz"

enum = str.enum_for(:each_byte)
p(a = enum.map{|b| '%02x' % b }) #=> ["78", "79", "7a"]

# protects an array from being modified
a = [1, 2, 3]
p(a.to_enum) #=> #<Enumerable::Enumerator:0xbaf7ac>

[SEE_ALSO] Enumerable::Enumerator

eql?(other) -> bool

オブジェクトと other が等しければ真を返します。Hash で二つのキー が等しいかどうかを判定するのに使われます。

このメソッドは各クラスの性質に合わせて再定義すべきです。 多くの場合、 == と同様に同値性の判定をするように再定義されていますが、 適切にキー判定ができるようにより厳しくなっている場合もあります。

デフォルトでは equal? と同じオブジェクト の同一性判定になっています。

このメソッドを再定義した時には Object#hash メソッ ドも再定義しなければなりません。

[PARAM] other:
比較するオブジェクトです。
p("foo".eql?("bar")) #=> false
p("foo".eql?("foo")) #=> true

p(4.eql?(4)) #=> true
p(4.eql?(4.0)) #=> false

[SEE_ALSO] Object#hash,Object#equal?,Object#==

equal?(other) -> bool

other が self 自身の時、真を返します。

二つのオブジェクトが同一のものかどうか調べる時に使用します。 このメソッドを再定義してはいけません。

お互いのObject#object_idが一致する かどうかを調べます。

[PARAM] other:
比較するオブジェクトです。
p("foo".equal?("bar")) #=> false
p("foo".equal?("foo")) #=> false

p(4.equal?(4)) #=> true
p(4.equal?(4.0)) #=> false

p(:foo.equal? :foo) #=> true

[SEE_ALSO] Object#object_id,Object#==,Object#eql?,Symbol

extend(*modules) -> self

引数で指定したモジュールのインスタンスメソッドを self の特異 メソッドとして追加します。

Module#include は、クラス(のインスタンス)に機能を追加します が、extend は、ある特定のオブジェクトだけにモジュールの機能を追加 したいときに使用します。

引数に複数のモジュールを指定した場合、最後 の引数から逆順に extend を行います。

[PARAM] modules:
モジュールを任意個指定します(クラスは不可)。
[RETURN]
self を返します。
module Foo
  def a
    'ok Foo'
  end
end

module Bar
  def b
    'ok Bar'
  end
end

obj = Object.new
obj.extend Foo, Bar
p obj.a #=> "ok Foo"
p obj.b #=> "ok Bar"

class Klass
  include Foo
  extend Bar
end

p Klass.new.a #=> "ok Foo"
p Klass.b     #=> "ok Bar"

extend の機能は、「特異クラスに対する Module#include」 と言い替えることもできます。 ただしその場合、フック用のメソッド が Module#extended ではなく Module#included になるという違いがあります。

# obj.extend Foo, Bar とほぼ同じ
class << obj
  include Foo, Bar
end

[SEE_ALSO] Module#extend_object,Module#include,Module#extended

extra_chain_cert -> [OpenSSL::X509::Certificate] | nil

自分自身を証明する証明書からルート CA までの証明書のリストです。

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#extra_chain_cert=

extra_chain_cert=(certificates)

自分自身を証明する証明書からルート CA までの証明書のリストを配列で設定します。

OpenSSL::SSL::SSLContext#cert で設定した証明書から相手が持っていると 期待されるルート CA 証明書までのリストを渡します。

これによって接続相手はチェインを辿ることでその相手が信頼していない証明書の 信頼性を順に確認し、自分自身を証明する証明書の信頼性を確認します。

[PARAM] certificates:
設定する証明書チェイン(OpenSSL::X509::Certificate の 配列)

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#extra_chain_cert

flush_sessions(time=nil) -> self

自身が保持しているセッションキャッシュを破棄します。

time に nil を渡すと現在時刻で期限切れになっている キャッシュを破棄します。

time に Time オブジェクトを渡すと、その 時刻で時間切れになるキャッシュを破棄します。

[PARAM] time:
キャッシュ破棄の基準時刻

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#session_cache_mode=

freeze -> self

オブジェクトを凍結(内容の変更を禁止)します。

凍結されたオブジェクトの変更は 例外 TypeError を発生させます。 いったん凍結されたオブジェクトを元に戻す方法はありません。

凍結されるのはオブジェクトであり、変数ではありません。代入などで変数の指す オブジェクトが変化してしまうことは freeze では防げません。 freeze が防ぐのは、 `破壊的な操作' と呼ばれるもの一般です。変数への参照自体を凍結したい 場合は、グローバル変数なら Kernel.#trace_var が使えます。

[RETURN]
self を返します。
a1 = "foo".freeze
a1 = "bar"
p a1 #=> "bar"

a2 = "foo".freeze
a2.replace("bar")# can't modify frozen string (TypeError)

凍結を解除することはできませんが、Object#dup を使えばほぼ同じ内容の凍結されていない オブジェクトを得ることはできます。

a = [1].freeze
p a.frozen?     #=> true

a[0] = "foo"
p a             # can't modify frozen array (TypeError)

b = a.dup
p b             #=> [1]
p b.frozen?     #=> false

b[0] = "foo"
p b             #=> ["foo"]

[SEE_ALSO] Object#frozen?,Object#dup,Kernel.#trace_var

frozen? -> bool

オブジェクトが凍結(内容の変更を禁止)されているときに真を返します。

obj = "someone"
p obj.frozen? #=> false
obj.freeze
p obj.frozen? #=> true

[SEE_ALSO] Object#freeze

hash -> Fixnum

オブジェクトのハッシュ値を返します。Hash クラスでオブジェク トを格納するのに用いられています。

メソッド hash は Object#eql? と組み合わせて Hash クラスで利用されます。その際

A.eql?(B) ならば A.hash == B.hash

の関係を必ず満たしていなければいけません。eql? を再定義した時には必ずこちらも合わせ て再定義してください。

デフォルトでは、Object#object_id と同じ値を返します。 ただし、Fixnum, Symbol, String だけは組込みのハッ シュ関数が使用されます(これを変えることはできません)。

hash を再定義する場合は、一様に分布する任意の整数を返すようにします。

[RETURN]
ハッシュ値を返します。Fixnumに収まらない場合は切り捨てられます。
p self.hash #=> 21658870
p 0.hash #=> 1
p 0.0.hash #=> 0
p nil.hash #=> 4

p "ruby".hash #=> -241670986
p "ruby".hash #=> -241670986
p :ruby.hash #=> 103538
p :ruby.hash #=> 103538

[SEE_ALSO] Object#eql?,Object#__id__

inspect -> String

オブジェクトを人間が読める形式に変換した文字列を返します。

組み込み関数 Kernel.#p は、このメソッドの結果を使用して オブジェクトを表示します。

puts Class.new.inspect #=> #<Class:0xbafd88>
puts Time.now.inspect #=> 2007-10-15 21:01:37 +0900

[SEE_ALSO] Kernel.#p

instance_eval(expr, filename = "(eval)", lineno = 1) -> object
instance_eval {|obj| ... } -> object

オブジェクトのコンテキストで文字列 expr またはオブジェクト自身をブロックパラメータとするブロックを 評価してその結果を返します。

オブジェクトのコンテキストで評価するとは評価中の self をそのオブジェクトにして実行するということです。 また、文字列 expr やブロック中でメソッドを定義すればそのオブジェクトの特異メソッドが定義されます。

ただし、ローカル変数だけは、文字列 expr の評価では instance_eval の外側のスコープと、ブロックの評価ではそのブロックの外側のスコープと、共有します。

メソッド定義の中で instance_eval でメソッドを定義した場合は、囲むメソッドが実行されたときに 初めて instance_eval 内のメソッドが定義されます。これはメソッド定義のネストと同じです。 クラス/メソッドの定義/メソッド定義のネスト を参照してください。

[PARAM] expr:
評価する文字列です。
[PARAM] filename:
文字列を指定します。ファイル filename に文字列 expr が 書かれているかのように実行されます。スタックトレースの 表示などを差し替えることができます。
[PARAM] lineno:
文字列を指定します。行番号 lineno から文字列 expr が書かれているかのように実行されます。 スタックトレースの表示などを差し替えることができます。

例:

class Foo
  def initialize data
    @key = data
  end
private
  def do_fuga
    p 'secret'
  end
end

some = Foo.new 'XXX'
some.instance_eval{p @key} #=> "XXX"
some.instance_eval{do_fuga } #=> "secret" # private メソッドも呼び出せる

some.instance_eval 'raise' # ..:10: (eval):1:  (RuntimeError)
messg = 'unknown'
some.instance_eval 'raise messg','file.rb',999 # file.rb:999: unknown (RuntimeError)

[SEE_ALSO] Module#module_eval, Kernel.#eval

instance_exec(*args) {|*vars| ... } -> object

与えられたブロックをレシーバのコンテキストで実行します。

ブロック実行中は、 self がレシーバのコンテキストになるので レシーバの持つインスタンス変数にアクセスすることができます。

[PARAM] args:
ブロックパラメータに渡す値です。
class KlassWithSecret
  def initialize
    @secret = 99
  end
end
k = KlassWithSecret.new
# 以下で x には 5 が渡される
k.instance_exec(5) {|x| @secret + x }   #=> 104

[SEE_ALSO] Module#class_exec, Module#module_exec, Object#instance_eval

instance_of?(klass) -> bool

オブジェクトがクラス klass の直接のインスタンスである時真を返します。

obj.instance_of?(c) が成立する時には、常に obj.kind_of?(c) も成立します。

[PARAM] klass:
Classかそのサブクラスのインスタンスです。
class C < Object
end
class S < C
end

obj = S.new
p obj.instance_of?(S)       # true
p obj.instance_of?(C)       # false

[SEE_ALSO] Object#kind_of?,Object#class

instance_variable_defined?(var) -> bool

インスタンス変数 var が定義されていたら真を返します。

[PARAM] var:
インスタンス変数名を文字列か Symbol で指定します。
class Fred
  def initialize(p1, p2)
    @a, @b = p1, p2
  end
end
fred = Fred.new('cat', 99)
p fred.instance_variable_defined?(:@a)    #=> true
p fred.instance_variable_defined?("@b")   #=> true
p fred.instance_variable_defined?("@c")   #=> false

[SEE_ALSO] Object#instance_variable_get,Object#instance_variable_set,Object#instance_variables

instance_variable_get(var) -> object|nil

オブジェクトのインスタンス変数の値を取得して返します。

インスタンス変数が定義されていなければ nil を返します。

[PARAM] var:
インスタンス変数名を文字列か Symbol で指定します。
class Foo
  def initialize
    @foo = 1
  end
end

obj = Foo.new
p obj.instance_variable_get("@foo")     #=> 1
p obj.instance_variable_get(:@foo)      #=> 1
p obj.instance_variable_get(:@bar)      #=> nil

[SEE_ALSO] Object#instance_variable_set,Object#instance_variables,Object#instance_variable_defined?

instance_variable_set(var, value) -> object

オブジェクトのインスタンス変数 var に値 value を設定します。

インスタンス変数が定義されていなければ新たに定義されます。

[PARAM] var:
インスタンス変数名を文字列か Symbol で指定します。
[PARAM] value:
設定する値です。
[RETURN]
value を返します。
obj = Object.new
p obj.instance_variable_set("@foo", 1)  #=> 1
p obj.instance_variable_set(:@foo, 2)   #=> 2
p obj.instance_variable_get(:@foo)      #=> 2

[SEE_ALSO] Object#instance_variable_get,Object#instance_variables,Object#instance_variable_defined?

instance_variables -> [String]

オブジェクトのインスタンス変数名を文字列の配列として返します。

obj = Object.new
obj.instance_eval { @foo, @bar = nil }
p obj.instance_variables

#=> ["@foo", "@bar"]

[SEE_ALSO] Object#instance_variable_get,Kernel.#local_variables,Kernel.#global_variables,Module.constants,Module#constants,Module#class_variables

is_a?(mod) -> bool
kind_of?(mod) -> bool

オブジェクトが指定されたクラス mod かそのサブクラスのインスタンスであるとき真を返します。

また、オブジェクトがモジュール mod をインクルードしたクラスかそのサブクラス のインスタンスである場合にも真を返します。 上記のいずれでもない場合に false を返します。

[PARAM] mod:
クラスやモジュールなど、Moduleかそのサブクラスのインスタンスです。
module M
end
class C < Object
  include M
end
class S < C
end

obj = S.new
p obj.is_a?(S)       # true
p obj.is_a?(C)       # true
p obj.is_a?(Object)  # true
p obj.is_a?(M)       # true
p obj.is_a?(Hash)    # false

[SEE_ALSO] Object#instance_of?,Module#===,Object#class

key -> OpenSSL::PKey::PKey | nil

OpenSSL::SSL::SSLContext#cert で得られる自分自身を証明するための 証明書の公開鍵に対応する秘密鍵を返します。

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#key=

key=(key)

OpenSSL::SSL::SSLContext#cert= で設定された自分自身を証明するための 証明書の公開鍵に対応する秘密鍵を設定します。

デフォルトな nil です。

[PARAM] key:
設定する秘密鍵(OpenSSL::PKey::PKey のサブクラスのインスタンス)

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#key

marshal_dump -> object

Marshal.#dump を制御するメソッドです。

Marshal.dump(some) において、出力するオブジェクト some がメソッド marshal_dump を 持つ場合には、その返り値がダンプされたものが Marshal.dump(some) の返り値となります。

marshal_dump/marshal_load の仕組みは Ruby 1.8.0 から導入されました。 これから書くプログラムでは _dump/_load ではなく marshal_dump/marshal_load を使うべきです。

[RETURN]
任意のオブジェクトで marshal_load の引数に利用できます。
class Foo
  def initialize(arg)
    @foo = arg
  end
  def marshal_dump
    @foo
  end
  def marshal_load(obj)
    p obj
    @foo = obj
  end
end
foo = Foo.new(['foo', 'bar'])
p foo                      #=> #<Foo:0xbaf3b0 @foo=["foo", "bar"]>
dms = Marshal.dump(foo)
p dms                      #=> "\004\bU:\bFoo[\a\"\bfoo\"\bbar"
result = Marshal.load(dms) #=> ["foo", "bar"] # marshal_load の引数
p result                   #=> #<Foo:0xbaf2ac @foo=["foo", "bar"]>

インスタンス変数の情報は普通マーシャルデータに含まれるので、 上例のように marshal_dump を定義する必要はありません (ただし marshal_dump を定義するとインスタンス変数の情報は ダンプされなくなるので、marshal_dump/marshal_load で扱う必要があります)。 marshal_dump/marshal_load はより高度な制御を行いたい場合や 拡張ライブラリで定義したクラスのインスタンスがインスタンス変数以外 に情報を保持する場合に利用します。

特に、marshal_dump/marshal_load を定義したオブジェクトは 特異メソッドが定義されていてもマーシャルできるようになります (特異メソッドの情報が自動的に dump されるようになるわけではなく、 marshal_dump/marshal_load によりそれを実現する余地があるということです)。

[SEE_ALSO] Object#marshal_load, Marshal

marshal_load(obj) -> object

Marshal.#load を制御するメソッドです。

some のダンプ結果(Marshal.dump(some)) をロードする(Marshal.load(Marshal.dump(some)))に は some がメソッド marshal_load を持っていなければなりません。 このとき、marshal_dump の返り値が marshal_load の引数に利用されます。 marshal_load 時の self は、生成されたばかり(Class#allocate されたばかり) の状態です。

marshal_dump/marshal_load の仕組みは Ruby 1.8.0 から導入されました。 これから書くプログラムでは _dump/_load ではなく marshal_dump/marshal_load を使うべきです。

[PARAM] obj:
marshal_dump の返り値のコピーです。
[RETURN]
返り値は無視されます。

[SEE_ALSO] Object#marshal_dump, Marshal

method(name) -> Method

オブジェクトのメソッド name をオブジェクト化した Method オブジェクトを返します。

[PARAM] name:
メソッド名をSymbol またはStringで指定します。
[EXCEPTION] NameError:
定義されていないメソッド名を引数として与えると発生します。
me = -365.method(:abs)
p me #=> #<Method: Fixnum#abs>
p me.call #=> 365

[SEE_ALSO] Module#instance_method,Method,Object#__send__,Kernel.#eval

method_missing(name, *args) -> object

呼びだされたメソッドが定義されていなかった時、Rubyインタプリタがこのメソッド を呼び出します。

呼び出しに失敗したメソッドの名前 (Symbol) が name に その時の引数が第二引数以降に渡されます。

デフォルトではこのメソッドは例外 NameError を発生させます。

[PARAM] name:
未定義メソッドの名前(シンボル)です。
[PARAM] args:
未定義メソッドに渡された引数です。
[RETURN]
ユーザー定義の method_missing メソッドの返り値が未定義メソッドの返り値で あるかのように見えます。
class Foo
  def initialize(data)
    @data = data
  end
  def method_missing(name, lang)
    if name.to_s =~ /\Afind_(\d+)_in\z/
      if @data[lang]
        p @data[lang][$1.to_i]
      else
        raise "#{lang} unknown"
      end
    else
      super
    end
  end
end

dic = Foo.new({:English => %w(zero one two), :Esperanto => %w(nulo unu du)})
dic.find_2_in :Esperanto #=> "du"
methods(include_inherited = true) -> [String]

そのオブジェクトに対して呼び出せるメソッド名の一覧を返します。 このメソッドは public メソッドおよび protected メソッドの名前を返します。

ただし特別に、引数が偽の時は Object#singleton_methods(false) と同じになっています。

[PARAM] include_inherited:
引数が偽の時は Object#singleton_methods(false) と同じになります。
#例1:

class Parent
  private;   def private_parent()   end
  protected; def protected_parent() end
  public;    def public_parent()    end
end

class Foo < Parent
  private;   def private_foo()   end
  protected; def protected_foo() end
  public;    def public_foo()    end
end

obj = Foo.new
class <<obj
    private;   def private_singleton()   end
    protected; def protected_singleton() end
    public;    def public_singleton()    end
end

# あるオブジェクトの応答できるメソッドの一覧を得る。
p obj.methods(false)
p obj.public_methods(false)
p obj.private_methods(false)
p obj.protected_methods(false)

#実行結果

["public_singleton", "protected_singleton"]
["public_foo", "public_singleton"]
["private_foo", "private_singleton"]
["protected_foo", "protected_singleton"]

#例2:

# あるオブジェクトの応答できるメソッドの一覧を得る。
# 自身のクラスの親クラスのインスタンスメソッドも含めるために true を指定して
# いるが、Object のインスタンスメソッドは一覧から排除している。
p obj.methods(true)           - Object.instance_methods(true)
p obj.public_methods(true)    - Object.public_instance_methods(true)
p obj.private_methods(true)   - Object.private_instance_methods(true)
p obj.protected_methods(true) - Object.protected_instance_methods(true)

#実行結果

["public_foo", "public_parent", "protected_singleton", "public_singleton", "protected_foo", "protected_parent"]
["public_foo", "public_parent", "public_singleton"]
["private_singleton", "private_foo", "private_parent"]
["protected_singleton", "protected_foo", "protected_parent"]

[SEE_ALSO] Module#instance_methods,Object#singleton_methods

nil? -> bool

レシーバが nil であれば真を返します。

p false.nil? #=> false
p nil.nil? #=> true

[SEE_ALSO] NilClass

options -> Integer | nil

設定されているオプションフラグを返します。

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#options=

options=(options)

オプションを設定します。

以下の値の OR で指定します。

[PARAM] options:
設定するオプションフラグ(整数値)

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#options

private_methods(include_inherited = true) -> [String]

そのオブジェクトが理解できる private メソッド名の一覧を返します。

[PARAM] include_inherited:
偽となる値を指定すると自身のクラスのスーパークラスで定義されたメソッドを除きます。

[SEE_ALSO] Module#private_instance_methods,Object#methods,Object#singleton_methods

protected_methods(include_inherited = true) -> [String]

そのオブジェクトが理解できる protected メソッド名の一覧を返します。

[PARAM] include_inherited:
偽となる値を指定すると自身のクラスのスーパークラスで定義されたメソッドを除きます。

[SEE_ALSO] Module#protected_instance_methods,Object#methods,Object#singleton_methods

public_methods(include_inherited = true) -> [String]

そのオブジェクトが理解できる public メソッド名の一覧を返します。

[PARAM] include_inherited:
偽となる値を指定すると自身のクラスのスーパークラスで定義されたメソッドを除きます。

[SEE_ALSO] Module#public_instance_methods,Object#methods,Object#singleton_methods

respond_to?(name, include_private = false) -> bool

オブジェクトがメソッド name を持つとき真を返します。

オブジェクトが メソッド name を持つというのは、 オブジェクトが メソッド name に応答することができることをいいます。

[PARAM] name:
Symbol または文字列で指定するメソッド名です。
[PARAM] include_private:
private メソッドを確認の対象に含めるかを true か false で指定します。省略した場合は false(含めな い) を指定した事になります。
class F
  def hello
    "Bonjour"
  end
end

class D
private
  def hello
    "Guten Tag"
  end
end
list = [F.new,D.new]

list.each{|it| puts it.hello if it.respond_to?(:hello)}
#=> Bonjour

list.each{|it| it.instance_eval("puts hello if it.respond_to?(:hello, true)")}
#=> Bonjour
#   Guten Tag

[SEE_ALSO] Module#method_defined?

servername_cb -> Proc | nil

TLS の Server Name Indication(SNI) 拡張で クライアント側からホスト名が伝えられてきた場合に 呼びだされるコールバックを返します。

詳しくは OpenSSL::SSL::SSLContext#servername_cb= を見てください。

servername_cb=(pr)

TLS の Server Name Indication(SNI) 拡張で クライアント側からホスト名が伝えられてきた場合に 呼びだされるコールバックを設定します。

このコールバックはハンドシェイク時に クライアント側がサーバのホスト名を伝えてきた場合に サーバ側で呼びだされます。このコールバック内でサーバ側に提示する証明書を 調整したりします。

ProcMethod をコールバックオブジェクトとして 渡します。コールバックに渡される引数は以下のように

proc{|sslsocket, hostname| ... }

2つで、1つ目は認証および暗号化通信に使われる OpenSSL::SSL::SSLSocket オブジェクトで、2つ目がクライアント側から伝えられてきたホスト名です。

コールバックの返り値には認証と暗号化の設定を含んだ OpenSSL::SSL::SSLContext オブジェクト、もしくは nil を返さなければなりません。 これで得られたコンテキストオブジェクトが sslsocket に設定され、 コンテキストが持っている証明書などの各情報を用いてハンドシェイクを継続します。 コールバックが nil を返した場合には sslsocket が用いるコンテキストは 変更されません。

[PARAM] pr:
コールバックオブジェクト

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#servername_cb

session_add(sess) -> bool

セッションを OpenSSL::SSL::SSLContext 内部のキャッシュ領域に 追加します。

成功時には真を返します。すでにキャッシュ領域にあるセッションを 追加しようとした場合は追加されずに偽を返します。

[PARAM] sess:
追加するセッション(OpenSSL::SSL::Session)
session_cache_mode -> Integer

セッションキャッシュのモードを返します。

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#session_cache_mode=

session_cache_mode=(mode)

セッションキャッシュのモードを指定します。

以下の定数のORを引数として渡します。

デフォルト値は OpenSSL::SSL::SSLContext::SESSION_CACHE_SERVER です。

[PARAM] mode:
設定するモード(整数値)

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#session_cache_mode

session_cache_size -> Integer

自身が保持可能なセッションキャッシュのサイズを返します。

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#session_cache_size=

session_cache_size=(size)

自身が保持可能なセッションキャッシュのサイズを指定します。

size に 0 を渡すと制限なしを意味します。

デフォルトは 1024*20 で、20000 セッションまでキャッシュを保持できます。

[PARAM] size:
セッションキャッシュのサイズ(整数値)

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#session_cache_size

session_cache_stats -> {Symbol -> Integer}

セッションキャッシュの内部統計情報をハッシュテーブルで返します。

ハッシュテーブルの各キーとその意味は以下の通りです。

  • :cache_num 内部キャッシュに保持されているセッションの数
  • :connect クライアント側でハンドシェイクした回数
  • :connect_good クライアント側でハンドシェイクが成功した回数
  • :connect_renegotiate クライアント側で再ネゴシエイトした回数
  • :accept サーバ側でハンドシェイクした回数
  • :accept_good サーバ側でハンドシェイクが成功した回数
  • :accept_renegotiate サーバ側で再ネゴシエイトした回数
  • :cache_hits サーバ側で内部キャッシュにヒットした数
  • :cb_hits サーバ側で外部キャッシュにヒットした数
  • :cache_full キャッシュが満杯で破棄したセッションの数
  • :timeouts ヒットしたキャッシュがタイムアウトしてしまっていた回数
session_get_cb -> Proc | nil

セッションキャッシュを探索し、内部のキャッシュテーブルには 見付からなかった場合に呼び出されるコールバックを返します。

設定されていないときは nil を返します。

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#session_get_cb=

session_get_cb=(cb)

セッションキャッシュを探索し、内部のキャッシュテーブルには 見付からなかった場合に呼び出されるコールバックを設定します。

コールバックオブジェクトを call するときの引数は

[ 接続オブジェクト(OpenSSL::SSL::SSLSocket), セッションID(文字列) ]

という配列です。このコールバックの返り値が OpenSSL::SSL::Session オブジェクトならば、 それをキャッシュ値として利用します。それ以外を返したならば、 キャッシュは見つからなかったものとして取り扱われます。

セッションキャッシュについて詳しくは OpenSSL::SSL::Session を 見てください。

[PARAM] cb:
コールバックオブジェクト(Proc もしくは Method)

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#session_get_cb

session_id_context -> String | nil

セッション ID コンテキスト文字列を返します。

設定されていない場合は nil を返します。

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::Session, OpenSSL::SSL::SSLContext#session_id_context=

session_id_context=(id_context)

セッション ID コンテキストを文字列で設定します。

セッション ID コンテキストは、セッションをグループ化するための 識別子で、セッション ID コンテキストとセッション ID の両方が 一致する場合に同一のセッションであると判別されます。 この OpenSSL::SSL::SSLContext オブジェクトで 生成されたコネクション(OpenSSL::SSL::SSLSocket)に 関連付けられたセッションはセッション ID コンテキスト を共有します。

セッション ID コンテキストはセッションのグループを 識別するための識別子であり、一方セッション ID は各セッションを 識別するための識別子であり、この2つは異なる概念で あることに注意してください。

クライアント側では意味を持ちません。

[PARAM] id_context:
セッション ID コンテキスト文字列(最大32バイト)

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::Session, OpenSSL::SSL::SSLContext#session_id_context, OpenSSL::SSL::SSLContext#session_cache_mode=

session_new_cb -> Proc | nil

セッションが生成されたときに呼び出されるコールバックを返します。

設定されていないときは nil を返します。

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#session_new_cb=

session_new_cb=(cb)

新たなセッションが作られたときに呼び出されるコールバックを 指定します。

コールバックオブジェクトを call するときの引数は

[ 接続オブジェクト(OpenSSL::SSL::SSLSocket), 新たなセッション(OpenSSL::SSL::Session)]

という配列です。

セッションキャッシュについて詳しくは OpenSSL::SSL::Session を 見てください。

[PARAM] cb:
コールバックオブジェクト(Proc もしくは Method)

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#session_new_cb

session_remove(sess) -> bool

セッションを OpenSSL::SSL::SSLContext 内部のキャッシュ領域から 取り除きます。

成功時には真を返します。キャッシュ領域に存在しないセッションを 削除しようとした場合は偽を返します。

[PARAM] sess:
削除するセッション(OpenSSL::SSL::Session)
session_remove_cb -> Proc | nil

セッションが内部キャッシュから破棄されたときに呼び出される コールバックを返します。

設定されていないときは nil を返します。

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#session_remove_cb=

session_remove_cb=(cb)

セッションが内部キャッシュから破棄されたときに呼び出される コールバックを設定します。

コールバックオブジェクトを call するときの引数は

[ SSLContextオブジェクト(OpenSSL::SSL::SSLContext),
  破棄されるセッション(OpenSSL::SSL::Session)]

という配列です。

セッションキャッシュについて詳しくは OpenSSL::SSL::Session を 見てください。

[PARAM] cb:
コールバックオブジェクト(Proc もしくは Method)

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#session_remove_cb

set_params(params) -> Hash

パラメータをハッシュで設定します。

渡すハッシュテーブルは { パラメータ名のシンボル => パラメータの値 } という 形をしていなければなりません。

以下のパラメータを設定できます。

指定されなかったパラメータは OpenSSL::SSL::SSLContext::DEFAULT_PARAMS の値で初期化されます。

singleton_methods(inherited_too = true) -> [String]

そのオブジェクトに対して定義されている特異メソッド名 (public あるいは protected メソッド) の一覧を返します。

クラスメソッド(Classのインスタンスの特異メソッド)に関しては 引数が真のとき、スーパークラスのクラスメソッドも対象になります。

singleton_methods(false) は、Object#methods(false) と同じです。

[PARAM] inherited_too:
引数が真のとき、スーパークラスのクラスメソッドも対象になります。これが意味を持つのは self がクラスオブジェクトであるときだけです。
#例1:

Parent = Class.new

class <<Parent
  private;   def private_class_parent() end
  protected; def protected_class_parent() end
  public;    def public_class_parent() end
end

Foo = Class.new(Parent)

class <<Foo
  private;   def private_class_foo() end
  protected; def protected_class_foo() end
  public;    def public_class_foo() end
end

module Bar
  private;   def private_bar()   end
  protected; def protected_bar() end
  public;    def public_bar()    end
end

obj = Foo.new
class <<obj
  include Bar
  private;   def private_self()   end
  protected; def protected_self() end
  public;    def public_self()    end
end

# あるオブジェクトの特異メソッドの一覧を得る。
p obj.singleton_methods(false)
p obj.methods(false)
p Foo.singleton_methods(false)

#実行結果

["public_self", "protected_self"]
["public_self", "protected_self"]
["public_class_foo", "protected_class_foo"]


#例2:

# あるオブジェクトの特異メソッドの一覧を得る。
# 親クラスのクラスメソッドも含まれるよう true を指定したが、
# Object のクラスメソッドは一覧から排除している。

p obj.singleton_methods(true)
p Foo.singleton_methods(true) - Object.singleton_methods(true)

#実行結果

["public_bar", "public_self", "protected_bar", "protected_self"]
["public_class_foo", "public_class_parent", "protected_class_foo", "protected_class_parent"]

[SEE_ALSO] Object#methods,Object#extend

timeout -> Integer | nil
ssl_timeout -> Integer | nil

このコンテキストから生成するセッションのタイムアウト秒数を返します。

デフォルト値は nil です。

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#timeout=

timeout=(seconds)
ssl_timeout=(seconds)

このコンテキストから生成するセッションのタイムアウト秒数を設定します。

nil を指定すると OpenSSL のデフォルトのタイムアウト秒数(300秒)を用います。

[PARAM] seconds:
タイムアウト秒数(整数)

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::Session#timeout

ssl_version=(ver)

利用するプロトコルの種類を文字列もしくは シンボルで指定します。

OpenSSL::SSL::SSLContext.new で指定できるものと同じです。

[PARAM] ver:
利用するプロトコルの種類
taint -> self

オブジェクトの「汚染マーク」をセットします。

環境変数(ENVで得られる文字列)など一部のオブジェクトは最初から汚染されています。 オブジェクトの汚染に関してはセキュリティモデルを参照してください。

$SAFE = 1

some = "puts '@&%&(#!'"
p some.tainted? #=> false
eval(some) #=> @&%&(#!

some.taint
p some.tainted? #=> true
eval(some) # Insecure operation - eval (SecurityError)

some.untaint
p some.tainted? #=> false
eval(some) #=> @&%&(#!

p ENV['OS'].tainted? #=> true

[SEE_ALSO] Object#tainted?,Object#untaint,Object#freeze

tainted? -> bool

オブジェクトの「汚染マーク」がセットされている時真を返します。

オブジェクトの汚染に関してはセキュリティモデルを参照してください。

p String.new.tainted? #=> false
p ENV['OS'].tainted? #=> true

[SEE_ALSO] Object#taint,Object#untaint

tap {|x| ... } -> self

self を引数としてブロックを評価し、self を返します。

メソッドチェインの途中で直ちに操作結果を表示するために メソッドチェインに "入り込む" ことが、このメソッドの主目的です。

(1..10)                    .tap {|x| puts "original: #{x.inspect}"}.
   to_a                    .tap {|x| puts "array: #{x.inspect}"}.
   select {|x| x % 2 == 0} .tap {|x| puts "evens: #{x.inspect}"}.
   map { |x| x * x }       .tap {|x| puts "squares: #{x.inspect}"}
tmp_dh_callback -> Proc | nil

一時的 DH 鍵を生成するためのコールバックを返します。

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#tmp_dh_callback=

tmp_dh_callback=(cb)

一時的 DH 鍵を生成するためのコールバックを設定します。

コールバックには ProcMethod を渡します。

暗号で一時的な DH 鍵を利用する場合にはこのコールバックが 呼びだされ、呼びだされたブロックは適切な鍵パラメータを返さなければ なりません。これで設定するブロックは

proc{|sslsocket, is_export, keylen| ... }

という引数を取るようにします。それぞれの引数の意味は

  • sslsocket 通信に使われる OpenSSL::SSL::SSLSocket オブジェクト
  • is_export 輸出規制のある暗号を利用するかどうかを0か0以外かで指定
  • keylen 鍵長

となります。ブロックの返り値には適切な鍵パラメータを含む OpenSSL::PKey::DH オブジェクトを返します。鍵パラメータは keylen で指定された鍵長に対応したものでなければなりません。

OpenSSL::PKey::DH は DH パラメータと DH 鍵対を 保持していますが、これで返されるオブジェクトはパラメータしか 用いられません。

cb に nil を指定するとデフォルトのパラメータが利用されます。

デフォルト値は nil です。

[PARAM] cb:
設定するコールバック

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#tmp_dh_callback

to_a -> Array

オブジェクトを配列に変換した結果を返します。

配列に変換できない(to_ary を持たない)オブジェクトは、自身のみを含む長さ 1 の配 列に変換されます。 このメソッドは、将来 Object のメソッドからは取り除かれます。 なので to_a を使用する場合、

  • すべてのオブジェクトに to_a が定義されているという期待はしない。
  • ユーザー定義のクラスには必要に応じて自分で定義する

などということが必要です。

p( {'a'=>1}.to_a )  # [["a", 1]]
p ['array'].to_a    # ["array"]
p 1.to_a            # [1]       (warning: default `to_a' will be obsolete)
p nil.to_a          # []

[SEE_ALSO] Object#to_ary,Kernel.#Array

to_ary -> Array

オブジェクトの Array への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、 このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。 必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

このメソッドを定義する条件は、

  • 配列が使われるすべての場面で代置可能であるような、
  • 配列そのものとみなせるようなもの

という厳しいものになっています。

class Foo
 def to_ary
   [3,4]
 end
end

it = Foo.new
p([1,2] + it) #=> [1, 2, 3, 4]

[SEE_ALSO] Object#to_a,Kernel.#Array

to_hash -> Hash

オブジェクトの Hash への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、 このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。 必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

このメソッドを定義する条件は、

  • ハッシュが使われるすべての場面で代置可能であるような、
  • ハッシュそのものとみなせるようなもの

という厳しいものになっています。

class Foo
 def to_hash
   {'as' => 24}
 end
end

it = Foo.new
p({:as => 12}.merge(it)) #=> {"as"=>24, :as=>12}
to_int -> Integer

オブジェクトの Integer への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、 このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。 必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

このメソッドを定義する条件は、

  • 整数が使われるすべての場面で代置可能であるような、
  • 整数そのものとみなせるようなもの

という厳しいものになっています。

class Foo
 def to_int
   666
 end
end

it = Foo.new
p(9**9 & it) #=> 8

[SEE_ALSO] Kernel.#Integer

to_io -> IO

オブジェクトの IO への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、 このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。 必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

このメソッドを定義する条件は、

  • IOオブジェクトが使われるすべての場面で代置可能であるような、
  • IOオブジェクトそのものとみなせるようなもの

という厳しいものになっています。

to_proc -> Proc

オブジェクトの Proc への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、 このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。 必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

def doing
  yield
end

class Foo
 def to_proc
   Proc.new{p 'ok'}
 end
end

it = Foo.new
doing(&it) #=> "ok"
to_regexp -> Regexp

オブジェクトの Regexp への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、 このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。 必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

このメソッドを定義する条件は、

  • 正規表現が使われるすべての場面で代置可能であるような、
  • 正規表現そのものとみなせるようなもの

という厳しいものになっています。

class Foo
 def to_regexp
   /[\d]+/
 end
end

it = Foo.new
p Regexp.union(/^at/, it) #=> /(?-mix:^at)|(?-mix:[\d]+)/
to_s -> String

オブジェクトの文字列表現を返します。

Kernel.#printKernel.#sprintf は文字列以外の オブジェクトが引数に渡された場合このメソッドを使って文字列に変換し ます。

class Foo
  def initialize num
    @num = num
  end
end
it = Foo.new(40)

puts it #=> #<Foo:0x2b69110>

class Foo
 def to_s
   "Class:Foo Number:#{@num}"
 end
end

puts it #=> Class:Foo Number:40

[SEE_ALSO] Object#to_str,Kernel.#String

to_str -> String

オブジェクトの String への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、 このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。 必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

このメソッドを定義する条件は、

  • 文字列が使われるすべての場面で代置可能であるような、
  • 文字列そのものとみなせるようなもの

という厳しいものになっています。

class Foo
 def to_str
   'Edition'
 end
end

it = Foo.new
p('Second' + it) #=> "SecondEdition"

[SEE_ALSO] Object#to_s,Kernel.#String

untaint -> self

オブジェクトの「汚染マーク」を取り除きます。

汚染マークを取り除くことによる危険性はプログラマが責任を負う必要が あります。

オブジェクトの汚染に関してはセキュリティモデルを参照してください。

[EXCEPTION] SecurityError:
セキュリティレベルが3以上の時にこのメソッドを使用すると発生します。

[SEE_ALSO] Object#taint,Object#tainted?

verify_callback -> Proc | nil

オブジェクトに設定されている検証をフィルタするコールバックを 返します。

デフォルトのコールバックが設定されている場合には nil を返します。

[SEE_ALSO] OpenSSL::X509::Store#verify_callback, OpenSSL::SSL::SSLContext#verify_callback=

verify_callback=(proc)

検証をフィルタするコールバックを設定します。

OpenSSL::X509::Store#verify_callback= と同じ働きをします。

コールバックには ProcMethod を渡します。

渡されたコールバックオブジェクトは証明書チェインの検証時に チェインに含まれる各証明書の署名を検証するたびに呼びだされます。 そのときに渡される引数は2つで、1つめは検証が成功したかの真偽値、 2つめは検証後の状態を保存した OpenSSL::X509::StoreContext オブジェクトです。 このコールバックには2つの役割があります。1つ目はコンテキストオブジェクト を調べることで詳細なエラー情報を得ることです。2つ目は検証をカスタマイズ することです。このコールバックが true を返すと、たとえ OpenSSL が検証失敗と判定しても、検証が成功したものと判断し証明書チェイン の検証を続けます。逆に false を返すと、検証が失敗したものとみなされ 検証を停止し、検証メソッドは検証失敗を返します。詳細なエラー情報を 得たいだけの場合はコールバックは第一引数をそのまま返すようにしてください。

nil を設定するとデフォルトのコールバック(単に第一引数をそのまま返すだけ) が使われます。

初期状態は nil です。

[PARAM] proc:
設定する Proc オブジェクト

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#verify_callback, OpenSSL::X509::Store#verify_callback=

verify_depth -> Integer | nil

証明書チェイン上の検証する最大の深さを返します。

デフォルトは nil です。

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#verify_depth=

verify_depth=(depth)

証明書チェイン上の検証する最大の深さを設定します。

デフォルトは nil で、この場合 OpenSSL のデフォルト値(9)が使われます。

[PARAM] depth:
最大深さを表す整数

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#verify_depth

verify_mode -> Integer | nil

検証モードを返します。

デフォルトは nil です。

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#verify_mode=

verify_mode=(mode)

検証モードを設定します。

以下の定数の OR を取って指定します。

これらの定数の意味はクライアントモードとサーバモードでは異なる 意味を持ちます。

デフォルトは nil で、VERIFY_NONE を意味します。

[PARAM] mode:
設定するモード(整数値)

[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#verify_mode=

privateメソッド

initialize(*args, &block) -> object

ユーザ定義クラスのオブジェクト初期化メソッド。

このメソッドは Class#new から新しく生成されたオブ ジェクトの初期化のために呼び出されます。他の言語のコンストラクタに相当します。 デフォルトの動作ではなにもしません。

initialize には Class#new に与えられた引数がそのまま渡されます。

サブクラスではこのメソッドを必要に応じて再定義されること が期待されています。

initialize という名前のメソッドは自動的に private に設定され ます。

[PARAM] args:
初期化時の引数です。
[PARAM] block:
初期化時のブロック引数です。必須ではありません。
class Foo
  def initialize name
    puts "initialize Foo"
    @name = name
  end
end

class Bar < Foo
  def initialize name, pass
    puts "initialize Bar"
    super name
    @pass = pass
  end
end

it = Bar.new('myname','0500')
p it
#=> initialize Bar
#   initialize Foo
#   #<Bar:0x2b68f08 @name="myname", @pass="0500">

[SEE_ALSO] Class#new

initialize_copy(obj) -> object

(拡張ライブラリによる) ユーザ定義クラスのオブジェクトコピーの初期化メソッド。

このメソッドは self を obj の内容で置き換えます。ただ し、self のインスタンス変数や特異メソッドは変化しません。 Object#clone, Object#dupの内部で使われています。

initialize_copy は、Ruby インタプリタが知り得ない情報をコピーするた めに使用(定義)されます。例えば C 言語でクラスを実装する場合、情報 をインスタンス変数に保持させない場合がありますが、そういった内部情 報を initialize_copy でコピーするよう定義しておくことで、dup や clone を再定義する必要がなくなります。

デフォルトの Object#initialize_copy は、 freeze チェックおよび型のチェックを行い self を返すだけのメソッドです。

initialize_copy という名前のメソッドは 自動的に private に設定されます。

[EXCEPTION] TypeError:
レシーバが freeze されているか、obj のクラスがレシーバ のクラスと異なる場合に発生します。

[SEE_ALSO] Object#clone,Object#dup

以下に例として、dup や clone がこのメソッドをどのように利用しているかを示します。

obj.dup は、新たに生成したオブジェクトに対して initialize_copy を呼び

obj2 = obj.class.allocate
obj2.initialize_copy(obj)

obj2 に対してさらに obj の汚染状態、インスタンス変数、ファイナライ ザをコピーすることで複製を作ります。 obj.clone は、さらに 特異メソッドのコピーも行います。

obj = Object.new
class <<obj
  attr_accessor :foo
  def bar
    :bar
  end
end

def check(obj)
  puts "instance variables: #{obj.inspect}"
  puts "tainted?: #{obj.tainted?}"
  print "singleton methods: "
  begin
    p obj.bar
  rescue NameError
    p $!
  end
end

obj.foo = 1
obj.taint

check Object.new.send(:initialize_copy, obj)
        #=> instance variables: #<Object:0x4019c9d4>
        #   tainted?: false
        #   singleton methods: #<NoMethodError: ...>
check obj.dup
        #=> instance variables: #<Object:0x4019c9c0 @foo=1>
        #   tainted?: true
        #   singleton methods: #<NoMethodError: ...>
check obj.clone
        #=> instance variables: #<Object:0x4019c880 @foo=1>
        #   tainted?: true
        #   singleton methods: :bar
remove_instance_variable(name) -> object

オブジェクトからインスタンス変数 name を取り除き、そのインス タンス変数に設定されていた値を返します。

[PARAM] name:
削除するインスタンス変数の名前をシンボルか文字列で指定します。
[EXCEPTION] NameError:
オブジェクトがインスタンス変数 name を持たない場合に発生します。
class Foo
  def foo
    @foo = 1
    p remove_instance_variable(:@foo) #=> 1
    p remove_instance_variable(:@foo) # instance variable @foo not defined (NameError)
  end
end
Foo.new.foo

[SEE_ALSO] Module#remove_class_variable,Module#remove_const

singleton_method_added(name) -> object

特異メソッドが追加された時にインタプリタから呼び出されます。

通常のメソッドの追加に対するフックには Module#method_addedを使います。

[PARAM] name:
追加されたメソッド名が Symbol で渡されます。
class Foo
  def singleton_method_added(name)
    puts "singleton method \"#{name}\" was added"
  end
end

obj = Foo.new
def obj.foo
end

#=> singleton method "foo" was added

[SEE_ALSO] Module#method_added,Object#singleton_method_removed,Object#singleton_method_undefined

singleton_method_removed(name) -> object

特異メソッドが Module#remove_method に より削除された時にインタプリタから呼び出されます。

通常のメソッドの削除に対するフックには Module#method_removedを使います。

[PARAM] name:
削除されたメソッド名が Symbol で渡されます。
class Foo
  def singleton_method_removed(name)
    puts "singleton method \"#{name}\" was removed"
  end
end

obj = Foo.new
def obj.foo
end

class << obj
  remove_method :foo
end

#=> singleton method "foo" was removed

[SEE_ALSO] Module#method_removed,Object#singleton_method_added,Object#singleton_method_undefined

singleton_method_undefined(name) -> object

特異メソッドが Module#undef_method または undef により未定義にされた時にインタプリタから呼び出されます。

通常のメソッドの未定義に対するフックには Module#method_undefined を使います。

[PARAM] name:
未定義にされたメソッド名が Symbol で渡されます。
class Foo
  def singleton_method_undefined(name)
    puts "singleton method \"#{name}\" was undefined"
  end
end

obj = Foo.new
def obj.foo
end
def obj.bar
end

class << obj
  undef_method :foo
end
obj.instance_eval {undef bar}

#=> singleton method "foo" was undefined
#   singleton method "bar" was undefined

[SEE_ALSO] Module#method_undefined,Object#singleton_method_added,Object#singleton_method_removed , クラス/メソッドの定義/undef

定数

DEFAULT_CERT_STORE -> OpenSSL::X509::Store

OpenSSL::SSL::SSLContext#set_params で信頼する CA 証明書 (ca_file, ca_path, cert_store) を一切指定しなかった場合に デフォルトで使われる証明書ストアです。

OpenSSL::X509::Store#set_default_paths でシステムが提供する 証明書を利用するように設定されています。

DEFAULT_PARAMS -> { Symbol -> object }

OpenSSL::SSL::SSLContext#set_params でデフォルト値として使われる パラメータです。

METHODS -> [Symbol]

利用可能なメソッド(プロトコル)を Symbol の配列で返します。

require 'openssl'
OpenSSL::SSL::SSLContext::METHODS
# => [:TLSv1, :TLSv1_server, :TLSv1_client, :SSLv2, :SSLv2_server, ...]
SESSION_CACHE_BOTH -> Integer

サーバ側、クライアント側両方でセッションをキャッシュすることを意味します。

OpenSSL::SSL::SSLContext#session_cache_mode= に 渡すフラグとして用います。

実際には OpenSSL::SSL::SSLContext::SESSION_CACHE_SERVEROpenSSL::SSL::SSLContext::SESSION_CACHE_CLIENT のビット論理和 を取った値です。

SESSION_CACHE_CLIENT -> Integer

クライアント側セッションをキャッシュに追加することを意味します。

OpenSSL::SSL::SSLContext#session_cache_mode= に 渡すフラグとして用います。

クライアント側においては、OpenSSL ライブラリがどのセッションを 再利用するべきか確実に判定する方法はないので、再利用する場合は OpenSSL::SSL::SSLSocket#session= によって明示的に セッションを指定しなければなりません。

SESSION_CACHE_NO_AUTO_CLEAR -> Integer

OpenSSL::SSL::SSLContext 内部の セッションキャッシュ領域を自動的にクリアしないことを意味します。

通常では255コネクションごとにキャッシュを破棄しますが、この フラグを有効にするとそれをしなくなります。 代わりに適当なタイミングで OpenSSL::SSL::SSLContext#flush_sessions を呼び キャッシュを破棄しなければなりません。

OpenSSL::SSL::SSLContext#session_cache_mode= に 渡すフラグとして用います。

SESSION_CACHE_NO_INTERNAL -> Integer

OpenSSL::SSL::SSLContext::SESSION_CACHE_NO_INTERNAL_STOREOpenSSL::SSL::SSLContext::SESSION_CACHE_NO_INTERNAL_LOOKUP の両方を有効にすることを意味します。

OpenSSL::SSL::SSLContext#session_cache_mode= に 渡すフラグとして用います。

SESSION_CACHE_NO_INTERNAL_LOOKUP -> Integer

サーバ側でセッションキャッシュが必要になった場合 OpenSSL::SSL::SSLContext が保持するキャッシュ領域 を探索しないことを意味します。

OpenSSL::SSL::SSLContext#session_cache_mode= に 渡すフラグとして用います。

このフラグを ON にすると、キャッシュの探索が必要になった 場合必ずコールバック(OpenSSL::SSL::SSLContext#session_get_cb= で設定したもの)を呼ぶようになります。

SESSION_CACHE_NO_INTERNAL_STORE -> Integer

セッションキャッシュを OpenSSL::SSL::SSLContext 内部の キャッシュ領域に保持しないことを意味します。

OpenSSL::SSL::SSLContext#session_cache_mode= に 渡すフラグとして用います。

ハンドシェイクによってセッションが開始された場合には そのセッションを OpenSSL::SSL::SSLContext 内部に キャッシュとして保持しますが、 このフラグを有効にすると自動的にキャッシュされることは なくなります。

SESSION_CACHE_OFF -> Integer

セッションをキャッシュしないことを意味します。

OpenSSL::SSL::SSLContext#session_cache_mode= に 渡すフラグとして用います。

SESSION_CACHE_SERVER -> Integer

サーバ側でセッションをキャッシュすることを意味します。

OpenSSL::SSL::SSLContext#session_cache_mode= に 渡すフラグとして用います。

このフラグが立っているとサーバ側の OpenSSL::SSL::SSLContext でセッションキャッシュの保持と管理、再利用が 行われます。

このフラグはデフォルトで有効になっています。

class OpenSSL::SSL::SSLContext