class OpenSSL::SSL::SSLSocket + Enumerable
クラスの継承リスト: OpenSSL::SSL::SSLSocket < Enumerable < OpenSSL::SSL::SocketForwarder < OpenSSL::Buffering < Object < Kernel < BasicObject
要約
ソケットをラップして SSL での認証と暗号通信を実現するためのクラスです。
例
SSL/TLS サーバに接続して write します。
require 'socket' require 'openssl' include OpenSSL soc = TCPSocket.new('www.example.com', 443) ssl = SSL::SSLSocket.new(soc) ssl.connect ssl.post_connection_check('www.example.com') raise "verification error" if ssl.verify_result != OpenSSL::X509::V_OK ssl.write('hoge') print ssl.peer_cert.to_text ssl.close soc.close
特異メソッド
new(socket) -> OpenSSL::SSL::SSLSocket
new(socket, context) -> OpenSSL::SSL::SSLSocket
-
socket をラップして SSLSocket オブジェクトを生成します。
socket には ラップする TCPSocket オブジェクトを与え、 context には SSL の設定情報を所持している OpenSSL::SSL::SSLContext オブジェクトを与えます。
context を省略した場合は OpenSSL::SSL::SSLContext.new で 新たにコンテキストを生成してそれを用います。
- [PARAM] socket:
- ラップするソケット
- [PARAM] context:
- SSL の設定情報を持つ SSL コンテキストオブジェクト
- [EXCEPTION] OpenSSL::SSL::SSLError:
- オブジェクトの生成に失敗した場合に発生します
インスタンスメソッド
accept -> self
-
TLS/SSL 通信をサーバモードとして開始し、クライアントからの ハンドシェイク開始を待ち、クライアントとのハンドシェイクを実行します。
- [EXCEPTION] OpenSSL::SSL::SSLError:
- ハンドシェイクに失敗した(VERIFY_PEER で 証明書の検証に失敗した場合や、プロトコル合意に失敗したなど) 場合に発生します
[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLSocket#connect, OpenSSL::SSL::SSLSocket#accept_nonblock
accept_nonblock -> self
-
ノンブロッキング方式で TLS/SSL 通信をサーバモードとして開始し、 クライアントとのハンドシェイクを実行します。
IO が読み込み待ち、もしくは書き込み待ちになった場合は例外を 発生させ、ハンドシェイクを中断します。IO が読み込み/書き込み 可能状態になってからこのメソッドをもう一度呼ぶと ハンドシェイクを再開します。
- [EXCEPTION] OpenSSL::SSL::SSLError:
- ハンドシェイクに失敗した(VERIFY_PEER で 証明書の検証に失敗した場合や、プロトコル合意に失敗したなど) 場合に発生します (実際は OpenSSL::SSL::SSLError をこのモジュールで extend した 例外オブジェクトが生成されます)
- [EXCEPTION] OpenSSL::SSL::SSLError:
- ソケットが読み込み/書き込み可能状態になるのを 待つ必要がある場合に発生します。 読み込み可能状態を待つ必要がある場合には IO::WaitReadable を、 書き込み可能状態を待つ必要がある場合には IO::WaitWritable を、 それぞれ extend した例外オブジェクトが生成されます。
[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLSocket#connect_nonblock, OpenSSL::SSL::SSLSocket#accept
all? -> bool
all? {|item| ... } -> bool
-
すべての要素が真である場合に true を返します。 偽である要素があれば、ただちに false を返します。
ブロックを伴う場合は、各要素に対してブロックを評価し、すべての結果 が真である場合に true を返します。ブロックが偽を返した時点で、 ただちに false を返します。
例:
# すべて正の数か? p [5, 6, 7].all? {|v| v > 0 } # => true p [5, -1, 7].all? {|v| v > 0 } # => false
any? -> bool
any? {|item| ... } -> bool
-
すべての要素が偽である場合に false を返します。 真である要素があれば、ただちに true を返します。
ブロックを伴う場合は、各要素に対してブロックを評価し、すべての結果 が偽である場合に false を返します。ブロックが真を返した時点 で、ただちに true を返します。
例:
p [1, 2, 3].any? {|v| v > 3 } # => false p [1, 2, 3].any? {|v| v > 1 } # => true
cert -> OpenSSL::X509::Certificate | nil
-
自分自身を証明する証明書を返します。
自分自身を証明する証明書を使わなかった場合は nil を返します。 OpenSSL::SSL::SSLSocket#connect や OpenSSL::SSL::SSLSocket#accept で SSL/TLS ハンドシェイクを行う前にこのメソッドを呼んだ 場合も nil を返します。
[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLContext#cert
chunk {|elt| ... } -> Enumerator
chunk(initial_state) {|elt, state| ... } -> Enumerator
-
要素を前から順にブロックで評価し、その結果によって 要素をチャンクに分けた(グループ化した)要素を持つ Enumerator を返します。
ブロックの評価値が同じ値が続くものを一つのチャンクとして 取り扱います。すなわち、ブロックの評価値が一つ前と 異なる所でチャンクが区切られます。
返り値の Enumerator は各チャンクのブロック評価値と 各チャンクの要素を持つ配列のペアを各要素とします。 そのため、eachだと以下のようになります。
enum.chunk {|elt| key }.each {|key, ary| ... } enum.chunk(initial_state) {|elt, state| key }.each {|key, ary| ... }
例として、整数列を連続する奇数/偶数に分ける例を見てみます。 「n.even?」が変換するところで区切られているのがわかるでしょう。
[3,1,4,1,5,9,2,6,5,3,5].chunk {|n| n.even? }.each {|even, ary| p [even, ary] } #=> [false, [3, 1]] # [true, [4]] # [false, [1, 5, 9]] # [true, [2, 6]] # [false, [5, 3, 5]]
このメソッドは各要素が既にソートされている場合に便利です。 以下の例では、テキスト辞書ファイル(中身がソートされている) に含まれる単語を先頭の文字ごとに数えています。
# line.ord は先頭の文字のコードポイントを返す open("/usr/share/dict/words", "r:iso-8859-1") {|f| f.chunk {|line| line.ord }.each {|ch, lines| p [ch.chr, lines.length] } } #=> ["\n", 1] # ["A", 1327] # ["B", 1372] # ["C", 1507] # ["D", 791] # ...
さらにこのメソッドは以下の値を特別扱いします。
- ブロックの評価値が nil もしくは :_separator であった場合、 その要素を捨てます。チャンクはこの前後で区切られます。
- ブロックの評価値 :_alone であった場合はその要素は 単独のチャンクをなすものと解釈されます。
アンダースコアで始まるシンボルはこのメソッドでは予約されています。 ブロックの返り値としては用いないでください。
nil、 :_separator はある要素を無視したい場合に用います。 例として svn log の出力のハイフンの所で区切りたい場合を考えます。
sep = "-"*72 + "\n" # ハイフンが72個の行 IO.popen("svn log README") {|f| f.chunk {|line| line != sep || nil }.each {|_, lines| pp lines } } #=> ["r20018 | knu | 2008-10-29 13:20:42 +0900 (Wed, 29 Oct 2008) | 2 lines\n", # "\n", # "* README, README.ja: Update the portability section.\n", # "\n"] # ["r16725 | knu | 2008-05-31 23:34:23 +0900 (Sat, 31 May 2008) | 2 lines\n", # "\n", # "* README, README.ja: Add a note about default C flags.\n", # "\n"] # ...
テキストを空行で区切られた段落に分けたい場合にも nil が使えます。
File.foreach("README").chunk {|line| /\A\s*\z/ !~ line || nil }.each {|_, lines| pp lines }
「:_alone」は要素を素通ししたい場合に用います。 以下の例では「Foo#bar」という形式の行が連続している場合のみ チャンク化し、それ以外は素通しします。
pat = /\A[A-Z][A-Za-z0-9_]+\#/ open(filename) {|f| f.chunk {|line| pat =~ line ? $& : :_alone }.each {|key, lines| if key != :_alone print lines.sort.join('') else print lines.join('') end } }
チャンク化に状態遷移が必要な場合は、 オプション引数 initial_state に状態を保持するオブジェクトを渡します。 この場合、ブロックの第2引数にはこのオブジェクトが dup で複製 されて渡されます。
- [PARAM] initial_state:
- 状態を保持するオブジェクト
- [EXCEPTION] RuntimeError:
- 予約されている値を用いた場合に発生します
cipher -> [String, String, Integer, Integer]
-
現在実際に使われている暗号の情報を配列で返します。
返される配列の形式は以下の例のように [暗号名, TLS/SSLのバージョン, 鍵長, アルゴリズムで使われる bit 数] となります。
["DES-CBC3-SHA", "TLSv1/SSLv3", 168, 168]
OpenSSL::SSL::SSLSocket#connect や OpenSSL::SSL::SSLSocket#accept で SSL/TLS ハンドシェイクを行う前にこのメソッドを呼ぶと nil を返します。
collect -> Enumerator
map -> Enumerator
collect {|item| ... } -> [object]
map {|item| ... } -> [object]
-
各要素に対してブロックを評価した結果を全て含む配列を返します。
ブロックを省略した場合、上で説明した繰り返しを実行し、その結果として 得られる配列を返すような Enumerator オブジェクトを返します。
例:
# すべて 3 倍にする p [1, 2, 3].map {|n| n * 3 } # => [3, 6, 9]
flat_map -> Enumerator
collect_concat -> Enumerator
flat_map {| obj | block } -> Array
collect_concat {| obj | block } -> Array
-
各要素をブロックに渡し、その返り値を連結した配列を返します。
ブロックの返り値は基本的に配列を返すべきです。
ブロックを省略した場合は、ブロックを受けとり 上で説明した評価をし、その結果の配列を返す Enumerator オブジェクトを返します。
[[1,2], [3,4]].flat_map{|i| i.map{|j| j*2}} # => [2,4,6,8]
connect -> self
-
TLS/SSl 通信をクライアントモードとして開始し、 サーバとのハンドシェイクを実行します。
- [EXCEPTION] OpenSSL::SSL::SSLError:
- ハンドシェイクに失敗した(VERIFY_PEER で 証明書の検証に失敗した場合や、プロトコル合意に失敗したなど) 場合に発生します
[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLSocket#accept, OpenSSL::SSL::SSLSocket#connect_nonblock
connect_nonblock -> self
-
ノンブロッキング方式で TLS/SSL 通信をクライアントモードとして開始し、 サーバとのハンドシェイクを実行します。
IO が読み込み待ち、もしくは書き込み待ちになった場合は例外を 発生させ、ハンドシェイクを中断します。IO が読み込み/書き込み 可能状態になってからこのメソッドをもう一度呼ぶと ハンドシェイクを再開します。
- [EXCEPTION] OpenSSL::SSL::SSLError:
- ハンドシェイクに失敗した(VERIFY_PEER で 証明書の検証に失敗した場合や、プロトコル合意に失敗したなど) 場合に発生します
- [EXCEPTION] OpenSSL::SSL::SSLError:
- ソケットが読み込み/書き込み可能状態になるのを 待つ必要がある場合に発生します。 読み込み可能状態を待つ必要がある場合には IO::WaitReadable を、 書き込み可能状態を待つ必要がある場合には IO::WaitWritable を、 それぞれ extend した例外オブジェクトが生成されます。
[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLSocket#accept_nonblock, OpenSSL::SSL::SSLSocket#connect
context -> OpenSSL::SSL::SSLContext
-
SSLSocket オブジェクトを生成する時に渡されたコンテクストを返します。
[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLSocket.new
count -> Integer
count(item) -> Integer
count {|obj| ... } -> Integer
-
レシーバの要素数を返します。
引数を指定しない場合は、レシーバの要素数を返します。 このとき、レシーバが size メソッドを持っていればそちらを使用します。 レシーバが size メソッドを持っていない場合は、要素数を一つずつカウントします。
引数を一つ指定した場合は、レシーバの要素のうち引数に一致するものの 個数をカウントして返します(一致は == で判定します)。
ブロックを指定した場合は、ブロックを評価して真になった要素の個数を カウントして返します。
- [PARAM] item:
- カウント対象となる値。
例:
ary = [1, 2, 4, 2] ary.count # => 4 ary.count(2) # => 2 ary.count{|x|x%2==0} # => 3
cycle(n=nil) -> Enumerator
cycle(n=nil) {|obj| ... } -> object | nil
-
Enumerable オブジェクトの各要素を n 回 or 無限回(n=nil)繰り返し ブロックを呼びだします。
n に 0 もしくは負の値を渡した場合は何もしません。 繰り返しが最後まで終了した場合(つまりbreakなどで中断しなかった場合) は nil を返します。 このメソッドは内部の配列に各要素を保存しておくため、 一度 Enumerable の終端に到達した後に自分自身を変更しても このメソッドの動作に影響を与えません。
a = ["a", "b", "c"] a.cycle {|x| puts x } # print, a, b, c, a, b, c,.. forever. a.cycle(2) {|x| puts x } # print, a, b, c, a, b, c.
ブロックを省略した場合は、n 回 or 無限回 enum の各要素を 繰り返す Enumerator を返します。
- [RETURN]
- ブロックを指定しなかった場合は、Enumerator を返します。 レシーバが空の場合は nil を返します。
find(ifnone = nil) -> Enumerator
detect(ifnone = nil) -> Enumerator
find(ifnone = nil) {|item| ... } -> object
detect(ifnone = nil) {|item| ... } -> object
-
要素に対してブロックを評価した値が真になった最初の要素を返します。
真になる要素が見つからず、ifnone も指定されていないときは nil を返します。 真になる要素が見つからず、ifnone が指定されているときは ifnone を call した結果を返します。
ブロックを省略した場合は、各要素に対しブロックを真になるまで評価し、最初に 真になった値を返すような Enumerator を返します。
- [PARAM] ifnone:
- call メソッドを持つオブジェクト (例えば Proc) を指定します。
例:
# 最初の 3 の倍数を探す p [1, 2, 3, 4, 5].find {|i| i % 3 == 0 } # => 3 p [2, 2, 2, 2, 2].find {|i| i % 3 == 0 } # => nil # ifnone の使用例 ifnone = proc { raise ArgumentError, "item not found" } p [1, 2, 3, 4, 5].find(ifnone) {|i| i % 7 == 0 } # ArgumentError: item not found
drop(n) -> Array
-
Enumerable オブジェクトの先頭の n 要素を捨てて、 残りの要素を配列として返します。
- [PARAM] n:
- 捨てる要素数。
a = [1, 2, 3, 4, 5, 0] a.drop(3) # => [4, 5, 0]
drop_while -> Enumerator
drop_while {|element| ... } -> Array
-
ブロックを評価して最初に偽となった要素の手前の要素まで捨て、 残りの要素を配列として返します。
ブロックを指定しなかった場合は、Enumerator を返します。
a = [1, 2, 3, 4, 5, 0] a.drop_while {|i| i < 3 } # => [3, 4, 5, 0]
each_cons(n) -> Enumerator
each_cons(n) {|list| ... } -> nil
-
要素を重複ありで n 要素ずつに区切り、 ブロックに渡して繰り返します。
ブロックを省略した場合は重複ありで n 要素ずつ繰り返す Enumerator を返します。
- [PARAM] n:
- ブロックに渡す要素の数です。正の整数を与えます。 要素数より大きな数を与えると、ブロックは一度も実行されません。
例:
(1..10).each_cons(3){|v| p v } # => [1, 2, 3] # [2, 3, 4] # [3, 4, 5] # [4, 5, 6] # [5, 6, 7] # [6, 7, 8] # [7, 8, 9] # [8, 9, 10]
[SEE_ALSO] Enumerable#each_slice
each_entry -> Enumerator
each_entry {|obj| block} -> self
-
ブロックを各要素に一度ずつ適用します。
一要素として複数の値が渡された場合はブロックには配列として渡されます。
class Foo include Enumerable def each yield 1 yield 1,2 end end Foo.new.each_entry{|o| print o, " -- "} # => 1 -- [1, 2] --
ブロックを省略した場合は Enumerator が返されます。
[SEE_ALSO] Enumerable#slice_before
each_slice(n) -> Enumerator
each_slice(n) {|list| ... } -> nil
-
n 要素ずつブロックに渡して繰り返します。
要素数が n で割り切れないときは、最後の回だけ要素数が減ります。
ブロックを省略した場合は n 要素ずつ繰り返す Enumerator を返します。
- [PARAM] n:
- 区切る要素数を示す整数です。
例:
(1..10).each_slice(3) {|a| p a} # => [1, 2, 3] # [4, 5, 6] # [7, 8, 9] # [10]
[SEE_ALSO] Enumerable#each_cons
each_with_index -> Enumerator
each_with_index {|item, index| ... } -> self
-
要素とそのインデックスをブロックに渡して繰り返します。
self を返します。
ブロックを省略した場合は、 要素とそのインデックスを繰り返すような Enumerator を返します。
例:
[5, 10, 15].each_with_index do |n, idx| p [n, idx] end # => [5, 0] # [10, 1] # [15, 2]
each_with_object(obj) -> Enumerator
each_with_object(obj) {|(*args), memo_obj| ... } -> object
-
与えられた任意のオブジェクトと要素をブロックに渡し繰り返し、最初に与えられたオブジェクトを返します。
ブロックを省略した場合は、上の繰り返しをして、最初に与えたオブジェクトを 最後に返す Enumerator を返します。
- [PARAM] obj:
- 任意のオブジェクトを指定します。
evens = (1..10).each_with_object([]) {|i, a| a << i*2 } # => [2, 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 18, 20]
[SEE_ALSO] Enumerator#with_object
to_a -> [object]
entries -> [object]
-
全ての要素を含む配列を返します。
find_all -> Enumerator
select -> Enumerator
find_all {|item| ... } -> [object]
select {|item| ... } -> [object]
-
各要素に対してブロックを評価した値が真であった要素を全て含む配列を 返します。真になる要素がひとつもなかった場合は空の配列を返します。
ブロックを省略した場合は、各要素に対しブロックを評価し 真になった値の配列を返すような Enumerator を返します。
find_index -> Enumerator
find_index {|obj| ... } -> Integer | nil
-
要素を先頭から順にブロックに渡して評価し、最初に真になった要素のインデックスを返します。 一つも真にならなければ nil を返します。
(1..10).find_index {|i| i % 5 == 0 and i % 7 == 0 } #=> nil (1..100).find_index {|i| i % 5 == 0 and i % 7 == 0 } #=> 34
ブロックを指定しなかった場合は、Enumerator を返します。
first -> object | nil
first(n) -> Array
-
Enumerable オブジェクトの最初の要素、もしくは最初の n 要素を返します。
Enumerable オブジェクトが空の場合、引数を指定しない形式では nil を返します。 引数を指定する形式では、空の配列を返します。
- [PARAM] n:
- 取得する要素数。
e = "abcd".each_byte e.first #=> 97 e.first(2) #=> [97,98] e = "".each_byte e.first #=> nil e.first(2) #=> []
grep(pattern) -> [object]
grep(pattern) {|item| ... } -> [object]
-
pattern === item が成立する要素を全て含んだ配列を返します。
ブロックとともに呼び出された時には条件の成立した要素に対して それぞれブロックを評価し、その結果の配列を返します。 マッチする要素がひとつもなかった場合は空の配列を返します。
- [PARAM] pattern:
- 「===」メソッドを持つオブジェクトを指定します。
例:
['aa', 'bb', 'cc', 'dd', 'ee'].grep(/[bc]/) # => ["bb", "cc"] Array.instance_methods.grep(/gr/) # => [:grep, :group_by]
group_by -> Enumerator
group_by {|obj| ... } -> Hash
-
ブロックを評価した結果をキー、対応する要素の配列を値とするハッシュを返します。
(1..6).group_by {|i| i%3} #=> {0=>[3, 6], 1=>[1, 4], 2=>[2, 5]}
ブロックを省略した場合は、最後に Hash を返す Enumerator オブジェクトを返します。
hostname -> String | nil
-
TLS の Server Name Indication 拡張で利用するサーバのホスト名を返します。
OpenSSL::SSL::SSLSocket#hostname= で設定した値がそのまま返されます。
設定していない場合は nil を返します。
[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLSocket#hostname=
hostname=(hostname)
-
TLS の Server Name Indication(SNI) 拡張で利用するサーバのホスト名を設定します。
Server Name Indication については [RFC3546] を参照してください。
このメソッドはハンドシェイク時にクライアント側がサーバ側に サーバのホスト名を伝えるために用います。そのため、 クライアント側が OpenSSL::SSL::SSLSocket#connect を呼ぶ前に このメソッドでホスト名を指定する必要があります。
hostname に nil を渡すと SNI 拡張を利用しません。
サーバ側については OpenSSL::SSL::SSLContext#servername_cb= を 参照してください。
- [PARAM] hostname:
- ホスト名文字列
[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLSocket#hostname, OpenSSL::SSL::SSLContext#servername_cb, OpenSSL::SSL::SSLContext#servername_cb=,
member?(val) -> bool
include?(val) -> bool
-
val と == の関係にある要素を含むとき真を返します。
- [PARAM] val:
- 任意のオブジェクト
inject(init = self.first) {|result, item| ... } -> object
inject(sym) -> object
inject(init, sym) -> object
reduce(init = self.first) {|result, item| ... } -> object
reduce(sym) -> object
reduce(init, sym) -> object
-
リストのたたみこみ演算を行います。
最初に初期値 init と self の最初の要素を引数にブロックを実行します。 2 回目以降のループでは、前のブロックの実行結果と self の次の要素を引数に順次ブロックを実行します。 そうして最後の要素まで繰り返し、最後のブロックの実行結果を返します。
要素が存在しない場合は init を返します。
初期値 init を省略した場合は、 最初に先頭の要素と 2 番目の要素をブロックに渡します。 また要素が 1 つしかなければブロックを実行せずに最初の要素を返します。 要素がなければブロックを実行せずに nil を返します。
- [PARAM] init:
- 最初の result の値です。任意のオブジェクトが渡せます。
- [PARAM] sym:
- ブロックの代わりに使われるメソッド名を表す Symbol オブジェクトを指定します。 実行結果に対して sym という名前のメソッドが呼ばれます。
例:
# 合計を計算する。 p [2, 3, 4, 5].inject {|result, item| result + item } #=> 14 # 自乗和を計算する。初期値をセットする必要がある。 p [2, 3, 4, 5].inject(0) {|result, item| result + item**2 } #=> 54
この式は以下のように書いても同じ結果が得られます。
result = 0 [1, 2, 3, 4, 5].each {|v| result += v } p result # => 15 p [1, 2, 3, 4, 5].inject(:+) #=> 15 p ["b", "c", "d"].inject("abbccddde", :squeeze) #=> "abcde"
io -> IO
to_io -> IO
-
SSLSocket オブジェクトを生成する時に渡されたソケットを返します。
[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLSocket.new
max -> object
-
最大の要素を返します。 全要素が互いに <=> メソッドで比較できることを仮定しています。
要素が存在しなければ nil を返します。 該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。
max {|a, b| ... } -> object
-
ブロックの評価結果で各要素の大小判定を行い、最大の要素を返します。 要素が存在しなければ nil を返します。
ブロックの値は、a > b のとき正、 a == b のとき 0、a < b のとき負の整数を、期待しています。
該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。
- [EXCEPTION] TypeError:
- ブロックが整数以外を返したときに発生します。
max_by -> Enumerator
max_by {|item| ... } -> object
-
各要素を順番にブロックに渡して実行し、 その評価結果を <=> で比較して、 最大であった値に対応する元の要素を返します。
要素が存在しないときは nil を返します。 該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。
Enumerable#max と Enumerable#max_by の 違いは Enumerable#sort と Enumerable#sort_by の違いと同じです。
ブロックを省略した場合は、各要素を順番にブロックに渡して評価し、 その結果が最小となる値に対応する要素を返す Enumerator を 返します。
[SEE_ALSO] Enumerable#sort_by
min -> object
-
最小の要素を返します。 全要素が互いに <=> メソッドで比較できることを仮定しています。
要素が存在しなければ nil を返します。 該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。
min {|a, b| ... } -> object
-
ブロックの評価結果で各要素の大小判定を行い、最小の要素を返します。 要素が存在しなければ nil を返します。
ブロックの値は、a > b のとき正、a == b のとき 0、 a < b のとき負の整数を、期待しています。
該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。
- [EXCEPTION] TypeError:
- ブロックが整数以外を返したときに発生します。
min_by -> Enumerator
min_by {|item| ... } -> object
-
各要素を順番にブロックに渡して評価し、 その評価結果を <=> で比較して、 最小であった値に対応する元の要素を返します。
要素が存在しないときは nil を返します。
該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。
ブロックを省略した場合は、各要素を順番にブロックに渡して評価し、 その結果が最小となる値に対応する要素を返す Enumerator を 返します。
Enumerable#min と Enumerable#min_by の 違いは Enumerable#sort と Enumerable#sort_by の違いと同じです。
[SEE_ALSO] Enumerable#sort_by
minmax -> [object, object]
minmax {|a, b| ... } -> [object, object]
-
Enumerable オブジェクトの各要素のうち最小の要素と最大の要素を 要素とするサイズ 2 の配列を返します。
該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。
一つ目の形式は、Enumerable オブジェクトのすべての要素が Comparable を 実装していることを仮定しています。二つ目の形式では、要素同士の比較を ブロックを用いて行います。
a = %w(albatross dog horse) a.minmax #=> ["albatross", "horse"] a.minmax{|a,b| a.length <=> b.length } #=> ["dog", "albatross"] [].minmax # => [nil, nil]
[SEE_ALSO] Enumerable#sort
minmax_by -> Enumerator
minmax_by {|obj| ... } -> [object, object]
-
Enumerable オブジェクトの各要素をブロックに渡して評価し、その結果を <=> で比較して 最小の要素と最大の要素を要素とするサイズ 2 の配列を返します。
該当する要素が複数存在する場合、どの要素を返すかは不定です。
Enumerable#minmax と Enumerable#minmax_by の 違いは sort と sort_by の違いと同じです。 詳細は Enumerable#sort_by を参照してください。
a = %w(albatross dog horse) a.minmax_by {|x| x.length } #=> ["dog", "albatross"] [].minmax_by{} # => [nil, nil]
ブロックを省略した場合は、Enumerator オブジェクトを 返します。
[SEE_ALSO] Enumerable#sort_by
none? -> bool
none? {|obj| ... } -> bool
-
ブロックを指定しない場合は、 Enumerable オブジェクトのすべての 要素が偽であれば真を返します。そうでなければ偽を返します。
ブロックを指定した場合は、Enumerable オブジェクトのすべての要素を ブロックで評価した結果が、すべて偽であれば真を返します。 そうでなければ偽を返します。
%w{ant bear cat}.none? {|word| word.length == 5} #=> true %w{ant bear cat}.none? {|word| word.length >= 4} #=> false [].none? #=> true [nil].none? #=> true [nil,false].none? #=> true
one? -> bool
one? {|obj| ... } -> bool
-
ブロックを指定しない場合は、 Enumerable オブジェクトの要素のうち ちょうど一つだけが真であれば、真を返します。 そうでなければ偽を返します。
ブロックを指定した場合は、Enumerable オブジェクトの要素を ブロックで評価した結果、一つの要素だけが真であれば真を返します。 そうでなければ偽を返します。
%w{ant bear cat}.one? {|word| word.length == 4} #=> true %w{ant bear cat}.one? {|word| word.length >= 4} #=> false [ nil, true, 99 ].one? #=> false [ nil, true, false ].one? #=> true
partition -> Enumerator
partition {|item| ... } -> [[object], [object]]
-
各要素を、ブロックの条件を満たす要素と満たさない要素に分割します。 各要素に対してブロックを評価して、その値が真であった要素の配列と、 偽であった要素の配列の 2 つを配列に入れて返します。
ブロックを省略した場合は、各要素に対しブロックを評価し、 上のようにその値が真であった要素の配列と、 偽であった要素の配列のペアを返すような Enumerator を 返します。
例:
[10, 9, 8, 7, 6, 5, 4, 3, 2, 1, 0].partition {|i| i % 3 == 0 } #=> [[9, 6, 3, 0], [10, 8, 7, 5, 4, 2, 1]]
peer_cert -> OpenSSL::X509::Certificate | nil
-
接続相手の証明書オブジェクトを返します。
OpenSSL::SSL::SSLSocket#connect や OpenSSL::SSL::SSLSocket#accept で SSL/TLS ハンドシェイクを行う前にこのメソッドを呼ぶと nil を返します。
[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLSocket#peer_cert_chain
peer_cert_chain -> [OpenSSL::X509::Certificate] | nil
-
接続相手の証明書チェインを OpenSSL::X509::Certificate オブジェクト の配列で返します。
OpenSSL::SSL::SSLSocket#connect や OpenSSL::SSL::SSLSocket#accept で SSL/TLS ハンドシェイクを行う前にこのメソッドを呼ぶと nil を返します。
以下の順の配列を返します。
[接続相手の証明書, 下位CAの証明書,... 中間CAの証明書]
ルート CA の証明書は含まれないことに注意してください。
[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLSocket#peer_cert
pending -> Integer | nil
-
OpenSSL内部のバッファが保持している、直ちに読み取り可能な データのバイト数を返します。
ハンドシェイク開始前には nil を返します。
post_connection_check(hostname) -> true
-
接続後検証を行います。
検証に成功した場合は true を返し、失敗した場合は例外 OpenSSL::SSL::SSLError を発生させます。
OpenSSL の API では、 OpenSSL::SSL::SSLSocket#connect や OpenSSL::SSL::SSLSocket#accept での検証は実用的には不完全です。 CA が証明書に署名してそれが失効していないことしか確認しません。 実用上は証明書に記載されている事項を見て、接続先が妥当であるかを確認する 必要があります。通常は接続先ホストの FQDN と証明書に記載されている FQDN が 一致しているかどうかを調べます。このメソッドはその FQDN のチェックを行ないます。
- [PARAM] hostname:
- チェックする FQDN の文字列
- [EXCEPTION] OpenSSL::SSL::SSLError:
- チェックに失敗した場合に発生します
reject -> Enumerator
reject {|item| ... } -> [object]
-
各要素に対してブロックを評価し、 その値が偽であった要素を集めた新しい配列を返します。 条件を反転させた select です。
ブロックを省略した場合は、各要素に対しブロックを評価し 偽になった値の配列を返すような Enumerator を返します。
例:
# 偶数を除外する (奇数を集める) [1, 2, 3, 4, 5, 6].reject {|i| i % 2 == 0 } # => [1, 3, 5]
[SEE_ALSO] Enumerable#select
reverse_each -> Enumerator
reverse_each {|element| ... } -> self
-
逆順に各要素に対してブロックを評価します。
内部で各要素を保持した配列を作ります。
ブロックを省略した場合は、各要素を逆順に辿る Enumerator を返します。
session -> OpenSSL::SSL::Session
-
利用している SSL セッションを OpenSSL::SSL::Session オブジェクトで返します。
[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLSocket#session=, OpenSSL::SSL::SSLSocket#session_reused?
session=(sess)
-
ハンドシェイクで再利用する SSL セッションを 設定します。
このメソッドはクライアント側でのみ有用です。 セッションを再利用する場合は、 OpenSSL::SSL::SSLSocket#connect を呼ぶ前に このメソッドでセッションオブジェクト (OpenSSL::SSL::Session のインスタンス) を設定します。
サーバ側の場合 OpenSSL::SSL::SSLContext がキャッシュの保持と 管理を行います。
- [PARAM] sess:
- 設定するセッション
[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::SSLSocket#session, OpenSSL::SSL::SSLSocket#session_reused?
session_reused? -> bool
-
利用している SSL セッションが再利用されたものである 場合に真を返します。
[SEE_ALSO] OpenSSL::SSL::Session, OpenSSL::SSL::SSLSocket#session, OpenSSL::SSL::SSLSocket#session=
slice_before(pattern) -> Enumerator
slice_before {|elt| bool } -> Enumerator
slice_before(initial_state) {|elt, state| bool } -> Enumerator
-
パターンがマッチした要素、もしくはブロックが真を返した要素から 次にマッチする手前までを チャンク化(グループ化)したものを繰り返す Enumerator を 返します。
パターンを渡した場合は各要素に対し === が呼び出され、 それが真になったところをチャンクの先頭と見なします。 ブロックを渡した場合は、各要素に対しブロックを適用し 返り値が真であった要素をチャンクの先頭と見なします。
より厳密にいうと、「先頭要素」の手前で分割していきます。 最初の要素の評価は無視されます。
各チャンクは配列として表現されます。
Enumerable#map のようなメソッドを使うこともできます。
# 偶数要素をチャンクの先頭と見なす [0,2,4,1,2,4,5,3,1,4,2].slice_before(&:even?).to_a # => [[0], [2], [4, 1], [2], [4, 5, 3, 1], [4], [2]] # 奇数要素をチャンクの先頭と見なす [0,2,4,1,2,4,5,3,1,4,2].slice_before(&:odd?).to_a # => [[0, 2, 4], [1, 2, 4], [5], [3], [1, 4, 2]] # ChangeLog のエントリーを順に取る open("ChangeLog") {|f| f.slice_before(/\A\S/).each {|e| pp e} } # 上と同じだが、パターンでなくブロックを使う open("ChangeLog") {|f| f.slice_before {|line| /\A\S/ === line }.each {|e| pp e} } # "svn proplist -R" の結果を分割する # これは一要素が複数行にまたがっている IO.popen([{"LC_ALL"=>"C"}, "svn", "proplist", "-R"]) {|f| f.lines.slice_before(/\AProp/).each {|lines| p lines } } #=> ["Properties on '.':\n", " svn:ignore\n", " svk:merge\n"] # ["Properties on 'goruby.c':\n", " svn:eol-style\n"] # ["Properties on 'complex.c':\n", " svn:mime-type\n", " svn:eol-style\n"] # ["Properties on 'regparse.c':\n", " svn:eol-style\n"] # ...
複数要素にわたる状態遷移が必要な場合は、ローカル変数でこれを実現する ことができます。例えば、連続に増える数値が3つ以上ある場合、これを まとめる処理をするためには以下のようにします。
a = [0,2,3,4,6,7,9] prev = a[0] p a.slice_before {|e| prev, prev2 = e, prev prev2 + 1 != e }.map {|es| es.length <= 2 ? es.join(",") : "#{es.first}-#{es.last}" }.join(",") #=> "0,2-4,6,7,9"
しかし、ローカル変数を使うのが不適切な場合もあります。 その場合、引数 initial_state に状態を保持するオブジェクトを 渡すと、そのオブジェクトを Object#dup したオブジェクトを 各要素ごとのブロック呼び出しの第2引数として渡します。
# word wrapping. # this assumes all characters have same width. def wordwrap(words, maxwidth) # if cols is a local variable, 2nd "each" may start with non-zero cols. words.slice_before(cols: 0) {|w, h| h[:cols] += 1 if h[:cols] != 0 h[:cols] += w.length if maxwidth < h[:cols] h[:cols] = w.length true else false end } end text = (1..20).to_a.join(" ") enum = wordwrap(text.split(/\s+/), 10) puts "-"*10 enum.each {|ws| puts ws.join(" ") } puts "-"*10 #=> ---------- # 1 2 3 4 5 # 6 7 8 9 10 # 11 12 13 # 14 15 16 # 17 18 19 # 20 # ----------
以下は mbox を分割する例です。mbox 内の各メールは Unix From line で始まっています。そこで slice_before を用います。
# parse mbox open("mbox") {|f| f.slice_before {|line| line.start_with? "From " }.each {|mail| unix_from = mail.shift i = mail.index("\n") header = mail[0...i] body = mail[(i+1)..-1] body.pop if body.last == "\n" fields = header.slice_before {|line| !" \t".include?(line[0]) }.to_a p unix_from pp fields pp body } } # split mails in mbox (slice before Unix From line after an empty line) open("mbox") {|f| f.slice_before(emp: true) {|line,h| prevemp = h[:emp] h[:emp] = line == "\n" prevemp && line.start_with?("From ") }.each {|mail| mail.pop if mail.last == "\n" pp mail } }
- [PARAM] initial_state:
- 状態を保持するオブジェクト
[SEE_ALSO] Enumerable#chunk
sort -> [object]
sort {|a, b| ... } -> [object]
-
全ての要素を昇順にソートした配列を生成して返します。
ブロックなしのときは <=> メソッドを要素に対して呼び、 その結果をもとにソートします。
<=> 以外でソートしたい場合は、ブロックを指定します。 この場合、ブロックの評価結果を元にソートします。 ブロックの値は、a > b のとき正、a == b のとき 0、 a < b のとき負の整数を、期待しています。 ブロックが整数以外を返したときは例外 TypeError が発生します。
Enumerable#sort は安定ではありません (unstable sort)。 安定なソートが必要な場合は Enumerable#sort_by を使って工夫する必要があります。 詳しくは Enumerable#sort_by の項目を参照してください。
※ 比較結果が同じ要素は元の順序通りに並ぶソートを 「安定なソート (stable sort)」と言います。
[SEE_ALSO] Enumerable#sort_by
sort_by -> Enumerator
sort_by {|item| ... } -> [object]
-
ブロックの評価結果を <=> メソッドで比較することで、self を昇 順にソートします。ソートされた配列を新たに生成して返します。
つまり、以下とほぼ同じ動作をします。
class Array def sort_by self.map {|i| [yield(i), i] }. sort {|a, b| a[0] <=> b[0] }. map {|i| i[1]} end end
Enumerable#sort と比較して sort_by が優れている点として、 比較条件が複雑な場合の速度が挙げられます。 sort_by を使わない以下の例では比較を行う度に downcase が実行されます。 従って downcase の実行速度が遅ければ sort の速度が致命的に低下します。
p ["BAR", "FOO", "bar", "foo"].sort {|a, b| a.downcase <=> b.downcase }
一方、次のように sort_by を使うと downcase の実行回数は要素数と同じです。 つまり、その部分の実行時間は O(n) のオーダーです。
p ["BAR", "FOO", "bar", "foo"].sort_by {|v| v.downcase }
以下の、実行回数の検証結果を参照してみてください。
class Integer def count $n += 1 self end end ary = [] 1.upto(1000) {|v| ary << rand(v) } $n = 0 ary.sort {|a,b| a.count <=> b.count } p $n # => 18200 $n = 0 ary.sort_by {|v| v.count } p $n # => 1000
Enumerable#sort_by は安定ではありません (unstable sort)。 ただし、sort_by を以下のように使うと安定なソートを実装できます。
i = 0 ary.sort_by {|v| [v, i += 1] }
※ 比較結果が同じ要素は元の順序通りに並ぶソートを 「安定なソート (stable sort)」と言います。
ブロックを省略した場合は、各要素をブロックで評価した値でソートした 配列を返すような Enumerator を返します。
[SEE_ALSO] Enumerable#sort
state -> String
-
現在の状態をアルファベット 6 文字の文字列で返します。
sync_close -> bool
-
SSLSocket を close するときにラップしているソケットも close するかどうかを 返します。
true でソケットも close します。
sync_close=(bool)
-
SSLSocket を close するときにラップしているソケットも close するかどうかを 設定します。
true でソケットも close するようになります。
- [PARAM] bool:
- 設定する真偽値
sysclose -> nil
-
接続を閉じます。相手に'close notify'を送ります。
このメソッドは openssl ライブラリ内で管理しているバッファを フラッシュせずに接続を閉じます。そのため、通常は これではなく OpenSSL::Buffering#close を呼ぶべきです。
OpenSSL::SSL::SSLSocket#sync_close が真である場合は このメソッドを呼びだした時点で自身が保持しているソケット を同時に閉じます。
sysread(length, buf=nil) -> String
-
データをバッファを経由せずに暗号化通信路から読み込み、 読み込んだデータを文字列で返します。
基本的にはこのメソッドは使わず、OpenSSL::Buffering の メソッドを使ってデータを読み込むべきです。
length で読み込むバイト数を指定します。
bufに文字列を指定するとその文字列のメモリ領域にデータを直接書き込み、 その String オブジェクトを返します。
IO#sysread と同様です。
- [PARAM] length:
- 読み込むバイト数を指定します
- [PARAM] buf:
- データを書き込むバッファ
- [EXCEPTION] EOFError:
- 入力が終端に逹した場合に発生します
- [EXCEPTION] OpenSSL::SSL::SSLError:
- 読み込みに失敗した場合に発生します
syswrite(string) -> Integer
-
データをバッファを経由せずに暗号化通信路に書き込みます。
書き込んだバイト数を整数で返します。
基本的にはこのメソッドは使わず、OpenSSL::Buffering の メソッドを使ってデータを書き込むべきです。
IO#syswrite と同様です。
- [PARAM] string:
- 書き込むデータ文字列
- [EXCEPTION] OpenSSL::SSL::SSLError:
- 書き込みに失敗した場合に発生します
take(n) -> Array
-
Enumerable オブジェクトの先頭から n 要素を配列として返します。
- [PARAM] n:
- 要素数を指定します。
a = [1, 2, 3, 4, 5, 0] a.take(3) # => [1, 2, 3]
take_while -> Enumerator
take_while {|element| ... } -> Array
-
Enumerable オブジェクトの要素を順に偽になるまでブロックで評価します。 最初に偽になった要素の手前の要素までを配列として返します。
a = [1, 2, 3, 4, 5, 0] a.take_while {|i| i < 3 } # => [1, 2]
ブロックを省略した場合は、Enumerator オブジェクトを 返します。
verify_result -> Integer
-
検証結果のエラーコードを整数値で返します。
エラーコードの整数値は OpenSSL::X509 に定数が定義されています。 詳しくは OpenSSL::X509/検証時エラー定数 を見てください。 検証に成功した場合は OpenSSL::X509::V_OK を返します。
zip(*lists) -> [[object]]
zip(*lists) {|v1, v2, ...| ...} -> nil
-
self と引数に渡した配列の各要素からなる配列の配列を生成して返します。 生成される配列の要素数は self の要素数と同じです。
ブロック付きで呼び出した場合は、 self と引数に渡した配列の各要素を順番にブロックに渡します。
- [PARAM] lists:
- 配列を指定します。配列でない場合は to_ary メソッドにより配列に変換します。 to_ary メソッドが無い場合は each を試します。
例:
p (1..3).zip([4,5,6], [7,8,9]) # => [[1, 4, 7], [2, 5, 8], [3, 6, 9]] p (1..2).zip([:a,:b,:c], [:A,:B,:C,:D]) # => [[1, :a, :A], [2, :b, :B]] p (1..5).zip([:a,:b,:c], [:A,:B,:C,:D]) # => [[1, :a, :A], [2, :b, :B], # [3, :c, :C], [4, nil, :D], [5, nil, nil]]
例:
p [1,2,3].zip([4,5,6], [7,8,9]) {|ary| p ary } # => [1, 4, 7] # [2, 5, 8] # [3, 6, 9] # nil