Ruby 1.9.3 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > 組み込みライブラリ > IOクラス

class IO + Enumerable + File::Constants + Object

クラスの継承リスト: IO < Enumerable < File::Constants < Object < Kernel < BasicObject

要約

基本的な入出力機能のためのクラスです。

File::Constants は、File から IO へ移動しました。

多言語化と IO のエンコーディング

IO オブジェクトはエンコーディングを持ちます。 エンコーディングの影響を受けるメソッドと受けないメソッドがあります。

影響を受けるメソッドでは、IO のエンコーディングに従い読み込まれた文字列のエンコーディングが決定されます。 また IO のエンコーディングを適切に設定することにより、読み込み時・書き込み時に文字列のエンコーディングを 変換させることもできます。

エンコーディングの影響を受けるメソッドと受けないメソッド

IO の読み込みメソッドは2種類存在します。 テキスト読み込みメソッドとバイナリ読み込みメソッドです。

テキスト読み込みメソッドは IO のエンコーディングの影響をうけます。 詳しくは「IO のエンコーディングとエンコーディングの変換 」を参照して下さい。 以下がテキスト読み込みメソッドです。

バイナリ読み込みメソッドは IO のエンコーディングの影響を受けません。 返す文字列のエンコーディングは常に ASCII-8BIT になります。 以下がバイナリ読み込みメソッドです。

また書き込みメソッド IO#write も IO のエンコーディングの影響を受けます。 IO のすべての書き込みメソッドは内部で IO#write を呼びますので、 書き込みメソッドはすべて IO のエンコーディングの影響を受けます。

シーク関連のメソッドはエンコーディングの影響を受けません。 常に1バイトを単位として動作します。

例:

f = File.open('t.txt', 'r+:euc-jp')
p f.getc.encoding                             #=> Encoding::EUC_JP
p f.read(1).encoding                          #=> Encoding::ASCII_8BIT

IO のエンコーディングとエンコーディングの変換

IO オブジェクトは外部エンコーディングと内部エンコーディングを持ちます。 外部エンコーディングとは IO が表すファイルなどの文字エンコーディングです。 内部エンコーディングとは IO から読み込まれた文字列、あるいは IO の書き込みメソッドへ渡す文字列 の文字エンコーディングです。

以下の三通りがあります。

IO のエンコーディングが指定されていない場合

IO からテキスト読み込みメソッドによって読み込まれた文字列のエンコーディングは Encoding.default_external に設定されます。このとき実際の文字エンコーディングは検査されず、変換もされません。

外部エンコーディングのみが指定されている場合

IO からテキスト読み込みメソッドによって読み込まれた文字列のエンコーディングは外部エンコーディング に設定されます。このとき実際の文字エンコーディングは検査されず、変換もされません。

IO へ書き込まれる文字列は外部エンコーディングへと変換されます。 外部エンコーディングへの変換方法が分からない場合は例外が発生します。

外部エンコーディングと内部エンコーディング(あるいは default_internal)が指定されている場合

IO からテキスト読み込みメソッドによって読み込まれた文字列は、外部エンコーディングから 内部エンコーディング(あるいは default_internal)へと変換されます。 指定された文字エンコーディングと実際の文字エンコーディングが違っていた場合、例外が発生します。 内部エンコーディングと Encoding.default_internal が両方とも指定されている場合は、 内部エンコーディングが優先されます。

IO へ書き込まれる文字列は外部エンコーディングへと変換されます。 外部エンコーディングへの変換方法が分からない場合は例外が発生します。

IO に対してエンコーディングを指定する方法には、生成時に IO.openFile.open に渡すモードとともに指定するものと 生成後に IO#set_encoding を使って指定するものの二通りがあります。詳しくはそれぞれのメソッドの項を 参照して下さい。通常は前者の方法を使います。

例1:

f = File.open('file1')
p f.getc.encoding        #=> Encoding::EUC_JP

例2:

f = File.open('t.txt', 'w+:shift_jis:euc-jp')
f.write "\xB4\xC1\xBB\xFA"            # 文字列 "漢字" の EUC-JP リテラル
f.rewind
s = f.read(4)
puts s.dump                           #=> "\x8A\xBF\x8E\x9A"
                                      # エンコーディングがSJISへ変換されていることが分かる。

まとめ

以上をまとめると以下の表のようになります。Encoding.default_external は常に設定されているので、省略してあります。

読み込んだ文字列のエンコーディング

                                                   バイナリ読み込みメソッド      テキスト読み込みメソッド
----------------------------------------------------------------------------------------------------------
                                        指定無し        ASCII-8BIT                   default_external

                           default_internal のみ        ASCII-8BIT                   default_internal

                        外部エンコーディングのみ        ASCII-8BIT                 外部エンコーディング

                    内部エンコーディング指定あり        ASCII-8BIT                 内部エンコーディング

    内部エンコーディングと default_internal 両方        ASCII-8BIT                 内部エンコーディング

エンコーディングの変換

                                              バイナリ読み込みメソッド   テキスト読み込みメソッド   書き込みメソッド
---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
                                  指定無し           変換なし                 変換なし                   変換なし

                  外部エンコーディングのみ           変換なし                 変換なし                   変換あり

                     default_internal のみ           変換なし                 変換あり                   変換あり

                  内部エンコーディングのみ           変換なし                 変換あり                   変換あり

外部エンコーディングと内部エンコーディング           変換なし                 変換あり                   変換あり

   外部エンコーディングと default_internal           変換なし                 変換あり                   変換あり

デフォルトの外部エンコーディングの指定

Encoding.default_external はコマンドオプション -E で指定します。 -E が指定されなかった場合は次のような優先順位で決定されます。

-E (最優先) > -K > locale

ファイル名のエンコーディング

ファイル名の文字エンコーディングはプラットフォームに依存します。 ファイル名の文字エンコーディングが固定されているプラットフォーム(Win, Mac)では、 エンコーディングは暗黙に変換されます(予定)。UNIX では変換されずそのままシステムコールに渡されます。

Dir.glob, Dir.foreach などが返すファイル名のエンコーディングも同様にプラットフォーム依存です。 UNIX では ASCII-8BIT です。

binmode

Windows の IO にはテキストモードとバイナリモードという2種類のモードが存在します。 これらのモードは上で説明した IO のエンコーディングとは独立です。改行の変換にしか影響しません。

EOF での読み込みメソッドの振る舞いの違い

空ファイルや EOF での各読み込みメソッドの振る舞いは以下のとおりです。 ただし、length を指定できるメソッドに関しては、length に nil または 0 を指定した場合、 EOF であっても常に空文字列 "" を返します。

メソッド                      空のファイルに対して

IO.read(空ファイル)           ""
IO.read(空ファイル, length)   nil
IO.readlines(空ファイル)      []
IO.foreach(空ファイル)        何もしない
メソッド                      既にEOFだったら

IO#each_byte                  何もしない
IO#getc                       nil
IO#gets                       nil
IO#read()                     ""
IO#read(length)               nil
IO#read_nonblock              EOFError
IO#readchar                   EOFError
IO#readline                   EOFError
IO#readlines                  []
IO#readpartial                EOFError
IO#sysread                    EOFError
IO#bytes                      通常どおり
IO#lines                      通常どおり

特異メソッド

binread(path, length = nil, offset = 0) -> String | nil

path で指定したファイルを open し、offset の所まで seek し、 length バイト読み込みます。

length を省略するとファイルの末尾まで読み込みます。

ファイルを開くときの mode は "rb:ASCII-8BIT" です。

[SEE_ALSO] IO.read

binwrite(path, string, offset=nil) -> Integer

path で指定されるファイルを開き、string を書き込み、 閉じます。

offset を指定するとその位置までシークします。

offset を指定しないと、書き込みの末尾でファイルを 切り捨てます。

[PARAM] path:
ファイル名文字列
[PARAM] string:
書き込む文字列
[PARAM] offset:
書き込み開始位置

[SEE_ALSO] IO.write

copy_stream(src, dst, copy_length = nil) -> Integer
copy_stream(src, dst, copy_length, src_offset) -> Integer

指定された src から dst へコピーします。 コピーしたバイト数を返します。

コピー元の src が IO オブジェクトの場合は、src のオフセットから ファイル名の場合はファイルの最初からコピーを開始します。 コピー先の dst に関しても同様です。

dst にファイル名を指定し、そのファイルが存在しない場合、 ファイルは作成されます。ファイルが存在する場合は長さ 0 に切り詰められます。

src が IO オブジェクトでかつ src_offset が指定されている場合、 src のオフセット(src.pos)は変更されません。

[PARAM] src:
コピー元となる IO オブジェクトかファイル名を指定します。
[PARAM] dst:
コピー先となる IO オブジェクトかファイル名を指定します。
[PARAM] copy_length:
コピーする長さをバイト単位で指定します。最大 copy_length までコピーされます。 nil を指定した場合、コピーする長さに制限はありません。
[PARAM] src_offset:
コピーを始めるオフセットを数値で指定します。
new(fd, mode = "r", opt={}) -> IO
for_fd(fd, mode = "r", opt={}) -> IO
open(fd, mode = "r", opt={}) -> IO
open(fd, mode = "r" opt={}) {|io| ... } -> object

オープン済みのファイルディスクリプタ fd に対する新しい IO オブジェクトを生成して返します。

IO.open にブロックが与えられた場合、IO オブジェクトを生成しそれを引数としてブロックを 実行します。ブロックの終了とともに fd はクローズされます。ブロックの結果を返します。 IO.new, IO.for_fd はブロックを受け付けません。

オプション引数

このメソッドは以下のオプションを利用できます。

  • :mode mode引数と同じ意味です
  • :external_encoding 外部エンコーディング。"-" はデフォルト外部エンコーディングの 別名です。
  • :internal_encoding 内部エンコーディング。"-" はデフォルト内部エンコーディングの 別名です。nilなら変換しません。
  • :encoding "extenc:intenc" の形で外部/内部エンコーディングを指定します。
  • :textmode 真を渡すと mode の "t" と同じ意味になります。
  • :binmode 真を渡すと mode の "b" と同じ意味になります。
  • :autoclose 偽を渡すと close時/GCでのファイナライザ呼出時に fd を close しません。

また、String#encode で説明されている :invalid => :replace などの 変換オプションも指定することができます。外部エンコーディングから 内部エンコーディングへの変換をするときに用いられます。

[PARAM] fd:
ファイルディスクリプタである整数を指定します。
[PARAM] mode:
Kernel.#open と同じ形式で IO のモードを指定します。File::Constants::RDONLY などの 定数(数値)でモードを指定できます。詳細は組み込み関数 Kernel.#open を参照 してください。 mode は省略可能で、省略時のデフォルトのモードは、 fcntl(2) で F_GETFL フラグが利用できる環境では第一引数で指定した fd のモードを引き継ぎ、 利用できない環境では "r" になります。
[PARAM] opt:
オプション引数
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
IO オブジェクトの生成に失敗した場合に発生します。
foreach(path, rs = $/) {|line| ... } -> nil
foreach(path, rs = $/) -> Enumerator

path で指定されたファイルの各行を引数としてブロックを繰り返し実行します。 path のオープンに成功すれば nil を返します。

ブロックが与えられなかった場合は、path で指定されたファイルの各行を繰り返す Enumerator オブジェクトを生成して返します。

テキスト読み込みメソッドとして動作します。 path が空ファイルの場合、何もせずに nil を返します。 Kernel.#open と同様 path の先頭が "|" ならば、"|" に続くコマンドの出力を読み取ります。

[PARAM] path:
ファイル名を表す文字列か "|コマンド名" を指定します。
[PARAM] rs:
行の区切りを文字列で指定します。rs に nil を指定すると行区切りなしとみなします。 空文字列 "" を指定すると連続する改行を行の区切りとみなします(パラグラフモード)。
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
path のオープンに失敗した場合、発生します。

[SEE_ALSO] $/

new -> Object

Objectクラスのインスタンスを生成して返します。

some = Object.new
p some #=> #<Object:0x2b696d8>
pipe -> [IO]
pipe(ext_enc) -> [IO]
pipe(enc_str, opts={}) -> [IO]
pipe(ext_enc, int_enc, opts={}) -> [IO]
pipe {|read_io, write_io| ... } -> object
pipe(ext_enc) {|read_io, write_io| ... } -> object
pipe(enc_str, opt={}) {|read_io, write_io| ... } -> object
pipe(ext_enc, int_enc, opt={}) {|read_io, write_io| ... } -> object

pipe(2) を実行して、相互につながった2つの IO オブジェクトを要素とする配列を返します。

戻り値の配列は最初の要素が読み込み側で、次の要素が書き込み側です。

ブロックが渡された場合は、そのブロックに2つの IO オブジェクトが渡され、 ブロックの返り値がこのメソッドの返り値となります。 ブロック終了時に IO オブジェクトがもし close されていないならば close します(close されていてるオブジェクトはそのままです)。

得られる2つの IO オブジェクトのエンコーディングを引数で指定することが できます。

[PARAM] enc_str:
読み込み側の外部エンコーディングを文字列で指定します。 文字列がコロンを挟んだ二つのエンコーディング名 "A:B" である場合 最初のものが外部エンコーディング、次が内部エンコーディングを意味します。
[PARAM] ext_enc:
読み込み側の外部エンコーディングを Encoding オブジェクトで指定します。
[PARAM] int_enc:
読み込み側の内部エンコーディングを Encoding オブジェクトで指定します。
[PARAM] opt:
エンコーディングなどを設定するオプション引数(see IO.new)
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
IO オブジェクトの作成に失敗した場合に発生します。
r, w = IO.pipe
p [r, w]            # => [#<IO:0x401b90f8>, #<IO:0x401b7718>]
Thread.new do
  w.puts "foo"
  w.close
end
p r.gets           # => "foo\n"
popen(command, mode = "r", opt={}) -> IO
popen(command, mode = "r", opt={}) {|io| ... } -> object

command をサブプロセスとして実行し、そのプロセスの標準入出力 との間にパイプラインを確立します。生成したパイプを IO オブジェクトとして返します。

command が文字列の場合は、シェルを経由して子プロセスを実行します。 command が配列の場合は、シェルを経由せずに子プロセスを実行します。

p io = IO.popen("cat", "r+")  # => #<IO:0x401b75c8>
io.puts "foo"
io.close_write
p io.gets                     # => "foo\n"

ブロックが与えられた場合は生成した IO オブジェクトを引数にブ ロックを実行し、その結果を返します。ブロックの実行後、生成したパイ プは自動的にクローズされます。

p IO.popen("cat", "r+") {|io|
  io.puts "foo"
  io.close_write
  io.gets
}
# => "foo\n"
[PARAM] command:
コマンド名を文字列か配列で指定します。配列が指定された場合には、 シェルを経由せずに子プロセスを実行します。
[PARAM] mode:
オープンする IO ポートのモードを指定します。mode の詳細は Kernel.#open 参照して下さい。
[PARAM] opt:
エンコーディングなどを設定するオプション引数(see IO.new)
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
パイプ、あるいは子プロセスの生成に失敗した場合に発生します。
popen("-", mode = "r", opt={}) -> IO
popen("-", mode = "r", opt={}) {|io| ... } -> object

第一引数に文字列 "-" が指定された時、fork(2) を 行い子プロセスの標準入出力との間にパイプラインを確立します。 親プロセスでは IO オブジェクトを返し、子プロセスでは nil を返します。

io = IO.popen("-", "r+")
if io  # parent
  io.puts "foo"
  p io.gets                   # => "child output: foo\n"
  io.close
else   # child
  s = gets
  print "child output: " + s
  exit
end

ブロックを与えられた場合、親プロセスでは生成した IO オブジェクトを引数に ブロックを実行し、その結果を返します。ブロックの実行後、生成したパイ プは自動的にクローズされます。 子プロセスでは nil を引数にブロックを実行し終了します。

p IO.popen("-", "r+") {|io|
  if io   # parent
    io.puts "foo"
    io.gets
  else    # child
    s = gets
    puts "child output: " + s
  end
}
# => "child output: foo\n"
[PARAM] mode:
オープンする IO ポートのモードを指定します。mode の詳細は Kernel.#open 参照して下さい。
[PARAM] opt:
エンコーディングなどを設定するオプション引数(see IO.new)
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
パイプ、あるいは子プロセスの生成に失敗した場合に発生します。
read(path, opt = {}) -> String | nil
read(path, length = nil, opt = {}) -> String | nil
read(path, length = nil, offset = 0, opt = {}) -> String | nil

path で指定されたファイルを offset 位置から length バイト分読み込んで返します。

既に EOF に達している場合は nil を返します。ただし、length に nil か 0 が指定されている場合は、空文字列 "" を返します。例えば、IO.read(空ファイル) は "" を返します。

引数 length が指定された場合はバイナリ読み込みメソッド、そうでない場合はテキスト読み込みメソッドとして 動作します。

Kernel.#open と同様 path の先頭が "|" ならば、"|" に続くコマンドの出力を読み取ります。

[PARAM] path:
ファイル名を表す文字列か "|コマンド名" を指定します。
[PARAM] length:
読み込む長さを整数で指定します。nil であるか省略した場合には、EOF まで読み込みます。
[PARAM] offset:
読み込みを始めるオフセットを整数で指定します。
[PARAM] opt:
ファイル path を open する時に使われるオプションを Hash で指定します。
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
path のオープン、offset 位置への設定、ファイルの読み込みに失敗した場合に発生します。
[EXCEPTION] ArgumentError:
length が負の場合に発生します。

引数 opt で有効なキーと値は以下のとおりです。 キーはいずれも Symbol オブジェクトです。

:encoding

読み込んだ文字列のエンコーディングを指定します。 読み込む長さを指定した場合はこれは無視されます。

:mode

IO.open のモードを指定します。 "r" で始まる文字列である必要があります。

:open_args

IO.open に渡される引数を配列で指定します。

これらの他、 :external_encoding など IO.open のオプション引数が指定できます。

[SEE_ALSO] IO.binread

例:

IO.read(empty_file)             #=> ""
IO.read(empty_file, 1)          #=> nil
IO.read(one_byte_file, 0, 10)   #=> ""
IO.read(one_byte_file, nil, 10) #=> ""
IO.read(one_byte_file, 1, 10)   #=> nil
readlines(path, rs = $/, opts={})
readlines(path, limit, opts={})
readlines(path, rs, limit, opts={})

path で指定されたファイルを全て読み込んで、その各行を要素としてもつ配列を返します。

Kernel.#open と同様 path の先頭が "|" ならば、"|" に続くコマンドの出力を読み取ります。

テキスト読み込みメソッドとして動作します。

limit で最大読み込みバイト数を指定します。ただしマルチバイト文字が途中で 切れないように余分に読み込む場合があります。

opts でファイルを開くときのオプションを指定します。エンコーディングなど を指定できます。 File.open と同様なのでそちらを参照してください。

[PARAM] path:
ファイル名を表す文字列か "|コマンド名" を指定します。
[PARAM] rs:
行の区切りを文字列で指定します。rs に nil を指定すると行区切りなしとみなします。空文字列 "" を指定すると連続する改行を行の区切りとみなします(パラグラフモード)。
[PARAM] limit:
最大の読み込みバイト数
[PARAM] opts:
ファイルを開くときのオプション引数
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
path のオープン、ファイルの読み込みに失敗した場合に発生します。
select(reads, writes = [], excepts = [], timeout = nil) -> [[IO]] | nil

select(2) を実行します。

与えられた入力/出力/例外待ちの IO オブジェクトの中から準備ができたものを それぞれ配列にして、配列の配列として返します。 タイムアウトした時には nil を返します。

Kernel.#select と同じです。

[PARAM] reads:
入力待ちする IO オブジェクトの配列を渡します。
[PARAM] writes:
出力待ちする IO オブジェクトの配列を渡します。
[PARAM] excepts:
例外待ちする IO オブジェクトの配列を渡します。
[PARAM] timeout:
タイムアウトまでの時間を表す数値または nil を指定します。数値で指定したときの単位は秒です。nil を指定した時には IO がどれかひとつレディ状態になるまで待ち続けます。
[EXCEPTION] IOError:
与えられた IO オブジェクトが閉じられていた時に発生します。
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
select(2) に失敗した場合に発生します。
rp, wp = IO.pipe
mesg = "ping "
100.times{
  rs, ws, = IO.select([rp], [wp])
  if r = rs[0]
    ret = r.read(5)
    print ret
    case ret
    when /ping/
      mesg = "pong\n"
    when /pong/
      mesg = "ping "
    end
  end
  if w = ws[0]
    w.write(mesg)
  end
}
sysopen(path, mode = "r", perm = 0666) -> Integer

path で指定されるファイルをオープンし、ファイル記述子を返しま す。

IO.for_fd などで IO オブジェクトにしない限り、このメソッ ドでオープンしたファイルをクローズする手段はありません。

[PARAM] path:
ファイル名を表す文字列を指定します。
[PARAM] mode:
モードを文字列か定数の論理和で指定します。Kernel.#open と同じです。
[PARAM] perm:
open(2) の第 3 引数のように、ファイルを生成する場合の ファイルのパーミッションを整数で指定します。Kernel.#open と同じです。
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
ファイルのオープンに失敗した場合に発生します。

[SEE_ALSO] Kernel.#open

try_convert(obj) -> IO | nil

obj を to_io メソッドによって IO オブジェクトに変換します。 変換できなかった場合は nil を返します。

IO.try_convert(STDOUT)     # => STDOUT
IO.try_convert("STDOUT")   # => nil
write(path, string, offset=nil, opt={}) -> Integer

path で指定されるファイルを開き、string を書き込み、 閉じます。

offset を指定するとその位置までシークします。

offset を指定しないと、書き込みの末尾でファイルを 切り捨てます。

引数最後のハッシュはファイルを開くときに使われます。 エンコーディングなどを指定することができます。 詳しくは IO.open を見てください。

[PARAM] path:
ファイル名文字列
[PARAM] string:
書き込む文字列
[PARAM] offset:
書き込み開始位置
[PARAM] opt:
ファイルを開くときのオプション引数

[SEE_ALSO] IO.binwrite

インスタンスメソッド

self !~ other -> bool

自身が other とマッチしない事を判定します。

self#=~(obj) を反転した結果と同じ結果を返します。

[PARAM] other:
判定するオブジェクトを指定します。

[SEE_ALSO] Object#=~

self << object -> self

object を出力します。object が文字列でない時にはメソッ ド to_s を用いて文字列に変換します。

以下のような << の連鎖を使うことができます。

STDOUT << 1 << " is a " << Fixnum << "\n"
[PARAM] object:
出力したいオブジェクトを与えます。
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
出力に失敗した場合に発生します。
self == other -> bool

オブジェクトと other が等しければ真を返します。

このメソッドは各クラスの性質に合わせて再定義すべきです。 多くの場合、オブジェクトの内容が等しければ真を返すように (同値性を判定するように)再定義されることが期待されています。

デフォルトでは equal? と同じオブジェクト の同一性判定になっています。

[PARAM] other:
比較するオブジェクトです。
p("foo" == "bar") #=> false
p("foo" == "foo") #=> true

p(4 == 4) #=> true
p(4 == 4.0) #=> true

[SEE_ALSO] Object#equal?,Object#eql?

self === other -> bool

メソッド Object#== の別名です。 case 式で使用されます。このメソッドは case 式での振る舞いを考慮して、 各クラスの性質に合わせて再定義すべきです。

一般的に所属性のチェックを実現するため適宜再定義されます。

when 節の式をレシーバーとして === を呼び出すことに注意してください。

また Enumerable#grep でも使用されます。

[PARAM] other:
比較するオブジェクトです。
age = 12
result =
case age
when 0 .. 2
  "baby"
when 3 .. 6
  "little child"
when 7 .. 12
  "child"
when 13 .. 18
  "youth"
else
  "adult"
end

puts result #=> "child"

def check arg
  case arg
  when /ruby(?!\s*on\s*rails)/i
    "hit! #{arg}"
  when String
    "Instance of String class. But don't hit."
  else
    "unknown"
  end
end

puts check([]) #=> unknown
puts check("mash-up in Ruby on Rails") #=> instance of String class. But not hit...
puts check("<Ruby's world>") #=> hit! <Ruby's world>

[SEE_ALSO] Object#==, Range#===, Module#===, Enumerable#grep

self =~ other -> nil

右辺に正規表現オブジェクトを置いた正規表現マッチ obj =~ /RE/ をサポートするためのメソッドです。 常に nil を返します。

この定義により、=~ が再定義されたオブジェクトでは正常にマッチを行い、 それ以外のものは nil を返すようになります。

[PARAM] other:
任意のオブジェクトです。結果に影響しません。
obj = 'regexp'
p(obj =~ /re/) #=> 0

obj = nil
p(obj =~ /re/) #=> nil

[SEE_ALSO] String#=~

send(name, *args) -> object
send(name, *args) { .... } -> object
__send__(name, *args) -> object
__send__(name, *args) { .... } -> object

オブジェクトのメソッド name を args を引数に して呼び出し、メソッドの実行結果を返します。

ブロック付きで呼ばれたときはブロックもそのまま引き渡します。

send が再定義された場合に備えて別名 __send__ も 用意されており、ライブラリではこちらを使うべきです。また __send__ は再定義すべきではありません。

send, __send__ は、メソッドの呼び出し制限 にかかわらず任意のメソッドを呼び出せます。 クラス/メソッドの定義/呼び出し制限 も参照してください。

[PARAM] name:
文字列かSymbol で指定するメソッド名です。
[PARAM] args:
呼び出すメソッドに渡す引数です。
p -365.send(:abs) #=> 365
p "ruby".send(:sub,/./,"R") #=> "Ruby"


class Foo
  def foo() "foo" end
  def bar() "bar" end
  def baz() "baz" end
end

# 任意のキーとメソッド(の名前)の関係をハッシュに保持しておく
# レシーバの情報がここにはないことに注意
methods = {1 => :foo,
  2 => :bar,
  3 => :baz}

# キーを使って関連するメソッドを呼び出す
# レシーバは任意(Foo クラスのインスタンスである必要もない)
p Foo.new.send(methods[1])      # => "foo"
p Foo.new.send(methods[2])      # => "bar"
p Foo.new.send(methods[3])      # => "baz"

[SEE_ALSO] Object#method, Kernel.#eval, Proc, Method

_dump(limit) -> String

Marshal.#dump において出力するオブジェクトがメソッド _dump を定義している場合には、そのメソッドの結果が書き出されます。

バージョン1.8.0以降ではObject#marshal_dump, Object#marshal_loadの使用 が推奨されます。 Marshal.dump するオブジェクトが _dump と marshal_dump の両方の メソッドを持つ場合は marshal_dump が優先されます。

メソッド _dump は引数として再帰を制限するレベル limit を受 け取り、オブジェクトを文字列化したものを返します。

インスタンスがメソッド _dump を持つクラスは必ず同じフォー マットを読み戻すクラスメソッド _load を定義する必要があり ます。_load はオブジェクトを表現した文字列を受け取り、それ をオブジェクトに戻したものを返す必要があります。

[PARAM] limit:
再帰の制限レベルを表す整数です。
[RETURN]
オブジェクトを文字列化したものを返すように定義すべきです。
class Foo
  def initialize(arg)
    @foo = arg
  end
  def _dump(limit)
    Marshal.dump(@foo, limit)
  end
  def self._load(obj)
    p obj
    Foo.new(Marshal.load(obj))
  end
end
foo = Foo.new(['foo', 'bar'])
p foo                      #=> #<Foo:0xbaf234 @foo=["foo", "bar"]>
dms = Marshal.dump(foo)
p dms                      #=> "\004\bu:\bFoo\023\004\b[\a\"\bfoo\"\bbar"
result = Marshal.load(dms) #=> "\004\b[\a\"\bfoo\"\bbar" # self._load の引数
p result                   #=> #<Foo:0xbaf07c @foo=["foo", "bar"]>

インスタンス変数の情報は普通マーシャルデータに含まれるので、上例 のように _dump を定義する必要はありません(ただし _dump を定義すると インスタンス変数の情報は dump されなくなります)。 _dump/_load はより高度な制御を行いたい場合や拡張ライブラリで定義し たクラスのインスタンスがインスタンス変数以外に情報を保持する場合に 利用します。(例えば、クラス Time は、_dump/_load を定義して います)

[SEE_ALSO] Object#marshal_dump,Object#marshal_load

advise(advice, offset=0, len=0) -> nil

posix_fadvise(2) を呼びだし、 ファイルへのアクセスパターンをOSに知らせます。

advice には以下のいずれかのシンボルを指定します。

  • :normal - デフォルト
  • :sequential - データは前から順にアクセスされる
  • :random - データはランダムアクセスされる
  • :willneed - データはこの直後にアクセスされる
  • :dontneed - データは直後にはアクセスしない
  • :noreuse - データは一度しかアクセスされない

これらの advice が具体的に何をするのかはプラットフォーム依存です。

ここでいう「データ」は offset と len で特定することができます。 len が 0 ならば、offset からファイル末尾までを指定したことになります。 デフォルトでは offset と len がともに 0 なので、 ファイル全体を指定したことになります。

posix_fadvise をサポートしていないプラットフォーム上では 何もしません。

[PARAM] advice:
アクセスパターンを表すシンボル
[PARAM] offset:
パターンを指定するデータの先頭位置
[PARAM] len:
パターンを指定するデータの長さ
[EXCEPTION] IOError:
ストリームが既に閉じられているときに発生する例外
[EXCEPTION] Errno::EBADF:
ファイルデスクリプタが不正であるときに発生する例外
[EXCEPTION] Errno::EINVAL:
advice が不正
[EXCEPTION] Errno::ESPIPE:
ファイルデスクリプタが FIFO か pipe を指している 場合に発生する例外(Linux はこの場合には Errno::EINVAL を発生する)
[EXCEPTION] RangeError:
offset,lenが有効範囲から出ている場合に発生する例外
all? -> bool
all? {|item| ... } -> bool

すべての要素が真である場合に true を返します。 偽である要素があれば、ただちに false を返します。

ブロックを伴う場合は、各要素に対してブロックを評価し、すべての結果 が真である場合に true を返します。ブロックが偽を返した時点で、 ただちに false を返します。

例:

# すべて正の数か?
p [5,  6, 7].all? {|v| v > 0 }   # => true
p [5, -1, 7].all? {|v| v > 0 }   # => false
any? -> bool
any? {|item| ... } -> bool

すべての要素が偽である場合に false を返します。 真である要素があれば、ただちに true を返します。

ブロックを伴う場合は、各要素に対してブロックを評価し、すべての結果 が偽である場合に false を返します。ブロックが真を返した時点 で、ただちに true を返します。

例:

p [1, 2, 3].any? {|v| v > 3 }   # => false
p [1, 2, 3].any? {|v| v > 1 }   # => true
autoclose=(bool)

auto-close フラグを設定します。

フラグが設定されているオブジェクトは close時/GCでのファイナライザ呼出時にファイルデスクリプタを close します。 設定されていない場合は close しません。

[PARAM] bool:
真偽値でフラグを設定します

[SEE_ALSO] IO#autoclose?

f = open("/dev/null")
IO.for_fd(f.fileno)
# ...
f.gets # may cause IOError

f = open("/dev/null")
IO.for_fd(f.fileno).autoclose = true
# ...
f.gets # won't cause IOError
autoclose? -> bool

auto-close フラグを返します。

[SEE_ALSO] IO#autoclose=

binmode -> self

ストリームをバイナリモードにします。MSDOS などバイナリモードの存在 する OS でのみ有効です。そうでない場合このメソッドは何もしません。

バイナリモードから通常のモードに戻す方法は再オープンしかありません。

[EXCEPTION] Errno::EXXX:
モードの変更に失敗した場合に発生します。
binmode? -> bool

自身がバイナリモードなら true を返します。そうでない場合、false を返します。

bytes -> Enumerator

自身を 1 バイトずつ整数としてイテレートするような Enumerator オブジェクトを生成して返します。

"hello".bytes.to_a        #=> [104, 101, 108, 108, 111]
each_char {|c| ... } -> self
chars {|c| ... } -> self
each_char -> Enumerator
chars -> Enumerator

self に含まれる文字を一文字つつブロックに渡して評価します。

self は読み込み用にオープンされていなければなりません。

ブロックを省略した場合は各文字について繰り返す Enumerator を返します。

[EXCEPTION] IOError:
self が読み込み用にオープンされていない場合に発生します。
f = File.new("testfile")
f.each_char {|c| print c, ' ' }   #=> #<File:testfile>
chunk {|elt| ... } -> Enumerator
chunk(initial_state) {|elt, state| ... } -> Enumerator

要素を前から順にブロックで評価し、その結果によって 要素をチャンクに分けた(グループ化した)要素を持つ Enumerator を返します。

ブロックの評価値が同じ値が続くものを一つのチャンクとして 取り扱います。すなわち、ブロックの評価値が一つ前と 異なる所でチャンクが区切られます。

返り値の Enumerator は各チャンクのブロック評価値と 各チャンクの要素を持つ配列のペアを各要素とします。 そのため、eachだと以下のようになります。

enum.chunk {|elt| key }.each {|key, ary| ... }
enum.chunk(initial_state) {|elt, state| key }.each {|key, ary| ... }

例として、整数列を連続する奇数/偶数に分ける例を見てみます。 「n.even?」が変換するところで区切られているのがわかるでしょう。

[3,1,4,1,5,9,2,6,5,3,5].chunk {|n|
  n.even?
}.each {|even, ary|
  p [even, ary]
}
#=> [false, [3, 1]]
#   [true, [4]]
#   [false, [1, 5, 9]]
#   [true, [2, 6]]
#   [false, [5, 3, 5]]

このメソッドは各要素が既にソートされている場合に便利です。 以下の例では、テキスト辞書ファイル(中身がソートされている) に含まれる単語を先頭の文字ごとに数えています。

# line.ord は先頭の文字のコードポイントを返す
open("/usr/share/dict/words", "r:iso-8859-1") {|f|
  f.chunk {|line| line.ord }.each {|ch, lines| p [ch.chr, lines.length] }
}
#=> ["\n", 1]
#   ["A", 1327]
#   ["B", 1372]
#   ["C", 1507]
#   ["D", 791]
#   ...

さらにこのメソッドは以下の値を特別扱いします。

  • ブロックの評価値が nil もしくは :_separator であった場合、 その要素を捨てます。チャンクはこの前後で区切られます。
  • ブロックの評価値 :_alone であった場合はその要素は 単独のチャンクをなすものと解釈されます。

アンダースコアで始まるシンボルはこのメソッドでは予約されています。 ブロックの返り値としては用いないでください。

nil、 :_separator はある要素を無視したい場合に用います。 例として svn log の出力のハイフンの所で区切りたい場合を考えます。

sep = "-"*72 + "\n" # ハイフンが72個の行
IO.popen("svn log README") {|f|
  f.chunk {|line|
    line != sep || nil
  }.each {|_, lines|
    pp lines
  }
}
#=> ["r20018 | knu | 2008-10-29 13:20:42 +0900 (Wed, 29 Oct 2008) | 2 lines\n",
#    "\n",
#    "* README, README.ja: Update the portability section.\n",
#    "\n"]
#   ["r16725 | knu | 2008-05-31 23:34:23 +0900 (Sat, 31 May 2008) | 2 lines\n",
#    "\n",
#    "* README, README.ja: Add a note about default C flags.\n",
#    "\n"]
#   ...

テキストを空行で区切られた段落に分けたい場合にも nil が使えます。

File.foreach("README").chunk {|line|
  /\A\s*\z/ !~ line || nil
}.each {|_, lines|
  pp lines
}

「:_alone」は要素を素通ししたい場合に用います。 以下の例では「Foo#bar」という形式の行が連続している場合のみ チャンク化し、それ以外は素通しします。

pat = /\A[A-Z][A-Za-z0-9_]+\#/
open(filename) {|f|
  f.chunk {|line| pat =~ line ? $& : :_alone }.each {|key, lines|
    if key != :_alone
      print lines.sort.join('')
    else
      print lines.join('')
    end
  }
}

チャンク化に状態遷移が必要な場合は、 オプション引数 initial_state に状態を保持するオブジェクトを渡します。 この場合、ブロックの第2引数にはこのオブジェクトが dup で複製 されて渡されます。

[PARAM] initial_state:
状態を保持するオブジェクト
[EXCEPTION] RuntimeError:
予約されている値を用いた場合に発生します
class -> Class

レシーバのクラスを返します。

p "ruby".class #=> String
p 999999999999999.class #=> Bignum
p ARGV.class #=> Array
p self.class #=> Object
p Class.class #=> Class
p Kernel.class #=> Module

[SEE_ALSO] Class#superclass,Object#kind_of?,Object#instance_of?

clone -> IO
dup -> IO

レシーバと同じ IO を参照する新しい IO オブジェクトを返します。 参照しているファイル記述子は dup(2) されます。

clone の際に self は一旦 IO#flush されます。 フリーズした IO の clone は同様にフリーズされた IO を返しますが、 dup は内容の等しいフリーズされていない IO を返します。

[EXCEPTION] IOError:
既に close されていた場合に発生します。
clone -> object
dup -> object

オブジェクトの複製を作成して返します。

dup はオブジェクトの内容, taint 情報をコピーし、 clone はそれに加えて freeze, 特異メソッドなどの情報も含めた完全な複製を作成します。

clone や dup は浅い(shallow)コピーであることに注意してください。後述。

[EXCEPTION] TypeError:
TrueClass, FalseClass, NilClass, Symbol, そして Numeric クラスのインスタンスなど一部の オブジェクトを複製しようとすると発生します。
obj = "string"
obj.taint
def obj.fuga
end
obj.freeze

p(obj.equal?(obj))          #=> true
p(obj == obj)               #=> true
p(obj.tainted?)             #=> true
p(obj.frozen?)              #=> true
p(obj.respond_to?(:fuga))   #=> true

obj_c = obj.clone

p(obj.equal?(obj_c))        #=> false
p(obj == obj_c)             #=> true
p(obj_c.tainted?)           #=> true
p(obj_c.frozen?)            #=> true
p(obj_c.respond_to?(:fuga)) #=> true

obj_d = obj.dup

p(obj.equal?(obj_d))        #=> false
p(obj == obj_d)             #=> true
p(obj_d.tainted?)           #=> true
p(obj_d.frozen?)            #=> false
p(obj_d.respond_to?(:fuga)) #=> false

[SEE_ALSO] Object#initialize_copy

深いコピーと浅いコピー

clone や dup はオブジェクト自身を複製するだけで、オブジェクトの指し ている先(たとえば配列の要素など)までは複製しません。これを浅いコピー(shallow copy)といいます。

深い(deep)コピーが必要な場合には、 Marshalモジュールを利用して

Marshal.load(Marshal.dump(obj))

このように複製を作成する方法があります。ただしMarshal出来ないオブジェクトが 含まれている場合には使えません。

obj = ["a","b","c"]

obj_d = obj.dup
obj_d[0] << "PLUS"

p obj   #=> ["aPLUS", "b", "c"]
p obj_d #=> ["aPLUS", "b", "c"]

obj_m = Marshal.load(Marshal.dump(obj))
obj_m[1] << "PLUS"

p obj   #=> ["aPLUS", "b", "c"]
p obj_m #=> ["aPLUS", "bPLUS", "c"]
close -> nil

入出力ポートをクローズします。

以後このポートに対して入出力を行うと例外 IOError が発生しま す。ガーベージコレクトの際にはクローズされていない IO ポートはクロー ズされます。 self がパイプでプロセスにつながっていれば、そのプロセスの終 了を待ち合わせます。

[EXCEPTION] Errno::EXXX:
close に失敗した場合に発生します。
[EXCEPTION] IOError:
既に close されていた場合に発生します。
close_on_exec=(bool)

自身に close-on-exec フラグを設定します。

このフラグをセットすると exec(2) 時にそのファイルデスクリプタを close します。

[SEE_ALSO] fcntl(2)

[PARAM] bool:
自身の close-on-exec フラグを true か false で指定します。
f = open("/dev/null")
f.close_on_exec = true
system("cat", "/proc/self/fd/#{f.fileno}") # cat: /proc/self/fd/3: No such file or directory
f.closed?                #=> false

[SEE_ALSO] IO#close_on_exec?

close_on_exec? -> bool

自身に close-on-exec フラグが設定されていた場合 true を返します。 そうでない場合に false を返します。

f = open("/dev/null")
f.close_on_exec?                 #=> false
f.close_on_exec = true
f.close_on_exec?                 #=> true
f.close_on_exec = false
f.close_on_exec?                 #=> false

[SEE_ALSO] IO#close_on_exec=

close_read -> nil

読み込み用の IO を close します。主にパイプや読み書き両用に作成し た IO オブジェクトで使用します。

[EXCEPTION] IOError:
自身が読み込み用にオープンされていなければ発生します。
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
close に失敗した場合に発生します。
close_write -> nil

書き込み用の IO を close します。

[EXCEPTION] IOError:
自身が書き込み用にオープンされていなければ発生します。
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
close に失敗した場合に発生します。
closed? -> bool

ポートがクローズされている時に真を返します。

each_codepoint {|c| ... } -> self
codepoints {|c| ... } -> self
each_codepoint -> Enumerator
codepoints -> Enumerator

IO の各コードポイントに対して繰り返しブロックを呼びだします。

ブロックの引数にはコードポイントを表す整数が渡されます。

ブロックを省略した場合には、Enumerator を返します。

collect -> Enumerator
map -> Enumerator
collect {|item| ... } -> [object]
map {|item| ... } -> [object]

各要素に対してブロックを評価した結果を全て含む配列を返します。

ブロックを省略した場合、上で説明した繰り返しを実行し、その結果として 得られる配列を返すような Enumerator オブジェクトを返します。

例:

# すべて 3 倍にする
p [1, 2, 3].map {|n| n * 3 }  # => [3, 6, 9]
flat_map -> Enumerator
collect_concat -> Enumerator
flat_map {| obj | block } -> Array
collect_concat {| obj | block } -> Array

各要素をブロックに渡し、その返り値を連結した配列を返します。

ブロックの返り値は基本的に配列を返すべきです。

ブロックを省略した場合は、ブロックを受けとり 上で説明した評価をし、その結果の配列を返す Enumerator オブジェクトを返します。

[[1,2], [3,4]].flat_map{|i| i.map{|j| j*2}} # => [2,4,6,8]
count -> Integer
count(item) -> Integer
count {|obj| ... } -> Integer

レシーバの要素数を返します。

引数を指定しない場合は、レシーバの要素数を返します。 このとき、レシーバが size メソッドを持っていればそちらを使用します。 レシーバが size メソッドを持っていない場合は、要素数を一つずつカウントします。

引数を一つ指定した場合は、レシーバの要素のうち引数に一致するものの 個数をカウントして返します(一致は == で判定します)。

ブロックを指定した場合は、ブロックを評価して真になった要素の個数を カウントして返します。

[PARAM] item:
カウント対象となる値。

例:

ary = [1, 2, 4, 2]
ary.count             # => 4
ary.count(2)          # => 2
ary.count{|x|x%2==0}  # => 3
cycle(n=nil) -> Enumerator
cycle(n=nil) {|obj| ... } -> object | nil

Enumerable オブジェクトの各要素を n 回 or 無限回(n=nil)繰り返し ブロックを呼びだします。

n に 0 もしくは負の値を渡した場合は何もしません。 繰り返しが最後まで終了した場合(つまりbreakなどで中断しなかった場合) は nil を返します。 このメソッドは内部の配列に各要素を保存しておくため、 一度 Enumerable の終端に到達した後に自分自身を変更しても このメソッドの動作に影響を与えません。

a = ["a", "b", "c"]
a.cycle {|x| puts x }  # print, a, b, c, a, b, c,.. forever.
a.cycle(2) {|x| puts x }  # print, a, b, c, a, b, c.

ブロックを省略した場合は、n 回 or 無限回 enum の各要素を 繰り返す Enumerator を返します。

[RETURN]
ブロックを指定しなかった場合は、Enumerator を返します。 レシーバが空の場合は nil を返します。
find(ifnone = nil) -> Enumerator
detect(ifnone = nil) -> Enumerator
find(ifnone = nil) {|item| ... } -> object
detect(ifnone = nil) {|item| ... } -> object

要素に対してブロックを評価した値が真になった最初の要素を返します。

真になる要素が見つからず、ifnone も指定されていないときは nil を返します。 真になる要素が見つからず、ifnone が指定されているときは ifnone を call した結果を返します。

ブロックを省略した場合は、各要素に対しブロックを真になるまで評価し、最初に 真になった値を返すような Enumerator を返します。

[PARAM] ifnone:
call メソッドを持つオブジェクト (例えば Proc) を指定します。

例:

# 最初の 3 の倍数を探す
p [1, 2, 3, 4, 5].find {|i| i % 3 == 0 }   # => 3
p [2, 2, 2, 2, 2].find {|i| i % 3 == 0 }   # => nil

# ifnone の使用例
ifnone = proc { raise ArgumentError, "item not found" }
p [1, 2, 3, 4, 5].find(ifnone) {|i| i % 7 == 0 }
    # ArgumentError: item not found
display(out = $stdout) -> nil

オブジェクトを out に出力します。

以下のように定義されています。

class Object
  def display(out = $stdout)
    out.print self.to_s
    nil
  end
end
[PARAM] out:
出力先のIOオブジェクトです。指定しない場合は標準出力に出力されます。
[RETURN]
nil を返します。
Object.new.display #=> #<Object:0xbb0210>

[SEE_ALSO] $stdout

drop(n) -> Array

Enumerable オブジェクトの先頭の n 要素を捨てて、 残りの要素を配列として返します。

[PARAM] n:
捨てる要素数。
a = [1, 2, 3, 4, 5, 0]
a.drop(3)             # => [4, 5, 0]
drop_while -> Enumerator
drop_while {|element| ... } -> Array

ブロックを評価して最初に偽となった要素の手前の要素まで捨て、 残りの要素を配列として返します。

ブロックを指定しなかった場合は、Enumerator を返します。

a = [1, 2, 3, 4, 5, 0]
a.drop_while {|i| i < 3 }   # => [3, 4, 5, 0]
each_byte {|ch| ... } -> self
each_byte -> Enumerator

IO の現在位置から 1 バイトずつ読み込み、それを整数として与え、ブロックを実行します。

ブロックが与えられなかった場合は、自身から生成した Enumerator オブジェクトを返します。

バイナリ読み込みメソッドとして動作します。

[EXCEPTION] IOError:
自身が読み込み用にオープンされていなければ発生します。
each_cons(n) -> Enumerator
each_cons(n) {|list| ... } -> nil

要素を重複ありで n 要素ずつに区切り、 ブロックに渡して繰り返します。

ブロックを省略した場合は重複ありで n 要素ずつ繰り返す Enumerator を返します。

[PARAM] n:
ブロックに渡す要素の数です。正の整数を与えます。 要素数より大きな数を与えると、ブロックは一度も実行されません。

例:

(1..10).each_cons(3){|v| p v }
# => [1, 2, 3]
#    [2, 3, 4]
#    [3, 4, 5]
#    [4, 5, 6]
#    [5, 6, 7]
#    [6, 7, 8]
#    [7, 8, 9]
#    [8, 9, 10]

[SEE_ALSO] Enumerable#each_slice

each_entry -> Enumerator
each_entry {|obj| block} -> self

ブロックを各要素に一度ずつ適用します。

一要素として複数の値が渡された場合はブロックには配列として渡されます。

class Foo
  include Enumerable
  def each
    yield 1
    yield 1,2
  end
end
Foo.new.each_entry{|o| print o, " -- "}
# => 1 -- [1, 2] --

ブロックを省略した場合は Enumerator が返されます。

[SEE_ALSO] Enumerable#slice_before

each_line(rs = $/) {|line| ... } -> self
each_line(limit) {|line| ... } -> self
each_line(rs, limit) {|line| ... } -> self
each_line(rs = $/) -> Enumerator
each_line(limit) -> Enumerator
each_line(rs, limit) -> Enumerator
lines(rs = $/) {|line| ... } -> self
lines(limit) {|line| ... } -> self
lines(rs, limit) {|line| ... } -> self
lines(rs = $/) -> Enumerator
lines(limit) -> Enumerator
lines(rs, limit) -> Enumerator

IO の現在位置から 1 行ずつ文字列として読み込み、それを引数として 与えられたブロックを実行します。

ブロックが与えられなかった場合は、自身から生成した Enumerator オブジェクトを返します。

テキスト読み込みメソッドとして動作します。

limit で最大読み込みバイト数を指定します。ただしマルチバイト文字が途中で 切れないように余分に読み込む場合があります。

[PARAM] rs:
行の区切りを文字列で指定します。rs に nil を指定すると行区切りなしとみなします。 空文字列 "" を指定すると連続する改行を行の区切りとみなします(パラグラフモード)。
[PARAM] limit:
最大の読み込みバイト数
[EXCEPTION] IOError:
自身が読み込み用にオープンされていなければ発生します。

[SEE_ALSO] $/, IO#gets

each_slice(n) -> Enumerator
each_slice(n) {|list| ... } -> nil

n 要素ずつブロックに渡して繰り返します。

要素数が n で割り切れないときは、最後の回だけ要素数が減ります。

ブロックを省略した場合は n 要素ずつ繰り返す Enumerator を返します。

[PARAM] n:
区切る要素数を示す整数です。

例:

(1..10).each_slice(3) {|a| p a}
    # => [1, 2, 3]
    #    [4, 5, 6]
    #    [7, 8, 9]
    #    [10]

[SEE_ALSO] Enumerable#each_cons

each_with_index -> Enumerator
each_with_index {|item, index| ... } -> self

要素とそのインデックスをブロックに渡して繰り返します。

self を返します。

ブロックを省略した場合は、 要素とそのインデックスを繰り返すような Enumerator を返します。

例:

[5, 10, 15].each_with_index do |n, idx|
  p [n, idx]
end
    # => [5, 0]
    #    [10, 1]
    #    [15, 2]
each_with_object(obj) -> Enumerator
each_with_object(obj) {|(*args), memo_obj| ... } -> object

与えられた任意のオブジェクトと要素をブロックに渡し繰り返し、最初に与えられたオブジェクトを返します。

ブロックを省略した場合は、上の繰り返しをして、最初に与えたオブジェクトを 最後に返す Enumerator を返します。

[PARAM] obj:
任意のオブジェクトを指定します。
evens = (1..10).each_with_object([]) {|i, a| a << i*2 }
# => [2, 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 18, 20]

[SEE_ALSO] Enumerator#with_object

to_a -> [object]
entries -> [object]

全ての要素を含む配列を返します。

to_enum(method = :each, *args) -> Enumerator
enum_for(method = :each, *args) -> Enumerator

Enumerator.new(self, method, *args) を返します。

[PARAM] method:
メソッド名の文字列かシンボルです。
[PARAM] args:
呼び出すメソッドに渡される引数です。
[EXCEPTION] NameError:
存在しないメソッド名を指定すると発生します。
str = "xyz"

enum = str.enum_for(:each_byte)
p(a = enum.map{|b| '%02x' % b }) #=> ["78", "79", "7a"]

# protects an array from being modified
a = [1, 2, 3]
p(a.to_enum) #=> #<Enumerator: [1, 2, 3]:each>

[SEE_ALSO] Enumerator

eof -> bool
eof? -> bool

ストリームがファイルの終端に達した場合、true を返します。そうでない場合、false を返します。

f = File.new("testfile")
dummy = f.readlines
f.eof   #=> true

自身がパイプやソケットなどのストリームであった場合、相手がデータを送るか close するまでブロックします。

r, w = IO.pipe
Thread.new { sleep 10; w.close }
r.eof?  #=> 10秒ブロックしてから true を返す。

r, w = IO.pipe
Thread.new { sleep 10; w.puts "a" }
r.eof?  #=> 10秒ブロックしてから false を返す。

r, w = IO.pipe
r.eof?  # 永久にブロックします。

eof, eof? は入力バッファにデータを読み込むので、IO#sysread と同時に使うと正常に 動作しません。

[EXCEPTION] IOError:
自身が読み込み用にオープンされていなければ発生します。
eql?(other) -> bool

オブジェクトと other が等しければ真を返します。Hash で二つのキー が等しいかどうかを判定するのに使われます。

このメソッドは各クラスの性質に合わせて再定義すべきです。 多くの場合、 == と同様に同値性の判定をするように再定義されていますが、 適切にキー判定ができるようにより厳しくなっている場合もあります。

デフォルトでは equal? と同じオブジェクト の同一性判定になっています。

このメソッドを再定義した時には Object#hash メソッ ドも再定義しなければなりません。

[PARAM] other:
比較するオブジェクトです。
p("foo".eql?("bar")) #=> false
p("foo".eql?("foo")) #=> true

p(4.eql?(4)) #=> true
p(4.eql?(4.0)) #=> false

[SEE_ALSO] Object#hash,Object#equal?,Object#==

equal?(other) -> bool

other が self 自身の時、真を返します。

二つのオブジェクトが同一のものかどうか調べる時に使用します。 このメソッドを再定義してはいけません。

お互いのObject#object_idが一致する かどうかを調べます。

[PARAM] other:
比較するオブジェクトです。
p("foo".equal?("bar")) #=> false
p("foo".equal?("foo")) #=> false

p(4.equal?(4)) #=> true
p(4.equal?(4.0)) #=> false

p(:foo.equal? :foo) #=> true

[SEE_ALSO] Object#object_id,Object#==,Object#eql?,Symbol

extend(*modules) -> self

引数で指定したモジュールのインスタンスメソッドを self の特異 メソッドとして追加します。

Module#include は、クラス(のインスタンス)に機能を追加します が、extend は、ある特定のオブジェクトだけにモジュールの機能を追加 したいときに使用します。

引数に複数のモジュールを指定した場合、最後 の引数から逆順に extend を行います。

[PARAM] modules:
モジュールを任意個指定します(クラスは不可)。
[RETURN]
self を返します。
module Foo
  def a
    'ok Foo'
  end
end

module Bar
  def b
    'ok Bar'
  end
end

obj = Object.new
obj.extend Foo, Bar
p obj.a #=> "ok Foo"
p obj.b #=> "ok Bar"

class Klass
  include Foo
  extend Bar
end

p Klass.new.a #=> "ok Foo"
p Klass.b     #=> "ok Bar"

extend の機能は、「特異クラスに対する Module#include」 と言い替えることもできます。 ただしその場合、フック用のメソッド が Module#extended ではなく Module#included になるという違いがあります。

# obj.extend Foo, Bar とほぼ同じ
class << obj
  include Foo, Bar
end

[SEE_ALSO] Module#extend_object,Module#include,Module#extended

external_encoding -> Encoding | nil

IO の外部エンコーディングを返します。 外部エンコーディングが指定されていない場合は nil を返します。

fcntl(cmd, arg = 0) -> Integer

IOに対してシステムコール fcntl を実行します。 機能の詳細は fcntl(2) を参照してください。 fcntl(2) が返した整数を返します。

[PARAM] cmd:
IO に対するコマンドを、添付ライブラリ fcntl が提供している定数で指定します。
[PARAM] arg:
cmd に対する引数を整数、文字列、booleanのいずれかで指定します。 整数の時にはその値を fcntl(2) に渡します。 文字列の場合には Array#pack した構造体だとみなして渡します。 arg が nil か false の場合には 0を、true の場合には 1 を渡します。
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
fcntl の実行に失敗した場合に発生します。
[EXCEPTION] IOError:
既に close されている場合に発生します。
fdatasync -> 0 | nil

IO のすべてのバッファされているデータを直ちにディスクに書き込みます。

fdatasync(2) をサポートしていない OS 上では代わりに IO#fsync を呼びだします。

IO#fsync との違いは fdatasync(2) を参照してください。

[EXCEPTION] NotImplementedError:
fdatasync(2)fsync(2) も サポートされていない OS で発生します。
fileno -> Integer
to_i -> Integer

ファイル記述子を表す整数を返します。

[EXCEPTION] IOError:
既に close されている場合に発生します。
find_all -> Enumerator
select -> Enumerator
find_all {|item| ... } -> [object]
select {|item| ... } -> [object]

各要素に対してブロックを評価した値が真であった要素を全て含む配列を 返します。真になる要素がひとつもなかった場合は空の配列を返します。

ブロックを省略した場合は、各要素に対しブロックを評価し 真になった値の配列を返すような Enumerator を返します。

find_index -> Enumerator
find_index {|obj| ... } -> Integer | nil

要素を先頭から順にブロックに渡して評価し、最初に真になった要素のインデックスを返します。 一つも真にならなければ nil を返します。

(1..10).find_index  {|i| i % 5 == 0 and i % 7 == 0 }   #=> nil
(1..100).find_index {|i| i % 5 == 0 and i % 7 == 0 }   #=> 34

ブロックを指定しなかった場合は、Enumerator を返します。

first -> object | nil
first(n) -> Array

Enumerable オブジェクトの最初の要素、もしくは最初の n 要素を返します。

Enumerable オブジェクトが空の場合、引数を指定しない形式では nil を返します。 引数を指定する形式では、空の配列を返します。

[PARAM] n:
取得する要素数。
e = "abcd".each_byte
e.first #=> 97
e.first(2) #=> [97,98]
e = "".each_byte
e.first #=> nil
e.first(2) #=> []
flush -> self

IO ポートの内部バッファをフラッシュします。

[EXCEPTION] IOError:
自身が書き込み用にオープンされていなければ発生します。
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
fflush(3) が失敗した場合に発生します。
freeze -> self

オブジェクトを凍結(内容の変更を禁止)します。

凍結されたオブジェクトの変更は 例外 RuntimeError を発生させます。 いったん凍結されたオブジェクトを元に戻す方法はありません。

凍結されるのはオブジェクトであり、変数ではありません。代入などで変数の指す オブジェクトが変化してしまうことは freeze では防げません。 freeze が防ぐのは、 `破壊的な操作' と呼ばれるもの一般です。変数への参照自体を凍結したい 場合は、グローバル変数なら Kernel.#trace_var が使えます。

[RETURN]
self を返します。
a1 = "foo".freeze
a1 = "bar"
p a1 #=> "bar"

a2 = "foo".freeze
a2.replace("bar")# can't modify frozen string (RuntimeError)

凍結を解除することはできませんが、Object#dup を使えばほぼ同じ内容の凍結されていない オブジェクトを得ることはできます。

a = [1].freeze
p a.frozen?     #=> true

a[0] = "foo"
p a             # can't modify frozen array (RuntimeError)

b = a.dup
p b             #=> [1]
p b.frozen?     #=> false

b[0] = "foo"
p b             #=> ["foo"]

[SEE_ALSO] Object#frozen?,Object#dup,Kernel.#trace_var

frozen? -> bool

オブジェクトが凍結(内容の変更を禁止)されているときに真を返します。

obj = "someone"
p obj.frozen? #=> false
obj.freeze
p obj.frozen? #=> true

[SEE_ALSO] Object#freeze

fsync -> 0 | nil

書き込み用の IO に対して、システムコール fsync(2) を実行します。IO#flush を行ったあと、(OSレベルで)まだディスクに 書き込まれていないメモリ上にあるデータをディスクに書き出します。

成功すれば 0 を返します。 fsync(2) がサポートされていない場合は nil を返します。

[EXCEPTION] Errno::EXXX:
失敗した場合に発生します。
[EXCEPTION] IOError:
既に close されている場合に発生します。
getbyte -> Integer | nil

IO から1バイトを読み込み整数として返します。 既に EOF に達していれば nil を返します。

f = File.new("testfile")
f.getbyte   #=> 84
f.getbyte   #=> 104
getc -> String | nil

IO ポートから外部エンコーディングに従い 1 文字読み込んで返します。 EOF に到達した時には nil を返します。

テキスト読み込みメソッドとして動作します。 IO#readchar との違いは EOF での振る舞いのみです。

[EXCEPTION] IOError:
自身が読み込み用にオープンされていなければ発生します。

例:

[SEE_ALSO] IO#readchar

gets(rs = $/) -> String | nil
gets(limit) -> String | nil
gets(rs, limit) -> String | nil

一行読み込んで、読み込みに成功した時にはその文字列を返します。 EOF に到達した時には nil を返します。

テキスト読み込みメソッドとして動作します。 読み込んだ文字列を変数 $_ にセットします。 IO#readline との違いは EOF での振る舞いのみです。

limit で最大の読み込みバイト数を指定します。ただし ファイルのエンコーディングがマルチバイトエンコーディングである場合には 読み込んだ文字列がマルチバイト文字の途中で切れないように 数バイト余分に読み込む場合があります。

[PARAM] rs:
行の区切りを文字列で指定します。rs に nil を指定すると行区切りなしとみなします。 空文字列 "" を指定すると連続する改行を行の区切りとみなします(パラグラフモード)。
[PARAM] limit:
最大の読み込みバイト数
[EXCEPTION] IOError:
自身が読み込み用にオープンされていなければ発生します。
f = File.new("oneline_file")
f.gets                          #=> "This is line one\n"
$_                              #=> "This is line one\n"
f.gets                          #=> nil
$_                              #=> nil

[SEE_ALSO] $/, IO#readline

grep(pattern) -> [object]
grep(pattern) {|item| ... } -> [object]

pattern === item が成立する要素を全て含んだ配列を返します。

ブロックとともに呼び出された時には条件の成立した要素に対して それぞれブロックを評価し、その結果の配列を返します。 マッチする要素がひとつもなかった場合は空の配列を返します。

[PARAM] pattern:
「===」メソッドを持つオブジェクトを指定します。

例:

  ['aa', 'bb', 'cc', 'dd', 'ee'].grep(/[bc]/)  # => ["bb", "cc"]

Array.instance_methods.grep(/gr/) # => [:grep, :group_by]
group_by -> Enumerator
group_by {|obj| ... } -> Hash

ブロックを評価した結果をキー、対応する要素の配列を値とするハッシュを返します。

(1..6).group_by {|i| i%3}   #=> {0=>[3, 6], 1=>[1, 4], 2=>[2, 5]}

ブロックを省略した場合は、最後に Hash を返す Enumerator オブジェクトを返します。

hash -> Fixnum

オブジェクトのハッシュ値を返します。Hash クラスでオブジェク トを格納するのに用いられています。

メソッド hash は Object#eql? と組み合わせて Hash クラスで利用されます。その際

A.eql?(B) ならば A.hash == B.hash

の関係を必ず満たしていなければいけません。eql? を再定義した時には必ずこちらも合わせ て再定義してください。

デフォルトでは、Object#object_id と同じ値を返します。 ただし、Fixnum, Symbol, String だけは組込みのハッ シュ関数が使用されます(これを変えることはできません)。

hash を再定義する場合は、一様に分布する任意の整数を返すようにします。

[RETURN]
ハッシュ値を返します。Fixnumに収まらない場合は切り捨てられます。
p self.hash #=> 21658870
p 0.hash #=> 1
p 0.0.hash #=> 0
p nil.hash #=> 4

p "ruby".hash #=> -241670986
p "ruby".hash #=> -241670986
p :ruby.hash #=> 103538
p :ruby.hash #=> 103538

[SEE_ALSO] Object#eql?,BasicObject#__id__

member?(val) -> bool
include?(val) -> bool

val と == の関係にある要素を含むとき真を返します。

[PARAM] val:
任意のオブジェクト
inject(init = self.first) {|result, item| ... } -> object
inject(sym) -> object
inject(init, sym) -> object
reduce(init = self.first) {|result, item| ... } -> object
reduce(sym) -> object
reduce(init, sym) -> object

リストのたたみこみ演算を行います。

最初に初期値 init と self の最初の要素を引数にブロックを実行します。 2 回目以降のループでは、前のブロックの実行結果と self の次の要素を引数に順次ブロックを実行します。 そうして最後の要素まで繰り返し、最後のブロックの実行結果を返します。

要素が存在しない場合は init を返します。

初期値 init を省略した場合は、 最初に先頭の要素と 2 番目の要素をブロックに渡します。 また要素が 1 つしかなければブロックを実行せずに最初の要素を返します。 要素がなければブロックを実行せずに nil を返します。

[PARAM] init:
最初の result の値です。任意のオブジェクトが渡せます。
[PARAM] sym:
ブロックの代わりに使われるメソッド名を表す Symbol オブジェクトを指定します。 実行結果に対して sym という名前のメソッドが呼ばれます。

例:

# 合計を計算する。
p [2, 3, 4, 5].inject {|result, item| result + item }        #=> 14

# 自乗和を計算する。初期値をセットする必要がある。
p [2, 3, 4, 5].inject(0) {|result, item| result + item**2 }  #=> 54

この式は以下のように書いても同じ結果が得られます。

result = 0
[1, 2, 3, 4, 5].each {|v| result += v }
p result   # => 15

p [1, 2, 3, 4, 5].inject(:+)                    #=> 15
p ["b", "c", "d"].inject("abbccddde", :squeeze) #=> "abcde"
inspect -> String

オブジェクトを人間が読める形式に変換した文字列を返します。

組み込み関数 Kernel.#p は、このメソッドの結果を使用して オブジェクトを表示します。

puts Class.new.inspect #=> #<Class:0xbafd88>
puts Time.now.inspect #=> 2007-10-15 21:01:37 +0900

[SEE_ALSO] Kernel.#p

instance_of?(klass) -> bool

オブジェクトがクラス klass の直接のインスタンスである時真を返します。

obj.instance_of?(c) が成立する時には、常に obj.kind_of?(c) も成立します。

[PARAM] klass:
Classかそのサブクラスのインスタンスです。
class C < Object
end
class S < C
end

obj = S.new
p obj.instance_of?(S)       # true
p obj.instance_of?(C)       # false

[SEE_ALSO] Object#kind_of?,Object#class

instance_variable_defined?(var) -> bool

インスタンス変数 var が定義されていたら真を返します。

[PARAM] var:
インスタンス変数名を文字列か Symbol で指定します。
class Fred
  def initialize(p1, p2)
    @a, @b = p1, p2
  end
end
fred = Fred.new('cat', 99)
p fred.instance_variable_defined?(:@a)    #=> true
p fred.instance_variable_defined?("@b")   #=> true
p fred.instance_variable_defined?("@c")   #=> false

[SEE_ALSO] Object#instance_variable_get,Object#instance_variable_set,Object#instance_variables

instance_variable_get(var) -> object|nil

オブジェクトのインスタンス変数の値を取得して返します。

インスタンス変数が定義されていなければ nil を返します。

[PARAM] var:
インスタンス変数名を文字列か Symbol で指定します。
class Foo
  def initialize
    @foo = 1
  end
end

obj = Foo.new
p obj.instance_variable_get("@foo")     #=> 1
p obj.instance_variable_get(:@foo)      #=> 1
p obj.instance_variable_get(:@bar)      #=> nil

[SEE_ALSO] Object#instance_variable_set,Object#instance_variables,Object#instance_variable_defined?

instance_variable_set(var, value) -> object

オブジェクトのインスタンス変数 var に値 value を設定します。

インスタンス変数が定義されていなければ新たに定義されます。

[PARAM] var:
インスタンス変数名を文字列か Symbol で指定します。
[PARAM] value:
設定する値です。
[RETURN]
value を返します。
obj = Object.new
p obj.instance_variable_set("@foo", 1)  #=> 1
p obj.instance_variable_set(:@foo, 2)   #=> 2
p obj.instance_variable_get(:@foo)      #=> 2

[SEE_ALSO] Object#instance_variable_get,Object#instance_variables,Object#instance_variable_defined?

instance_variables -> [Symbol]

オブジェクトのインスタンス変数名をシンボルの配列として返します。

obj = Object.new
obj.instance_eval { @foo, @bar = nil }
p obj.instance_variables

#=> [:@foo, :@bar]

[SEE_ALSO] Object#instance_variable_get,Kernel.#local_variables,Kernel.#global_variables,Module.constants,Module#constants,Module#class_variables

internal_encoding -> Encoding | nil

IO の内部エンコーディングを返します。 内部エンコーディングが指定されていない場合は nil を返します。

ioctl(cmd, arg = 0) -> Integer

IO に対してシステムコール ioctl を実行し、その結果を返します。 機能の詳細は ioctl(2) を参照してください。

[PARAM] cmd:
IO に対するコマンドを整数で指定します。どのようなコマンドが使えるかはプラットフォームに依存します。
[PARAM] arg:
cmd に対する引数を指定します。整数の時にはその値を ioctl に渡します。 文字列の場合には Array#pack した構造体だとみなして渡します。 arg が nil か false の場合には 0を、true の場合には 1 を渡します。
[EXCEPTION] IOError:
既に close されている場合に発生します。
is_a?(mod) -> bool
kind_of?(mod) -> bool

オブジェクトが指定されたクラス mod かそのサブクラスのインスタンスであるとき真を返します。

また、オブジェクトがモジュール mod をインクルードしたクラスかそのサブクラス のインスタンスである場合にも真を返します。 上記のいずれでもない場合に false を返します。

[PARAM] mod:
クラスやモジュールなど、Moduleかそのサブクラスのインスタンスです。
module M
end
class C < Object
  include M
end
class S < C
end

obj = S.new
p obj.is_a?(S)       # true
p obj.is_a?(C)       # true
p obj.is_a?(Object)  # true
p obj.is_a?(M)       # true
p obj.is_a?(Hash)    # false

[SEE_ALSO] Object#instance_of?,Module#===,Object#class

isatty -> bool
tty? -> bool

入出力ポートがttyに結合している時、真を返します。そうでない場合 false を返します。

[EXCEPTION] IOError:
既に close されている場合に発生します。
lineno -> Integer

現在の行番号を整数で返します。実際には IO#gets が呼ばれた回数です。 改行以外のセパレータで gets が呼ばれた場合など、実際の行番号と異なる場合があります。

[EXCEPTION] IOError:
読み込み用にオープンされていなければ発生します。
f = File.new("testfile")
f.lineno                 #=> 0
f.gets                   #=> "This is line one\n"
f.lineno                 #=> 1
f.gets                   #=> "This is line two\n"
f.lineno                 #=> 2

[SEE_ALSO] $.

lineno=(number)

現在の行番号を number にセットします。 $. は次回の読み込みの時に更新されます。

[PARAM] number:
行番号を整数で指定します。
[EXCEPTION] IOError:
読み込み用にオープンされていなければ発生します。
f = File.new("testfile")
f.gets                     #=> "This is line one\n"
$.                         #=> 1
f.lineno = 1000
f.lineno                   #=> 1000
$.                         #=> 1
f.gets                     #=> "This is line two\n"
$.                         #=> 1001

[SEE_ALSO] $.

marshal_dump -> object

Marshal.#dump を制御するメソッドです。

Marshal.dump(some) において、出力するオブジェクト some がメソッド marshal_dump を 持つ場合には、その返り値がダンプされたものが Marshal.dump(some) の返り値となります。

marshal_dump/marshal_load の仕組みは Ruby 1.8.0 から導入されました。 これから書くプログラムでは _dump/_load ではなく marshal_dump/marshal_load を使うべきです。

[RETURN]
任意のオブジェクトで marshal_load の引数に利用できます。
class Foo
  def initialize(arg)
    @foo = arg
  end
  def marshal_dump
    @foo
  end
  def marshal_load(obj)
    p obj
    @foo = obj
  end
end
foo = Foo.new(['foo', 'bar'])
p foo                      #=> #<Foo:0xbaf3b0 @foo=["foo", "bar"]>
dms = Marshal.dump(foo)
p dms                      #=> "\004\bU:\bFoo[\a\"\bfoo\"\bbar"
result = Marshal.load(dms) #=> ["foo", "bar"] # marshal_load の引数
p result                   #=> #<Foo:0xbaf2ac @foo=["foo", "bar"]>

インスタンス変数の情報は普通マーシャルデータに含まれるので、 上例のように marshal_dump を定義する必要はありません (ただし marshal_dump を定義するとインスタンス変数の情報は ダンプされなくなるので、marshal_dump/marshal_load で扱う必要があります)。 marshal_dump/marshal_load はより高度な制御を行いたい場合や 拡張ライブラリで定義したクラスのインスタンスがインスタンス変数以外 に情報を保持する場合に利用します。

特に、marshal_dump/marshal_load を定義したオブジェクトは 特異メソッドが定義されていてもマーシャルできるようになります (特異メソッドの情報が自動的に dump されるようになるわけではなく、 marshal_dump/marshal_load によりそれを実現する余地があるということです)。

[SEE_ALSO] Object#marshal_load, Marshal

marshal_load(obj) -> object

Marshal.#load を制御するメソッドです。

some のダンプ結果(Marshal.dump(some)) をロードする(Marshal.load(Marshal.dump(some)))に は some がメソッド marshal_load を持っていなければなりません。 このとき、marshal_dump の返り値が marshal_load の引数に利用されます。 marshal_load 時の self は、生成されたばかり(Class#allocate されたばかり) の状態です。

marshal_dump/marshal_load の仕組みは Ruby 1.8.0 から導入されました。 これから書くプログラムでは _dump/_load ではなく marshal_dump/marshal_load を使うべきです。

[PARAM] obj:
marshal_dump の返り値のコピーです。
[RETURN]
返り値は無視されます。

[SEE_ALSO] Object#marshal_dump, Marshal

max -> object

最大の要素を返します。 全要素が互いに <=> メソッドで比較できることを仮定しています。

要素が存在しなければ nil を返します。 該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。

max {|a, b| ... } -> object

ブロックの評価結果で各要素の大小判定を行い、最大の要素を返します。 要素が存在しなければ nil を返します。

ブロックの値は、a > b のとき正、 a == b のとき 0、a < b のとき負の整数を、期待しています。

該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。

[EXCEPTION] TypeError:
ブロックが整数以外を返したときに発生します。
max_by -> Enumerator
max_by {|item| ... } -> object

各要素を順番にブロックに渡して実行し、 その評価結果を <=> で比較して、 最大であった値に対応する元の要素を返します。

要素が存在しないときは nil を返します。 該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。

Enumerable#maxEnumerable#max_by の 違いは Enumerable#sortEnumerable#sort_by の違いと同じです。

ブロックを省略した場合は、各要素を順番にブロックに渡して評価し、 その結果が最小となる値に対応する要素を返す Enumerator を 返します。

[SEE_ALSO] Enumerable#sort_by

method(name) -> Method

オブジェクトのメソッド name をオブジェクト化した Method オブジェクトを返します。

[PARAM] name:
メソッド名をSymbol またはStringで指定します。
[EXCEPTION] NameError:
定義されていないメソッド名を引数として与えると発生します。
me = -365.method(:abs)
p me #=> #<Method: Fixnum#abs>
p me.call #=> 365

[SEE_ALSO] Module#instance_method,Method,Object#__send__,Kernel.#eval

methods(include_inherited = true) -> [Symbol]

そのオブジェクトに対して呼び出せるメソッド名の一覧を返します。 このメソッドは public メソッドおよび protected メソッドの名前を返します。

ただし特別に、引数が偽の時は Object#singleton_methods(false) と同じになっています。

[PARAM] include_inherited:
引数が偽の時は Object#singleton_methods(false) と同じになります。
#例1:

class Parent
  private;   def private_parent()   end
  protected; def protected_parent() end
  public;    def public_parent()    end
end

class Foo < Parent
  private;   def private_foo()   end
  protected; def protected_foo() end
  public;    def public_foo()    end
end

obj = Foo.new
class <<obj
    private;   def private_singleton()   end
    protected; def protected_singleton() end
    public;    def public_singleton()    end
end

# あるオブジェクトの応答できるメソッドの一覧を得る。
p obj.methods(false)
p obj.public_methods(false)
p obj.private_methods(false)
p obj.protected_methods(false)

#実行結果

[:protected_singleton, :public_singleton]
[:public_singleton, :public_foo]
[:private_singleton, :private_foo]
[:protected_singleton, :protected_foo]

#例2:

# あるオブジェクトの応答できるメソッドの一覧を得る。
# 自身のクラスの親クラスのインスタンスメソッドも含めるために true を指定して
# いるが、Object のインスタンスメソッドは一覧から排除している。
p obj.methods(true)           - Object.instance_methods(true)
p obj.public_methods(true)    - Object.public_instance_methods(true)
p obj.private_methods(true)   - Object.private_instance_methods(true)
p obj.protected_methods(true) - Object.protected_instance_methods(true)

#実行結果

[:protected_singleton, :public_singleton, :protected_foo, :public_foo, :protected_parent, :public_parent]
[:public_singleton, :public_foo, :public_parent]
[:private_singleton, :private_foo, :private_parent]
[:protected_singleton, :protected_foo, :protected_parent]

[SEE_ALSO] Module#instance_methods,Object#singleton_methods

min -> object

最小の要素を返します。 全要素が互いに <=> メソッドで比較できることを仮定しています。

要素が存在しなければ nil を返します。 該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。

min {|a, b| ... } -> object

ブロックの評価結果で各要素の大小判定を行い、最小の要素を返します。 要素が存在しなければ nil を返します。

ブロックの値は、a > b のとき正、a == b のとき 0、 a < b のとき負の整数を、期待しています。

該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。

[EXCEPTION] TypeError:
ブロックが整数以外を返したときに発生します。
min_by -> Enumerator
min_by {|item| ... } -> object

各要素を順番にブロックに渡して評価し、 その評価結果を <=> で比較して、 最小であった値に対応する元の要素を返します。

要素が存在しないときは nil を返します。

該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。

ブロックを省略した場合は、各要素を順番にブロックに渡して評価し、 その結果が最小となる値に対応する要素を返す Enumerator を 返します。

Enumerable#minEnumerable#min_by の 違いは Enumerable#sortEnumerable#sort_by の違いと同じです。

[SEE_ALSO] Enumerable#sort_by

minmax -> [object, object]
minmax {|a, b| ... } -> [object, object]

Enumerable オブジェクトの各要素のうち最小の要素と最大の要素を 要素とするサイズ 2 の配列を返します。

該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。

一つ目の形式は、Enumerable オブジェクトのすべての要素が Comparable を 実装していることを仮定しています。二つ目の形式では、要素同士の比較を ブロックを用いて行います。

a = %w(albatross dog horse)
a.minmax                                 #=> ["albatross", "horse"]
a.minmax{|a,b| a.length <=> b.length }   #=> ["dog", "albatross"]
[].minmax # => [nil, nil]

[SEE_ALSO] Enumerable#sort

minmax_by -> Enumerator
minmax_by {|obj| ... } -> [object, object]

Enumerable オブジェクトの各要素をブロックに渡して評価し、その結果を <=> で比較して 最小の要素と最大の要素を要素とするサイズ 2 の配列を返します。

該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。

Enumerable#minmaxEnumerable#minmax_by の 違いは sort と sort_by の違いと同じです。 詳細は Enumerable#sort_by を参照してください。

a = %w(albatross dog horse)
a.minmax_by {|x| x.length }   #=> ["dog", "albatross"]

[].minmax_by{} # => [nil, nil]

ブロックを省略した場合は、Enumerator オブジェクトを 返します。

[SEE_ALSO] Enumerable#sort_by

nil? -> bool

レシーバが nil であれば真を返します。

p false.nil? #=> false
p nil.nil? #=> true

[SEE_ALSO] NilClass

none? -> bool
none? {|obj| ... } -> bool

ブロックを指定しない場合は、 Enumerable オブジェクトのすべての 要素が偽であれば真を返します。そうでなければ偽を返します。

ブロックを指定した場合は、Enumerable オブジェクトのすべての要素を ブロックで評価した結果が、すべて偽であれば真を返します。 そうでなければ偽を返します。

%w{ant bear cat}.none? {|word| word.length == 5}  #=> true
%w{ant bear cat}.none? {|word| word.length >= 4}  #=> false
[].none?                                          #=> true
[nil].none?                                       #=> true
[nil,false].none?                                 #=> true
object_id -> Integer

各オブジェクトに対して一意な整数を返します。あるオブジェクトに対し てどのような整数が割り当てられるかは不定です。

Rubyでは、(Garbage Collectされていない)アクティブなオブジェクト間で 重複しない整数(object_id)が各オブジェクトにひとつずつ割り当てられています。この メソッドはその値を返します。

TrueClass, FalseClass, NilClass, Symbol, Fixnum クラス のインスタンスなど Immutable(変更不可)なオブジェクトの一部は同じ内容ならば必ず同じ object_id になります。

これは、Immutable ならば複数の場所から参照されても`破壊的操作'による問題が発生しないので、 同じ内容のインスタンスを複数生成しないという内部実装が理由です。

p "ruby".object_id #=> 22759500
p "ruby".object_id #=> 22759400

p [].object_id #=> 22759360
p [].object_id #=> 22759340

p :ruby.object_id #=> 103538
p :ruby.object_id #=> 103538

p 11.object_id #=> 23
p 11.object_id #=> 23

p true.object_id #=> 2
p true.object_id #=> 2

[SEE_ALSO] Object#equal?,Symbol

one? -> bool
one? {|obj| ... } -> bool

ブロックを指定しない場合は、 Enumerable オブジェクトの要素のうち ちょうど一つだけが真であれば、真を返します。 そうでなければ偽を返します。

ブロックを指定した場合は、Enumerable オブジェクトの要素を ブロックで評価した結果、一つの要素だけが真であれば真を返します。 そうでなければ偽を返します。

%w{ant bear cat}.one? {|word| word.length == 4}   #=> true
%w{ant bear cat}.one? {|word| word.length >= 4}   #=> false
[ nil, true, 99 ].one?                            #=> false
[ nil, true, false ].one?                         #=> true
partition -> Enumerator
partition {|item| ... } -> [[object], [object]]

各要素を、ブロックの条件を満たす要素と満たさない要素に分割します。 各要素に対してブロックを評価して、その値が真であった要素の配列と、 偽であった要素の配列の 2 つを配列に入れて返します。

ブロックを省略した場合は、各要素に対しブロックを評価し、 上のようにその値が真であった要素の配列と、 偽であった要素の配列のペアを返すような Enumerator を 返します。

例:

[10, 9, 8, 7, 6, 5, 4, 3, 2, 1, 0].partition {|i| i % 3 == 0 }
 #=> [[9, 6, 3, 0], [10, 8, 7, 5, 4, 2, 1]]
pid -> Integer | nil

自身が IO.popen で作られたIOポートなら、子プロセスのプロセス ID を 返します。それ以外は nil を返します。

[EXCEPTION] IOError:
既に close されている場合に発生します。
pos -> Integer
tell -> Integer

ファイルポインタの現在の位置を整数で返します。

[EXCEPTION] IOError:
既に close されている場合に発生します。
pos=(n)

ファイルポインタを指定位置に移動します。 IO#seek(n, IO::SEEK_SET) と同じです。

[PARAM] n:
先頭からのオフセットを整数で指定します。
[EXCEPTION] IOError:
既に close されている場合に発生します。
print(*arg) -> nil

引数を IO ポートに順に出力します。引数を省略した場合は、$_ を出力します。

[PARAM] arg:
Kernel.#print と同じです。
[EXCEPTION] IOError:
自身が書き込み用にオープンされていなければ発生します。
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
出力に失敗した場合に発生します。
printf(format, *arg) -> nil

C 言語の printf と同じように、format に従い引数 を文字列に変換して、self に出力します。

第一引数に IO を指定できないこと、引数を省略できないことを除けば Kernel.#printf と同じです。

[PARAM] format:
Kernel.#printf と同じです。sprintf フォーマット を参照してください。
[PARAM] arg:
Kernel.#printf と同じです。
[EXCEPTION] IOError:
自身が書き込み用にオープンされていなければ発生します。
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
出力に失敗した場合に発生します。

[SEE_ALSO] Kernel.#printf

private_methods(include_inherited = true) -> [Symbol]

そのオブジェクトが理解できる private メソッド名の一覧を返します。

[PARAM] include_inherited:
偽となる値を指定すると自身のクラスのスーパークラスで定義されたメソッドを除きます。

[SEE_ALSO] Module#private_instance_methods,Object#methods,Object#singleton_methods

protected_methods(include_inherited = true) -> [Symbol]

そのオブジェクトが理解できる protected メソッド名の一覧を返します。

[PARAM] include_inherited:
偽となる値を指定すると自身のクラスのスーパークラスで定義されたメソッドを除きます。

[SEE_ALSO] Module#protected_instance_methods,Object#methods,Object#singleton_methods

public_methods(include_inherited = true) -> [Symbol]

そのオブジェクトが理解できる public メソッド名の一覧を返します。

[PARAM] include_inherited:
偽となる値を指定すると自身のクラスのスーパークラスで定義されたメソッドを除きます。

[SEE_ALSO] Module#public_instance_methods,Object#methods,Object#singleton_methods

public_send(name, *args) -> object

オブジェクトの public メソッド name を args を引数にして呼び出し、メソッ ドの実行結果を返します。

1.public_send(:+, 2)  # => 3
[PARAM] name:
文字列かSymbol で指定するメソッド名です。
[PARAM] args:
呼び出すメソッドに渡す引数です。
[EXCEPTION] ArgumentError:
name を指定しなかった場合に発生します。
[EXCEPTION] NoMethodError:
protected メソッドや private メソッドに対して実行 した場合に発生します。
1.public_send(:puts, "hello")  # => NoMethodError

[SEE_ALSO] Object#send

putc(ch) -> object

文字 ch を self に出力します。 引数の扱いは Kernel.#putc と同じです。詳細はこちらを参照し てください。ch を返します。

[PARAM] ch:
出力したい文字を、文字列か文字コード(整数)で与えます。
[EXCEPTION] IOError:
自身が書き込み用にオープンされていなければ発生します。
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
出力に失敗した場合に発生します。

[SEE_ALSO] Kernel.#putc

puts(*obj) -> nil

各 obj を self に出力し、それぞれの後に改行を出力します。 引数の扱いは Kernel.#puts と同じです。詳細はこちらを参照し てください。

[PARAM] obj:
出力したいオブジェクトを指定します。Kernel.#puts と同じです。
[EXCEPTION] IOError:
自身が書き込み用にオープンされていなければ発生します。
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
出力に失敗した場合に発生します。
$stdout.puts("this", "is", "a", "test", [1, [nil, 3]])

#=>
this
is
a
test
1
nil
3

[SEE_ALSO] Kernel.#puts

read(length = nil, outbuf = "") -> String | nil

length バイト読み込んで、その文字列を返します。

引数 length が指定された場合はバイナリ読み込みメソッド、そうでない場合はテキスト読み込みメソッドとして 動作します。 既に EOF に達していれば nil を返します。 ただし、length に nil か 0 が指定されている場合は、空文字列 "" を返します。 例えば、open(空ファイル) {|f| f.read } は "" となります。

[PARAM] length:
読み込むサイズを整数で指定します。 nil が指定された場合、EOF までの全てのデータを読み込んで、その文字列を返します。
[PARAM] outbuf:
出力用のバッファを文字列で指定します。IO#read は読み込んだ データをその文字列オブジェクトに上書きして返します。指定し た文字列オブジェクトがあらかじめ length 長の領域であれば、 余計なメモリの割当てが行われません。指定した文字列の長さが length と異なる場合、その文字列は一旦 length 長に拡張(ある いは縮小)されたあと、実際に読み込んだデータのサイズになります。
[EXCEPTION] IOError:
自身が読み込み用にオープンされていなければ発生します。
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
データの読み込みに失敗した場合に発生します。
[EXCEPTION] ArgumentError:
length が負の場合に発生します。

第二引数を指定した read の呼び出しでデータが空であった場合 (read が nil を返す場合)、outbuf は空文字列になります。

outbuf = "x" * 20;
io = File.open("/dev/null")
p io.read(10,outbuf)
p outbuf
=> nil
   ""
read_nonblock(maxlen, outbuf = "") -> String

IO をノンブロッキングモードに設定し、 その後で read(2) システムコールにより 長さ maxlen を上限として読み込み、文字列として返します。 EAGAIN, EINTR などは Errno::EXXX 例外として呼出元に報告されます。

発生した例外 がErrno::EAGAIN、 Errno::EWOULDBLOCK である場合は、 その例外オブジェクトに IO::WaitReadableObject#extend されます。

なお、バッファが空でない場合は、read_nonblock はバッファから読み込みます。この場合、read(2) システムコールは呼ばれません。

このメソッドはノンブロッキングモードにする点を除いて IO#readpartial と 同じであることに注意してください。

バイナリ読み込みメソッドとして動作します。 既に EOF に達していれば EOFError が発生します。ただし、maxlen に 0 が指定されている場合は、空文字列 "" を返します。

[PARAM] maxlen:
読み込む長さの上限を整数で指定します。
[PARAM] outbuf:
文字列で指定します。IO#read_nonblock は読み込んだデータを outbuf に破壊的に格納し、 返り値は outbuf となります。outbuf は一旦 maxlen 長に拡張(あるいは縮小)されたあと、 実際に読み込んだデータのサイズになります。read(2) システムコールが 0 を返した場合は、空文字列になります。
[EXCEPTION] IOError:
自身が読み込み用にオープンされていなければ発生します。
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
read(2) システムコールの結果としてエラーが起きた場合に発生します。
[EXCEPTION] EOFError:
read(2) システムコールが 0 を返した場合に発生します。これは、IO が既に EOF に達していることを意味します。
readbyte -> Integer

IO から1バイトを読み込み整数として返します。 既に EOF に達していれば EOFError が発生します。

[EXCEPTION] EOFError:
既に EOF に達している場合に発生します。
readchar -> String

IO ポートから 1 文字読み込んで返します。 EOF に到達した時には EOFError が発生します。

テキスト読み込みメソッドとして動作します。 IO#getc との違いは EOF での振る舞いのみです。

[EXCEPTION] EOFError:
EOF に到達した時に発生します。
[EXCEPTION] IOError:
自身が読み込み用にオープンされていなければ発生します。
f = File.new("testfile")
p f.readchar                   #=> "い"
p f.readchar                   #=> "ろ"
p f.readchar                   #=> "は"
f.read
f.readchar                   #=> EOFError

[SEE_ALSO] IO#getc

readline(rs = $/) -> String
readline(limit) -> String
readline(rs, limit) -> String

一行読み込んで、読み込みに成功した時にはその文字列を返します。 EOF に到達した時には EOFError が発生します。

テキスト読み込みメソッドとして動作します。 読み込んだ文字列を変数 $_ にセットします。IO#gets との違いは EOF での振る舞いのみです。

limit で最大読み込みバイト数を指定します。ただしマルチバイト文字が途中で 切れないように余分に読み込む場合があります。

[PARAM] rs:
行の区切りを文字列で指定します。rs に nil を指定すると行区切りなしとみなします。空文字列 "" を指定すると連続する改行を行の区切りとみなします(パラグラフモード)。
[PARAM] limit:
最大の読み込みバイト数
[EXCEPTION] EOFError:
EOF に到達した時に発生します。
[EXCEPTION] IOError:
自身が読み込み用にオープンされていなければ発生します。
f = File.new("oneline_file")
f.readline                      #=> "This is line one\n"
$_                              #=> "This is line one\n"
f.readline                      #=> EOFError
$_                              #=> nil

[SEE_ALSO] $/, IO#gets

readlines(rs = $/) -> [String]
readlines(limit) -> [String]
readlines(rs = $/, limit) -> [String]

データを全て読み込んで、その各行を要素としてもつ配列を返します。 既に EOF に達していれば空配列 [] を返します。

テキスト読み込みメソッドとして動作します。

limit で最大読み込みバイト数を指定します。ただしマルチバイト文字が途中で 切れないように余分に読み込む場合があります。

[PARAM] rs:
行の区切りを文字列で指定します。rs に nil を指定すると行区切りなしとみなします。 空文字列 "" を指定すると連続する改行を行の区切りとみなします(パラグラフモード)。
[PARAM] limit:
最大の読み込みバイト数
[EXCEPTION] IOError:
自身が読み込み用にオープンされていなければ発生します。

[SEE_ALSO] $/, IO#gets

readpartial(maxlen, outbuf = "") -> String

IO から長さ maxlen を上限として読み込み、文字列として返します。 即座に得られるデータが存在しないときにはブロックしてデータの到着を待ちます。 即座に得られるデータが 1byte でも存在すればブロックしません。

バイナリ読み込みメソッドとして動作します。 既に EOF に達していれば EOFError が発生します。 ただし、maxlen に 0 が指定されている場合は、空文字列 "" を返します。

readpartial はブロックを最小限に抑えることによって、 パイプ、ソケット、端末などのストリームに対して適切に動作するよう設計されています。 readpartial がブロックするのは次の全ての条件が満たされたときだけです。

  • IO オブジェクト内のバッファが空
  • ストリームにデータが到着していない
  • ストリームが EOF になっていない

これらの条件が満たされる場合、何らかのデータが到着するか EOF になるまで readpartial はブロックします。

readpartial の結果は以下のようになります。

  1. バッファが空でなければ、そのバッファのデータを読み込んで返します。
  2. ストリームにデータがあれば、ストリームからデータを読み込んで返します。
  3. ストリームが EOF になっていれば、例外 EOFError を発生させます。

例えば、パイプに対しては次のように動作します。

r, w = IO.pipe           #               buffer          pipe content
w << "abc"               #               ""              "abc".
r.readpartial(4096)      #=> "abc"       ""              ""
r.readpartial(4096)      # バッファにもパイプにもデータがないのでブロックする

r, w = IO.pipe           #               buffer          pipe content
w << "abc"               #               ""              "abc"
w.close                  #               ""              "abc" EOF
r.readpartial(4096)      #=> "abc"       ""              EOF
r.readpartial(4096)      # 例外 EOFError 発生

r, w = IO.pipe           #               buffer          pipe content
w << "abc\ndef\n"        #               ""              "abc\ndef\n"
r.gets                   #=> "abc\n"     "def\n"         ""
w << "ghi\n"             #               "def\n"         "ghi\n"
r.readpartial(4096)      #=> "def\n"     ""              "ghi\n"
r.readpartial(4096)      #=> "ghi\n"     ""              ""

なお、readpartial は nonblock フラグに影響されません。 つまり、nonblock フラグが設定されていて sysread であれば Errno::EAGAIN になる場合でもブロックします。

また、readpartial の挙動は sysread によく似ています。 とくに、バッファが空の場合には同じ挙動を示します。 ただし、EAGAIN および EINTR エラーは内部で発生したとしても通知されず、データが到着するまでブロックし続けます。

[PARAM] maxlen:
読み込む長さの上限を整数で指定します。
[PARAM] outbuf:
文字列で指定します。IO#readpartial は読み込んだデータを outbuf に破壊的に格納し、 返り値は outbuf となります。outbuf は一旦 maxlen 長に拡張(あるいは縮小)されたあと、 実際に読み込んだデータのサイズになります。IO が既に EOF に達していれば、空文字列になります。
[EXCEPTION] IOError:
自身が読み込み用にオープンされていなければ発生します。
[EXCEPTION] EOFError:
IO が既に EOF に達していれば発生します。
reject -> Enumerator
reject {|item| ... } -> [object]

各要素に対してブロックを評価し、 その値が偽であった要素を集めた新しい配列を返します。 条件を反転させた select です。

ブロックを省略した場合は、各要素に対しブロックを評価し 偽になった値の配列を返すような Enumerator を返します。

例:

# 偶数を除外する (奇数を集める)
[1, 2, 3, 4, 5, 6].reject {|i| i % 2 == 0 }  # => [1, 3, 5]

[SEE_ALSO] Enumerable#select

reopen(io) -> self

自身を指定された io に繋ぎ換えます。

クラスも io に等しくなることに注意してください。 IO#pos, IO#lineno などは指定された io と等しくなります。

[PARAM] io:
自身を繋ぎ換えたい IO オブジェクトを指定します。
[EXCEPTION] IOError:
指定された io が close されている場合に発生します。
reopen(path) -> self
reopen(path, mode) -> self

path で指定されたファイルにストリームを繋ぎ換えます。

第二引数を省略したとき self のモードをそのまま引き継ぎます。 IO#pos, IO#lineno などはリセットされます。

[PARAM] path:
パスを表す文字列を指定します。
[PARAM] mode:
パスを開く際のモードを文字列で指定します。
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
失敗した場合に発生します。

[SEE_ALSO] Kernel.#open

respond_to?(name, include_private = false) -> bool

オブジェクトがメソッド name を持つとき真を返します。

オブジェクトが メソッド name を持つというのは、 オブジェクトが メソッド name に応答することができることをいいます。

[PARAM] name:
Symbol または文字列で指定するメソッド名です。
[PARAM] include_private:
private メソッドを確認の対象に含めるかを true か false で指定します。省略した場合は false(含めな い) を指定した事になります。
class F
  def hello
    "Bonjour"
  end
end

class D
private
  def hello
    "Guten Tag"
  end
end
list = [F.new,D.new]

list.each{|it| puts it.hello if it.respond_to?(:hello)}
#=> Bonjour

list.each{|it| it.instance_eval("puts hello if it.respond_to?(:hello, true)")}
#=> Bonjour
#   Guten Tag

[SEE_ALSO] Module#method_defined?

respond_to_missing?(symbol, include_private) -> bool

自身が symbol で表されるメソッドに対し BasicObject#method_missing で反応するつもりならば真を返します。

Object#respond_to? はメソッドが定義されていない場合、 デフォルトでこのメソッドを呼びだし問合せます。

BasicObject#method_missing を override した場合にこのメソッドも override されるべきです。

false を返します。

[PARAM] symbol:
メソッド名シンボル
[PARAM] include_private:
private method も含めたい場合に true が渡されます

[SEE_ALSO] Object#respond_to?, BasicObject#method_missing

reverse_each -> Enumerator
reverse_each {|element| ... } -> self

逆順に各要素に対してブロックを評価します。

内部で各要素を保持した配列を作ります。

ブロックを省略した場合は、各要素を逆順に辿る Enumerator を返します。

rewind -> 0

ファイルポインタを先頭に移動します。IO#lineno は 0 になります。

[EXCEPTION] IOError:
既に close されている場合に発生します。
f = File.new("testfile")
f.readline               #=> "This is line one\n"
f.rewind                 #=> 0
f.lineno                 #=> 0
f.readline               #=> "This is line one\n"
seek(offset, whence = IO::SEEK_SET) -> 0

ファイルポインタを whence の位置から offset だけ移動させます。 offset 位置への移動が成功すれば 0 を返します。

[PARAM] offset:
ファイルポインタを移動させるオフセットを整数で指定します。
[PARAM] whence:
値は以下のいずれかです。
  • IO::SEEK_SET: ファイルの先頭から (デフォルト)
  • IO::SEEK_CUR: 現在のファイルポインタから
  • IO::SEEK_END: ファイルの末尾から
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
ファイルポインタの移動に失敗した場合に発生します。
[EXCEPTION] IOError:
既に close されていた場合に発生します。
f = File.new("testfile")
f.seek(-13, IO::SEEK_END)   #=> 0
f.readline                  #=> "And so on...\n"

[SEE_ALSO] IO#sysseek

set_encoding(enc_str, opt={}) -> self
set_encoding(ext_enc) -> self
set_encoding(ext_enc, int_enc, opt={}) -> self

IO のエンコーディングを設定します。

引数が "A:B" のようにコロンで区切られた文字列の場合は、 A を外部エンコーディング、 B を内部エンコーディングに指定します。

引数が一つで、上のような形式でない場合には、 それが外部エンコーディングと見なされます。

引数が2つの場合はそのそれぞれを外部エンコーディング、内部エンコーディング に設定します。

opt のハッシュで外部エンコーディングを内部エンコーディングに変換する際の オプションを指定します。 詳しくは String#encode を参照してください。

[PARAM] enc_str:
エンコーディングを表す文字列を指定します。"A:B" のようにコロンで区切られた 文字列を指定した場合 A が外部エンコーディング、B が内部エンコーディングを 表します。
[PARAM] ext_enc:
外部エンコーディングを表す文字列か Encoding オブジェクトを指定します。
[PARAM] int_enc:
内部エンコーディングを表す文字列か Encoding オブジェクトを指定します。
[PARAM] opt:
エンコーディング変換のオプション

例:

io = File.open(file)
io.set_encoding("ASCII-8BIT", "EUC-JP")
singleton_class -> Class

レシーバの特異クラスを返します。 まだ特異クラスがなければ、新しく作成します。

レシーバが nil か true か false なら、それぞれ NilClass, TrueClass, FalseClass を返します。

[EXCEPTION] TypeError:
レシーバが Fixnum か Symbol の場合に発生します。
Object.new.singleton_class  #=> #<Class:#<Object:0xb7ce1e24>>
String.singleton_class      #=> #<Class:String>
nil.singleton_class         #=> NilClass

[SEE_ALSO] Object#class

singleton_methods(inherited_too = true) -> [Symbol]

そのオブジェクトに対して定義されている特異メソッド名 (public あるいは protected メソッド) の一覧を返します。

クラスメソッド(Classのインスタンスの特異メソッド)に関しては 引数が真のとき、スーパークラスのクラスメソッドも対象になります。

singleton_methods(false) は、Object#methods(false) と同じです。

[PARAM] inherited_too:
引数が真のとき、スーパークラスのクラスメソッドも対象になります。これが意味を持つのは self がクラスオブジェクトであるときだけです。
#例1:

Parent = Class.new

class <<Parent
  private;   def private_class_parent() end
  protected; def protected_class_parent() end
  public;    def public_class_parent() end
end

Foo = Class.new(Parent)

class <<Foo
  private;   def private_class_foo() end
  protected; def protected_class_foo() end
  public;    def public_class_foo() end
end

module Bar
  private;   def private_bar()   end
  protected; def protected_bar() end
  public;    def public_bar()    end
end

obj = Foo.new
class <<obj
  include Bar
  private;   def private_self()   end
  protected; def protected_self() end
  public;    def public_self()    end
end

# あるオブジェクトの特異メソッドの一覧を得る。
p obj.singleton_methods(false)
p obj.methods(false)
p Foo.singleton_methods(false)

#実行結果

[:protected_self, :public_self]
[:protected_self, :public_self]
[:protected_class_foo, :public_class_foo]


#例2:

# あるオブジェクトの特異メソッドの一覧を得る。
# 親クラスのクラスメソッドも含まれるよう true を指定したが、
# Object のクラスメソッドは一覧から排除している。

p obj.singleton_methods(true)
p Foo.singleton_methods(true) - Object.singleton_methods(true)

#実行結果

[:protected_self, :public_self, :protected_bar, :public_bar]
[:protected_class_foo, :public_class_foo, :protected_class_parent, :public_class_parent]

[SEE_ALSO] Object#methods,Object#extend

slice_before(pattern) -> Enumerator
slice_before {|elt| bool } -> Enumerator
slice_before(initial_state) {|elt, state| bool } -> Enumerator

パターンがマッチした要素、もしくはブロックが真を返した要素から 次にマッチする手前までを チャンク化(グループ化)したものを繰り返す Enumerator を 返します。

パターンを渡した場合は各要素に対し === が呼び出され、 それが真になったところをチャンクの先頭と見なします。 ブロックを渡した場合は、各要素に対しブロックを適用し 返り値が真であった要素をチャンクの先頭と見なします。

より厳密にいうと、「先頭要素」の手前で分割していきます。 最初の要素の評価は無視されます。

各チャンクは配列として表現されます。

Enumerable#map のようなメソッドを使うこともできます。

# 偶数要素をチャンクの先頭と見なす
[0,2,4,1,2,4,5,3,1,4,2].slice_before(&:even?).to_a
# => [[0], [2], [4, 1], [2], [4, 5, 3, 1], [4], [2]]

# 奇数要素をチャンクの先頭と見なす
[0,2,4,1,2,4,5,3,1,4,2].slice_before(&:odd?).to_a
# => [[0, 2, 4], [1, 2, 4], [5], [3], [1, 4, 2]]

# ChangeLog のエントリーを順に取る
open("ChangeLog") {|f|
  f.slice_before(/\A\S/).each {|e| pp e}
}

# 上と同じだが、パターンでなくブロックを使う
open("ChangeLog") {|f|
  f.slice_before {|line| /\A\S/ === line }.each {|e| pp e}
}

# "svn proplist -R" の結果を分割する
# これは一要素が複数行にまたがっている

IO.popen([{"LC_ALL"=>"C"}, "svn", "proplist", "-R"]) {|f|
  f.lines.slice_before(/\AProp/).each {|lines| p lines }
}
#=> ["Properties on '.':\n", "  svn:ignore\n", "  svk:merge\n"]
#   ["Properties on 'goruby.c':\n", "  svn:eol-style\n"]
#   ["Properties on 'complex.c':\n", "  svn:mime-type\n", "  svn:eol-style\n"]
#   ["Properties on 'regparse.c':\n", "  svn:eol-style\n"]
#   ...

複数要素にわたる状態遷移が必要な場合は、ローカル変数でこれを実現する ことができます。例えば、連続に増える数値が3つ以上ある場合、これを まとめる処理をするためには以下のようにします。

a = [0,2,3,4,6,7,9]
prev = a[0]
p a.slice_before {|e|
  prev, prev2 = e, prev
  prev2 + 1 != e
}.map {|es|
  es.length <= 2 ? es.join(",") : "#{es.first}-#{es.last}"
}.join(",")
#=> "0,2-4,6,7,9"

しかし、ローカル変数を使うのが不適切な場合もあります。 その場合、引数 initial_state に状態を保持するオブジェクトを 渡すと、そのオブジェクトを Object#dup したオブジェクトを 各要素ごとのブロック呼び出しの第2引数として渡します。

# word wrapping.
# this assumes all characters have same width.
def wordwrap(words, maxwidth)
  # if cols is a local variable, 2nd "each" may start with non-zero cols.
  words.slice_before(cols: 0) {|w, h|
    h[:cols] += 1 if h[:cols] != 0
    h[:cols] += w.length
    if maxwidth < h[:cols]
      h[:cols] = w.length
      true
    else
      false
    end
  }
end
text = (1..20).to_a.join(" ")
enum = wordwrap(text.split(/\s+/), 10)
puts "-"*10
enum.each {|ws| puts ws.join(" ") }
puts "-"*10
#=> ----------
#   1 2 3 4 5
#   6 7 8 9 10
#   11 12 13
#   14 15 16
#   17 18 19
#   20
#   ----------

以下は mbox を分割する例です。mbox 内の各メールは Unix From line で始まっています。そこで slice_before を用います。

# parse mbox
open("mbox") {|f|
  f.slice_before {|line|
    line.start_with? "From "
  }.each {|mail|
    unix_from = mail.shift
    i = mail.index("\n")
    header = mail[0...i]
    body = mail[(i+1)..-1]
    body.pop if body.last == "\n"
    fields = header.slice_before {|line| !" \t".include?(line[0]) }.to_a
    p unix_from
    pp fields
    pp body
  }
}

# split mails in mbox (slice before Unix From line after an empty line)
open("mbox") {|f|
  f.slice_before(emp: true) {|line,h|
    prevemp = h[:emp]
    h[:emp] = line == "\n"
    prevemp && line.start_with?("From ")
  }.each {|mail|
    mail.pop if mail.last == "\n"
    pp mail
  }
}
[PARAM] initial_state:
状態を保持するオブジェクト

[SEE_ALSO] Enumerable#chunk

sort -> [object]
sort {|a, b| ... } -> [object]

全ての要素を昇順にソートした配列を生成して返します。

ブロックなしのときは <=> メソッドを要素に対して呼び、 その結果をもとにソートします。

<=> 以外でソートしたい場合は、ブロックを指定します。 この場合、ブロックの評価結果を元にソートします。 ブロックの値は、a > b のとき正、a == b のとき 0、 a < b のとき負の整数を、期待しています。 ブロックが整数以外を返したときは例外 TypeError が発生します。

Enumerable#sort は安定ではありません (unstable sort)。 安定なソートが必要な場合は Enumerable#sort_by を使って工夫する必要があります。 詳しくは Enumerable#sort_by の項目を参照してください。

※ 比較結果が同じ要素は元の順序通りに並ぶソートを 「安定なソート (stable sort)」と言います。

[SEE_ALSO] Enumerable#sort_by

sort_by -> Enumerator
sort_by {|item| ... } -> [object]

ブロックの評価結果を <=> メソッドで比較することで、self を昇 順にソートします。ソートされた配列を新たに生成して返します。

つまり、以下とほぼ同じ動作をします。

class Array
  def sort_by
    self.map {|i| [yield(i), i] }.
       sort {|a, b| a[0] <=> b[0] }.
       map {|i| i[1]}
  end
end

Enumerable#sort と比較して sort_by が優れている点として、 比較条件が複雑な場合の速度が挙げられます。 sort_by を使わない以下の例では比較を行う度に downcase が実行されます。 従って downcase の実行速度が遅ければ sort の速度が致命的に低下します。

p ["BAR", "FOO", "bar", "foo"].sort {|a, b| a.downcase <=> b.downcase }

一方、次のように sort_by を使うと downcase の実行回数は要素数と同じです。 つまり、その部分の実行時間は O(n) のオーダーです。

p ["BAR", "FOO", "bar", "foo"].sort_by {|v| v.downcase }

以下の、実行回数の検証結果を参照してみてください。

class Integer
  def count
    $n += 1
    self
  end
end

ary = []
1.upto(1000) {|v| ary << rand(v) }

$n = 0
ary.sort {|a,b| a.count <=> b.count }
p $n          # => 18200

$n = 0
ary.sort_by {|v| v.count }
p $n          # => 1000

Enumerable#sort_by は安定ではありません (unstable sort)。 ただし、sort_by を以下のように使うと安定なソートを実装できます。

i = 0
ary.sort_by {|v| [v, i += 1] }

※ 比較結果が同じ要素は元の順序通りに並ぶソートを 「安定なソート (stable sort)」と言います。

ブロックを省略した場合は、各要素をブロックで評価した値でソートした 配列を返すような Enumerator を返します。

[SEE_ALSO] Enumerable#sort

stat -> File::Stat

ファイルのステータスを含む File::Stat オブジェクトを生成して 返します。

[EXCEPTION] Errno::EXXX:
ステータスの読み込みに失敗した場合に発生します。
[EXCEPTION] IOError:
既に close されていた場合に発生します。

[SEE_ALSO] File#lstat, File.stat, File.lstat

sync -> bool

現在の出力が同期モードならば true を返します。そうでない場合は false を返します。

[EXCEPTION] IOError:
既に close されていた場合に発生します。
sync=(newstate)

自身を同期モードに設定すると、出力関数の呼出毎にバッファがフラッシュされます。

[PARAM] newstate:
自身を同期モードに設定するかを boolean で指定します。
[EXCEPTION] IOError:
既に close されていた場合に発生します。
sysread(maxlen, outbuf = "") -> String

read(2) を用いて入力を行ない、入力されたデータを 含む文字列を返します。stdio を経由しないので gets や getc や eof? などと混用すると思わぬ動作 をすることがあります。

バイナリ読み込みメソッドとして動作します。 既に EOF に達していれば EOFError が発生します。ただし、maxlen に 0 が指定されている場合は、空文字列 "" を返します。

[PARAM] maxlen:
入力のサイズを整数で指定します。
[PARAM] outbuf:
出力用のバッファを文字列で指定します。IO#sysread は読み込んだデータを その文字列オブジェクトに上書きして返します。指定した文字列オブジェクト があらかじめ maxlen 長の領域であれば、余計なメモリの割当てが行われません。 指定した文字列の長さが maxlen と異なる場合、その文字列は一旦 maxlen 長に 拡張(あるいは縮小)されたあと、実際に読み込んだデータのサイズになります。
[EXCEPTION] IOError:
自身が読み込み用にオープンされていなければ発生します。
[EXCEPTION] EOFError:
IO が既に EOF に達していれば発生します。
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
データの読み込みに失敗した場合に発生します。

第二引数を指定した sysread の呼び出しでデータが空であった場 合(sysread が例外 EOFError を発生させる場合)、 outbuf は空文字列になります。

outbuf = "x" * 20;
io = File.open("/dev/null")
p((io.sysread(10,outbuf) rescue nil))
p outbuf
=> nil
   ""
sysseek(offset, whence = IO::SEEK_SET) -> Integer

lseek(2) と同じです。IO#seek では、 IO#sysread, IO#syswrite と併用すると正しく動作しないので代わりにこのメソッドを使います。 位置 offset への移動が成功すれば移動した位置(ファイル先頭からのオフセット)を返します。

書き込み用にバッファリングされた IO に対して実行すると警告が出ます。

File.open("/dev/zero") {|f|
  buf = f.read(3)
  f.sysseek(0)
}
# => -:3:in `sysseek': sysseek for buffered IO (IOError)

File.open("/dev/null", "w") {|f|
  f.print "foo"
  f.sysseek(0)
}
# => -:3: warning: sysseek for buffered IO
[PARAM] offset:
ファイルポインタを移動させるオフセットを整数で指定します。
[PARAM] whence:
値は以下のいずれかです。
  • IO::SEEK_SET: ファイルの先頭から (デフォルト)
  • IO::SEEK_CUR: 現在のファイルポインタから
  • IO::SEEK_END: ファイルの末尾から
[EXCEPTION] IOError:
読み込み用にバッファリングされた IO に対して実行すると発生します。 既に close されていた場合にも発生します。
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
移動に失敗した場合に発生します。

[SEE_ALSO] IO#seek

syswrite(string) -> Integer

write(2) を用いて string を出力します。 string が文字列でなければ to_s による文字列化を試みます。 実際に出力できたバイト数を返します。

stdio を経由しないので他の出力メソッドと混用すると思わぬ動作 をすることがあります。

[PARAM] string:
自身に書き込みたい文字列を指定します。
[EXCEPTION] IOError:
自身が書き込み用にオープンされていなければ発生します。
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
出力に失敗した場合に発生します。
taint -> self

オブジェクトの「汚染マーク」をセットします。

環境変数(ENVで得られる文字列)など一部のオブジェクトは最初から汚染されています。 オブジェクトの汚染に関してはセキュリティモデルを参照してください。

$SAFE = 1

some = "puts '@&%&(#!'"
p some.tainted? #=> false
eval(some) #=> @&%&(#!

some.taint
p some.tainted? #=> true
eval(some) # Insecure operation - eval (SecurityError)

some.untaint
p some.tainted? #=> false
eval(some) #=> @&%&(#!

p ENV['OS'].tainted? #=> true

[SEE_ALSO] Object#tainted?,Object#untaint,Object#freeze

tainted? -> bool

オブジェクトの「汚染マーク」がセットされている時真を返します。

オブジェクトの汚染に関してはセキュリティモデルを参照してください。

p String.new.tainted? #=> false
p ENV['OS'].tainted? #=> true

[SEE_ALSO] Object#taint,Object#untaint

take(n) -> Array

Enumerable オブジェクトの先頭から n 要素を配列として返します。

[PARAM] n:
要素数を指定します。
a = [1, 2, 3, 4, 5, 0]
a.take(3)             # => [1, 2, 3]
take_while -> Enumerator
take_while {|element| ... } -> Array

Enumerable オブジェクトの要素を順に偽になるまでブロックで評価します。 最初に偽になった要素の手前の要素までを配列として返します。

a = [1, 2, 3, 4, 5, 0]
a.take_while {|i| i < 3 }   # => [1, 2]

ブロックを省略した場合は、Enumerator オブジェクトを 返します。

tap {|x| ... } -> self

self を引数としてブロックを評価し、self を返します。

メソッドチェインの途中で直ちに操作結果を表示するために メソッドチェインに "入り込む" ことが、このメソッドの主目的です。

(1..10)                    .tap {|x| puts "original: #{x.inspect}"}.
   to_a                    .tap {|x| puts "array: #{x.inspect}"}.
   select {|x| x % 2 == 0} .tap {|x| puts "evens: #{x.inspect}"}.
   map { |x| x * x }       .tap {|x| puts "squares: #{x.inspect}"}
to_a -> Array

オブジェクトを配列に変換した結果を返します。 デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、 このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。 必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

p( {'a'=>1}.to_a )  # [["a", 1]]
p ['array'].to_a    # ["array"]
p nil.to_a          # []

[SEE_ALSO] Object#to_ary,Kernel.#Array

to_ary -> Array

オブジェクトの Array への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、 このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。 必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

このメソッドを定義する条件は、

  • 配列が使われるすべての場面で代置可能であるような、
  • 配列そのものとみなせるようなもの

という厳しいものになっています。

class Foo
 def to_ary
   [3,4]
 end
end

it = Foo.new
p([1,2] + it) #=> [1, 2, 3, 4]

[SEE_ALSO] Object#to_a,Kernel.#Array

to_hash -> Hash

オブジェクトの Hash への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、 このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。 必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

このメソッドを定義する条件は、

  • ハッシュが使われるすべての場面で代置可能であるような、
  • ハッシュそのものとみなせるようなもの

という厳しいものになっています。

class Foo
 def to_hash
   {'as' => 24}
 end
end

it = Foo.new
p({:as => 12}.merge(it)) #=> {"as"=>24, :as=>12}
to_int -> Integer

オブジェクトの Integer への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、 このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。 必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

このメソッドを定義する条件は、

  • 整数が使われるすべての場面で代置可能であるような、
  • 整数そのものとみなせるようなもの

という厳しいものになっています。

class Foo
 def to_int
   666
 end
end

it = Foo.new
p(9**9 & it) #=> 8

[SEE_ALSO] Kernel.#Integer

to_io -> self

self を返します。

to_io -> IO

オブジェクトの IO への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、 このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。 必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

このメソッドを定義する条件は、

  • IOオブジェクトが使われるすべての場面で代置可能であるような、
  • IOオブジェクトそのものとみなせるようなもの

という厳しいものになっています。

to_proc -> Proc

オブジェクトの Proc への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、 このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。 必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

def doing
  yield
end

class Foo
 def to_proc
   Proc.new{p 'ok'}
 end
end

it = Foo.new
doing(&it) #=> "ok"
to_regexp -> Regexp

オブジェクトの Regexp への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、 このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。 必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

このメソッドを定義する条件は、

  • 正規表現が使われるすべての場面で代置可能であるような、
  • 正規表現そのものとみなせるようなもの

という厳しいものになっています。

class Foo
 def to_regexp
   /[\d]+/
 end
end

it = Foo.new
p Regexp.union(/^at/, it) #=> /(?-mix:^at)|(?-mix:[\d]+)/
to_s -> String

オブジェクトの文字列表現を返します。

Kernel.#printKernel.#sprintf は文字列以外の オブジェクトが引数に渡された場合このメソッドを使って文字列に変換し ます。

class Foo
  def initialize num
    @num = num
  end
end
it = Foo.new(40)

puts it #=> #<Foo:0x2b69110>

class Foo
 def to_s
   "Class:Foo Number:#{@num}"
 end
end

puts it #=> Class:Foo Number:40

[SEE_ALSO] Object#to_str,Kernel.#String

to_str -> String

オブジェクトの String への暗黙の変換が必要なときに内部で呼ばれます。 デフォルトでは定義されていません。

説明のためここに記載してありますが、 このメソッドは実際には Object クラスには定義されていません。 必要に応じてサブクラスで定義すべきものです。

このメソッドを定義する条件は、

  • 文字列が使われるすべての場面で代置可能であるような、
  • 文字列そのものとみなせるようなもの

という厳しいものになっています。

class Foo
 def to_str
   'Edition'
 end
end

it = Foo.new
p('Second' + it) #=> "SecondEdition"

[SEE_ALSO] Object#to_s,Kernel.#String

trust -> self

[TODO]

オブジェクトの「untrustマーク」を取り除きます。

[SEE_ALSO] Object#untrusted?,Object#untrust

ungetbyte(c) -> nil

指定したバイト列を書き戻します。

2バイト以上の書き戻しは仕様として保証しません。

このメソッドはバッファを経由しない読み出し(IO#sysread など) には影響しません。

[PARAM] c:
バイト列(文字列)、もしくは0から255までの整数

例:

f = File.new("testfile")   #=> #<File:testfile>
b = f.getbyte              #=> 0x38
f.ungetbyte(b)             #=> nil
f.getbyte                  #=> 0x38
ungetc(char) -> nil

指定された char を読み戻します。

[PARAM] char:
読み戻したい1文字かそのコードポイントを指定します。
[EXCEPTION] IOError:
読み戻しに失敗した場合に発生します。また、自身が読み込み用にオープンされていない時、 自身がまだ一度も read されていない時に発生します。
untaint -> self

オブジェクトの「汚染マーク」を取り除きます。

汚染マークを取り除くことによる危険性はプログラマが責任を負う必要が あります。

オブジェクトの汚染に関してはセキュリティモデルを参照してください。

[EXCEPTION] SecurityError:
セキュリティレベルが3以上の時にこのメソッドを使用すると発生します。

[SEE_ALSO] Object#taint,Object#tainted?

untrust -> self

[TODO]

オブジェクトの「untrustマーク」をセットします。

[SEE_ALSO] Object#trust,Object#untrusted?

untrusted? -> bool

[TODO]

オブジェクトの「untrustマーク」がセットされている時真を返します。

[SEE_ALSO] Object#trust,Object#untrust

write(str) -> Integer

IOポートに対して str を出力します。str が文字列でなけ れば to_s による文字列化を試みます。 実際に出力できたバイト数を返します。

IO#syswrite を除く全ての出力メソッドは、最終的に "write" という名のメソッドを呼び出すので、このメソッドを置き換える ことで出力関数の挙動を変更することができます。

[PARAM] str:
自身に書き込みたい文字列を指定します。
[EXCEPTION] IOError:
自身が書き込み用にオープンされていなければ発生します。
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
出力に失敗した場合に発生します。
write_nonblock(string) -> Integer

IO をノンブロッキングモードに設定し、string を write(2) システムコールで書き出します。

write(2) が成功した場合、書き込んだ長さを返します。 EAGAIN, EINTR などは例外 Errno::EXXX として呼出元に報告されます。 書き込んだバイト数(つまり返り値)は String#bytesize の 値より小さい可能性があります。

発生した例外 がErrno::EAGAIN、 Errno::EWOULDBLOCK である場合は、 その例外オブジェクトに IO::WaitWritableObject#extend されます。よって IO::WaitWritable を write_nonblock のリトライが必要 かの判定に用いることができます。

[PARAM] string:
自身に書き込みたい文字列を指定します。
[EXCEPTION] IOError:
自身が書き込み用にオープンされていなければ発生します。
[EXCEPTION] Errno::EXXX:
write(2) が失敗した場合に発生します。
zip(*lists) -> [[object]]
zip(*lists) {|v1, v2, ...| ...} -> nil

self と引数に渡した配列の各要素からなる配列の配列を生成して返します。 生成される配列の要素数は self の要素数と同じです。

ブロック付きで呼び出した場合は、 self と引数に渡した配列の各要素を順番にブロックに渡します。

[PARAM] lists:
配列を指定します。配列でない場合は to_ary メソッドにより配列に変換します。 to_ary メソッドが無い場合は each を試します。

例:

p (1..3).zip([4,5,6], [7,8,9])
    # => [[1, 4, 7], [2, 5, 8], [3, 6, 9]]

p (1..2).zip([:a,:b,:c], [:A,:B,:C,:D])
    # => [[1, :a, :A], [2, :b, :B]]

p (1..5).zip([:a,:b,:c], [:A,:B,:C,:D])
    # => [[1, :a, :A], [2, :b, :B],
    #     [3, :c, :C], [4, nil, :D], [5, nil, nil]]

例:

p [1,2,3].zip([4,5,6], [7,8,9]) {|ary|
  p ary
}
    # => [1, 4, 7]
    #    [2, 5, 8]
    #    [3, 6, 9]
    #    nil

privateメソッド

initialize(*args, &block) -> object

ユーザ定義クラスのオブジェクト初期化メソッド。

このメソッドは Class#new から新しく生成されたオブ ジェクトの初期化のために呼び出されます。他の言語のコンストラクタに相当します。 デフォルトの動作ではなにもしません。

initialize には Class#new に与えられた引数がそのまま渡されます。

サブクラスではこのメソッドを必要に応じて再定義されること が期待されています。

initialize という名前のメソッドは自動的に private に設定され ます。

[PARAM] args:
初期化時の引数です。
[PARAM] block:
初期化時のブロック引数です。必須ではありません。
class Foo
  def initialize name
    puts "initialize Foo"
    @name = name
  end
end

class Bar < Foo
  def initialize name, pass
    puts "initialize Bar"
    super name
    @pass = pass
  end
end

it = Bar.new('myname','0500')
p it
#=> initialize Bar
#   initialize Foo
#   #<Bar:0x2b68f08 @name="myname", @pass="0500">

[SEE_ALSO] Class#new

initialize_copy(obj) -> object

(拡張ライブラリによる) ユーザ定義クラスのオブジェクトコピーの初期化メソッド。

このメソッドは self を obj の内容で置き換えます。ただ し、self のインスタンス変数や特異メソッドは変化しません。 Object#clone, Object#dupの内部で使われています。

initialize_copy は、Ruby インタプリタが知り得ない情報をコピーするた めに使用(定義)されます。例えば C 言語でクラスを実装する場合、情報 をインスタンス変数に保持させない場合がありますが、そういった内部情 報を initialize_copy でコピーするよう定義しておくことで、dup や clone を再定義する必要がなくなります。

デフォルトの Object#initialize_copy は、 freeze チェックおよび型のチェックを行い self を返すだけのメソッドです。

initialize_copy という名前のメソッドは 自動的に private に設定されます。

[EXCEPTION] TypeError:
レシーバが freeze されているか、obj のクラスがレシーバ のクラスと異なる場合に発生します。

[SEE_ALSO] Object#clone,Object#dup

以下に例として、dup や clone がこのメソッドをどのように利用しているかを示します。

obj.dup は、新たに生成したオブジェクトに対して initialize_copy を呼び

obj2 = obj.class.allocate
obj2.initialize_copy(obj)

obj2 に対してさらに obj の汚染状態、インスタンス変数、ファイナライ ザをコピーすることで複製を作ります。 obj.clone は、さらに 特異メソッドのコピーも行います。

obj = Object.new
class <<obj
  attr_accessor :foo
  def bar
    :bar
  end
end

def check(obj)
  puts "instance variables: #{obj.inspect}"
  puts "tainted?: #{obj.tainted?}"
  print "singleton methods: "
  begin
    p obj.bar
  rescue NameError
    p $!
  end
end

obj.foo = 1
obj.taint

check Object.new.send(:initialize_copy, obj)
        #=> instance variables: #<Object:0x4019c9d4>
        #   tainted?: false
        #   singleton methods: #<NoMethodError: ...>
check obj.dup
        #=> instance variables: #<Object:0x4019c9c0 @foo=1>
        #   tainted?: true
        #   singleton methods: #<NoMethodError: ...>
check obj.clone
        #=> instance variables: #<Object:0x4019c880 @foo=1>
        #   tainted?: true
        #   singleton methods: :bar
remove_instance_variable(name) -> object

オブジェクトからインスタンス変数 name を取り除き、そのインス タンス変数に設定されていた値を返します。

[PARAM] name:
削除するインスタンス変数の名前をシンボルか文字列で指定します。
[EXCEPTION] NameError:
オブジェクトがインスタンス変数 name を持たない場合に発生します。
class Foo
  def foo
    @foo = 1
    p remove_instance_variable(:@foo) #=> 1
    p remove_instance_variable(:@foo) # instance variable @foo not defined (NameError)
  end
end
Foo.new.foo

[SEE_ALSO] Module#remove_class_variable,Module#remove_const

定数

APPEND -> Integer

追記モードでファイルを開くときに指定します。 File.openで使用します。

BINARY -> Integer

ファイルをバイナリとして開きます。 open(2) で O_BINARYが指定できる場合に使えます。 File.openで使用します。

CREAT -> Integer

ファイルがなければ作成するよう指定します。 File.openで使用します。

DIRECT -> Integer

このファイルに対する I/O のキャッシュの効果を最小化しようとする。

このフラグを使うと、一般的に性能が低下する。 しかしアプリケーションが独自に キャッシングを行っているような 特別な場合には役に立つ。 ファイルの I/O はユーザー空間バッファに対して直接行われる。 File::Constants::DIRECT フラグ自身はデー タを同期で転送しようとはするが、 File::Constants::SYNC のようにデータと必要なメタデー タの転送が保証されるわけではない。 同期 I/O を保証するためには、 File::Constants::DIRECT に加えて File::Constants::SYNC を使用しなければならない。

File.openで使用します。

DSYNC -> Integer

ファイルをデータ同期モードで開きます。 open(2) で O_DSYNC が指定できる場合に使えます。 File.openで使用します。

EXCL -> Integer

CREATと併用し、もしファイルが既にある場合には失敗します。 File.openで使用します。

FNM_CASEFOLD -> Integer

アルファベットの大小文字を区別せずにパターンマッチを行います。 File.fnmatch, Dir.globで使用します。

FNM_DOTMATCH -> Integer

ワイルドカード `*', `?', `[]' が先頭の `.' にマッチするようになります。 File.fnmatch, Dir.globで使用します。

1.8.0以前では、FNM_DOTMATCHという名前でした。

FNM_NOESCAPE -> Integer

エスケープ文字 `\' を普通の文字とみなします。 File.fnmatch, Dir.globで使用します。

FNM_PATHNAME -> Integer

ワイルドカード `*', `?', `[]' が `/' にマッチしなくなります。 シェルのパターンマッチにはこのフラグが使用されています。 File.fnmatch, Dir.globで使用します。

FNM_SYSCASE -> Integer

case hold なファイルシステムの場合、FNM_CASEFOLD の値になり、そうでなければゼロの値になります。 File.fnmatch, Dir.globで使用します。

LOCK_EX -> Integer

排他ロック。同時にはただひとつのプロセスだけがロックを保持できます。 File#flock で使用します。

LOCK_NB -> Integer

ロックの際にブロックしない。他の指定と or することで指定します。 File#flock で使用します。

LOCK_SH -> Integer

共有ロック。複数のプロセスが同時にロックを共有できます。 File#flock で使用します。

LOCK_UN -> Integer

アンロック。File#flock で使用します。

NOATIME -> Integer

ファイル読み込み時に atime を更新しません。 open(2) で O_ATIME が指定できる場合に使えます。 File.openで使用します。

atime が更新されないのは確実ではないということに注意してください。 これは性能のためのオプションです。

NOCTTY -> Integer

自身がTTY制御しないようにTTYを開きます。 File.openで使用します。

NOFOLLOW -> Integer

ファイルがシンボリックリンクであった場合に 例外を発生させます。 open(2) で O_NOFOLLOW が指定できる場合に使えます。 File.openで使用します。

NONBLOCK -> Integer

ファイルが利用可能じゃなくてもブロックしません。 File.openで使用します。

NULL -> String

NULLデバイスのファイル名です。

RDONLY -> Integer

読み込みのみのモードでファイルを開くときに指定します。 File.openで使用します。

RDWR -> Integer

読み書き両方のモードでファイルを開くときに指定します。 File.openで使用します。

RSYNC -> Integer

ファイルを読み込み時同期モードで開きます。 open(2) で O_RSYNC が指定できる場合に使えます。 File.openで使用します。

SEEK_CUR -> Fixnum

IO#seek を参照してください。

SEEK_END -> Fixnum

IO#seek を参照してください。

SEEK_SET -> Fixnum

IO#seek を参照してください。

SYNC -> Integer

ファイルを同期モードで開きます。 open(2) で O_SYNCが指定できる場合に使えます。 File.openで使用します。

TRUNC -> Integer

もしファイルが存在するなら、中身を抹消してサイズをゼロにします。 File.openで使用します。

WRONLY -> Integer

書き込みのみのモードでファイルを開くときに指定します。 File.openで使用します。

class IO